
2025年USBCシニア・マスターズ開幕
パーカー・ボーンIIIが初日首位発進
ベテランたちの熱い戦いが開幕
2025年6月3日、米国ネバダ州ラスベガスにあるサムズ・タウン・ボウリングセンターにて、「2025 USBCシニア・マスターズ」が幕を開けました。この大会は、50歳以上の実力派ボウラーたちが一堂に会するPBA50ツアーにおける最重要メジャー大会の一つです。全米から310名の選手が出場し、3日間の予選ラウンドを戦い抜いた後、64名による本戦トーナメントへと進出します。
今年の初日予選を終えて注目を集めたのは、USBCおよびPBAの殿堂入りボウラーであるパーカー・ボーンIII(61歳)。初日から圧巻のパフォーマンスを見せ、首位スタートを切りました。
レジェンド、ボーンの卓越した技と戦略
初日の予選では、全選手が5ゲーム合計のスコアで競いました。パーカー・ボーンIIIは、259、236、267、244、279というハイスコアを記録し、合計1,285ピン(平均257)という驚異的な成績でトップに立ちました。これは、オイルパターン38フィートという難しいレーンコンディションを考慮すれば、まさに“圧倒的な支配力”といえる内容です。
彼自身が試合後に語ったように、「アプローチを後ろに取り、ボールをしっかりと投げる昔のスタイル」を用いたことが、この好成績に直結しました。「10年、20年前と同じような攻め方ができた。ボールの角度やホールド感を出しやすくなった」と述べ、経験と対応力の高さが光るプレーでした。
また、「マスターズでは3回の5ゲーム予選があり、本当の勝負はトーナメントマッチにある」と語りつつ、「一戦一戦、冷静に戦うことが重要」と、今後への意気込みを見せました。
一方で、ジョージア州デモレスト出身のブライアン・デニスは、Cグループの第2ゲームにおいて本大会初のパーフェクトゲーム(300点)を達成し、合計1,257ピンで2位にランクインしました。12投連続ストライクという圧巻の内容は、今後の展開に大きな影響を与えることでしょう。
さらに、ネバダ州ヘンダーソンのロス・クラムランド(1,212ピン)と、イリノイ州フォーサイスのトム・アドコック(1,141ピン)もパーフェクトゲームを記録。初日から複数の300点ゲームが飛び出し、大会のレベルの高さがうかがえます。
初日の上位選手には、以下の実力者たちが名を連ねました:
パトリック・シップリー(インディアナポリス、1,227ピン)
スティーブ・クロンプケン(ユタ州プレザントビュー、1,226ピン)
ジョン・ジャナウィッツ(フロリダ州ウィンターヘイブン、1,220ピン)
ジャナウィッツは2023年大会の優勝者でもあり、今大会でも安定した成績を残しています。
一方、前回王者のジョン・ラコスキー(フロリダ州エステロ)は苦戦を強いられ、初日を1,059ピン・140位タイで終えました。予選では上位63名が本戦に進出しますが、ディフェンディングチャンピオンには特別枠(第64シード)が与えられており、今後の巻き返しが注目されます。
今大会のフォーマットは、予選3ブロック(各5ゲーム)を終えた後、上位63名とラコスキーを加えた64名でダブルエリミネーション方式のトーナメントに進みます。このトーナメントは、3ゲームのトータルスコアで勝敗を決する方式で行われ、最終的に上位5名によるステップラダー方式の決勝戦が、6月8日(日)午後1時(東部時間)にBowlTVでライブ配信されます。
なお、決勝戦ではダブルエリミネーション形式のため、トップシードの選手を倒すには2連勝が必要となります。このルールは、公平な競技を行うために導入されています。
真の勝負はこれから
予選初日を終えて、パーカー・ボーンIIIが堂々の首位に立ったことで、今大会はさらに注目度が高まっています。彼のような経験豊富なレジェンドが現代の若手ボウラーと同等以上に戦えることは、多くのボウリングファンにとって大きな刺激となるでしょう。
しかし、ボーン自身が語るように「予選はあくまで入り口であり、最も困難なのはマッチプレーでの一戦一戦」です。最終日の決勝ステージまでには多くの試練が待ち受けており、誰が頂点に立つのか、最後まで予測ができません。
賞金2万ドルとPBA50メジャータイトルをかけた熱戦の行方に、今後も目が離せません。