ブラッド・アンジェロが首位発進
PBA50プレイヤーズ選手権で新戦術のロフト投球が奏功
未経験に近い投球スタイルで大会をリード
2026年の「Bud Moore PBA50 Players Championship」が開幕し、ブラッド・アンジェロが予選初日の首位に立った。
アンジェロは最初の6ゲームで257、239、246、266、243、236を記録。合計1,487ピン、アベレージ247.83という安定感のある投球を見せ、プラス287で全体トップに立った。
好スタートの要因となったのは、アンジェロがこれまで競技ではほとんど試したことがなかったロフト投球である。ボールを通常よりも先の地点へ着地させることで、レーン手前のオイルの影響を抑える戦術だ。
慣れない投球方法を本番で採用することには大きなリスクが伴う。それでもアンジェロは、練習中の観察と試投を通じてレーン攻略の手応えをつかみ、新戦術を選択した。その決断が、予選初日の首位という結果につながった。
観察力と柔軟な判断が生んだ1,487ピン
練習では投げ続けず、レーンの変化を見極める
アンジェロは大会前の練習セッションで、最初の15分から20分ほど投球した後、約30分から45分にわたって投球を止め、レーンの状態を観察したという。
その後、練習の最後の45分間でロフト投球を試したところ、実戦でも再現できるという感触を得た。
アンジェロは、これまで競技中にロフトを本格的に使った経験はほとんどなく、自身でも得意な技術ではないと考えていた。それでも、この日のレーンコンディションでは有効だと判断。予選開始直後からロフト投球を採用すると、序盤からストライクを重ねた。
第1ゲームで257を記録し、その後も239、246、266と高得点を維持。終盤の2ゲームでも243、236と大きく崩れず、6ゲームすべてで230以上をマークした。
未知に近い戦術を採用しながら、最後までスコアをまとめた対応力は際立っている。
完璧ではなかった投球を結果につなげる
首位に立った一方で、アンジェロ自身は投球内容を完璧だったとは捉えていない。
いくつかの投球では、ボールが親指からスムーズに抜けず、リリースが遅れる場面があった。それでもピンアクションに助けられ、ストライクとなったショットもあったという。
また、狙いより右側へ外れた投球もあった。しかし、ロフトによってボールの軸回転が増し、多少のミスを補う効果が得られたと振り返った。
アンジェロのロフトは、ミカ・コイブニエミのようにボールを大きく先まで運ぶダイナミックなスタイルとは異なる。今回採用したのは、自身のフォームや球質に合わせた比較的控えめなロフトだった。
有名選手の投球をそのまま模倣するのではなく、自分が安定して実行できる範囲に戦術を調整した点も、好結果を生んだ要因の一つといえる。
アンジェロは、この日の投球内容を10点満点中7点と自己評価した。
1,487ピンを記録して首位に立ちながらも、技術面には改善の余地があると冷静に分析している。結果だけに満足せず、内容を厳しく振り返る姿勢からは、経験豊富なベテランらしい冷静さが感じられる。
予選序盤の大量リードが精神的な余裕に
アンジェロは、首位に立てたことを幸運だと表現しつつ、今回の6ゲームが自身にとって最高の内容だったわけではないと語った。
それでも、長丁場のトーナメントにおいて、早い段階で高得点を積み上げた意味は大きい。
予選序盤に十分な貯金をつくれば、予選通過ラインを過度に意識する必要がなくなる。精神的な余裕が生まれることで、レーンの変化やボールの動きを冷静に見極めながら投球できるからだ。
アンジェロは、初日に果たすべき仕事はできたとしながらも、残りの予選で引き続き質の高いボウリングを続け、まずはマッチプレー進出を確実にする必要があると強調した。
さらに、ラウンドロビン方式のマッチプレーに入ってからが本当の勝負になるとの見方を示している。
首位発進は大きなアドバンテージだが、アンジェロの視線はすでに、その先の戦いへ向いている。
ジョン・マーサラが2位、実績豊富な選手が上位に集結
首位のアンジェロを追うのは、左投げのジョン・マーサラである。
マーサラはBシフトのトップとなる1,451ピン、プラス251を記録し、全体2位につけた。2021年には「PBA50 Bud Moore Classic」で優勝しており、相性の良い舞台で再び好スタートを切っている。
3位は1,437ピンのリッキー・シスラー。4位には1,435ピンのクリス・バーンズ、5位には1,422ピンのミカ・コイブニエミが続いた。
バーンズやコイブニエミをはじめ、豊富な実績を持つ選手が上位に名を連ねている。予選が進むにつれてレーンコンディションが変化すれば、順位争いがさらに激しくなる可能性は高い。
予選6ゲーム終了時点の上位10選手は以下の通り。
1st Brad Angelo 1,487 pins(+287)
2nd John Marsala 1,451 pins(+251)
3rd Ricky Schissler 1,437 pins(+237)
4th Chris Barnes 1,435 pins(+235)
5th Mika Koivuniemi 1,422 pins(+222)
6th Brian LeClair 1,420 pins(+220)
7th Jason Couch 1,414 pins(+214)
8th Michael Hartter 1,405 pins(+205)
9th Ken Foy 1,394 pins(+194)
10th Jon Rakoski 1,389 pins(+189)
予選通過ラインとなる24位には、1,332ピン、プラス132のマイケル・ザーニックがつけている。
首位のアンジェロと24位との差は155ピン。予選序盤としては大きな差だが、残り12ゲームを考えれば安全圏とは言い切れない。上位争いだけでなく、24位前後のマッチプレー進出争いにも注目が集まる。
残り12ゲームの予選後、上位24人がマッチプレーへ
大会はまだ序盤にすぎない。
選手たちは日曜日と月曜日に、それぞれ6ゲームを投球する。残りは合計12ゲームで、予選全18ゲームの総得点によって順位が決まる。
予選終了後、上位24人が火曜日から始まるラウンドロビン方式のマッチプレーに進出する。
この大会では、予選で獲得したすべてのピンが次のラウンドへ持ち越される。そのため、単に24位以内へ入るだけでは十分ではない。優勝争いを有利に進めるには、予選中から可能な限り多くのピンを積み上げておく必要がある。
アンジェロにとって、1,487ピンという首位発進は大きな財産だ。ただし、レーンコンディションはゲームが進むにつれて変化する。初日に有効だったロフト投球が引き続き通用するのか、それともラインやボールの変更を迫られるのかが、今後の重要なポイントとなる。
大会2日目は、米国東部時間の午前9時からBシフトがスタート。その後、午後12時30分からCシフト、午後4時からAシフトが行われる予定で、予選の模様はBowlTVで配信される。
首位発進を支えたのは、技術よりも対応力
ブラッド・アンジェロは、自身が競技ではほとんど使ってこなかったロフト投球を採用し、PBA50プレイヤーズ選手権の予選初日で首位に立った。
今回の好成績を支えたのは、単なる技術力だけではない。
練習中に時間をかけてレーンを観察したこと。自身の経験に固執せず、必要だと判断した戦術を取り入れたこと。そして、完璧ではない投球でも大崩れせず、高いスコアを維持したこと。
この3つが、1,487ピンという結果につながった。
一方で、アンジェロ自身は投球内容を10点満点中7点と評価している。首位という結果に満足せず、改善点を認識していることは、残りの予選を戦ううえでプラスに働くだろう。
大会は残り12ゲームの予選に加え、上位24人によるマッチプレーが控えている。序盤のリードは大きいものの、変化し続けるレーンに対応できなければ、優位を守ることはできない。
マーサラ、シスラー、バーンズ、コイブニエミら追走勢との差も、逆転不可能なほど大きいわけではない。
新たな武器を手にしたアンジェロが首位を守り、マッチプレーでも主導権を握るのか。
それとも、実績豊富な選手たちが巻き返すのか。
Bud Moore PBA50 Players Championshipは、予選2日目以降、さらに緊張感のある展開を迎える。
