アンディ・ノイアーが首位発進
2026 USBCシニアマスターズ初日で300点&299点の快投

ラスベガスで輝いたベテラン左腕

2026年USBCシニアマスターズが、ラスベガスのサムズタウン・ボウリングセンターで開幕した。シニアボウリング界の実力者たちが集うこの大会で、初日から主役に躍り出たのは、ペンシルベニア州ミルトン出身のアンディ・ノイアーだった。

60歳の左投げボウラーであるノイアーは、USBC競技においてこれまで300回以上のパーフェクトゲームを記録してきた名手だ。その豊富な経験と高い技術を、今大会の初日でも存分に見せつけた。

火曜日に行われたCシフト予選第1ラウンドで、ノイアーは第4ゲームに300点を達成。さらに続く第5ゲームでも299点を記録し、2ゲーム連続パーフェクトにあと一歩まで迫る驚異的な投球を披露した。5ゲーム合計は1,274点、平均254.8点。306人が出場するフィールドの中で、初日終了時点の首位に立った。

大会はまだ序盤ながら、ノイアーの滑り出しは圧巻だった。記録だけでなく、内容面でも他を大きく引き離すインパクトを残した初日となった。

 

24投中23ストライク 首位を引き寄せた終盤の爆発力

ノイアーの第1ラウンドは、序盤から安定感があった。最初の3ゲームは203、229、243。派手なビッグゲームではなかったものの、着実にスコアを積み重ね、上位争いに加わるための土台を築いた。

そして迎えた第4ゲーム、ノイアーの投球は一気に加速する。ストライクを重ね続け、見事に300点を達成。パーフェクトゲームというだけでも十分に価値ある記録だが、この日のノイアーはそこで止まらなかった。

続く第5ゲームでも高い集中力を維持し、再びストライクを量産。最終的には299点で終え、わずか1ピン差で2ゲーム連続300点とはならなかったものの、最後の2ゲームで24投中23投がストライクという圧倒的な内容を見せた。

5ゲームのスコアは、203、229、243、300、299。合計1,274点、平均254.8点。この結果、ノイアーは306人の出場者を抑えて初日首位に立った。

2位にはニュージャージー州ジャクソンのパーカー・ボーン3世1,260点で続き、3位にはペンシルベニア州エリーのマイケル・マチューガ1,252点で入った。4位はユタ州プレザントビューのスティーブ・クロンプケン1,217点、5位はアイオワ州グレンジャーのトム・ヘス1,212点だった。

首位ノイアーと2位ボーン3世との差は14ピン。予選はまだ2ラウンド残されており、順位が入れ替わる可能性は十分にある。それでも、初日に大きなスコアを作れたことは、ノイアーにとって大きな安心材料になる。

ただし、本人は首位通過に強くこだわっているわけではない。今大会の形式では、予選上位63人にディフェンディングチャンピオンのトム・ドーティを加えた64人が、ダブルエリミネーション方式のマッチプレーへ進出する。予選のピンは持ち越されないため、トップ通過そのものに絶対的な優位性があるわけではない。

ノイアーもその点を冷静に受け止めている。

「この形式は少し違う。トップ64に入ることが大切で、1位で通過してもピンは持ち越されないので、大きなアドバンテージがあるわけではない。だから、一投ずつ集中して、その時々に対応していくだけだ。それでも、少し余裕があるのはいいことだ」

この言葉からは、ベテランらしい落ち着きが伝わってくる。華やかな300点の直後であっても、ノイアーの視線はすでに次の一投、次のラウンドへ向いている。

一方、前年王者のトム・ドーティは、初日を1,117点で終え、91位につけた。現時点では上位63人の圏外だが、ディフェンディングチャンピオンとして64番シードでブラケット入りする権利を持っている。そのため、仮にドーハティが予選上位63人に入らず、ノイアーが首位を維持した場合、マッチプレー初戦でノイアー対ドーハティという注目カードが実現する可能性もある。

しかし、ノイアーは先の対戦相手を意識しすぎることなく、自分の投球に集中している。長丁場の大会では、目の前の状況に合わせて判断し続けることが何より重要だ。特にシニアマスターズのようなハイレベルな大会では、ひとつのビッグゲームだけで勝ち切ることはできない。レーンコンディションの変化、ボール選択、ライン調整、精神面の安定が求められる。

この日のサムズタウンでは、ノイアー以外にもパーフェクトゲームが生まれた。テキサス州ベッドフォードのテリー・テイラー、フロリダ州セブリングのアンソニー・クルーズ、テキサス州パリスのC.K.ムーアも、初日の予選ブロックで300点を記録している。

順位では、テイラーが1,159点で39位タイ、クルーズが1,146点で59位タイ、ムーアが1,133点で72位タイ。ノイアーほど上位には届かなかったものの、それぞれが大会初日に大きな見せ場を作った。複数の300点が飛び出したことで、今大会の序盤は非常に見応えのある展開となっている。

なかでもノイアーの300点には、特別な意味があった。彼はこれまで何百回もパーフェクトゲームを達成してきたが、それでも「どの300点も特別だ」と語っている。さらに今回は、娘のアレクシス・ランク5月17日にラスベガスで行われた2026 USBCクイーンズのマッチプレーで300点を記録していたこともあり、父娘で大舞台におけるパーフェクトゲームを達成する形となった。

「娘がクイーンズで300点を出し、今度は自分がシニアマスターズで300点を出せた。これは本当にうれしいことだ」

ノイアーの言葉には、記録の重みだけでなく、家族としての喜びもにじむ。ボウリング一家として積み重ねてきた時間が、大舞台でひとつの物語になった瞬間だった。

今後の鍵を握るのは、レーンコンディションへの対応だ。今大会では45フィートのシニアマスターズ用オイルパターンが使用されており、時間の経過とともにレーンは変化していく。初日に好スコアを出した選手であっても、同じ攻め方が次のラウンドで通用するとは限らない。

ノイアーも、今後の予選に向けてボールの表面調整を行う考えを示している。さらに、息子が次の2シフトに向けてボールを準備してくれていることにも触れた。娘の300点、息子のサポート、そして自身の首位発進。今大会のノイアーには、家族の存在が大きな支えとなっている。

 

勢いと冷静さを兼ね備えたノイアー、頂点への挑戦は続く

2026 USBCシニアマスターズ初日は、アンディ・ノイアーの圧巻のパフォーマンスによって強く印象づけられた。第4ゲームで300点、第5ゲームで299点。最後の2ゲームで24投中23投をストライクとし、5ゲーム合計1,274点で306人の頂点に立った内容は、まさに大会初日の主役にふさわしいものだった。

とはいえ、勝負はまだ始まったばかりだ。選手たちは水曜日と木曜日にさらに5ゲームずつの予選ブロックを投げ、その後、予選上位63人と前年王者ドーハティを加えた64人によるダブルエリミネーション方式のブラケットへ進む。

金曜日と土曜日には、3ゲーム合計ピンによるマッチプレーが行われ、最終的に上位5人が日曜日のステップラダー決勝へ進出する。決勝は東部時間日曜午後1時からBowlTVでライブ配信される予定だ。ステップラダー決勝は真のダブルエリミネーション形式で行われるため、トップシードの選手を倒すには2度勝つ必要がある。優勝者には、PBA50のメジャータイトルと賞金2万ドルが贈られる。

ノイアーがこのまま首位を守り、メジャータイトルへ突き進むのか。それとも、パーカー・ボーン3世、マイケル・マチューガ、前年王者トム・ドーティらが巻き返すのか。初日の結果だけでは、まだ大会の結末は見えない。

ただ、確かなことがひとつある。ノイアーは初日に、技術、経験、集中力、勝負強さをすべて示した。300点という華やかな数字の裏には、一投ごとの判断と積み重ねがある。本人が語る「一投ずつ」という姿勢こそ、長丁場の大会を勝ち抜くための最も大切な要素だ。

勢いに乗るベテラン左腕が、この流れを最後までつなげられるのか。2026 USBCシニアマスターズは、初日から大きな見どころを生んだ。ノイアーを中心に、ここからどのようなドラマが展開されるのか、シニアボウリング界の熱戦から目が離せない。