12ゲーム2,977ピンの衝撃 
ボーンがUSBCスーパーシニアクラシックで記録更新

名手ボーンが見せた、衰え知らずの支配力

2026年のUSBCスーパーシニアクラシックで、ボウリング界のレジェンド、パーカー・ボーン3世が圧巻のパフォーマンスを披露した。ニュージャージー州ジャクソン出身の62歳、左腕ボウラーとして知られるボーンは、サムズタウン・ボウリングセンターで行われた予選2ラウンド終了時点で12ゲーム合計2,977ピンを記録。平均スコアは248.1に達し、大会の12ゲーム記録を塗り替えた

この記録は、前年にフィンランドのティモ・ラーティカイネンが樹立した記録を50ピン上回るものだった。しかもボーンは、第1ラウンド終了時点でも首位に立っており、第2ラウンドでも勢いを失うことなくリードを拡大。単なる好調ではなく、レーンコンディションへの対応力ボール選択の判断、そして勝負どころでの集中力がそろった内容だった。

ボーンはすでにUSBCとPBAの殿堂入りを果たしている名選手であり、PBAツアー35勝PBA50ツアー11勝PBA60ツアー1勝という輝かしい実績を持つ。それでもなお、トップレベルの舞台で記録を更新する姿は、シニアボウリングの奥深さと競技者としての進化を強く印象づけた。

 

12ゲーム2,977ピン、平均248.1の衝撃

今回の最大のニュースは、ボーンが12ゲーム合計2,977ピンという大会新記録を打ち立てたことだ。平均248.1という数字は、シニアカテゴリーであることを考えても極めて高水準であり、長時間にわたって安定した投球を続けなければ到達できない領域である。

第2ラウンドでボーンは、212、227、237、279、227、266というスコアを並べた。序盤こそレーンの見え方に納得がいかなかったものの、途中でボールを変更したことで流れを引き寄せた。本人によれば、前日に最も反応が良かったブラックハンマースポーンを軸にスタートしたが、第1ゲームの途中で調整を決断。その判断が結果的にスコアを立て直すきっかけとなった。

特に終盤3ゲームでは、本人の感覚として770から780前後のハイスコアを出していたという。レーンの変化を読み、必要なタイミングで道具を替え、投球ラインを修正する。こうした一つひとつの判断が積み重なり、12ゲーム記録の更新につながった。

ボーンは、スコアが高い展開であっても「良い投球をすること」が最も重要だと語っている。高スコアの大会では、派手なストライクの連続に目が向きがちだが、実際にはレーンに正しくアジャストし、ボールを手からクリーンに離し、ポケットへの入射を安定させることが不可欠だ。ボーンのコメントからは、記録達成の裏にある冷静な技術論が伝わってくる。

 

マーサラが猛追、上位争いは混戦へ

首位のボーンを追うのは、セントルイスのジョン・マーサラだ。マーサラは12ゲーム合計2,916ピンで2位につけ、ボーンとの差は61ピン。2023年大会の優勝者でもあるマーサラは、第2ラウンドでこの日のベストとなる6ゲーム合計1,515ピンを記録し、5位から2位へ順位を上げた。

マーサラの第2ラウンドは非常に特徴的だった。奇数ゲームでは228、218、202とやや抑えめのスコアにとどまった一方、偶数ゲームでは289、279、299をマーク。あと一歩で300点というゲームもあり、爆発力ではボーンに匹敵する内容だった。

この結果、ボーンが独走しているように見えながらも、優勝争いは決して一方的ではない。キャッシャーズラウンド、マッチプレー、ステップラダー決勝と続く今後のフォーマットでは、1ゲームのビッグスコア直接対決の勝敗が順位を大きく動かす可能性がある。マーサラのような経験豊富な選手が背後にいることは、ボーンにとっても大きなプレッシャーになるだろう。

3位には、前年の記録保持者だったティモ・ラーティカイネン2,824ピンで続いている。自らの記録をボーンに更新された形となったが、その影響を感じさせず、上位争いに踏みとどまった。ラーティカイネンは親指を入れない独特の投球スタイルを持つ右腕で、昨年大会では7位タイに入っている。

4位にはカリフォルニア州オークリーのデニス・ホーラン・ジュニア2,803ピンで浮上した。第2ラウンドで平均240.5を記録し、13位から4位へ大きく順位を上げている。5位にはイリノイ州フォーサイスのトム・アドコック2,787ピンで入り、こちらも第1ラウンド終了時点の15位からトップ5へ食い込んだ。

 

大会形式が生む緊張感と逆転の可能性

2026年USBCスーパーシニアクラシックの予選には206人が出場した。木曜と金曜にそれぞれ6ゲームずつ、合計12ゲームの予選が行われ、各選手はフレッシュな42フィートのオイルパターンと、投球が進んだ後のバーン状態の両方に対応する必要があった。

予選終了後、上位52人が土曜のキャッシャーズラウンドへ進出する。ディフェンディングチャンピオンのジェームズ・キャンベル2,672ピンで19位に入り、危なげなく次ラウンド進出を決めた。一方、52位の最後の通過枠にはカート・グイン2,573ピン、平均214.42で滑り込んでいる。

キャッシャーズラウンドではさらに6ゲームが行われ、18ゲームの総ピン数によって上位12人がマッチプレーへ進む。ここからは奇数シードがグループ1、偶数シードがグループ2に分かれ、各グループで6ゲームの直接対決が行われる。勝利ごとに30ピンのボーナスが加算されるため、単純なスコアだけでなく、対戦相手との勝負強さも重要になる。

マッチプレー終了後、各グループの首位選手は日曜のメインステップラダー決勝へ進出する。さらに、各グループの2位から4位の選手にも、グループステップラダーを勝ち上がることでメイン決勝に進むチャンスが与えられる。つまり、予選トップのボーンが有利な立場にいることは間違いないが、今後の1ゲームごとの結果次第で流れが変わる可能性は十分にある。

優勝者には8,000ドル、準優勝者には6,550ドルが贈られる。賞金以上に、シニア世代のトップボウラーとしての名誉、そして大会タイトルの価値がかかった戦いとなる。

 

ボーンが追い続ける「通算100タイトル」という目標

ボーンは、ボウリング界でほぼすべてを成し遂げてきた選手の一人だ。PBAツアー35勝PBA50ツアー11勝PBA60ツアー1勝。さらに殿堂入りも果たしており、そのキャリアはすでに伝説的といえる。

しかし、本人にはまだ明確な目標がある。それが、PBAツアー、PBA50、PBA60、PBAリージョナルを含めた通算100タイトルへの到達だ。ウォルター・レイ・ウィリアムズ・ジュニアの数字に追いつこうとしているわけではないとしながらも、ボーンにとって「100勝」は競技人生で達成したい大きな節目だという。

今回のスーパーシニアクラシックは、その目標に向けた重要な一歩になる可能性がある。62歳でありながら、平均248.1という圧倒的な数字を残し、若い世代にも劣らない集中力対応力を見せている。経験に頼るだけではなく、常にレーンを読み、最善の選択を続ける姿勢こそが、ボーンを今もトップ争いに押し上げている。

 

記録更新の先にある、タイトル獲得への挑戦

パーカー・ボーン3世は、2026年USBCスーパーシニアクラシックで12ゲーム大会新記録を樹立し、予選2ラウンド終了時点で首位を守った。平均248.1という驚異的な数字は、単なる好調ではなく、技術、経験、判断力が高いレベルでかみ合った結果だ。

ただし、優勝争いはまだ終わっていない。2位のジョン・マーサラは爆発力を見せ、ティモ・ラーティカイネンデニス・ホーラン・ジュニアトム・アドコックらも上位に迫っている。ここから先はキャッシャーズラウンド、マッチプレー、ステップラダー決勝と、より勝負強さが問われるステージに入る。

ボーンがこのままリードを守り、自身初となるこの会場でのタイトルを手にするのか。それとも、追い上げる選手たちが逆転劇を演じるのか。記録更新によって大きな注目を集めた今大会は、いよいよ本格的な優勝争いへと突入する。

シニアボウリングの魅力は、単に年齢を重ねた選手たちが競うことではない。経験を武器に、変化するレーンと向き合い、一投ごとに最適解を探し続ける競技の深さにある。ボーンの記録更新は、その魅力を改めて示す象徴的な出来事となった。

USBC

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