2026年PBA年間最優秀選手賞・新人王候補発表
EJタケットは史上初の4年連続受賞なるか
2026年PBAツアーを象徴する選手たちが年間表彰候補に
PBAは、2026年シーズンの「Chris Schenkel PBA Player of the Year(クリス・シェンケルPBA年間最優秀選手賞)」と「Harry Golden PBA Rookie of the Year(ハリー・ゴールデンPBA新人王)」の候補者を発表した。
年間最優秀選手賞には、ブランドン・ボンタ、パトリック・ドンブロウスキー、グラハム・ファッハ、アレックス・ホートン、マーシャル・ケント、ブーグ・クロル、スペンサー・ロバージ、アンソニー・サイモンセン、EJタケット、ザック・ウィルキンスの10選手が名を連ねている。
年間最優秀選手賞の投票対象となるには、原則としてPBAツアータイトルを少なくとも1勝し、年間獲得賞金トップ10以内に入ることが条件となる。また、シーズン中に複数タイトルを獲得した選手は、自動的に投票対象へ加えられる。
一方、新人王候補にはブランドン・ボンタ、アレックス・ホートン、スペンサー・ロバージ、オースティン・グラマーが選出された。新人王の投票対象となるには、最低3大会に出場し、新人選手の中でポイントと獲得賞金の双方でトップ5以内に入る必要がある。
2026年シーズンは、絶対的な安定感を見せた王者、キャリア初優勝をメジャーで成し遂げたベテラン、そしてPBAの勢力図を塗り替えようとする若手が入り乱れる一年となった。
中でも最大の焦点は、EJタケットがPBA史上初となる4年連続の年間最優秀選手賞を獲得できるかという点にある。
圧倒的な数字を残したEJタケット 2026年の年間最優秀選手は誰になるのか
EJタケット、タイトル数以外のほぼすべてでツアー首位
2026年の年間最優秀選手賞争いを語るうえで、最初に名前を挙げなければならないのがEJタケットだ。
タケットは2026年シーズン、32,335ポイント、獲得賞金324,075ドル、アベレージ229.79を記録した。
さらにトップ5入り10回、トップ10入り13回、トップ25入り17回、賞金獲得17回という圧倒的な安定感を見せている。
タイトル数は1勝だったが、その1勝はシーズン最後のメジャー、AMF PBA World Championshipだった。
PBA Players Championshipでは準優勝。USBC Mastersでも決勝まで進み準優勝。そして最後のメジャーではトップシードを獲得し、そのまま頂点に立った。
さらにタケットは、ポイント、獲得賞金、アベレージ、トップ5入り、トップ10入り、トップ25入り、賞金獲得回数でツアー首位。
タイトル数を除けば、シーズンを通じてほぼすべての主要指標でPBAツアーの頂点に立ったことになる。
特に注目すべきなのがアベレージだ。
過去2シーズンも記録更新に迫っていたタケットは、2026年についにPBAツアーのシングルシーズンアベレージ記録を更新した。
年間を通して「最も高いレベルで投げ続けた選手」という観点では、極めて強い数字が並んでいる。
タケットは2023年、2024年、2025年と3年連続で年間最優秀選手賞を受賞しており、2026年も選出されればPBA史上初の4年連続受賞となる。
タイトル数だけでは測れない圧倒的な総合力。
2026年の年間最優秀選手賞争いは、まずタケットを中心に考えることになるだろう。
ザック・ウィルキンスが有力な対抗馬に浮上
タケットに対抗する存在として、2026年に大きく飛躍したのがザック・ウィルキンスだ。
ウィルキンスは18,143ポイント、獲得賞金196,525ドル、アベレージ224.53を記録。
Owen’s Craft Mixers PBA Roth/Holman Doubles ChampionshipとPBA Scorpion Championshipを制し、シーズン2勝を挙げた。
興味深いのは、シーズン開幕前の発言だ。
カナダで開催されたボウリング大会のライブ配信で、当時PBAツアー未勝利だったウィルキンスは、複数タイトルを獲得し、年間最優秀選手賞争いに加わると宣言していた。
それは単なる強気な発言では終わらなかった。
AJチャップマンとのダブルスでPBAツアー初優勝を飾ると、ワールドシリーズ・オブ・ボウリングではPBA Scorpion Championshipを制し、自身初のシングルスタイトルを獲得した。
さらにAMF PBA World Championshipでは7番手からステップラダーへ進出。
そこから6試合連続で勝利し、タケットとのタイトルマッチまで勝ち上がった。
最終的に優勝には届かなかったものの、年間ポイント、獲得賞金、トップ10入り回数でいずれもツアー2位。
2タイトルに加え、メジャーで2度の準優勝という実績を残しており、シーズン開幕前の言葉を自らの結果で証明した。
2026年に最も評価を高めた選手の一人であることは間違いない。
ブランドン・ボンタ、新人離れした衝撃のメジャー制覇
新人王争いでは、ブランドン・ボンタが鮮烈なインパクトを残した。
PBA Players Championshipでチャンピオンシップラウンドへ進出すると、ステップラダーを勝ち上がり、タイトルマッチでトップシードのEJタケットと対戦。
そこでボンタは、PBAの歴史に残る投球を見せた。
12投すべてをストライクとする300ゲームを達成し、メジャータイトルを獲得したのである。
このパーフェクトゲームは、PBAテレビ中継史上36回目だった。
しかも、それだけでは終わらなかった。
約4週間後には、大学時代のチームメートで2025年新人王のライアン・バーンズが前年に樹立した新人シーズン獲得賞金記録を更新。
最終的に18,023ポイント、163,800ドル、アベレージ223.56を記録した。
ポイントと獲得賞金はいずれもツアー3位。アベレージでもツアー7位に入り、これらはすべて新人選手の中で最高成績だった。
さらに4つのメジャーすべてでトップ10入りを果たしている。
新人選手が一大会だけで爆発したのではなく、シーズンを通じてツアー最上位クラスの成績を残した点がボンタの大きな強みだ。
新人王だけでなく、年間最優秀選手賞候補にも選ばれたことが、そのシーズンの価値を物語っている。
アレックス・ホートン、22歳でメジャー含む2勝
アレックス・ホートンもまた、2026年のPBAを象徴する新人の一人だ。
22歳のホートンはPBA Tournament of Championsで大会前予選から勝ち上がり、そのまま優勝。
さらにワールドシリーズ・オブ・ボウリングでは、PBA Shark Championshipで4試合連続勝利を挙げ、シーズン2勝目を手にした。
成績は11,020ポイント、137,300ドル、アベレージ221.29。
しかもホートンは、シーズン4番目のタイトルイベントまで出場していなかった。
それにもかかわらず、最終的にはポイントで新人3位、獲得賞金では新人2位。ツアー全体でも獲得賞金7位に入った。
出場機会が限られていた中で、メジャーを含む2タイトルを獲得した勝負強さは非常に高く評価できる。
新人王争いにおいて、ボンタの年間を通じた安定感に対し、ホートンは「優勝回数」という強力な武器を持っている。
スペンサー・ロバージも2勝 PBA新世代を象徴する存在に
スペンサー・ロバージも、新人ながら2タイトルを獲得した。
Pilgrim’s PBA Ohio Classicでは、2025年新人王であり大学時代のチームメートでもあったライアン・バーンズを破り、PBAツアー初優勝。
これにより、元PBA Juniorナショナルチャンピオンとして初めてPBAツアータイトルを獲得した選手となった。
さらに夏にはアナリーズ・オブライアントと組み、Storm PBA/PWBA Striking Against Breast Cancer Mixed Doublesを制覇。
シーズン2勝目を挙げた。
ロバージの年間成績は12,720ポイント、84,050ドル、アベレージ220.15。
ポイントでは新人2位、獲得賞金では新人3位に入った。
ボンタ、ホートン、ロバージという複数の新人選手が年間最優秀選手賞候補にも名前を連ねたことは、2026年シーズンの大きな特徴だ。
単なる「将来有望な若手」ではなく、すでにPBAツアーのタイトルを争う中心選手として結果を残している。
2026年は、PBAの世代交代を強く印象づける一年になったと言える。
47歳パトリック・ドンブロウスキー、初優勝がU.S. Open
若手が躍動した一方で、ベテラン勢も強烈な存在感を示した。
パトリック・ドンブロウスキーは47歳のシーズンでキャリア最高の一年を送った。
Go Bowling U.S. Openではタイトルマッチでアンソニー・サイモンセンを破り、キャリア初のPBAツアータイトルをメジャー大会で獲得。
年間成績は17,220ポイント、151,250ドル、アベレージ221.01。
ポイント5位、獲得賞金4位に入った。
キャリア初勝利そのものが大きな出来事だが、その舞台がU.S. Openだったことが、このシーズンをさらに特別なものにしている。
ブーグ・クロルはUSBC Mastersで初メジャー
ブーグ・クロルもメジャーで大きな結果を残した。
PBA Indiana Classicでトップシードを獲得して準優勝すると、その翌週のUSBC MastersでEJタケットを破り優勝。
自身3度目のPBAツアータイトルにして、初のメジャータイトルを獲得した。
年間では15,588ポイント、145,100ドルを記録し、ポイント7位、獲得賞金5位。
いずれも自身のキャリア最高順位となった。
アンソニー・サイモンセン、29歳ですでに17勝
アンソニー・サイモンセンも、年間最優秀選手賞候補の常連として存在感を見せた。
U.S. Openでは決勝でドンブロウスキーに敗れたものの、その後のGroupon PBA Illinois Classicで圧巻のパフォーマンスを披露。
タイトルマッチで11連続ストライクを記録し、優勝を決めた。
これが29歳にしてPBAツアー通算17勝目。
年間では17,983ポイント、141,125ドルを獲得し、ポイント4位、賞金6位だった。
年間最優秀選手賞候補入りは、キャリア12シーズンのうち実に10度目となる。
若くして長期間トップクラスを維持し続けるサイモンセンの安定感も、改めて際立つ結果となった。
グラハム・ファッハは2年連続候補入り
グラハム・ファッハは、PBA Pete Weber Classicで自身3度目のPBAツアータイトルを獲得した。
シーズン開幕戦のPBA Players Championshipでは3位に入り、その翌週に優勝。
年間では14,835ポイント、114,250ドル、アベレージ223.02を記録した。
ポイントでは8位となり、左投げ選手の中では最高順位だった。
ファッハは2年連続で年間最優秀選手賞候補入り。
2年連続で候補となった選手は、ファッハとタケットのみだった。
マーシャル・ケントは2タイトルを獲得
マーシャル・ケントはシーズン中に大きな浮き沈みがありながらも、そのピークでは圧倒的な勝負強さを見せた。
PBA Indiana ClassicとThe Magnum Ice Cream Company PBA Norm Duke Openを制し、2026年に複数タイトルを獲得した3選手の一人となった。
両大会では難しい状況を乗り越えるクラッチショットと高いスペア能力を発揮。
年間最優秀選手賞候補入りは自身5度目となった。
年間成績は13,366ポイント、91,875ドル、アベレージ217.35。
ポイント、獲得賞金はいずれも11位だった。
新人王争いも異例のハイレベル
2026年の新人王争いは、単純に「誰が最も安定していたか」だけでは決めにくい。
ブランドン・ボンタはメジャー優勝、テレビ決勝での300ゲーム、新人獲得賞金記録更新という歴史的な一年を送った。
一方、アレックス・ホートンとスペンサー・ロバージは、ともに新人ながら2タイトルを獲得している。
さらにオースティン・グラマーもSurfside PBA New York ClassicでPBAツアー初優勝を達成した。
グラマーはタイトルマッチで299ゲームを記録するなど、初優勝の舞台でも強烈なインパクトを残した。
年間では7,850ポイント、44,100ドル、アベレージ220.66。
新人選手の中ではポイント、獲得賞金ともに4位だった。
メジャーで歴史的勝利を挙げたボンタか。メジャーを含む2勝のホートンか。2タイトルのロバージか。それとも初優勝をつかんだグラマーか。
新人王争いだけを取り上げても、2026年のPBA新人世代がいかに充実していたかが分かる。
タケットの圧倒的な総合力か、複数タイトルを獲得した挑戦者か
2026年のPBA年間最優秀選手賞争いは、非常に興味深い評価軸を持つことになった。
EJタケットはタイトルこそ1勝だったものの、ポイント、賞金、アベレージをはじめ、タイトル数以外のほぼすべての主要部門でツアー首位に立った。
しかも、その唯一のタイトルはメジャーのAMF PBA World Championship。
シーズンを通した総合力と安定感では、他を大きく上回る数字を残している。
一方で、ザック・ウィルキンス、マーシャル・ケント、アレックス・ホートン、スペンサー・ロバージはシーズン2勝を挙げた。
特にウィルキンスはポイント、獲得賞金ともにタケットに次ぐ2位であり、2タイトルとメジャー2度の準優勝という強力な実績を持つ。
年間を通じた圧倒的な安定感を評価するのか。
それとも、複数回の優勝という明確な結果を重視するのか。
2026年の年間最優秀選手賞は、「年間最高の選手」を何によって評価するのかという点でも注目される投票となる。
新人王争いも同様だ。
ブランドン・ボンタはメジャー優勝、300ゲーム、新人獲得賞金記録更新という歴史的シーズン。
アレックス・ホートンとスペンサー・ロバージは、ともに2勝を達成した。
オースティン・グラマーもPBAツアー初優勝を手にしている。
一人の新人が突出したというより、複数の若手が同時にPBAツアーの主役へ躍り出たことこそ、2026年シーズン最大の特徴の一つと言えるだろう。
PBA会員による年間最優秀選手賞と新人王の投票は、米国東部時間9月8日正午まで行われる。
2026年の各年間表彰については、その後発表される予定となっている。
3年連続年間最優秀選手のEJタケットが、史上初となる4年連続受賞を完成させるのか。
それとも2026年に飛躍を遂げた新たな挑戦者が、その連続受賞を止めるのか。
そして、新人離れした実績を残した4人の中から、誰がハリー・ゴールデンPBA新人王に選ばれるのか。
2026年PBAツアーを締めくくる年間表彰の行方から、最後まで目が離せない。