ロバージ&オブライアントが劇的優勝
若きペアがSABC混合ダブルスを制覇

若手旋風を象徴する新たなタイトル

2026年のPBAツアーを彩ってきた若手選手の躍進が、混合ダブルスの舞台でも鮮烈な形で示された。

Storm PBA/PWBA Striking Against Breast Cancer Mixed Doubles」で、スペンサー・ロバージアナリース・オブライアントのペアが優勝を果たした。

この大会は、長年PWBAツアーで活躍し、大会創設者ドナ・コナーズの親しい友人でもあったルーシー・ボノーをたたえ、通称「ザ・ルーシー」と呼ばれている。

ロバージはプロ入り1年目の新人ながら、これがPBAツアー通算2勝目。ジャクソンビル州立大学の最終学年を控えるオブライアントは、記念すべきPWBAツアー初タイトルを手にした。

決勝序盤では大きなリードを築いた2人だったが、終盤に入ると複数のペアが猛追。最終ゲームまで勝者が分からない激戦となり、最後は第10フレームの一投が優勝を決めた。

 

大差のリードから一転、混戦となった決勝

首位で迎えた12ゲーム決勝

決勝は、12ゲームによるラウンドロビン形式で行われた。

ロバージとオブライアントは、2位に52ピン差をつけた首位で決勝へ進出。前半6ゲームでは5勝1敗を記録し、リードを154ピンまで広げた。

ロバージの爆発力とオブライアントの安定感がかみ合い、一時は2人がそのまま独走するかに見えた。

しかし、後半6ゲームに入ると流れが一変する。

グラハム・ファとブリアナ・クレマー、デオ・ベナードとロシオ・レストレポ、さらにマット・ルッソとローレン・ルッソの各ペアが一気にスコアを伸ばし、首位争いに加わった。

 

111ピン差を1ゲームで逆転

特に強烈な追い上げを見せたのが、ファとクレマーのペアだった。

第10ゲームでは、ロバージ組との111ピン差をわずか1ゲームで逆転。ベナードとレストレポのペアもロバージ組を上回り、順位は大きく入れ替わった。

残り6ゲームの時点で首位から227ピン離されていたルッソ夫妻も猛追し、最終順位決定戦となるポジションラウンドを前に、首位のファ組との差を56ピンまで縮めた。

ロバージとオブライアントの圧勝と思われた決勝は、一転して4チームに優勝の可能性が残る大混戦となった。

 

最終ゲームで崩れた首位チーム

最終ゲームを首位で迎えたのは、ファとクレマーだった。

しかし、2人は序盤から思うように流れをつかめず、徐々に優勝争いから後退した。

一方、ルッソ夫妻は立ち上がりからストライクを重ね、一気に逆転優勝を狙える位置につけた。ところが、マット・ルッソが最後の2フレームで連続してスプリットを出し、勢いを失った。

こうしてタイトル争いは、ベナードとレストレポ、そしてロバージとオブライアントの2組に絞られた。

 

勝負を決めた第10フレーム

オブライアントは自身の第10フレームでダブルを決め、パートナーに優勝の可能性を託した。

最後の勝負を担ったのは、22歳のベナード23歳のロバージだった。

ロバージは最初の投球でストライクを決める。その直後、ベナードの投球では2番、4番、7番、8番ピンが残った。

ベナードはこのスペアをカバーできず、オープンフレームとなる。これにより、ロバージは次の投球でストライクを出せば優勝という状況を迎えた。

大きな重圧がかかる中、ロバージはその機会を逃さなかった。

勝負の一投でストライクを決め、優勝を確定。序盤の独走、終盤の失速、そして最後の逆転という劇的な展開を乗り越え、若い2人が頂点に立った。

 

新人ながらPBAツアー2勝目を挙げたロバージ

今回の勝利により、ロバージは今季2勝目を挙げた新人選手となった。

ロバージは4月、「Pilgrim’s PBA Ohio Classic」でPBAツアー初優勝を達成している。

その快進撃は、さらに前から始まっていた。

3月22日にはPBA地域ツアーの「PBA Copperfield Bowl Challenge」で優勝。2週間後には全国ツアーのオハイオ・クラシックを制し、その後も地域ツアーで2勝を追加した。

そして今回、全国ツアーで2つ目のタイトルを獲得した。

ウィチタ州立大学出身のロバージは、シーズン開幕時点では、自分がプロの世界で通用するのか確信を持てなかったという。

しかし、地域大会と全国大会の双方で結果を積み重ね、今では新人王争いに関わる存在となった。

優勝後、ロバージは、自分がプロの舞台にふさわしいかという問いに対し、「たぶん、ふさわしいのだと思う。ただ、まだ結論は出ていない」と冗談交じりに語った。

また、当初はスウェーデンで行われる大会への出場を予定していなかったものの、今回の優勝を受けて再検討する考えも示した。

ロバージ自身は、新人王候補としてブランドン・ボンタアレックス・ホートンを挙げているが、シーズン終盤に入ってもその争いは決着していない。

 

大学界のスター、オブライアントがプロ初優勝

オブライアントにとって、今回の優勝はPWBAツアー初タイトルとなった。

ただし、その実績を見れば、今回の勝利は決して偶然ではない。

オブライアントはU15ジュニアゴールドで2度優勝し、チームUSAには2度選出。現在も代表メンバーとして活動している。

ジュニアチームUSAには過去6度選ばれており、若いころから全米トップクラスの実力を示してきた。

所属するジャクソンビル州立大学では、直近3年間で2度のNCAAタイトルを獲得。さらに、ITCでは2年連続優勝を果たしている。

今季のNCAAレギュラーシーズンでは、チームが103勝10敗という圧倒的な成績を記録した。

オブライアントは大学最終学年を前に、プロタイトルを獲得した状態で新シーズンを迎える。今後は、大学で通算5つ目となる団体全国タイトルを目指す。

優勝後、オブライアントは、「いつこの瞬間が訪れるのか分からなかったので、とても現実とは思えない」と喜びを語った。

さらに、優勝までの道のりについて、「これから先も忘れることのない経験になる。浮き沈みの激しい展開だったが、すべてに価値があった」と振り返った。

 

PBA史上屈指の新人世代

ロバージの活躍は、2026年シーズン全体を象徴するものでもある。

今季はロバージに加え、アレックス・ホートン、ブランドン・ボンタ、オースティン・グラマーの4人の新人選手がPBAツアータイトルを獲得している。

ホートンは「PBA Tournament of Champions」と「PBA Shark Championship」を制し、ロバージと同じく2勝を記録。

ボンタは「PBA Players Championship」、グラマーは「Surfside PBA New York Classic」で優勝した。

4人の新人がタイトルを獲得した今季は、PBAツアー史上最も成功した新人クラスとなった。

トップ選手がそろうプロツアーで、ルーキーが初年度から結果を残すことは容易ではない。それでも今季の新人たちは、将来性を示すだけでなく、すでにタイトル争いの中心に立てる実力を証明している。

 

若き2人が証明した実力と勝負強さ

ロバージとオブライアントの優勝は、単なる若手ペアの番狂わせではない。

2人は決勝序盤で大きなリードを築きながら、後半には複数のチームに逆転を許した。最終ゲームでは、一投のミスが敗北につながる極限状態に追い込まれた。

それでも、オブライアントは第10フレームでダブルを決め、ロバージは優勝を決定づけるストライクを投じた。

ロバージは新人ながらPBAツアー2勝目を挙げ、プロの舞台で十分に戦えることを改めて証明した。

オブライアントは大学ボウリング界で積み重ねてきた実績をプロの舞台でも結果につなげ、待望のPWBAツアー初タイトルを獲得した。

2026年のPBAツアーでは、若手選手が次々と歴史を塗り替えている。今回の劇的な勝利は、その流れをさらに強く印象づけるものとなった。

混合ダブルスで生まれたこのタイトルは、ロバージとオブライアントにとって到達点ではない。2人のキャリアが、ここからさらに大きく飛躍していく可能性を示した一戦だった。

2026 STORM PBA/PWBA Mixed Doubles 最終成績

順位女子選手女子ピン男子選手男子ピン決勝チームピン予選チームピン最終合計
1Annalise O’Bryant2,292Spencer Robarge2,7615,0534,9529.03.010,275
2Rocio Restrepo2,460Deo Benard2,6985,1584,9007.05.010,268
3Breanna Clemmer2,229Graham Fach2,9105,1394,8108.53.510,204
4Lauren Russo2,474Matt Russo2,6425,1164,8079.03.010,193
5Diana Zavjalova2,466Marshall Kent2,6965,1624,7897.05.010,161
6Julia Bond2,299Mitch Hupe2,6604,9594,8346.06.09,973
7Josie Barnes2,383Stu Williams2,4774,8604,7845.07.09,794
8Liz Kuhlkin2,334Richard Teece2,4744,8084,7725.07.09,730
9Shannon Pluhowsky2,418Chris Via2,4794,8974,7423.09.09,729
10Stefanie Johnson2,320Jake Peters2,4984,8184,7644.08.09,702
11Danielle Urbano2,215Anthony Simonsen2,5914,8064,7823.58.59,693
12Hope Gramly2,315Alec Keplinger2,4134,7284,7465.07.09,624