ブリタニー・スミスが急浮上
U.S. Women’s Open予選2日目でトップ3入り
難コンディションを攻略したスミスが一気に上位へ
2026年Go Bowling U.S. Women’s Openは、インディアナ州インディアナポリスのRoyal Pin Woodlandで予選2日目を終え、上位争いがいよいよ熱を帯びてきた。長丁場で知られるこの大会では、爆発的なスコアだけでなく、難しいレーンコンディションに対応する冷静さ、ミスを最小限に抑える精度、そして最後まで崩れない忍耐力が求められる。
その中で、2日目に大きな存在感を放ったのが、アイオワ州アデル出身のブリタニー・スミスだ。スミスは金曜日の8ゲームで、この日最高となる1,789ピンを記録。初日の1,767ピンと合わせて合計3,556ピンとし、総合3位へ浮上した。
スミスのこの日の内容は、単なる好スコア以上の意味を持つ。第3ゲームで141という苦しいスコアを出しながらも、そこから立て直し、残りのゲームではすべて218以上をマーク。最後は258で締めくくり、難関大会で求められる修正力と精神的な強さを見せつけた。
昨年に続くマッチプレー進出を目指すスミスにとって、この2日目の躍進は大きな一歩となった。
我慢と精度が生んだ1,789ピンの価値
この日のスミスを支えたのは、派手なストライクラッシュではなく、レーンに対する的確な判断と我慢強い投球だった。
予選2日目に使用されたのは、ほぼフラットに近い37フィートのオイルコンディション。選手にとっては、少しの角度や回転のズレが大きなミスにつながりやすい難しいパターンだった。スミス自身も試合後、「練習の時点でプラス50なら十分だと思っていた」と振り返っている。
その言葉からも分かるように、スミスは最初から無理にビッグゲームを狙っていたわけではない。重要視していたのは、ボールの後ろにしっかり入り、レーンの先までボールを運ぶことだった。
彼女は「少しでも横から回しにいくと、足元で大きく曲がってしまった」と語っている。そのため、ストライクを狙う場面だけでなく、スペアショットでもボールの後ろを意識し、レーン上で安定した軌道を作ることを徹底した。
この冷静なアプローチが、結果的に2日目最高の8ゲームブロックにつながった。
特筆すべきは、第3ゲームの141からの立て直しだ。U.S. Women’s Openのような大会では、一度のロースコアが順位に大きく響く。しかしスミスは、その失速を引きずらなかった。以降のゲームで確実にスコアを積み上げ、最終ゲームでは258を記録。悪い流れを断ち切り、むしろ大会全体の流れを自分の方へ引き寄せた。
スミスは、U.S. Women’s Openで勝ち残るために必要な要素として「忍耐」を挙げている。
「この大会は一日で勝てるものではない。とにかく多くのゲームがある。だから、非常に我慢強くなければならない」
この言葉は、今大会の本質をよく表している。予選だけで24ゲーム。その後もキャッシャーズラウンド、マッチプレー、ステップラダー決勝へと続いていく。短時間の勢いだけでは勝ち上がれない。悪いゲームをどう抑えるか、苦しい時間帯をどう耐えるかが、最終順位を大きく左右する。
さらにスミスは、「この大会では毎回ストライクを取る必要はない。ポケットをコントロールできるかが重要」とも話している。
難しいコンディションでは、完璧な投球を求めすぎるとかえってリスクが高まる。スプリットやオープンフレームを避け、確実にポケットを突き、スペアで耐える。チャンスが来た時に連続ストライクで伸ばす。その繰り返しが、U.S. Women’s Openで上位に残るための現実的な戦い方だ。
一方、予選2日目終了時点で首位に立つのは、ミシガン州エイドリアン出身のジョーダン・スノッドグラス。金曜日に1,770ピンを加え、16ゲーム合計を3,668ピンまで伸ばした。この数字は、PWBAツアーが2015年に再開されて以降、16ゲーム予選としては歴代2番目の高スコアである。2024年にダイアナ・ザヴャロワが記録した3,817ピンに次ぐ記録であり、スノッドグラスの安定感と爆発力が際立っている。
そのザヴャロワも、今年の大会で健在ぶりを示している。16ゲーム終了時点で3,559ピンを記録し、総合2位につけた。スミスは3,556ピンで、その差はわずか3ピン。上位争いは極めて僅差となっている。
4位にはニューヨーク州スケネクタディ出身のリズ・クールキンが3,509ピンで続き、5位には2026年USBC Queens優勝者のエリン・マッカーシーが3,496ピンで入った。トップ5には実績ある選手が並び、ここからの一投一投が順位を大きく変える展開となりそうだ。
6位はジョージア州ボールグラウンドのアナリース・オブライアントで3,472ピン。7位にはウクライナのダーシャ・コヴァロワが3,468ピンで続く。さらに、ステファニー・ザヴァラ、クリスタル・エリオット、ジャンナ・ブランドリーノがトップ10を形成している。
上位陣の争いが注目される一方で、カットライン付近の攻防も熾烈だ。24ゲーム終了時点で上位36名が日曜日のキャッシャーズラウンドに進出するが、2日目終了時点で36位に立っているのは、オハイオ州ストウ出身のジリアン・マーティン。合計3,268ピンで、37位のジョジー・バーンズをわずか8ピン上回っている。
この8ピン差は、ボウリングでは決して安全圏とは言えない。スペア一つ、カウント一つ、あるいは一投のミスで順位は簡単に入れ替わる。最終予選ブロックでは、トップ争いだけでなく、36位前後の選手たちによる生き残りをかけた戦いにも大きな注目が集まる。
スミスにとっても、まだ安心できる状況ではない。3位という好位置につけているとはいえ、U.S. Women’s Openはゲーム数が多く、コンディションの変化も激しい。最後の予選8ゲームで大きく順位が動く可能性は十分にある。
それでも、スミスは前向きだ。
「今日のようにうまく流れをつかみ、自信を持って最後のブロックに入りたい。そしてトップ36、さらにトップ24へ向けて良い位置で進みたい」
このコメントからは、スミスが目の前のラウンドだけでなく、その先のマッチプレーまで見据えていることが分かる。まずはトップ36入りを確実にし、次にトップ24を狙う。そして最終的には、ステップラダー決勝進出を視野に入れる。2日目の内容は、その道筋を現実的なものにする大きな材料となった。
大会は土曜日に最後の8ゲーム予選ブロックを迎える。各シフトは東部時間の午前8時、午後1時、午後6時にスタート。24ゲーム終了後、上位36名が日曜日午前10時からのキャッシャーズラウンドへ進出し、さらに8ゲームを投球する。
その後、日曜日午後5時からは上位24名によるラウンドロビン形式のマッチプレーが開始される。残る2つの8ゲームブロックは月曜日の午前10時と午後5時に行われ、合計56ゲーム終了時点の上位5名が、火曜日午後7時からのステップラダー決勝へ進む。決勝はCBS Sports Networkで生中継され、それまでの各ラウンドはBowlTVでライブ配信される予定だ。
スミスの粘りが大会後半の鍵を握る
2026年Go Bowling U.S. Women’s Open予選2日目は、ブリタニー・スミスの急浮上が大きな焦点となった。第3ゲームで141を記録しながらも崩れず、残りのゲームで着実にスコアを伸ばし、この日最高の1,789ピンを叩き出した。その内容は、単なる好調ではなく、難コンディションに対する理解、冷静な修正力、そして長丁場を戦うための忍耐力に支えられたものだった。
U.S. Women’s Openは、ストライク数だけで勝敗が決まる大会ではない。むしろ、苦しい場面でどれだけ耐えられるか、ポケットをどれだけコントロールできるか、そして悪いゲームを最小限のダメージで乗り切れるかが問われる。スミスの2日目の投球は、その大会特性に見事に適応したものだった。
首位のジョーダン・スノッドグラス、2位のダイアナ・ザヴャロワ、そして3位のブリタニー・スミス。その差は決して大きくない。さらに、トップ10にも実力者が並び、最終予選ブロックでは順位が大きく動く可能性がある。
スミスがこの勢いを維持し、昨年に続くマッチプレー進出を果たせるか。そして、さらに上位へ食い込むことができるか。大会後半へ向けて、彼女の一投一投に注目が集まる。
