Brunswick系ブランドの4モデルが生産終了へ
特徴、代替候補、購入時の注意点を詳しく解説
8月の新製品投入を前にラインアップを整理
Brunswick系ブランドで展開されている4つのボウリングボールが生産終了となった。
対象となるのは、DV8の「Mantra Solid」、Hammerの「Maximum Effect」、Radicalの「Torpedo Direct Hit」と「No Doubt Solid」だ。3ブランドから合計4モデルがラインアップを離れる。
今回の動きは、Brunswick系各ブランドが予定している8月の新製品投入を前に、既存製品を整理する流れの一部とみられる。いずれも市場を代表するほどの大ヒットモデルではなかったが、特定の投球タイプやレーンコンディションでは独自の役割を持っていた。
生産終了後は、各販売店の在庫がなくなり次第、入手が難しくなる可能性がある。一方で、すぐに売り切れるほど高い人気を集めていた製品ではないため、今後は在庫処分による値下げも予想される。
ただし、生産終了という理由だけで購入を急ぐのは得策とは限らない。重要なのは、それぞれのボールが持つ特徴を理解し、自分の球速、回転数、投球ライン、使用するレーンコンディションに合うかどうかを見極めることだ。
本記事では、生産終了となった4モデルの特徴、市場で評価が伸びなかった背景、代替候補、購入時に注意すべきポイントを詳しく解説する。
生産終了となった4モデルを徹底解説
DV8「Mantra Solid」 注目を集めきれず短期間で生産終了
最初に取り上げるのは、DV8のMantra Solidだ。
Mantra Solidは9月18日に発売され、その後7月29日前後に生産終了となった。比較的短い販売期間でラインアップから外れたモデルである。
市場で苦戦した大きな理由として、十分な注目を得られなかった点が挙げられる。実際のボウリング場でも使用している人を見かける機会は少なく、認知度を高める前に販売終了を迎えた印象が強い。
これは、性能に決定的な問題があったというより、同じ価格帯や同じ用途のボールと比べた際に、Mantra Solidならではの明確な魅力を打ち出しきれなかったことが影響したと考えられる。
Mantra Solidは、ミディアムクラスの強さと、滑らかでゆっくりとしたリアクションを持つボールだ。レーン奥で急激に方向を変えるタイプではなく、レーンの中盤から徐々に転がりを強め、丸みのある軌道を描く。
Zero Mercy SolidやEbonite Spartanといった強いソリッドボールほどのフック量はないものの、極端に弱いボールでもない。強さを抑えながら安定した動きを求めるボウラーにとっては、扱いやすい選択肢になり得る。
特に、レーンコンディションを判断するための基準球、いわゆるベンチマークボールとして使用できる可能性がある。投球ミスに対して過剰に反応しにくく、オイル上からドライゾーンへ移る過程を読み取りやすい点は、スムーズ系ボールの利点だ。
一方で、このカテゴリーにはすでに実績のあるモデルが多い。Game BreakerシリーズやPhaze IIなど、長年支持されてきた製品と比較された結果、Mantra Solidは存在感を示しにくかった。
掲載時点では、bowling.comで154ドルとされており、通常価格から約20ドル値下げされていた。ただし、生産終了品として考えると、まだ大幅な割引価格とは言いにくい。
過去には初代Mantraが在庫終了前に100ドル前後まで値下がりしており、Mantra Solidも110ドル程度まで下がる可能性がある。ただし、実際の価格は販売店の在庫状況によって変わるため、確実に値下がりするとは限らない。
価格が下がるまで待つ方法はあるが、希望する重量が先に売り切れる可能性には注意したい。特に需要の高い14ポンドや15ポンドを探している場合は、値下げ幅と在庫数の両方を確認する必要がある。
Mantra Solidの代替候補
DV8ブランド内で代替するなら、候補となるのが「Heckler Taunt」だ。
Heckler Tauntは、Mantra Solidよりも強いコアとカバーストックを持ち、レーンの早い段階からオイルを捉えやすい。Mantra Solidの滑らかな方向性を保ちつつ、さらに大きく強い動きを求めるボウラーに適している。
ただし、両者は完全に同じ強さではない。Heckler Tauntのほうが全体的なフック量が多く、オイルの多いコンディションに向いている。そのため、Mantra Solidの穏やかさを好んでいた人には、やや強すぎる可能性がある。
ブランドを限定しない場合は、Eboniteの「Game Breaker 5」が有力な候補となる。
Game Breaker 5は、ミディアムで滑らかなリアクションを求めるボウラーにとって使いやすく、レーンコンディションを判断するための基準球としても選びやすい。
このほか、Fallout、Phaze II、Lethal Venomなども、同様のミディアムスムーズ系に位置する。特にPhaze IIは、このカテゴリーを代表するモデルとして長く評価されている。
Mantra Solidの生産終了は愛用者にとって残念な知らせだが、代替候補は比較的多い。予備として同じボールを確保するのか、実績のある別モデルへ移行するのか、選択しやすい部類といえる。
Hammer「Maximum Effect」 後発のZero Mercy Solidに注目を奪われる
Hammerから生産終了となるのは、Maximum Effectだ。
Maximum Effectは2025年9月18日に発売され、Effectシリーズの中でも強い動きを持つ非対称ボールとして期待されたモデルだった。
Effectシリーズのファンにとって、より強いコアとカバーストックを搭載したモデルは待望の存在だった。Maximum Effectは、オイル量の多いコンディションに対応する強力なボールとして登場したが、発売時期に恵まれなかった。
発売から約1か月半後にZero Mercy Solidが発表され、状況は大きく変わった。Zero Mercy Solidは、Maximum Effectよりも強く、大きなリアクションを持つ製品として注目され、その話題性によってMaximum Effectの存在感は急速に薄れていった。
Maximum Effectそのものが極端に性能の低い製品だったわけではない。悪いボールではないものの、特別に優れているとも言い切れない中間的な評価を受けやすいモデルだった。
特徴的なのは、曲がり始めた後の動きだ。
Maximum Effectは、一定の距離まで進んだ後に方向を変えるものの、その後も長く曲がり続けるというより、比較的早い段階でロールへ移行する傾向がある。
この反応は、フックした後に動きが収まるような「フック・ストップ型」と表現できる。
強い非対称ボールには、レーン中盤からピンへ向かって滑らかに回り込み、エネルギーを維持したままピンを倒す動きが求められることが多い。Maximum Effectは、曲がり始めた後の継続性が弱く見える場合があるため、その点で好みが分かれたと考えられる。
一方で、動きの切り替わりが明確なボールを好む人には合う可能性がある。バックエンドで過剰に暴れず、曲がり始める位置を把握しやすいボールを求める場合には、安定感を感じられることもある。
特に、レーンの外側へ大きく膨らませるより、内側のオイルを使いながら比較的直線的に攻めるボウラーには、扱いやすい場面があるだろう。
掲載時点の価格は189ドルで、まだ明確な生産終了セールには入っていなかった。ただし、それ以前から断続的に値引きされていたため、今後はさらに価格が下がる可能性がある。
同程度の価格でZero Mercy Solidを選べる場合、より強く分かりやすいリアクションを持つZero Mercy Solidへ人気が集まりやすい。Maximum Effectを購入するなら、価格だけでなく、この独特の動きが自分に合うかを見極めたい。
Maximum Effectの代替候補
最も分かりやすい代替候補は、Maximum Effectの注目を奪った「Zero Mercy Solid」だ。
Zero Mercy Solidは、Maximum Effectよりも強く、レーン全体で大きな動きを見せる。オイル量の多いコンディションで使用する強い非対称ソリッドを探している場合には、有力な選択肢となる。
ただし、Maximum Effectより一段階強いため、使用できるコンディションはやや限定される可能性がある。Maximum Effectの強さがちょうどよかった人にとっては、Zero Mercy Solidでは手前から反応しすぎることも考えられる。
そこで候補となるのが、Eboniteの「Spartan」だ。
SpartanはZero Mercy Solidほど強くなく、より滑らかな軌道を描く。強い非対称ソリッドらしい転がりを備えながら、動きが急激になりすぎないため、Maximum Effectに近い役割を担いやすい。
代替モデルを選ぶ際は、単純なフック量だけで判断するのではなく、Maximum Effectのどの要素を評価していたかを整理する必要がある。
強さを求めるならZero Mercy Solid、滑らかさと扱いやすさを重視するならSpartanという選び方が考えられる。
Radical「Torpedo Direct Hit」 強いコアと弱いカバーを組み合わせた異色作
今回生産終了となる4モデルの中で、最も特殊な存在がRadicalのTorpedo Direct Hitだ。
このボールは、厳しい評価を受けることが多かった一方で、一般的な製品にはない設計によって強烈な印象を残したモデルでもある。
最大の特徴は、非常に強いコアと、極めて反応の弱いカバーストックを組み合わせている点だ。
搭載されているAXEカバーストックは、一般的なリアクティブ素材と比べて硬く、レーンとの摩擦が少ない。測定された個体では、硬度がおよそ78から80だったとされている。
硬いカバーストックは、ドライゾーンに入っても急激に反応しにくく、直進性を高める方向に働く。その一方で、Torpedo Direct Hitには市場でも非常に強い部類に入るコアが搭載されている。
つまり、カバーストックは曲がりを抑え、コアは強く向きを変えようとする。この対照的な組み合わせが、一般的なボールとは異なる独特のリアクションを生み出している。
条件が合わない場合、オイル上で長く滑りすぎたり、予想しにくい位置で急に転がり始めたりする可能性がある。また、コアの強さが前面に出ることで、レーン上での動きが不安定に感じられることもある。
こうした扱いの難しさから、多くのレビュアーに厳しく評価され、話題性を含めて「ネタ系ボール」のように扱われる場面もあった。
ただし、すべてのボウラーに不向きというわけではない。
回転数が高く、球速が遅いボウラーや、極端に回転優位のタイプには適する可能性がある。
通常のリアクティブボールでは、ドライゾーンに入った瞬間に曲がりすぎる人でも、Torpedo Direct Hitの硬いカバーであれば過剰な反応を抑えられる場合がある。
また、長時間使用されてオイルが減少したレーンや、極端に乾いたコンディションでも、直進性を維持しながらポケットへ運べる可能性がある。
つまり、幅広い状況に対応する万能型ではなく、限られた投球タイプとレーンコンディションに特化した製品といえる。
購入時に特に注意したいのが、ドリルレイアウトだ。
強いレイアウトでドリルすると、もともと強力なコアの動きがさらに大きくなり、制御が難しくなる可能性がある。そのため、使用を検討する場合は、自分の回転数や球速をドリラーに伝えたうえで、穏やかなレイアウトを選ぶことが重要だ。
Torpedo Direct Hitの代替候補
最も近い製品として挙げられるのが、同じRadicalの「Spy」だ。
Spyも、強いコアとプラスチック系のカバーストックを組み合わせている。直進性を確保しながら、コアによって一定の動きを作るという基本的な考え方は共通している。
ただし、SpyはTorpedo Direct Hitよりも数枚分弱い動きになる。また、Torpedo Direct Hitと同様にオイルを吸収しにくい性質を持つとされている。
完全な代替品ではないものの、特殊な構造を持つボールを求めるなら最も近い選択肢だ。
一方、実戦での扱いやすさを優先するなら、エントリークラスのリアクティブボールを選ぶ方法もある。
Fury、Surge、Rawなどは、Torpedo Direct Hitほど強いコアを持たない。そのため、乾いたレーンでも動きを予測しやすい。
Torpedo Direct Hitと同じ特殊性を求めるのか、乾いたコンディションで使いやすいボールを求めるのかによって、選ぶべき代替モデルは変わる。
Radical「No Doubt Solid」 ミディアムスムーズとミディアムシャープの中間を担ったモデル
Radicalからもう一つ生産終了となるのが、No Doubt Solidだ。
No Doubt Solidは、今回対象となった4モデルの中では比較的長く販売されており、1年以上ラインアップに残っていた。
このモデルは、初代No Doubtを改良したような位置づけで、光沢のあるソリッドカバーストックを採用している。
一般的に、ソリッドカバーストックはレーンの中盤を安定して読み、滑らかなリアクションを作りやすい。一方で、表面に光沢を与えると、手前での摩擦が抑えられ、ボールがレーン奥まで進みやすくなる。
No Doubt Solidは、この二つの性質を組み合わせることで、滑らかさを保ちながら、バックエンドでも一定の動きを確保していた。
カテゴリーとしては、ミディアムスムーズとミディアムシャープの中間に位置する。
滑らかなボールでは先の動きが足りず、鋭いボールでは動きが強すぎる場面において、両者の間を埋める役割を持っていた。
バッグ内の構成を細かく分けたい競技志向のボウラーにとっては、この中間的なポジションに価値がある。特に、オイルが減り始めたものの、弱いボールへ移行するにはまだ早い場面で使用しやすい。
生産終了の背景には、「No Doubt Hybrid」の存在があるとみられる。シリーズ内で役割が重なっているため、新しいハイブリッド版を残し、ソリッド版を整理する流れは自然だ。
ただし、No Doubt HybridはNo Doubt Solidと同じリアクションではない。
No Doubt Hybridのほうがレーンの早い段階から反応し、全体的にゆっくりとした動きを見せる。
製品名だけを見ると、ハイブリッドのほうが先で鋭く反応する印象を持つかもしれないが、実際の動きはカバーストックの強さや表面仕上げによって変わる。
No Doubt Solidは光沢によって手前を進みやすく、No Doubt Hybridよりもレーン奥で明確な動きを作りやすかったと考えられる。
掲載時点の価格は164ドルだった。大幅な値下げとはいえないものの、Radicalの生産終了品はセール対象になることが多い。
急いで必要でなければ、さらなる値下げを待つ方法もある。ただし、No Doubt Solidのような中間的リアクションを持つボールは、完全に同じ代替品を見つけにくい。
すでに愛用しており、予備を必要としている場合は、希望する重量が残っているうちに確保する判断も考えられる。
No Doubt Solidの代替候補
近い候補として挙げられるのは、「Black Widow Tour V1」だ。
両者はコアやカバーストックの設計が完全に一致するわけではない。Black Widow Tour V1は非対称コアを搭載しており、No Doubt Solidとは内部構造が異なる。
それでも、バッグ内で担当する役割は比較的近い。手前をある程度進みながら、レーン奥で安定した方向転換を求める場合には候補となる。
No Doubtシリーズを使い続けたい場合は、No Doubt Hybridの表面を調整する方法もある。
No Doubt Hybridにポリッシュを加えて光沢を強くすれば、手前での摩擦を抑え、No Doubt Solidに近い長さを出せる可能性がある。また、弱めのドリルレイアウトを採用すれば、コアの反応を穏やかにできる。
ただし、カバーストックそのものが異なるため、表面加工だけで完全に同じ動きを再現することはできない。あくまで近い役割へ調整する方法として考えたい。
4モデルの生産終了でミディアムスムーズカテゴリーが縮小
今回の生産終了は、個別の製品がなくなるだけでなく、Brunswick系ブランド全体のラインアップ構成にも影響を与える。
今回の変更によって、強く滑らかなカテゴリーが1モデル、ミディアムスムーズが2モデル、ミディアム弱めで滑らかなカテゴリーが1モデル減少する。
特に影響が大きいのが、ミディアムスムーズのカテゴリーだ。
生産終了後は、同カテゴリーに属するBrunswick系ブランドのボールが合計8モデルまで減少する。さらに、やや強めのミディアムスムーズに限定すると、主な選択肢はFalloutとGame Breaker 5になる。
ミディアムスムーズのボールは、多くのボウラーにとってバッグの中心となる存在だ。
強いボールではオイルを読みすぎる一方、弱いボールでは滑りすぎる場面で、中間的な強さと安定した曲がりを持つモデルは使いやすい。
また、試合やリーグ戦の序盤に使用し、ボールの動きからレーンコンディションを判断するベンチマークボールとしても重要な役割を持つ。
このカテゴリーでは、StormのPhaze IIが長年にわたって高く評価されている。Phaze IIは依然として同分野の基準となる存在であり、Brunswick系ブランドには明確に対抗できるモデルが少ない。
Game Breaker 5やFalloutは有力な選択肢だが、比較できる製品数が少なくなれば、ユーザーが他社ブランドへ流れる可能性もある。
ただし、今回の分類には、8月に発売される新製品はまだ反映されていない。
新製品の性能やレビューが明らかになれば、今回空いたカテゴリーが補われる可能性がある。今回の生産終了は、単なる不人気製品の整理ではなく、新しいラインアップへ移行する前段階として見ることもできる。
生産終了という希少性より、実際の用途を重視したい
今回生産終了となった4モデルは、いずれも市場で圧倒的な人気を集めていた製品ではない。そのため、発表直後にすべての在庫がなくなる可能性は低く、販売店のセールを待つ余地はあると考えられる。
Mantra Solidは、ミディアムで滑らかなベンチマーク系ボールを安く入手したい人にとって候補になる。Maximum Effectは、曲がり始めた後に早くロールへ移行する独特の動きを理解している人に向いている。
No Doubt Solidは、ミディアムスムーズとミディアムシャープの中間を埋めるボールを探している人に適している。一方、Torpedo Direct Hitは非常に特殊な設計を持つため、すべてのボウラーに勧められる製品ではない。
特にTorpedo Direct Hitを検討する場合は、自分の球速、回転数、使用するコンディションを確認し、ドリルレイアウトについて専門家へ相談する必要がある。
生産終了という言葉には希少性を感じやすい。しかし、安くなったからといって、そのボールが自分に合うとは限らない。後継モデルや類似製品のほうが、性能、扱いやすさ、使用できるコンディションの広さで優れている場合もある。
購入前には、バッグの中でどの役割を担当させるのかを明確にしたい。
Mantra SolidにはGame Breaker 5やHeckler Taunt、Maximum EffectにはZero Mercy SolidやSpartan、No Doubt SolidにはBlack Widow 2.0 Hybrid Tourや表面調整したNo Doubt Hybridが候補となる。
Torpedo Direct HitにはSpyが最も近いものの、扱いやすさを重視するならエントリークラスのボールを選ぶ方法も有力だ。
今後の注目点は、Brunswick系ブランドが8月の新製品で、縮小したミディアムスムーズカテゴリーをどのように補うかである。
Phaze IIと比較できる新たなベンチマークモデルが登場するのか。それとも、これまでとは異なる性能を持つ製品で市場を開拓するのか。今回の生産終了は、次のラインアップ再編を占う動きとしても注目される。
