EJ・タケットが変えたPBAの勢力図
歴史的2023年シーズンと「ベルモンテ時代」の転換点

記事に入る前に、音声による要点解説をお聞きいただくと、内容が一段と理解しやすくなります。

要点音声解説

本要点音声解説は、「OneHandedBowling」掲載の動画内容をGemini Notebook を用いて生成したものです。

数字だけでは語れない「歴史的シーズン」

プロボウリングの世界では、勝利数、平均スコア、獲得賞金といった数字が、選手の強さを示す重要な指標になる。

しかし、EJ・タケットが2023年に残したシーズンは、数字だけではその価値を語り尽くせない。

2023年のタケットは年間5勝を挙げ、そのうち2勝がメジャー大会。ツアー平均は227.18でトップ、獲得賞金も45万8450ドルで1位となった。

さらに、年間最優秀選手「Player of the Year」の投票では82.5%という圧倒的な支持を獲得している。

これだけでも歴史的なシーズンだったことは十分に伝わる。

だが、この一年が特別だった最大の理由は、成績の裏側にある。

そこには前年の屈辱、長年追い続けてきたジェイソン・ベルモンテという巨大な存在、そしてプレッシャーのかかる場面で勝ち切れる選手へと進化したタケットの姿があった。

2023年は、単なる好調の一年ではない。PBAの勢力図が大きく動いたことを象徴するシーズンだった。

 

追う側から追われる側へ変わったEJ・タケット

2022年、タケットの前に立ちはだかったジェイソン・ベルモンテ

2023年のタケットを理解するためには、その前年である2022年を振り返る必要がある。

当時のPBAを象徴する存在は、ジェイソン・ベルモンテだった。

ベルモンテは2022年、通算14個目となるメジャータイトルを獲得し、シーズン5勝を記録。さらに自身7度目となるPlayer of the Yearにも選ばれた。

長年PBAの頂点に君臨してきた選手が、衰えるどころか再び圧倒的なシーズンを作り上げたのである。

ベルモンテの存在は、同時代を戦うトップ選手たちにとって巨大な壁だった。

そしてタケットにとっては、単なるライバル以上の存在だった。

タケット自身も2022年は非常に高いレベルでプレーしている。ツアー平均ではトップに立ち、ポイントランキングでも3位。数字だけを見れば、年間最優秀選手を争ってもおかしくない内容だった。

それでも、シーズンの主役はベルモンテだった。

安定してスコアを積み重ねるだけでは足りない。

本当にPBAの中心に立つためには、最も大きな大会で勝ち、最も重要な場面で結果を残さなければならない。

そして何より、ベルモンテという存在を超えなければならなかった。

 

2022年U.S. Open、圧倒的な予選から一転した悪夢

その思いをさらに強くしたのが、2022年のU.S. Openだった。

この大会でタケットは、予選から圧倒的なパフォーマンスを見せていた。

2位以下に500ピン以上の差をつけ、トップで決勝へ進出。

しかも開催地はタケットの地元インディアナ州。会場は自宅から約90分という距離にあり、家族や地元ファンの期待も大きかった。

さらに、この大会を制すれば「トリプルクラウン」を達成することになっていた。

すべてが、タケットのために用意された舞台のように見えた。

ところがタイトルマッチでは状況が一変する。

アンソニー・サイモンセンを相手に、タケットは序盤からレーンへの対応に苦しんだ。

オープンフレームも生まれ、本来のリズムを取り戻せないまま試合が進み、最終スコアは165対232。

予選で500ピン以上の差をつけた選手が、最も重要な1ゲームで敗れた。

その落差はあまりにも大きかった。

地元。

第1シード。

トリプルクラウン。

そして、あと1勝。

これほど多くの条件がそろいながら、タイトルは手からこぼれ落ちた。

この敗戦は、タケットにとって単なる準優勝ではなかった。

「どれだけ長い予選を支配しても、最後の1ゲームを勝たなければ王者にはなれない」

その現実を突きつけられた瞬間だった。

そして、この敗戦の記憶が2023年のタケットを動かす原動力になる。

 

因縁の舞台に戻った2023年U.S. Open

翌2023年。

シーズン開幕戦は、前年と同じU.S. Openだった。

開催地も同じRoyal Pin Woodland。

前年に大きな失望を味わった場所へ、タケットは再び戻ってきた。

しかも、またしても第1シード。

前年と似た状況が再現された。

だが、意味はまったく違っていた。

一年前は「悲願のタイトルにあと一歩」という状況だった。

2023年は、そこに「前年の失敗を乗り越えられるか」という新たな重圧が加わっていた。

会場には家族が集まり、地元インディアナ州の期待も大きい。

タケット自身も、テレビ決勝の時間が近づくにつれ不安と緊張が高まっていた。

決勝の相手はカイル・トループ。

ステップラダーを勝ち上がり、勢いに乗った状態でタイトルマッチまで進出してきた。

試合は終盤まで緊張感のある展開となる。

勝負が大きく動いたのは第10フレームだった。

トループのボールは厚く入り、「ビッグフォー」を残した。

この難しいスペアをカバーできず、タケットにタイトル獲得のチャンスが巡ってくる。

必要なのは、ストライクと8ピン。

前年の記憶が頭をよぎっても不思議ではない。

それでも2023年のタケットは、そこで崩れなかった。

第10フレームの最初の投球。

ボールはポケットへ向かい、10番ピンが最後まで残りかける。

しかし、わずかに遅れて倒れた。

ストライク。

続く最後の投球でも必要なピンを倒し、221対208で勝利した。

前年に失ったU.S. Openを、同じ場所で取り戻した瞬間だった。

 

史上9人目のトリプルクラウン達成

この勝利により、タケットはPBA史上9人目となるトリプルクラウン達成者となった。

タイトルが決まった瞬間、タケットはスタンドへ向かい、家族のもとへ走った。

そして父親と抱き合った。

言葉ではなく、その光景そのものが、この優勝の意味を物語っていた。

前年の失敗。

オフシーズンを通して残り続けた悔しさ。

再び同じ場所に戻ってきたプレッシャー。

それらすべてを乗り越えた先にあったタイトルだった。

しかも、これは2023年シーズンの最初の大会にすぎない。

後から振り返れば、このU.S. Openは単なる1勝ではなく、2023年シーズン全体を方向づけた勝利だった。

タケットはここで、自分自身に証明した。

大きなプレッシャーがかかる場面でも、自分は勝ち切れる。

その自信は、やがて最大のライバルとの決戦で決定的な意味を持つことになる。

 

2週間後、545ピン差で再び第1シード

U.S. Open制覇から約2週間後、タケットは再びテレビ決勝の舞台に立った。

しかも、その内容は圧倒的だった。

予選で2位以下に545ピン差をつけ、第1シードを獲得。

単に調子が良いというレベルではない。

トッププロが集まる舞台で、明確な差を作っていた。

決勝の相手はドム・バレット。

バレットもトリプルクラウン達成者であり、長年トップレベルで戦ってきたイングランドの実力者である。

試合中、タケットには2度のミスショットがあった。

それでも大崩れしなかった。

必要な場面でスペアを取り、試合を組み立て直し、最終的には231対226で勝利。

シーズン2勝目、キャリア通算18勝目を手にした。

ここで見えてきたのが、2023年版タケットの進化だった。

完璧でなくても勝てる。

これはトップ選手にとって非常に重要な能力だ。

ボウリングでは、レーンコンディションが時間とともに変化する。

投球ラインも、ボール選択も、スピードも、その都度微調整しなければならない。

タケットをサポートしていたブレット・スパングラーも、2023年のタケットは以前とは違っていたと評価している。

もともと持っていた技術を、状況に応じてより効果的に使えるようになった。

スピード、回転、ライン、リリース。

複数の選択肢を持ち、必要に応じて使い分ける。

2023年のタケットは、単純に「強い選手」から「対応力で支配できる選手」へと進化していた。

 

アンソニー・サイモンセンとの新たなライバル関係

Jackson Classicでは、タケットのもう一人の重要なライバルであるアンソニー・サイモンセンとの直接対決が実現した。

サイモンセンは若くして数々のタイトルを獲得し、当時のPBAを代表するトップ選手の一人だった。

大会では両者が予選から激しく競り合う。

最終的にはサイモンセンがわずかな差で第1シードを獲得したが、タケットもテレビ決勝に進出。

そして決勝で両者は激突した。

結果は277対199。

タケットの完勝だった。

テレビ中継という大舞台で、序盤から最後まで高い精度を維持し、サイモンセンに反撃の余地をほとんど与えなかった。

これでシーズン5大会で3勝。

キャリア通算19勝となった。

この頃になると、ツアー全体がタケットを見る目も変わり始めていた。

「誰が勝つのか」ではなく、「誰がタケットを止めるのか」という空気が生まれつつあった。

一方で、タケット自身もサイモンセンを強く意識していた。

後にタケットは、サイモンセンが毎週のように高いレベルでプレーすると分かっていたことが、自分自身をさらに高いレベルへ押し上げたと振り返っている。

ライバルとは、単に倒すべき相手ではない。

自分の限界を引き上げる存在でもある。

2023年のタケットにとって、サイモンセンはまさにその役割を果たしていた。

 

Tournament of Championsで蘇った「ベルモンテの壁」

ここまで圧倒的なシーズンを送っていたタケットに、再びベルモンテが立ちはだかる。

舞台はTournament of Champions。

PBAでも特に権威のあるメジャー大会の一つだ。

タケットはここでも予選から好調を維持した。

48ゲームを通して平均225以上を記録し、最初から最後までトップ。

シーズン2度目となるメジャー大会第1シードを獲得した。

すでにテレビ決勝には4度出場し、そのうち3大会で優勝。

勢いだけを見れば、タケットが再びタイトルを手にしても不思議ではなかった。

ところが、この大会でベルモンテが驚異的な復活劇を見せる。

予選第1ラウンド終了時点では58位。

カットラインから154ピンも離れていた。

普通なら、優勝どころか次のステージへ進むことすら難しい位置だった。

しかしベルモンテはそこから1446シリーズを記録し、マッチプレーへ進出。

さらにテレビ決勝ではステップラダーを勝ち上がり、ついに第1シードのタケットへ到達した。

そして、ベルモンテが勝利した。

これでメジャー大会の直接対決では、ベルモンテがタケットに3勝0敗

総合でも6勝2敗。

2023年のタケットがどれだけ強くても、ベルモンテだけは簡単に越えられない。

この敗戦は、その現実を改めて突きつけた。

しかし同時に、この敗戦があったからこそ、その後のWorld Championshipでの勝利がより劇的な意味を持つことになる。

 

World Series of Bowlingでさらに加速

シーズン中盤、PBAツアーはWorld Series of Bowling、通称WSOBを迎える。

複数のオイルパターンで大会が行われ、最後にはWorld Championshipが控える。

PBAシーズンの中でも、特に重要な期間だ。

2023年はウィスコンシン州のBowlero Wauwatosaで開催された。

まずタケットが結果を残したのはCheetah Championship。

Cheetahは比較的短いオイルパターンで、通常とは異なるライン取りやボール選択が要求される。

タケットは予選2位でテレビ決勝へ進出。

準決勝を突破すると、決勝ではBJ・ムーアを259対178で破った。

圧勝だった。

これでシーズン4勝目。

そしてキャリア通算20勝に到達した。

PBA史上17人目となる20勝達成。

さらに、その到達年齢は史上2番目の若さだった。

ピート・ウェバーの最年少記録には、わずか14日届かなかった。

これは、タケットが2023年だけ突然強くなったわけではないことを示している。

長いキャリアの中で積み重ねてきた実績が、この歴史的シーズンで一気に大きな記録へと結びついたのである。

 

敗れても崩れない、その安定感こそ本当の強さ

翌日のScorpion Championshipでも、タケットは予選2位。

準決勝ではジェスパー・スベンソンを破り、シーズン6度目となるタイトルマッチへ進出した。

決勝ではヤコブ・バターフに敗れ、優勝には届かなかった。

しかし重要なのは、負けてもタイトル争いから消えなかったことだ。

プロボウリングでは、オイルパターン、レーンの変化、使用するボール、相手とのマッチアップなど、多くの要素が結果を左右する。

どれほど実力があっても、すべての大会で上位へ進めるわけではない。

その中でタケットは、条件が変わっても安定してトップ争いを続けた。

2023年の強さは爆発力だけではない。

異なる条件でも結果を再現できる「再現性」こそ、最大の武器だった。

 

World Championship、最大のライバルとの決戦

そして迎えたPBA World Championship。

ここで2023年シーズン最大の一戦が実現する。

タケットは再び第1シード。

一方、ベルモンテはステップラダーの下位から勝ち上がってきた。

サンツ・タバナイネン、ヤコブ・バターフ、アンソニー・サイモンセンを次々と破り、最後にタケットの待つ決勝へ到達した。

またベルモンテだった。

タケットにとっては、これ以上ない相手だった。

メジャー大会の直接対決では過去3戦全敗。

Tournament of Championsでも、つい最近敗れている。

タケットは試合前から、ベルモンテが決勝まで勝ち上がってくる可能性を意識していた。

他の選手と戦う時とは違う精神的な準備が必要だった。

試合は序盤から激しく競り合った。

どちらか一方が崩れるのではなく、互いに高いレベルでスコアを積み重ねる。

そして、第10フレーム。

タケットが優勝するためには連続ストライクが必要だった。

その瞬間、タケットの頭によみがえったのが、シーズン開幕のU.S. Openだった。

あの時も、プレッシャーの中で必要なストライクを決めた。

一度できた。

ならば、もう一度できる。

その経験が、最高の場面でタケットを支えた。

そしてタケットは、連続ストライクを決めた。

254対247。

ついにメジャー決勝でジェイソン・ベルモンテを破った。

これまでの0勝3敗が、1勝3敗に変わった。

数字だけなら、まだベルモンテがリードしている。

しかし、この1勝の意味は数字以上に大きかった。

長年追い続けてきた最大のライバルを、PBA World Championshipという最高峰の舞台で、真正面から倒した。

シーズン5勝目。

2個目のメジャータイトル。

さらに通算21勝に到達し、PBA史上最年少で21勝を達成した。

ここでタケットは、単なる年間王者候補ではなく、PBAの新たな中心人物としての立場を決定的なものにした。

 

メジャー5大会中4大会で第1シードという異次元の安定感

2023年最後のメジャーとなったPlayers Championshipでも、タケットは予選第1シードを獲得した。

これにより、年間5つのメジャー大会のうち4大会でトップシード。

PBA史上初の記録だった。

最終的には準々決勝でケビン・マキューンに敗れ、タイトル獲得には届かなかった。

それでも、この記録の価値が下がるわけではない。

メジャーで一度勝つだけでも難しい。

ましてや、5大会中4大会で最も高い順位から決勝ステージに入るというのは、偶然では説明できない。

長い予選を通じて、毎回のように他のトップ選手を上回り続けた結果だ。

つまり2023年のタケットは、勝負強さだけではなく、長期戦でも圧倒的に高いパフォーマンスを維持していたのである。

 

非タイトル大会でも300ゲーム

Players Championship後にはPBA Super Slam Cupが開催された。

タケット、サイモンセン、ベルモンテ、バターフ、マキューンなど、その年のメジャーで活躍したトップ選手たちが集結した。

タイトル対象外ではあったものの、トップ選手同士の直接対決として注目度の高い大会だった。

タケットはここでも決勝へ進出する。

最終的にはベルモンテに敗れたが、その前の準決勝で強烈なパフォーマンスを残した。

300のパーフェクトゲーム。

12投すべてでストライクを決める、ボウリングにおける究極のスコアである。

しかも全国テレビ中継の舞台だった。

会場は大きく沸き、タケットには1万ドルのボーナスも与えられた。

非タイトルイベントだったため、PBA公式のテレビ中継パーフェクトゲームとしては認定されなかった。

それでも、この300ゲームは2023年のタケットを象徴する出来事の一つだった。

どの舞台でも、どの相手でも、最高水準のボウリングを見せられる。

その完成度が、最後まで落ちなかった。

 

5勝、メジャー2勝、平均227.18、賞金45万8450ドル

最終的にタケットは2023年を年間5勝で終えた。

そのうち2勝がメジャー。

シーズン平均は227.18でツアートップ。

獲得賞金は45万8450ドルで1位。

メジャー5大会中4大会で第1シード。

タイトル数だけでなく、平均、賞金、メジャーでの安定感という複数の指標でツアーを支配した。

一つの大会だけ突出したわけではない。

短いオイルパターンでも、長い予選でも、テレビ決勝でも、メジャーでも結果を残した。

2023年のタケットは、「勝てる条件」が広かった。

そこが、他の選手との決定的な違いだった。

 

Player of the Year得票率82.5%が示した圧倒的評価

シーズン終了後、タケットはPlayer of the Yearに選出された。

得票率は82.5%

2位のアンソニー・サイモンセンは6.8%だった。

単に1位になったというだけではない。

投票結果そのものが圧倒的だった。

これは、「2023年で最も優れた選手は誰だったのか」という問いに対し、多くの関係者がほぼ同じ結論に達していたことを意味する。

興味深いのは、タケット自身がサイモンセンの存在について語っていることだ。

サイモンセンが毎週のように高いレベルでプレーする。

だからこそ、自分もさらに上へ行かなければならない。

圧倒的なシーズンは、一人では作れなかった。

サイモンセンという若きライバル。

そして、長年最大の壁だったベルモンテ。

強力なライバルが存在したからこそ、タケットも限界を超え続けることができた。

 

「ベルモンテ時代の終焉」とは何を意味するのか

2023年はしばしば、タケットがベルモンテの時代を終わらせたシーズンとして語られる。

ただし、これは「ベルモンテが弱くなった」ことを意味するわけではない。

実際、2023年にもベルモンテはTournament of Championsでタケットを破り、Super Slam Cupでも勝利している。

依然として、世界最高峰の実力を持っていた。

重要なのは、PBAの中心がベルモンテ一人ではなくなったことだ。

それまでのベルモンテは、大きな大会で圧倒的な存在感を示し続けてきた。

そのベルモンテに対し、タケットは正面から対抗できる選手へと成長した。

そしてWorld Championshipの決勝で、ついに直接倒した。

追う側だったタケットが、ベルモンテと肩を並べ、さらに追われる側へと変わった。

2023年がPBA史における転換点とされる最大の理由は、そこにある。

 

2023年、PBAの中心は新たな時代へ

EJ・タケットの2023年は、単なる好成績のシーズンではなかった。

前年のU.S. Openで味わった屈辱から立ち直り、同じ会場でタイトルを獲得してトリプルクラウンを達成。

年間5勝。

メジャー2勝。

平均227.18。

獲得賞金45万8450ドル。

メジャー5大会中4大会で第1シード。

そしてPlayer of the Year投票では82.5%という圧倒的な支持を集めた。

ただし、数字以上に重要なのは、その過程だ。

前年に敗れた舞台で勝ち、プレッシャーを克服し、新たなライバルであるサイモンセンとの競争を乗り越え、そして最後には長年最大の壁だったベルモンテをメジャー決勝で破った。

ベルモンテの時代が、その瞬間に完全に終わったわけではない。

しかし、「PBAの中心はベルモンテだけではない」ことを決定的に証明したのが2023年だった。

追いかける側だったEJ・タケットは、この一年で追われる側へと変わった。

そしてその変化は、単なる世代交代という言葉だけでは表現しきれない。

2023年は、EJ・タケットが自らのキャリアを代表するシーズンを作り上げると同時に、PBAの新たな時代の扉を開いた一年だった。

ボウラーズ・マート

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