EJタケット、史上初の4年連続PBA年間最優秀選手に
通算5度目の受賞で歴史を更新
EJタケットがまたひとつPBA史を塗り替える
PBAを代表するトップボウラー、EJタケットが、2026年の「Chris Schenkel PBA Player of the Year」に選出された。
今回の受賞は、タケットにとって通算5度目。さらに2023年から続く4年連続の年間最優秀選手受賞となった。
これまでPBA年間最優秀選手を5度以上受賞した選手は、ジェイソン・ベルモンテの7度、ウォルター・レイ・ウィリアムズJr.の7度、アール・アンソニーの6度という、歴代屈指のレジェンドたちだけだった。
タケットは今回の受賞でマーク・ロスの4度を上回り、PBA史上4人目となる「年間最優秀選手5度以上」の領域へ到達した。
そして何より大きいのが、連続受賞記録だ。
タケットは2023年、2024年、2025年、2026年と4シーズン連続で年間最優秀選手に選ばれ、PBA史上初の4年連続受賞を達成した。
2026年は、単純な優勝回数だけを見れば圧倒的なシーズンではない。
それでも、シーズンアベレージ、年間ポイント、獲得賞金、上位進出回数、そして最も重要な場面での勝利まで含めて見ると、タケットがどれほど高いレベルで一年間を戦い続けていたのかが浮かび上がる。
タイトル数だけでは測れない「年間を通した強さ」こそ、2026年のEJタケットを象徴する最大のポイントだった。
4年連続ワールドチャンピオン、そして4年連続年間最優秀選手
タケットの現在の連続記録を特別なものにしているのが、PBAワールドチャンピオンシップでの圧倒的な強さだ。
2023年から2026年まで、タケットは4シーズン連続でPBAワールドチャンピオンシップを制覇した。
これは、同一タイトルイベントを4年連続で制したPBA史上初の記録となる。
さらにタケットは2016年にもPBAワールドチャンピオンシップを制し、そのシーズンにも年間最優秀選手に選ばれている。
つまり年間最優秀選手受賞は、2016年、2023年、2024年、2025年、2026年の計5回。
すでに2025年の段階で、タケットは歴史的な領域へ足を踏み入れていた。
3年連続の年間最優秀選手受賞は、アール・アンソニー、マーク・ロス、ウォルター・レイ・ウィリアムズJr.、ジェイソン・ベルモンテに続く史上5人目の記録だった。
さらに2025年のPBAワールドチャンピオンシップ優勝によって、PBAメジャー3連覇を達成した数少ない選手の一人にもなっていた。
しかし2026年、タケットはその「3」をすべて「4」へと更新した。
3年連続でも歴史的だった記録を、誰も到達したことのない4年連続へ伸ばした。
これは単なる連覇ではない。
毎年レーンコンディションも対戦相手も変化し、世界最高峰の選手たちが研究と対策を重ねるPBAツアーにおいて、4年間にわたり頂点級のパフォーマンスを維持したことを意味する。
2026年は決して順風満帆ではなかった
2026年シーズンの価値をさらに高めているのが、タケットが簡単に勝ち続けたわけではなかったという点だ。
シーズン中、タケットは5度のチャンピオンシップラウンドを経験しながら勝利をつかめず、その中にはメジャー大会でトップシードを獲得しながら優勝を逃したケースもあった。
それでも最後まで崩れなかった。
その流れを変えたのが、AMF PBAワールドチャンピオンシップだった。
タケットはこの大会で2026年PBAツアー唯一となるタイトルを獲得し、史上初となるワールドチャンピオンシップ4連覇を完成させた。
この1勝には、単なる「シーズン初タイトル」以上の意味があった。
年間最優秀選手の投票対象になるためには最低1勝が必要だったため、ワールドチャンピオンシップでの優勝によって、タケットは年間最優秀選手争いの条件も満たした。
つまり、2026年最大の勝負どころで、最も必要な勝利を手にしたことになる。
タケット自身も優勝後、競技の歴史上誰も成し遂げていないことを達成した気持ちについて、言葉では表現できないほどだと語っている。
勝つべき場所で勝つ。
2026年のタケットの強さを象徴する場面だった。
タイトルは1勝でも、年間成績は圧倒的
2026年のタケットを評価するうえで、最も注目すべきなのが年間成績の中身だ。
タイトル数を除けば、タケットはPBAツアーの主要な数字でトップに立った。
年間ポイントは32,335ポイント。
獲得賞金は324,075ドル。
そして438ゲームを投球して記録したシーズンアベレージは229.79。
これはPBAツアーのシングルシーズン平均スコア新記録となった。
この数字だけでも十分に驚異的だが、さらに注目すべきなのは近年の安定感である。
2024年のシーズンアベレージ229.37は歴代3位、2025年の228.60は歴代5位。
つまりタケットは2026年だけ偶発的に高い数字を残したのではなく、3シーズンにわたってPBA史上最高水準のアベレージを維持している。
この継続性こそ、タケットの現在地を最もよく示している。
一大会だけ爆発的なスコアを出すことと、ツアー全体を通して高い平均を維持することはまったく別物だ。
長いシーズンでは、コンディションの違い、移動、疲労、プレッシャー、対戦相手の変化など、あらゆる要素が影響する。
その中で229.79という平均を438ゲームにわたって記録したことは、技術力だけでなく、対応力と再現性まで極めて高いレベルにあることを示している。
18大会中17大会で賞金獲得という異次元の安定感
タケットは2026年、タイトルイベント18大会に出場し、そのうち17大会で賞金を獲得した。
さらにトップ10入り13回、トップ5入り10回を記録している。
この数字を見ると、「年間1勝」という表現だけではシーズンの実態をほとんど説明できないことが分かる。
18大会中10大会でトップ5。
つまり、シーズンの半分以上の大会で優勝争いに近い位置まで進んでいたことになる。
PBA Players ChampionshipとUSBC Mastersという2つのメジャー大会では、ともにトップシードを獲得。
最終的にはタイトルマッチで敗れて準優勝となったものの、メジャー2大会でトップシードを獲得した事実そのものが、年間を通した競争力の高さを物語っている。
一度勝つ強さではなく、何度も優勝圏内まで戻ってくる強さ。
2026年のタケットは、その能力でフィールドを圧倒していた。
85.46%の得票率が示した圧倒的評価
年間最優秀選手投票でも、タケットへの評価は明確だった。
PBAメンバーおよびメディアによる投票で、タケットは85.46%を獲得した。
候補にはブランドン・ボンタ、パトリック・ドンブロウスキー、グラハム・ファッハ、アレックス・ホートン、マーシャル・ケント、ブーグ・クロール、スペンサー・ロバージ、アンソニー・サイモンセン、ザック・ウィルキンスといった選手たちも名を連ねた。
それでもタケットが85%を超える支持を集めた。
これは、2026年シーズンの年間最優秀選手を決めるうえで、タケットの総合的な成績が極めて高く評価されたことを示す数字といえる。
タイトル数は1。
しかしアベレージ、ポイント、賞金、トップ5、トップ10、メジャーでの成績、そしてワールドチャンピオンシップ優勝。
これらを総合すれば、今回の受賞には十分すぎるほどの説得力がある。
通算5度目、いよいよ歴代最高峰の領域へ
今回の受賞によって、タケットの年間最優秀選手受賞回数は通算5度となった。
歴代ではジェイソン・ベルモンテとウォルター・レイ・ウィリアムズJr.が7度、アール・アンソニーが6度。
そしてその次に、EJタケットの5度が続く。
タケットは現在34歳。
すでに歴史的な選手であることに疑いはないが、ここからさらに年間最優秀選手の受賞回数を伸ばせば、ベルモンテやウォルター・レイ・ウィリアムズJr.が持つ7度という数字も現実的な比較対象になってくる。
そして何より、4年連続という記録は現時点でタケットだけが持つものだ。
歴代記録を追う立場から、歴代記録を作る立場へ。
2026年の受賞は、タケットのキャリアにおける大きな転換点ともいえる。
2026年は「1勝」ではなく「年間を支配したシーズン」
2026年のEJタケットは、PBAワールドチャンピオンシップ4連覇を達成し、さらに史上初となる4年連続年間最優秀選手に選出された。
通算では5度目の受賞。
これによって、ジェイソン・ベルモンテ、ウォルター・レイ・ウィリアムズJr.、アール・アンソニーというPBA史を代表する選手たちに続く位置へと到達した。
しかし、このシーズンの本当の価値は「ワールドチャンピオンシップ優勝」や「年間1勝」という数字だけでは語れない。
438ゲームで229.79というPBA新記録のシーズンアベレージ。
32,335ポイント。
324,075ドルの獲得賞金。
トップ5入り10回、トップ10入り13回。
18タイトルイベント中17大会で賞金獲得。
そして、最も勝利が必要だったワールドチャンピオンシップでタイトルを獲得した。
これほど年間を通して高い水準を維持したシーズンを、「1勝だった」という一言で評価することはできない。
むしろ2026年は、タイトル数以上に「毎週のように勝てる位置にいた」という事実がタケットの強さを証明したシーズンだった。
さらに、その結果として85.46%という圧倒的な得票率で年間最優秀選手に選ばれた。
2023年から始まったタケットの連続受賞は、ついに4年へ到達した。
次に待っているのは、誰も経験したことのない5年連続年間最優秀選手という領域なのか。
それとも、歴代最多となる年間最優秀選手7度という記録への接近なのか。
EJタケットはいま、PBAの歴史を追う選手ではなく、PBAの歴史そのものを書き換える選手になっている。
2026年シーズンは、その事実を改めて証明した一年だった。
「4年連続」という、誰も足を踏み入れたことのない領域
「年間最優秀選手(プレイヤー・オブ・the・イヤー)を4年連続で獲得するなんて、なんだか現実離れしていますね。
まあ何というか、間違いなく未知の領域にいる気分です。誰も成し遂げたことのない偉業を達成できるなんて……言葉にどう言い表していいのかわかりません。
もちろん、ここ4年間は本当に素晴らしいボウリングができています。
ですが同時に、これは自分の仲間である他の選手たちが、自分のことをどう評価してくれているのかを示す、何よりの証拠だとも思っています。
そのようなことを成し遂げられるほど自分が優れていると考えてくれた彼らには、感謝の気持ちを伝えなければなりません。
素晴らしいシーズンでしたが、最後にワールドチャンピオンシップで優勝できたことが、やはりシーズン全体を最高のかたちで締めくくってくれました。
あのワールドシリーズでは本当に猛練習を重ね、4年連続となるワールドチャンピオンシップ制覇のチャンスを掴める位置につくことができました。
「自分の方が良いボウリングをしていたとは思わない」
もちろん、ワールドチャンピオンシップの決勝戦では、自分でも『こうあるべきだ』と思うほど良いボウリングはできませんでした。
でも、何となく運がこちらに向いてくれたんです。
あの試合では、ザックの方が自分よりも良いボウリングをしていたと思います。
結局のところ、自分のスコアの方が高かったというだけのことであって、あの場面で自分が彼を圧倒していたとは思いません。
そして彼が4-9ピンのスプリットを残してスペアをミスしたとき、私は信じられない思いでした。
というのも、あの時点ではもう負けたと思っていたからです。
ザックがマーク、つまりストライクまたはスペアを取れずにワールドチャンピオンシップを逃すなんて、どう考えても有り得ないと思っていました。
もし彼が勝っていれば、おそらくプレイヤー・オブ・the・イヤーも彼のものになっていたでしょう。
本当に狂ったような時間でした。
ショックを受け、信じられませんでした。その感覚はしばらく消えませんでしたね。
なぜなら、誰も成し遂げたことのない偉業を完遂することができたからです。
同じ大会を4年連続で制覇するだけでもすごいことなのに、それがメジャー選手権なのですから。
本当に狂気のような道のりでした。
ただ、私が言えるのは、
運を味方につけられる位置に自分を置けるだけのパフォーマンスを発揮できた。
ただそれだけです。
その結果として、あの日あのようなことが起きたのだと思います」
5年連続へ向けて、新たなプレッシャーはあるのか
――プレッシャーを感じることはありますか?
もちろん、あなたのような立場の人なら誰もがそうであるように、次は5年連続を狙っていくことになります。
このシーズンを迎えるにあたって、こうした「連勝記録」を続けていくことに対する、新たなプレッシャーのようなものは感じますか?
「新たなプレッシャーについて言えば、これまでのボウラー人生の中でプレッシャーを感じたシーズンがあるとすれば、2026年シーズンだったと思います。
なぜなら、誰も成し遂げたことのない『2つの偉業』を同時に達成するチャンスがあったからです。
それが、
『4大会連続優勝』
そして、
『プレイヤー・オブ・the・イヤー4年連続受賞』
です。
そのシーズンに、その両方を成し遂げることができたのは本当に幸運でした。
ですから、これからは本当に誰も足を踏み入れたことのない、未知の水域を進んでいくことになります。
私にできるのは、これまで通りのやり方で準備をし、過去4年間と同じように2027年シーズンに向けて万全の準備を整え、自分ができる限りの最高のボウリングをすることだけです。
そしてシーズンの終わりに、5年連続受賞の可能性を手繰り寄せられるだけのボウリングができていることを願っています。
ただ、それを成し遂げるには1シーズンすべてを戦い抜く必要があります。
長く厳しいシーズンですし、何が起こるかわかりません。
自分にコントロールできるのは、自分自身だけです。
他の誰かがすることを変えることはできません。
「いつか、この連勝は止まる」
いつの日か、誰かが素晴らしいシーズンを送る時が来るでしょう。
つまり、圧倒的なシーズンです。
例えば4〜5回優勝したり、メジャーを1、2勝したりするような選手が現れるはずです。
それは必ず起きます。
誰かがそれをやり遂げるでしょう。
それが自分であってほしいとは思いますが、いずれ誰かが成し遂げます。
そして、いつかは私の連勝も止まる時が来ます。
できる限り長くこの波に乗ろうとは思います。
ですが忘れてはならないのは――私自身も常に心がけていますが――
私は地球上で最高の選手たちと戦っている
ということです。
山の頂上に永遠に君臨し続けることはできません。
それでも、そこにいられる限り長く留まるために、自分のできる限りの全力を尽くします」
長いシーズンを戦い抜くモチベーションの源
――シーズン中盤、どのようにモチベーションを保っているのでしょうか?
シーズンの中盤に差し掛かったときの心境はどうですか?
まだ先は長く、終わりがないように感じられることもあると思います。
ひたすら前へ進み続ける中で、一体どうやってモチベーションを保ち、どうやって乗り越えて、最終的に今年成し遂げたような結果にたどり着くのでしょうか?
「正直に言うと、シーズンは長いですよ。
ゲーム数も非常に多いです。
特に好調で良いボウリングをしていて、多くのカットラインをクリアし、テレビ放送に残るようなショーに出場しているとなおさらです。
膨大な数のゲームがありますし、精神的な疲労も相当なものです。
ただ、個人的な話をすると、私はボウリング場を経営していて、3歳の子どももいます。
ですから、私にとってツアーを回ることは、いわば**『休暇』のようなもの**なんです。
以前のインタビューでも何度かそう言ったことがあります。
ツアーでボウリングをしているとき、私の唯一の目的は、
『ただボウリングをすること』
なんです。
そして、それは私が留守にしている間にたくさんのことを引き受けてくれている妻や実家の家族に対する、何よりの感謝の表れでもあります。
妻と家族が与えてくれる「ボウリングだけに集中できる環境」
先ほども言ったように、特に妻は私の生活を仕切ってくれています。
彼女がいなければ、私は迷子の子犬のようになってしまうでしょう。
私の周りの人たちが、
安心して家を空け、高いレベルでのパフォーマンスだけに集中できる空間と安心感
を与えてくれています。
そのおかげで、すべてがとても楽になっています。
確かにシーズンは長いです。
でも、サポート体制がこれほど素晴らしいので、シーズンがどれほど長くても、私はパフォーマンスを発揮し続け、チャンピオンシップを勝ち取るチャンスを自分自身に与え続けることができると感じています。
それがどれほど長い期間であったとしても、問題ありません」
EJが次に登るべき「山」とは
――EJが次に登るべき山は何でしょうか?
「山」といえば、心の中に具体的な目標はあるのでしょうか?
まだ制覇していないツアーでの具体的な目標や、まだ倒すべき山がそれほど多く残っているわけではないと思います。
それでも、もし1つあるとすれば、それは何でしょうか?
「そうですね。
『山』という観点から言えば、私はまだどの山も『制覇しきった』とは思っていません。
ジェイソンはメジャー選手権を15勝していますが、私は8勝です。
ウォルター・レイは47勝していますが、私は28勝です。
これらは途方もなく巨大な山であり、ほとんど不可能な数字です。
でも、私が目指しているのはまさにそこです。
ジェイソンとウォルターはプレイヤー・オブ・the・イヤーを7回受賞しています。
私は現在5回です。
ですから私の考えでは、このスポーツにおいて、私はまだひとつの山も極めていません。
「山が終わることは決してない」
たとえいつの日か、その域にほんの少しでも近づけたとしても、その山脈の向こうにはまた新しい山が現れるでしょう。
山が終わることは決してありません。
歴史を通じて偉大なアスリートたちを偉大たらしめているのは、まさに
『満足することがない』
という点にあると思います。
ただひたすら前へ進み続け、できる限り勝ち続け、自分のキャリアがどこへ導いてくれるかを見届ける。
それが山頂へと導いてくれることもあれば、そうでないこともあります。
しかし、私にできるのは、
自分の行動をコントロールし、それが自分をどこへ連れて行ってくれるのかを見ることだけです。」