第64回男子・第58回女子プロテスト第2次1日目
貯金を作った上位と、境目で始まる消耗戦

第64回男子・第58回女子プロテスト第2次テスト1日目(京都・MKボウル上賀茂)

2026年4月21日(火)、第64回男子・第58回女子プロボウラー資格取得テストの第2次テスト(実技)が、京都府「MKボウル上賀茂」で行われた。第2次は第1次のトータルピンを持ち越さず、ここからが実質的な仕切り直し。短期の勢いだけでなく、レーン変化への対応力ミスの抑制修正の速さといった“プロ基準の総合力”が露わになるステージだ。

 

第2次テスト1日目結果(合格ラインと上位の展開)

男子:合格ライン「15Gで3000(AVG200)」、首位は畑秀明が229台で先行

初日の3000突破は“貯金”であり“選択肢”になる

男子の合格基準は、1日15ゲーム換算で3000ピン(AVG200.00)。第2次は計60ゲームで評価されるとはいえ、初日の出来は以降の戦い方を大きく左右する。初日に貯金を作れれば「守りながら上積みを狙う」展開に持ち込みやすいが、出遅れると「毎日取り返す」ボウリングに傾きやすく、リスクが増える。長丁場だからこそ、初日で“楽になる”ことには価値がある。

 

1位:畑秀明(神奈川)3439(AVG229.26)— 立ち上がりの771と、終盤までの安定

1日目の首位は畑秀明。3439ピン(AVG229.26)で、合格ライン3000に対して+439という大きな貯金を築いた。内容で象徴的なのが1シリーズ目の255-259-257で771。初日に勢いを作れる選手は多いが、真価が出るのはその後だ。

畑は以降のシリーズ合計も685→663→674→646と、派手さより「落としどころ」を外さない積み上げでまとめている。15ゲームの中で大きく沈む時間帯がないのは、ストライクの量だけでなく、スペアで“失点を止める設計”ができている証拠でもある。初日としては理想形に近い

 

2位:山下秀人(静岡)3388(AVG225.86)— 794の爆発で主導権、波を作りつつ踏みとどまる

2位は山下秀人。3388ピン(AVG225.86)で+388。最大の見どころは、1シリーズ目の246-268-280で794を叩き出した点だ。序盤でこれだけの上積みがあると、以降は「無理をしない」選択もしやすくなる。

その後のシリーズ合計は632、659、688、615。上下動はあるが、致命的な崩れを作らず、初日の役割(貯金の確保)を確実に果たした。こうした“波のある強さ”は、難しいコンディションで伸び切らない日にも順位を守りやすい。

 

3位:熊沢颯(東京)3356(AVG223.73)— 「事故のない高水準」が長丁場向き

3位は熊沢颯。3356ピン(AVG223.73)で+356。シリーズ合計は715→653→648→646→694と、目立つ爆発よりも「毎シリーズを高い位置で揃える」形になっている。

60ゲームの戦いで怖いのは、1度の大崩れが“取り返し”を重くすること。熊沢は初日でそのリスクを遠ざけた。上位争いは、派手な800よりも、600台中盤の連続が最後に効く。その意味で、初日の内容は非常に堅い

 

4位〜8位:上位固定の条件は「700を作る力」+「600を切らない力」

4位の山本青空(3272/AVG218.13)は、3シリーズ目756で強く押し上げた一方、1シリーズ目591、5シリーズ目585が残り、スコアの“段差”も見える。上位を固めるには、こうした低いシリーズを600近辺まで戻せるかが鍵になりそうだ。

5位の須田光翼(3248/AVG216.53)は721、694と山を持ちながら、609、616、608で踏みとどまっている。上位に残る選手は、結局この「平常運転の600台」を失わない。6位の菅野直人(3169)、7位の菅原奏(3159)、8位の佐藤耀斗(3156)も、初日で200は十分に超え、「まず合格圏に入る」仕事を遂行した形だ。ここからは、もう1段階の上積みで順位が大きく動く。

 

境目:3000超は12名、12位は3002。ライン下は“次の15Gで赤字を止める”必要がある

初日時点で合格基準3000を超えたのは12名。12位の久冨木広(宮崎)は3002(AVG200.13)で、まさに薄氷の突破となった。ここは心理的にも大きい。なぜなら、次戦以降に多少の波が来ても「守る位置」にいられるからだ。

一方、13位の小田和希(兵庫)と14位の是永竹徳(東京)は、ともに2944(AVG196.26)で並び、基準まで56ピン差。60ゲーム全体なら十分射程圏内だが、必要なのは単なる“上回り”ではなく、上位が作った貯金に食らいつくための“上回り幅”。次の15ゲームでまず赤字を止め600台のシリーズを増やして追走の形を作りたいところだ。

 

女子:合格ライン「12Gで2280(AVG190)」、首位は髙田真帆が217台で快走

12ゲームは短い。だからこそ「1シリーズの失点」が致命傷になりやすい

女子の合格基準は、1日12ゲーム換算で2280ピン(AVG190.00)。男子よりゲーム数が少ない分、スコアの意味はよりシビアになる。4シリーズ(各3G)のどこかで500台前半を作ると、残りシリーズで取り戻す負荷が一気に跳ね上がる。つまり女子は、伸ばす力と同じくらい「沈みを浅くする力」が問われる。

 

1位:髙田真帆(神奈川)2605(AVG217.08)— 序盤で稼ぎ、後半は“守って勝つ”

女子初日の首位は髙田真帆。2605ピン(AVG217.08)で、合格基準2280に対して+325の貯金を作った。序盤2シリーズが709→689と高水準で、ここで試合の主導権を握っている。

後半は624、583と落ち着いたが、それでも十分に押し切れるだけの先行を確保していた点が強い。12ゲーム勝負では、後半にやや落ちる日は起き得る。そのときに“落ちたなりに勝てる”形を作れているかが、上位定着の分かれ目になる。髙田は初日でそれを示した。

 

2位:髙本聖菜(愛知)2497(AVG208.08)— 4シリーズを整えた「崩れない208」

2位は髙本聖菜。2497ピン(AVG208.08)で+217。シリーズ合計は656→597→630→614と、極端な沈みがない。女子12ゲームでは、700台の爆発よりも、こうした“事故回避の安定”が順位を支える。

特に2シリーズ目が597で踏みとどまっているのが効いている。もしここが530台まで沈めば、上位争いの景色は変わっていたはずだ。結果として、首位に迫るための現実的な土台を確保した初日だった。

 

3位:濱﨑姫琉(神奈川)2465(AVG205.41)— 終盤の636で押し上げ、修正力を示す

3位は濱﨑姫琉。2465ピン(AVG205.41)で+185。609→622→598→636という流れで、最後のシリーズ636が順位を押し上げた。

12ゲームは「最後の3ゲーム」がそのまま順位の決定打になりやすい。終盤に上げて終われるのは、レーン変化に合わせて調整できた証拠でもある。次戦以降も、後半で伸ばせる選手は混戦で強い。

 

4位〜8位:200前後の密集地帯。上位争いは“1シリーズの差”で入れ替わる

4位の須藤真海(2453/AVG204.41)は、2シリーズ目569で一度沈みながら、4シリーズ目647で回復している。沈んだ直後に戻せるのは、短期勝負で重要な資質だ。
5位の中村心(2416/AVG201.33)は、3シリーズ目514が響いた一方、4シリーズ目631で踏み直した。12ゲームでは「514の重さ」がそのまま順位に出る。次戦は、この“低いシリーズを底上げできるか”が鍵になる。
6位の濱﨑りりあ(2410/AVG200.83)、7位の葛生愛梨(2401/AVG200.08)も含め、200前後に密集している。ここは次戦のちょっとした上振れ・下振れで、順位が大きく動くゾーンだ。
8位の藤林華音は2398(AVG199.83)。数字は200にわずか届かないが、合格基準(190)に対しては余裕がある。上位7名との違いは、結局「どこかの1シリーズで50ピン前後の差」
であり、次戦で一気に並ぶ可能性も十分ある。

 

境目:基準190超は8名。9位以下は“どこで失点したか”を明確にして立て直したい

女子は初日で合格基準(2280)を超えたのが8名。9位の松本栞菜は2138(AVG178.16)、10位の古瀨智美は2121(AVG176.75)で、基準に届かなかった。差はそれぞれ142ピン、159ピン。12ゲーム換算では小さくないが、埋まらない差でもない。

重要なのは、次戦の目標設定を「ビッグゲームを出す」に寄せ過ぎないことだ。例えば、500台前半のシリーズを570前後に戻すだけでも、トータルは大きく変わる。短期戦の逆転は、派手さより“失点の止血”から始まる。2日目以降、修正の質がそのまま合否の輪郭になる。

 

男子も女子も「初日の貯金」と「境目の攻防」が2日目以降を左右する

男子は畑秀明が3439(AVG229.26)で大きく先行し、女子は髙田真帆が2605(AVG217.08)で主導権を握った。どちらも初日で明確な貯金を作り、以降の戦いに“余白”を持ち込んだ点が共通している。

一方で、男子は3000ライン(200)付近、女子は2280ライン(190)付近に境目が生まれ、ここからは「伸ばす力」以上に、「落とさない力」「沈んだ直後に戻す力」が効いてくる。次戦、上位が逃げ切り態勢を固めるのか、追走組が“赤字を止める修正”で混戦へ引き戻すのか。勝負はすでに、技術と同じだけ“設計と修正”の領域に入っている。

男子(第64回)成績一覧(1日目終了時点・通算15G)

順位氏名登録地TOTAL(15G)G数AVG
1畑 秀明神奈川県3,43915229.26
2山下 秀人静岡県3,38815225.86
3熊沢 颯東京都3,35615223.73
4山本 青空石川県3,27215218.13
5須田 光翼神奈川県3,24815216.53
6菅野 直人神奈川県3,16915211.26
7菅原 奏岩手県3,15915210.60
8佐藤 耀斗東京都3,15615210.40
9上江洲 琉心東京都3,12715208.46
10廣岡 光希埼玉県3,09915206.60
11諏訪間 皆丞静岡県3,07015204.66
12久冨木 広宮崎県3,00215200.13
13小田 和希兵庫県2,94415196.26
14是永 竹徳東京都2,94415196.26
15古賀 瑛心大阪府2,87815191.86
16潟手 孝義佐賀県2,87715191.80
17宮元 友作滋賀県2,83015188.66
18山崎 直也香川県2,80915187.26
19久保山 祐至佐賀県2,78315185.53
20藤井 秀太大阪府2,62315174.86

女子(第58回)成績一覧(1日目終了時点・通算12G)

順位氏名登録地TOTAL(12G)G数AVG
1髙田 真帆神奈川県2,60512217.08
2髙本 聖菜愛知県2,49712208.08
3濱﨑 姫琉神奈川県2,46512205.41
4須藤 真海千葉県2,45312204.41
5中村 心三重県2,41612201.33
6濱﨑 りりあ神奈川県2,41012200.83
7葛生 愛梨東京都2,40112200.08
8藤林 華音大阪府2,39812199.83
9松本 栞菜愛知県2,13812178.16
10古瀨 智美神奈川県2,12112176.75
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