ジャック・ジュレックが劇的優勝
殿堂入りモナチェリとのロールオフを制し、PBA60通算3勝目

40年のキャリアを象徴する大きな1勝

PBA在籍40年のベテラン、ジャック・ジュレックが、2026年PBA60ウェッブ・チャンピオンシップを制した。

現地土曜日に行われた決勝で、ジュレックは長年の友人であり、PBAとUSBCの両殿堂に名を連ねるアムレット・モナチェリと対戦。両者が226で並ぶ接戦となった末、1投勝負のロールオフを10対8で制し、自身3個目となるPBA60タイトルを獲得した。

トップシードとして決勝に臨んだジュレックは、序盤から4連続ストライクを記録し、試合の主導権を握った。しかし、数々の大舞台を経験してきたモナチェリも終盤に猛追。優勝の行方は通常の10フレームでは決まらず、最後はわずか1投に委ねられた。

長年にわたり第一線で戦い続けてきた名手同士による決勝は、技術、経験、精神力のすべてが凝縮された一戦となった。

 

一投が勝敗を分けた名勝負

ジュレックが4連続ストライクで好発進

トップシードのジュレックは、試合開始直後から落ち着いた投球を見せた。最初の4フレームをすべてストライクとし、理想的なスタートを切った。

一方のモナチェリは、スペア、ストライク、2フレーム連続のスペアとつなぎ、第5フレームでストライクを記録。ジュレックは途中で10番ピンを残したものの、確実にスペアを取り、第6フレームでは再びストライクを決めた。

この時点で、ジュレックのリードは21ピン。序盤の流れを見る限り、トップシードがそのまま押し切るかに思われた。

しかし、モナチェリは第6フレームでストライクを決めると、徐々に差を詰めていく。続く投球では、横から飛んできたピンが10番ピンの前を通過したものの倒し切れず、スペアでしのいだ。

ジュレックは再び10番ピンを処理した後、左レーンで10番ピンのスペアを失敗。終盤に入って初めて大きな隙を見せた。

モナチェリは7番ピンを確実に処理し、第9フレームでストライク。試合は一気に緊迫した展開となった。

 

最後の1投で226対226の同点に

先に投球を終えるジュレックは、第9フレームで厚めに入ったボールから4番ピンが9番ピンを倒し、幸運なストライクを獲得した。

続く第10フレームの1投目もストライク。2投目で10番ピンを残したものの、最後はスペアを取り、226で投球を終えた。

モナチェリが逆転優勝するためには、第10フレームで3投連続のストライクが必要だった。

極度のプレッシャーがかかる中、モナチェリは最初の2投を完璧に決めた。あと1投ストライクを出せば逆転優勝という場面だったが、最後のボールはヘッドピンに厚く入り、4番ピンが残った。

スコアは226対226。決勝はロールオフへ持ち越された。

 

左レーンを選んだジュレックの判断

上位シードのジュレックには、ロールオフを始めるレーンを選ぶ権利があった。

ジュレックが選んだのは左レーンだった。決勝中、ジュレックは左レーンで4回ストライクを記録していた一方、モナチェリのストライクは2回。試合中の感触と結果を踏まえた、経験豊富な選手らしい選択だった。

勝負の一投で、ジュレックは見事なストライクを決めた。

後がなくなったモナチェリの投球は再びヘッドピンに厚く入り、8本にとどまった。ジュレックが10対8でロールオフを制し、劇的な優勝を決めた。

ジュレックは試合後、限られた優勝機会を意識したことで、決勝終盤には思考が乱れかけたと明かした。それでも、想定していなかった追加のチャンスを生かすことができたと振り返っている。

通常の10フレームで決め切れなかった後、ロールオフで即座にストライクを投げ切った場面には、近年のジュレックが身につけた勝負強さが表れていた。

 

殿堂入り選手を破った価値

ジュレックにとって、モナチェリを破って獲得した今回のタイトルには、数字以上の価値がある。

モナチェリはPBAとUSBCの殿堂入り選手であり、長年にわたり世界のトップレベルで活躍してきた。ジュレックは、そのような選手を相手にタイトルを勝ち取ることは、大きな自信になると語った。

「彼ほどの選手に勝てれば、自分もこの場所にいていいのだと思える。まったく同じレベルではないとしても、それに近いところにはいるのかもしれない」

ジュレックは近年、勝利が懸かった終盤の場面で、以前よりも結果を残せるようになったという。

過去には、優勝の機会を逃した記憶を振り返ることが多かった。しかし現在は、大事な場面で投げ切った成功体験が増えている。新しい成功の記憶が、重要な場面での自信につながっている。

今回の勝利によって、ジュレックのPBA60タイトルは2個から3個に増えた。

これまでジュレックは、通常のPBAツアーで2勝、PBA50で2勝、PBA60で2勝、さらにスティーブ・ナギー・スポーツマンシップ賞も2度受賞していた。本人は、あらゆる実績が「2」で止まっていたと冗談を交えながら、今後はプロアマ大会で「PBA60通算3勝」と紹介してもらえると喜びを表現した。

 

モナチェリは左右のレーンを異なる攻め方で攻略

準決勝では、モナチェリがビル・ロウと対戦した。

ロウは最初の3投で連続ストライクを記録し、スペアを挟んで第5フレームでもストライク。好調な滑り出しを見せた。

しかし、モナチェリは左右のレーンをまったく異なる方法で攻略した。右レーンでは直線的なラインを選び、左レーンでは大きくフックさせる投球を採用。その高い対応力を生かし、試合開始から5連続ストライクを並べた。

途中でモナチェリが7番ピンを失敗し、ロウも6・9・10番ピンのスペアと10番ピンの処理に失敗するなど、両者にミスが出た。

それでもモナチェリは終盤に立て直し、最後をスペアと3連続ストライクで締めて246を記録。246対202でロウを退け、決勝へ進出した。

敗れた決勝でも最後までジュレックを追い詰めており、モナチェリの技術と勝負への執念は今大会でも際立っていた。

 

第2試合もロールオフで決着

オープニングマッチでは、ダリル・バウワーが最初の5フレームで4回のストライクを記録し、ジョン・バーケットをリードした。

しかし、前年のPBA60ロス・チャンピオンシップを制したバーケットは、第6フレームから第9フレームまで4連続ストライクを記録。終盤に試合をひっくり返し、226対204で勝利した。

続く第2試合では、バーケットが3連続ストライクでスタート。一方のロウは、スペア、2連続ストライクと続けた後、第4フレームでスプリットを出し、オープンフレームとなった。

その後はバーケットにもミスが生まれ、ロウが4連続ストライクで反撃。最終的に両者は224で並び、ロールオフへ突入した。

先に投げたバーケットはヘッドピンに厚く入り8本。ロウはストライクを決め、10対8で準決勝進出を決めた。

第2試合と決勝が、ともに同点から10対8のロールオフで決着するという、緊張感に満ちたステップラダー・ファイナルとなった。

 

長い競技人生を支える体づくり

今回の大会は、ジュレックにとって今季2度目のステップラダー・ファイナルだった。シーズン前半のPBA50モナチェリ・チャンピオンシップでは、2位に入っている。

長時間に及ぶ予選やマッチプレーは、選手の体力と集中力を大きく消耗させる。特に60歳以上の選手が出場するPBA60では、コンディションの維持が勝敗を左右する重要な要素となる。

ジュレックは、過去15年から20年にわたり、体力づくりと健康管理に以前よりも真剣に取り組んできた。その成果もあり、大きなけがに悩まされることなく、長期戦を戦い抜いている。

その意識を高めるきっかけとなった選手の一人が、決勝で戦ったモナチェリだった。

ジュレックは、常に鍛えられた体を維持し、自己管理を怠らないモナチェリの姿勢を長年尊敬してきたという。二人はタイトルを争うライバルである一方、ジュレックにとってモナチェリは、競技を長く続けるための模範でもあった。

互いをよく知り、尊敬し合う二人が決勝で対戦したことも、今回の優勝をより特別なものにしている。

 

世界選手権連覇へ、最初の一歩

PBA60ウェッブ・チャンピオンシップを制したジュレックだが、戦いはまだ続く。

PBA60ワールドシリーズ・オブ・ボウリングでは、次戦としてロス・チャンピオンシップが開催される。ウェッブ大会とロス大会の予選計16ゲームを終えた時点で、総合上位18人がPBA60世界選手権へ進出する。

ジュレックは、そのPBA60世界選手権のディフェンディングチャンピオンでもある。

過去には、2024年のスーパーシニア・クラシックで優勝した後、翌年の大会で満足のいくタイトル防衛ができなかった。その経験があるからこそ、今回はより良いディフェンディングチャンピオンとして大会に臨みたいと語っている。

「第一段階は達成できた。次は第二段階に進まなければならない。もう一度トップ16に入り、テレビ決勝に出場するチャンスをつかみたい」

今回の優勝は、世界選手権連覇へ向けた大きな一歩となった。

PBA在籍40年を迎えてもなお、ジュレックは過去の実績だけに頼ってはいない。体を鍛え、重要な場面での成功体験を積み重ね、現在も自らを成長させ続けている。

殿堂入り選手との激闘を制したPBA60通算3勝目は、経験を自信に変え、勝負の一投を投げ切ったベテランの強さを象徴するタイトルとなった。

 

PBA60 Webb Championship 最終順位

優勝:Jack Jurek 5,000ドル
2位:Amleto Monacelli 2,500ドル
3位:Bill Rowe 1,800ドル
4位:John Burkett 1,400ドル
5位:Darryl Bower 1,200ドル

 

ステップラダー・ファイナル結果

第1試合

John Burkett 226-204 Darryl Bower

第2試合

Bill Rowe 224-224 John Burkett
ロールオフ:Bill Roweが10-8で勝利

準決勝

Amleto Monacelli 246-202 Bill Rowe

決勝

Jack Jurek 226-226 Amleto Monacelli
ロールオフ:Jack Jurekが10-8で勝利