
パーカー・ボーン三世、PBA60ウェッブ選手権で初優勝
伝説に新たな1ページ
伝説のボウラーがPBA60で新たな金字塔を打ち立てる
2025年7月3日、オハイオ州コロンバスの「Wayne Webb’s Columbus Bowl」で開催された「PBA60ウェッブ選手権」において、ボウリング界のレジェンド、パーカー・ボーン三世(Parker Bohn III)が見事な優勝を飾りました。PBAツアーやPBA50で数々のタイトルを獲得してきたボーンにとって、これは自身初のPBA60タイトル。ベテランならではの技術と冷静さで大会を制したこの勝利は、彼の輝かしいキャリアに新たな1ページを加えました。
激戦を制した技術と戦略
劣勢からの大逆転劇
ボーン三世は決勝トーナメント(ステップラダー方式)の開始時点で第14シードと、優勝候補とは見なされていませんでした。しかし、そこから一戦一戦を勝ち抜き、3試合連続で200点超えを記録するという快進撃を見せました。
特に準決勝と決勝では、全22投中17ストライクを記録するなど、驚異的な集中力と精度を発揮しました。
試合ごとの詳細と戦術
【準決勝】対 スキップ・パヴォーネ戦
同じく左利きのスキップ・パヴォーネと対戦した準決勝では、ボーンは初投からストライク、2投目は3ピンをカバーし、その後は7連続ストライクという圧倒的な内容で255点をマーク。パヴォーネは序盤で3回のオープンフレームを喫し、180点にとどまりました。
この試合でのボーンの投球は、レーンの状態を見極めた上で、ウレタンボールを選択するという戦術眼が光りました。
【決勝戦】対 クリス・ウォーレン戦
決勝では第1シードのクリス・ウォーレンと対戦。ボーンは8連続ストライクで一気に主導権を握りました。特に左レーンでは完璧なポケットヒット、右レーンではラッキーな薄めヒットが続き、本人も「このショットで生活している」と冗談を交える余裕すら見せました。
9フレームでは右レーンで10番ピンが残りスペア失敗となりましたが、10フレームでは勝負所で確実なスペア(3-5-6)をカバーし、最後の投球もストライクに近い形でまとめて257点を記録。ウォーレンの5連続ストライクによる猛追も及ばず、248点でボーンの勝利が確定しました。
ボーンは試合後、「ビジネス・アズ・ユージュアル(いつも通りの仕事)。大事なのは10フレームで落ち着いて投げること」と語り、冷静さと経験の違いを見せつけました。
他選手の見どころ
アムレト・モナチェリは初戦でパーフェクトゲーム(300点)を達成し、衝撃のスタートを切りましたが、2回戦でパヴォーネに221対237で敗退。
パヴォーネはその2回戦で、試合終盤に5連続ストライクを決める粘りを見せ、劇的な逆転勝利を演出しました。
ロバート・ローレンスは216点を記録するも、モナチェリの300点に屈する結果に。
トーナメント結果一覧
順位 | 選手名 | 賞金額 |
---|---|---|
1位 | パーカー・ボーン三世 | $5,000 |
2位 | クリス・ウォーレン | $2,500 |
3位 | スキップ・パヴォーネ | $1,800 |
4位 | アムレト・モナチェリ | $1,400 |
5位 | ロバート・ローレンス | $1,200 |
ボーン三世、次なる挑戦へ
パーカー・ボーン三世は、「初めてのPBA60タイトルは一生忘れない」と語り、PBAの各カテゴリーで初勝利を飾った瞬間をすべて覚えているというエピソードも披露しました。彼はこの後、「PBA60ロス選手権」を含む2大会に出場予定で、「今日は終わった、明日の準備を始める」とすでに次戦を見据えています。
また、7月4日の独立記念日には家族や友人と過ごす予定もあり、オンとオフのバランスを大切にしながら競技に取り組んでいる様子がうかがえます。
次戦のロス選手権では、43フィートのオイルパターンで予選8ゲームが行われ、上位16名がマッチプレーへ進出。さらに、ウェッブ選手権とロス選手権の合計スコア上位18名が「PBA60ワールド選手権」に進出予定です。
ボウリング界の生ける伝説が、今なお進化を続ける姿から目が離せません。今後の戦いはBowlTVで視聴可能です。興味のある方はぜひチェックしてみてください。