PBAノーム・デューク・オープン決勝へ
ベナードとタケットが各組首位通過
停電による中断を経て、8人のファイナリストが出そろう
「マグナム・アイスクリーム・カンパニー PBAノーム・デューク・オープン」は、現地周辺で発生した停電により木曜日の競技が一時中断されたものの、金曜日に予選全日程を終えた。
25ゲームにわたる予選の結果、Aスクワッドでは22歳のデオ・ベナード、Bスクワッドでは今季圧倒的な強さを見せているEJ・タケットが首位通過を果たした。
Aスクワッドからはベナード、マーシャル・ケント、リッチー・ティース、ビル・オニールが進出。Bスクワッドではタケット、アンソニー・サイモンセン、AJ・ジョンソン、エリック・ジョーンズがテレビ決勝への切符をつかんだ。
決勝では各スクワッドの4選手がステップラダー方式で対戦し、それぞれの勝者が最終優勝決定戦に進む。若手の勢い、ベテランの経験、そして今季の主役による圧倒的な実績が交錯する、注目の決勝ラウンドとなる。
ベナードが全体首位、タケットは不調でも大差を維持
22歳のベナード、難関オイルパターンを攻略
Aスクワッド首位に立ったデオ・ベナードは、25ゲームで通算5,659ピン、プラス659を記録。両スクワッドを通じて最高成績を残した。
今大会では、39フィートの「ノーム・デューク」オイルパターンが採用された。高い精度と細かなライン調整を求められる難しいコンディションのなか、ベナードは1ゲーム平均226ピン以上をマーク。安定感と爆発力を兼ね備えた投球で、他の選手を一歩リードした。
テキサス州出身のベナードは、まだ22歳ながらPBAリージョナルツアーで16勝を挙げている。22歳までのリージョナル優勝数としては歴代最多で、次世代を担う有望選手として注目を集める存在だ。
2024年にはPBAチーター・チャンピオンシップを制し、PBAツアー初優勝を達成。その決勝で破った相手が、今回Aスクワッド2位に入ったマーシャル・ケントだった。
ステップラダーの展開次第では、両者が再びスクワッド決勝で対戦する可能性がある。ベナードにとっては、ツアー通算2勝目とともに、若手トップ選手としての地位を確立する大きなチャンスとなる。
ケントは今季2勝目、通算9勝目を狙う
Aスクワッド2位のマーシャル・ケントは、ベナードから約200ピン離されたものの、予選を通して後続との差を着実に広げた。
ワシントン州出身のケントは、3月にPBAインディアナ・クラシックで優勝。今大会では今季2勝目、キャリア通算9勝目を目指す。
ベナードとの直接対決が実現すれば、2024年のPBAチーター・チャンピオンシップ決勝の再戦となる。経験豊富なケントが雪辱を果たすのか、それともベナードが再び退けるのか。Aスクワッド最大の見どころの一つだ。
128からの劇的復活 ティースが3位通過
イングランド出身のリッチー・ティースは、金曜日の終盤に激しい順位変動を経験した。
最初のゲームで258を記録し、8位から4位へ浮上。ところが続くゲームでは128と大きく崩れ、一気に13位まで後退した。
テレビ決勝進出が遠のいたかに見えたが、ティースはそこから立て直した。最後の2ゲームで266、248を並べ、Aスクワッド3位まで急浮上。劇的な形でステップラダー進出を決めた。
一度崩れた流れを短時間で修正し、勝負どころで高得点を出した点は特筆に値する。ティースの復活劇は、技術だけでなく、精神面の強さを示すものとなった。
オニール、わずか1ピン差で決勝進出
Aスクワッド最後の決勝枠を獲得したのは、PBA殿堂入り選手のビル・オニールだった。
オニールの通算スコアは5,339ピン。前週のAMF PBAワールド・チャンピオンシップで準優勝したザック・ウィルキンスを、わずか1ピン差で上回った。
ペンシルベニア州ラングホーンに住むオニールにとって、決勝会場となるベツレヘムは比較的身近な場所だ。父の日に家族の前で投球する機会をつかみ、キャリア通算16勝目を狙う。
一方のウィルキンスにとっては、わずか1本のピンが明暗を分ける厳しい結果となった。TJ・ロック、カイル・トループ、カム・クロウも上位8人に入ったが、決勝進出には届かなかった。
タケット、万全でなくてもBスクワッドを圧倒
2位に201ピン差 今季の強さを改めて証明
BスクワッドではEJ・タケットが25ゲームで5,580ピン、プラス580を記録し、首位通過を果たした。
金曜日の10ゲームは平均212。現在のタケットの水準から見れば、決して最高の内容ではなかった。それでも2位のアンソニー・サイモンセンに201ピン差をつけて首位を守った事実が、今季の圧倒的な強さを物語っている。
タケットは前週のPBAワールド・チャンピオンシップで、自身8個目となるメジャータイトルを獲得。メジャー優勝数でノーム・デュークを上回っただけでなく、同一大会を4年連続で制したPBA史上初の選手となった。
今大会でのテレビ決勝進出は、今季9回目。あと2つのRace-to-Twoマッチを制すれば、マイク・オールビーに並ぶキャリア通算29勝目に到達する。
予選で見せた安定感と今季の実績を踏まえれば、優勝候補の筆頭はタケットだろう。ただし、短期決戦では予選の点差が持ち越されるわけではない。数フレームのミスが勝敗を左右するだけに、絶対的な本命にも油断は許されない。
サイモンセンとノーム・デュークを結ぶ特別な縁
Bスクワッド2位のアンソニー・サイモンセンは、大会名にもなっているノーム・デュークと特別なつながりを持つ。
デュークが2019年のPBAジョーンズボロ・オープンで通算40勝目、そしてキャリア最後となるPBAツアータイトルを獲得した際、決勝で対戦した相手がサイモンセンだった。
今季のサイモンセンは全米オープンで準優勝し、グルーポンPBAイリノイ・クラシックでは優勝。今大会で勝てばシーズン2勝目となる。
さらに、決勝会場のスティール・シティ・ボウル・アンド・ブリューズでは、2024年のPBAツアーファイナルズを制している。会場との相性という点でも、タケットを脅かす有力候補だ。
AJ・ジョンソンとエリック・ジョーンズも勝ち上がる
AJ・ジョンソンはBスクワッド3位に入り、今季2度目のテレビ決勝進出を決めた。33歳のジョンソンは、日曜日の決勝でキャリア通算2勝目を目指す。
4位にはエリック・ジョーンズが滑り込んだ。左投げの両手投げ選手であるジョーンズは、金曜日最初のゲームで165と出遅れたものの、その後は223、217、235とスコアをまとめた。
最終ゲームまでもつれた混戦のなか、ルーキーのブレット・ロイド、ダレン・タン、クリス・ヴァイらを退け、最後の決勝枠を確保。序盤のつまずきを引きずらず、終盤に安定した投球を続けたことが勝ち上がりにつながった。
決勝方式と放送予定
テレビ決勝は、ペンシルベニア州ベツレヘムのスティール・シティ・ボウル・アンド・ブリューズで開催される。
Aスクワッドのステップラダーは米東部時間正午、Bスクワッドは午後2時に開始予定。各ステップラダーでは、まず第4シードと第3シードが1ゲームマッチで対戦し、その勝者が第2シードと1ゲームマッチを行う。
勝ち上がった選手は第1シードとRace-to-Two方式で対戦。先に2ゲームを獲得した選手が、各スクワッドの代表として優勝決定戦へ進む。
両スクワッドの勝者によるチャンピオンシップマッチは午後4時開始予定で、こちらもRace-to-Two方式で争われる。
日曜日の予定は以下の通り。
- 午後12時:Aスクワッド・ステップラダー
- 午後2時:Bスクワッド・ステップラダー
- 午後4時:チャンピオンシップマッチ
すべてのテレビ決勝はCBS Sports Networkで放送され、2026年PBAツアーのテレビ中継日程を締めくくる大会となる。
同会場では「PBAエリートリーグ:バトル・オブ・ザ・ブランズ」の最終戦も開催される。タケット率いるMotivが第1シードを獲得しており、Hammer、Storm、900 Global、Brunswick、Roto Gripのいずれかとコミッショナーズカップを争う。
若き才能か、絶対的王者か
PBAノーム・デューク・オープンの予選では、22歳のデオ・ベナードと、今季のツアーを支配するEJ・タケットが、それぞれのスクワッドを制した。
ベナードは難しいオイルコンディションを攻略し、全選手中トップの成績を記録。若手らしい勢いだけでなく、25ゲームを通して高い精度を維持する安定感も示した。
一方のタケットは、本来の出来ではない時間帯がありながらも、2位に200ピン以上の差をつけた。調子が万全でなくても首位を譲らない強さは、今季の充実ぶりを象徴している。
しかし、決勝は予選とは異なる短期決戦だ。ケントやオニール、サイモンセンといった実績豊富な選手に加え、劇的な巻き返しを見せたティース、混戦を勝ち抜いたジョーンズにも十分な勝機がある。
若きベナードが新たな時代の到来を告げるのか。タケットが歴史的なシーズンに新たなタイトルを加えるのか。それとも、経験豊富な実力者が主役の座を奪うのか。
ノーム・デュークの名を冠した大会は、2026年PBAツアーのテレビ中継を締めくくるにふさわしい最終決戦を迎える。
