クリス・バーンズが復活優勝
2025年PBA50サウスショアクラシックを制覇

ベテランの意地、輝きを取り戻す

2025年6月26日、インディアナ州ハモンドのオリンピア・レーンで開催されたPBA50サウスショアクラシックにて、クリス・バーンズが劇的な復活優勝を果たしました。長年にわたってPBAツアーを支えてきた名手が、今シーズンの苦戦を乗り越えて見事にタイトルを奪還。これにより、バーンズは通算7つ目のPBA50タイトルを獲得し、伝説的なアール・アンソニー、そして親友のジョン・ジャナウィッツと並ぶ記録を打ち立てました。

 

激戦を制したバーンズの底力と、熱戦を彩った選手たち

1. 苦しんだ序盤戦、勝利までの道のり

バーンズにとって今季のスタートは決して順調ではありませんでした。彼自身が語るように、
「今季の最初の4大会は、PBA50でのキャリアの中でも最悪の結果だった」
という厳しい状態。しかし、転機はシニアU.S.オープンの後に訪れます。家族と共に調整を重ね、妻のリンダや双子の息子、トロイとライアンのサポートを受けながらフォームを再構築。
「妻はすごく目が利くんだ。本当に助けられた」
と感謝を口にし、自信を取り戻して今大会に臨みました。

 

2. 決勝戦:デイシーとの熱戦を制す

決勝戦の相手は、初のステップラダーファイナル進出となったクリント・デイシー。試合前から和やかな雰囲気で始まりましたが、内容は一進一退の激戦。バーンズは序盤に3連続ストライクで勢いに乗るも、第4フレームでは大きく外れた投球が1-3-6-8-10という難しい残りピンを生み出し、
「あんな悪い投球は本当に久しぶりだった」
と自身も苦笑い。そのスペアも取りきれずに3-6-10のカバーに失敗し、流れが一時止まります。

しかしその後、冷静なカバーと再びのストライク連発で試合を立て直したバーンズに対し、デイシーも粘りを見せます。左レーンでのストライクに拳を握るなど気迫を見せ、9・10フレームで連続ストライクを決めて最終スコアを218ピンとし、逆転のチャンスを残しました。

これに対してバーンズは最終フレームでストライクを決め、続く一投がやや外れるも3ピンをしっかりとカバーし、220対218の僅差で優勝を勝ち取りました。
「本当にラッキーだった。今日は勝ち切れたことに感謝している」
と語ったバーンズは、対戦相手の健闘も称え、
「彼(デイシー)はまるで25回もTV決勝を経験したかのような堂々たる投球だった」
と最大級の賛辞を贈りました。

 

3. ジャナウィッツの活躍と堅実なボウリング

準決勝まで勝ち上がったジョン・ジャナウィッツの安定したプレーも、大会の見どころの一つでした。オープニングマッチでは、フロリダの同郷ジョン・ラコスキーと対戦し、6連続ストライクを含む268ピンのハイスコアで快勝。第2試合でも2024年PBA50新人王ランディ・ワイスを相手に、再び6連続ストライクを決めるなど抜群の仕上がりを見せました。

準決勝ではデイシーと対戦。序盤から両者とも高レベルな投球が続きましたが、ジャナウィッツが3-6-9-10のスペアを拾う一方で、ポケット7-10スプリットを残して失速。デイシーが5連続ストライクからの246ピンという素晴らしいスコアで勝利し、決勝への切符を手にしました。

 

経験と家族の支えが導いた勝利

「若手に追いつこうと無理をして、自分を見失っていた」
というバーンズの言葉からもわかるように、今回の優勝は単なる勝利ではなく、自分自身を見つめ直し、リセットした成果です。ベテラン選手としての経験、家族との絆、そして本来の自分を取り戻すための努力が、今回の栄冠を導きました。

試合後には観客への感謝も忘れず、
「この会場の熱気と声援が、何よりも励みになった」
と笑顔でコメント。心からボウリングを楽しむ姿勢が、多くのファンの共感を呼びました。

次戦は、6月末からオハイオ州で開催される「PBA60ワールドシリーズ・オブ・ボウリング」、そして7月10日からミシガン州で始まる「PBA50ワールドシリーズ・オブ・ボウリングIII」へと続きます。バーンズの勢いがどこまで続くのか、今後の展開にも大きな注目が集まります。

 

試合結果まとめ(チャンピオンシップラウンド)

  • 第1試合: ジョン・ジャナウィッツ 268 – 225 ジョン・ラコスキー

  • 第2試合: ジョン・ジャナウィッツ 238 – 215 ランディ・ワイス

  • 第3試合: クリント・デイシー 246 – 221 ジョン・ジャナウィッツ

  • 決勝戦: クリス・バーンズ 220 – 218 クリント・デイシー