フロバーグが劇的復活でロス選手権首位
ウォーレンは世界選手権トップ通過
2026 PBA60ワールドシリーズ・オブ・ボウリングIIが佳境へ
不振から一転、フロバーグが見せた鮮やかな修正力
2026年の「PBA60ワールドシリーズ・オブ・ボウリングII」で、ウィリアム・“ビリー”・フロバーグが鮮烈な復活を遂げた。
大会序盤のウェッブ・チャンピオンシップでは113位に沈み、自身の投球に大きな違和感を抱えていたフロバーグ。しかし、投球映像を分析してスイングを修正すると、続くロス・チャンピオンシップ予選で8ゲーム合計1,929ピンを記録。ピート・ウェバーら強豪を抑え、首位でマッチプレー進出を決めた。
一方、ウェッブ・チャンピオンシップとロス・チャンピオンシップの予選16ゲームを合算して争われるPBA60ワールド・チャンピオンシップでは、クリス・ウォーレンが通算3,606ピンでトップに立った。
個別大会ではフロバーグ、世界選手権ではウォーレンが首位。大会はいよいよ、タイトルの行方を左右するマッチプレーへ突入する。
映像分析とスイング修正が生んだ大逆転
ウェッブ選手権113位からの再出発
ウェッブ・チャンピオンシップを113位で終えたフロバーグは、自身の投球フォームに問題があると感じていた。
USBCシルバーコーチの資格を持つフロバーグは、試合後に自分の投球を撮影し、配信サービス「BowlTV」の映像も確認。フォームを客観的に分析したうえで、近隣のボウリング場へ向かい、修正練習に取り組んだ。
問題はスイングの角度だった。
フロバーグによると、バックスイングからフォワードスイングにかけての軌道が急になりすぎており、ボールをレーンへ送り出す際の角度や方向が安定していなかったという。そこで、より水平に近い、フラットなスイングを意識してフォームを調整した。
「スイングが急角度になりすぎていて、レーンへの投球軌道がばらばらになっていた。だから、もっとフラットなスイングに取り組んだ」
わずかな練習時間で行った修正だったが、その効果はすぐに表れた。
平均241点超え、8ゲーム合計1,929ピン
ロス・チャンピオンシップ予選でフロバーグが記録したスコアは、216、210、209、260、279、245、279、234。
8ゲーム合計は1,929ピン、平均スコアは約241.1に達した。
第1ゲームの途中で使用ボールを変更すると、その後は同じボールで最後まで投げ切った。レーンによって曲がり幅に差はあったものの、一日を通して立ち位置を左へ約5枚分調整した程度で対応できたという。
ボール選択とライン取りがかみ合い、終盤には279を2度記録。260以上を3ゲームそろえる爆発力を見せた。
「本当に良い一日だった。これほど手応えのある投球ができたのは久しぶりだ。これまでは追い込まれているような感覚があったが、今は自信を持って投げられている」
ウェッブ・チャンピオンシップが行われた金曜日と比べると、日曜日のロス・チャンピオンシップでは合計スコアを約500ピンも伸ばした。
短期間での劇的な改善は、技術力だけでなく、自身の課題を見抜き、即座に修正へつなげる分析力の高さを示している。
第7ゲームでピート・ウェバーを逆転
フロバーグと首位を争ったのは、PBAを代表する名選手ピート・ウェバーだった。
ウェバーは238、257、255、226、226、235、224、246を記録し、8ゲーム合計1,907ピン。大崩れすることなく、高水準のスコアを並べた。
特に安定していたのがスペア処理で、この日スペアを逃したのは最終第8ゲームの一度だけだった。
それでも、終盤にスコアを伸ばしたフロバーグが第7ゲームでウェバーを逆転。最終的には22ピン差で首位の座を守った。
3位には1,885ピンのクリス・ウォーレン、4位には1,836ピンのジェームズ・キャンベル、5位には1,814ピンのミッチ・サックスが入った。
マッチプレー進出の最後の枠となる16位は、1,749ピンを記録したジョニー・ペインが獲得した。
ロス・チャンピオンシップ予選通過者
マッチプレーへ進出した上位16選手は以下の通り。
1位 William “Billy” Froberg 1,929
2位 Pete Weber 1,907
3位 Chris Warren 1,885
4位 James Campbell 1,836
5位 Mitch Sacks 1,814
6位 Andy Neuer 1,801
7位 Amleto Monacelli 1,793
8位 Larry Verble 1,791
9位 Ricky Schissler 1,783
10位 Jeff Atkins 1,774
11位 Mike Webb 1,770
12位 Jack Jurek 1,767
13位 Eddie Graham 1,762
14位 Tom Howard 1,754
15位 Carlos Denot 1,753
16位 Johnnie Payne 1,749
上位16人は、3ゲーム先取方式のトーナメント形式によるマッチプレーに進出する。
ラウンド・オブ・8終了時点で無敗の4選手に加え、敗退した選手のうち最もシード順位が高い1人が、5人制のステップラダー決勝へ進む。
短期決戦となるマッチプレーでは、予選の順位だけでなく、レーン変化への対応力や勝負どころでのストライクが重要になる。首位通過のフロバーグが勢いを維持できるかが、大きな注目点だ。
PBA60世界選手権はウォーレンが首位
16ゲーム合計3,606ピンでトップ通過
PBA60ワールド・チャンピオンシップの予選順位は、ウェッブ・チャンピオンシップとロス・チャンピオンシップで投じた合計16ゲームのスコアによって決定された。
トップに立ったのはクリス・ウォーレン。通算3,606ピンを記録し、2位に45ピン差をつけた。
2位には、前回王者であり、今回のウェッブ・チャンピオンシップを制したジャック・ジュレックが3,561ピンで続いた。
3位は3,544ピンのピート・ウェバー、4位は3,535ピンのアムレット・モナチェリ、5位は3,517ピンのジョニー・ペインとなっている。
ウォーレンはロス・チャンピオンシップでも3位に入り、両大会を通して高い安定感を発揮した。一大会で爆発的なスコアを記録するだけでなく、長丁場で大きく崩れない総合力が、世界選手権首位につながった。
世界選手権マッチプレー進出者
予選を通過した上位18選手は以下の通り。
1位 Chris Warren 3,606
2位 Jack Jurek 3,561
3位 Pete Weber 3,544
4位 Amleto Monacelli 3,535
5位 Johnnie Payne 3,517
6位 Andy Neuer 3,513
7位 Larry Verble 3,508
8位 Keith Dommer 3,448
9位 James Campbell 3,447
10位 Brian LeClair 3,441
11位 Neil Kassel 3,431
12位 Tony Johnson 3,424
13位 John Burkett 3,423
14位 Ricky Schissler 3,408
15位 Rudy Kasimakis 3,388
16位 Darryl Bower 3,387
17位 Rob Rice 3,378
18位 Bill Rowe 3,372
予選で獲得したピンは、そのままマッチプレーへ持ち越される。
18選手は6ゲームずつ3ラウンド、合計18ゲームを戦い、終了時点の上位5人がステップラダー決勝へ進出する。
予選首位のウォーレンは有利な位置にいるものの、上位陣の差は決して大きくない。5位のペインまで89ピン差、7位のバーブルまで98ピン差となっており、18ゲームの結果次第では順位が大きく入れ替わる可能性がある。
フロバーグは世界選手権進出を逃す
ロス・チャンピオンシップで首位に立ったフロバーグだが、ウェッブ・チャンピオンシップでの出遅れが響き、世界選手権の上位18人には入れなかった。
日曜日に約500ピンもの改善を見せたものの、16ゲームの合計で争われる世界選手権では、序盤の不振を完全に取り戻すまでには至らなかった。
この結果は、長期形式の大会において、一日だけの爆発力と同時に、全日程を通した安定感がいかに重要であるかを物語っている。
ただし、ロス・チャンピオンシップでは首位通過を果たしており、個別タイトル獲得の可能性は十分に残されている。
復活のフロバーグか、安定のウォーレンか
2026 PBA60ワールドシリーズ・オブ・ボウリングIIは、対照的な強さを見せた2人の選手によって、さらに興味深い展開となった。
フロバーグは、ウェッブ・チャンピオンシップでの大不振から、自らの投球映像を分析し、スイングの問題点を修正。わずか数日で約500ピンもの改善を果たし、ロス・チャンピオンシップ首位へ駆け上がった。
その姿は、経験豊富な選手であっても、常に自分の技術を客観的に見直し、変化を受け入れることが重要であると示している。
一方、ウォーレンは両大会を通して安定した投球を続け、世界選手権のトップ通過を決めた。長丁場で大きく崩れない総合力は、メジャータイトル獲得に向けた大きな武器となる。
しかし、ジュレック、ウェバー、モナチェリ、ペインら実績豊富な選手も僅差で追っている。予選ピンが持ち越されるとはいえ、残る18ゲームで状況が一変する可能性は高い。
劇的な修正力を見せたフロバーグがロス・チャンピオンシップを制するのか。安定感で一歩リードするウォーレンがPBA60世界選手権の頂点に立つのか。それとも、歴戦の強豪が逆転優勝を果たすのか。
大会はマッチプレー、そしてステップラダー決勝へ進む。
一投のミス、一度のボール選択、わずかな立ち位置の調整が勝敗を分ける、緊張感あふれる終盤戦となりそうだ。
