マチューガが予選新記録
クルーズが5ゲーム1,414ピンの歴史的快投

ラスベガスで歴史が動いた予選最終日

2026年USBCシニアマスターズは、予選最終日となった木曜日、ラスベガスのサムズタウン・ボウリングセンターで大会史に残る一日を迎えた。

PBA50ツアーのメジャー大会として開催されるUSBCシニアマスターズは、50歳以上の実力者たちが集う大舞台である。その予選最終ラウンドで、複数のスコア記録が一気に塗り替えられた

最大のインパクトを残したのは、フロリダ州セブリングのアンソニー・クルーズだ。第3ラウンドの5ゲームで279、278、300、279、278を並べ、合計1,414ピンを記録。平均282.8という驚異的な内容で、シニアマスターズの5ゲームシリーズ新記録を樹立した。

一方、ペンシルベニア州エリーのマイケル・マチューガは、15ゲーム合計3,742ピンをマークし、予選総合の新記録を更新。クルーズの歴史的快投を上回る形で、予選トップ通過を果たした。

記録更新、パーフェクトゲームの連発、前回王者の巻き返し。2026年大会の予選最終日は、まさにシニアボウリングの奥深さと迫力を示す一日となった。

 

記録を塗り替えた選手たちの戦い

アンソニー・クルーズ、5ゲーム1,414ピンの衝撃

この日、最も大きなどよめきを生んだのはアンソニー・クルーズの投球だった。

クルーズは第3ラウンドで、279、278、300、279、278という圧巻のスコアを記録した。5ゲーム合計は1,414ピン。これは1997年にドン・ハーグレーブスが記録した1,347ピン67ピンも上回る、USBCシニアマスターズの新記録である。

内容も桁外れだった。クルーズはこの日、60投中56投でストライクを奪い、オープンフレームは一度もなかった。第5ゲームで唯一ストライクを逃した場面でも、6-8スプリットをカバー。大記録にありがちな勢いだけではなく、ミスを最小限に抑える冷静さも光った。

さらに、この1,414ピンUSBC史上の5ゲームシリーズでも4番目に高い記録に並ぶものだった。シニアマスターズという枠を超えて、USBC全体の歴史に残るパフォーマンスだったと言える。

クルーズはこの快投により、15ゲーム合計3,729ピンまでスコアを伸ばし、予選全体の2位でマッチプレーへ進出した。通常であれば、この数字も予選総合記録となっていた可能性が高い。しかし同じ日に、マチューガがさらに上回る成績を残していた。

 

マイケル・マチューガ、15ゲーム3,742ピンで予選トップ

予選総合トップに立ったのは、マイケル・マチューガだった。

マチューガは初日に1,252ピン、2日目に1,234ピン、最終日に1,256ピンを記録。3日間15ゲームの合計は3,742ピン、平均249.5に達した。この数字は、2026年大会の予選を象徴する新たな記録となった。

最終日のスコアは226、266、248、269、247。クルーズのような爆発的な5ゲームではないものの、全体を通して大崩れしない安定感が際立った。15ゲームという長丁場で平均250に迫る水準を維持したことは、技術力だけでなく、レーン変化への対応力集中力の高さを示している。

マチューガは、シニアマスターズで採用されている3ゲーム合計ピンによるマッチプレー形式を好んでいる。直接対決の緊張感に加え、1ゲームの勝敗だけでなく3ゲーム全体で勝負できる点に魅力を感じているようだ。

予選トップの座についても、本人は強い意欲を隠さなかった。当初は最終日に試したいこともあったというが、競技が始まると首位を守りたい気持ちが勝ったという。最終ゲームでは平均250到達にわずかに届かなかったものの、予選新記録という結果には大きな手応えを得ている。

 

トップ5にも実力者がずらり

3位には、テキサス州プラノのクリス・ウォーレンが入った。ウォーレンは2日目にパーフェクトゲームを達成し、最終日の第3ラウンドでも最初の3ゲームで279、248、279の計806ピンを記録。15ゲーム合計3,679ピンで上位通過を果たした。

4位は、ペンシルベニア州ミルトンのアンディ・ノイアー。初日の首位に立った選手であり、前週に同じサムズタウンで行われたスーパーシニアクラシックでも準優勝している。今大会でも3,672ピンを記録し、安定した強さを見せた。

5位には、カリフォルニア州フォンタナのドン・スミスが入った。15ゲーム合計は3,657ピン。トップ5の選手はいずれも高いアベレージを維持しており、今年の予選がいかにハイレベルだったかを物語っている。

また、モンタナ州ビリングスのジョシュ・ヘイル3,633ピンで7位通過。最終日のC squad第4ゲームで12連続ストライクを決め、300点を達成した。

 

パーフェクトゲームが相次いだ熱狂の最終日

予選最終日は、クルーズの大記録だけでなく、複数のパーフェクトゲームが生まれたことでも注目を集めた。

ジョシュ・ヘイルがC squadの最終予選ブロックで300点を記録すると、近くのレーンではミシガン州エセックスビルのブルース・ファルコンも同じゲームでパーフェクトを達成した。

さらに、ヒューストンのロバート・スミス、サウスカロライナ州グリーンビルのケン・ギブソン、アリゾナ州フェニックスのニコラス・パレデスも、それぞれ最終ブロックで12連続ストライクを決めた。

大会後半にこれほど多くの300ゲームが出た背景には、選手たちがレーンコンディションを読み切り、最後の勝負どころで高い精度を発揮したことがある。予選最終日というプレッシャーの中で結果を出した点も、この日の価値をさらに高めている。

 

前回王者トム・ドーティ、出遅れから20位通過

ディフェンディングチャンピオンのトム・ドーティも、しっかりと存在感を示した。

フロリダ州リバービューの51歳右腕は、初日に1,117ピンで91位と出遅れた。しかし2日目に1,231ピンを記録して大きく巻き返し、最終日には1,123ピンを加算。15ゲーム合計3,471ピン20位に入り、マッチプレー進出を決めた。

前回王者には、本来マッチプレーへの保証枠が与えられている。しかしドーティは自力でトップ64入りを果たしたため、その特典を使う必要はなかった。初日の苦しい位置から立て直した内容は、王者らしい粘りを感じさせるものだった。

タイトル防衛へ向けて、ドーティは決して理想的なスタートではなかった。それでも、長丁場の予選で崩れ切らずに踏みとどまり、勝負の舞台へ進んだことは大きい。マッチプレーでは、経験と対応力がさらに重要になる。

 

最後の切符はケビン・ジェンキンスへ

今大会のマッチプレー進出ラインは64位だった。その最後の枠をつかんだのは、アリゾナ州アンセムのケビン・ジェンキンスである。

ジェンキンスは15ゲーム合計3,357ピン、平均223.8で64位に入り、マッチプレーへの最終切符を手にした。これにより、金曜日に始まるブラケットでは、第64シードのジェンキンスが第1シードのマチューガと対戦することになった。

数字だけを見れば、予選トップと64位の対戦には大きな差がある。しかし、マッチプレーは予選とは別の勝負である。3ゲーム合計ピンの直接対決では、序盤の流れ、レーン変化への対応、終盤の一投が結果を大きく左右する。ジェンキンスにとっては厳しい組み合わせだが、失うものの少ない立場で思い切った投球ができる可能性もある。

 

金曜日から真の勝負が始まる

予選を終えた大会は、金曜日からマッチプレーへ移る。サムズタウンでは、勝者側ブラケット2ラウンド、敗者側ブラケット2ラウンドの計4ラウンドが実施される。

土曜日には正午東部時間から競技が再開され、3ゲーム合計ピンによるブラケットマッチが継続される。そしてフィールドが上位5名まで絞られた後、日曜日午後1時東部時間からステップラダー決勝が行われる予定だ。決勝はBowlTVでライブ配信される。

大会は真のダブルエリミネーション形式で争われるため、ステップラダー決勝でもトップシードの選手を倒すには2度勝利する必要がある。これは上位シードにとって大きなアドバンテージである一方、挑戦者にとっては最後まで高い集中力を求められる厳しい形式でもある。

優勝者には、PBA50スケジュールにおけるメジャータイトルと、賞金2万ドルが与えられる。予選で記録が続出した今年の大会は、決勝ラウンドでも高い注目を集めることになりそうだ。

 

記録の余韻を残し、舞台は直接対決へ

2026年USBCシニアマスターズの予選最終日は、近年でも屈指の記録的な一日となった。

アンソニー・クルーズは5ゲーム1,414ピンという圧倒的なスコアで、シニアマスターズの5ゲームシリーズ記録を大幅に更新した。60投中56ストライク、オープンフレームなしという内容は、単なる好調を超えた歴史的パフォーマンスだった。

一方のマイケル・マチューガは、15ゲーム合計3,742ピン予選総合記録を更新。3日間を通して高い安定感を保ち、堂々のトップシードを獲得した。

さらに、クリス・ウォーレン、アンディ・ノイアー、ドン・スミスら上位陣もハイレベルなスコアを残し、ジョシュ・ヘイルをはじめとする複数の選手がパーフェクトゲームを達成した。前回王者トム・ドハティも出遅れから立て直し、20位でマッチプレーに進出している。

ここから先は、予選順位だけでは勝ち残れない。3ゲーム合計ピンによる直接対決では、一投ごとの判断と修正力がより鮮明に結果へ表れる。マチューガがトップシードの優位を生かして頂点へ駆け上がるのか。クルーズが記録的な勢いをそのまま持ち込むのか。それとも、経験豊富な実力者がブラケットを勝ち上がるのか。

ラスベガスで生まれた記録の余韻を残したまま、2026年USBCシニアマスターズはいよいよ本当の勝負へ突入する。予選最終日に見せた熱気を考えれば、週末の決戦でも新たなドラマが生まれる可能性は十分にある。

USBC

 👉  Qualifying Round 3

 👉  USBC Senior Masters