クリス・ヴァイ、新パートナーと「ルーシー」連覇へ
乳がん支援の男女混合ダブルスがヒューストンで開幕

PBAとPWBAが集う、夏の特別な男女混合戦

PBAツアーとPWBAツアーのトップ選手が一堂に会する恒例大会、「Storm PBA/PWBA Striking Against Breast Cancer Mixed Doubles」が、米テキサス州ヒューストンのコッパーフィールド・ボウルで開催される。

大会は7月31日金曜日に予選が始まり、150組を超える男女混合チームが全米タイトルを争う。男子と女子の実力者がペアを組む華やかな競技大会であると同時に、乳がんとの闘いを支援する慈善イベントとしても、ボウリング界で重要な役割を果たしてきた。

この大会は、「The Luci(ルーシー)」の愛称で広く親しまれている。名称は、PWBAツアーで長年活躍し、大会創設者ドナ・コナーズの親友でもあったルーシー・ボノーに由来する。

2000年の第1回大会以来、X Out Breast Cancer Foundationは乳がん対策のために100万ドルを超える資金を集めてきた。勝敗やタイトルだけではなく、支援の輪を広げるという目的が、四半世紀以上にわたって受け継がれている。

今年の最大の注目は、前年王者クリス・ヴァイが新たなパートナーとともに連覇を達成できるかどうかだ。

 

前年王者ヴァイ、最多優勝者プルホフスキーと新コンビ

ブリアナ・コテの欠場でタイトル防衛ペアが変更

2025年大会では、クリス・ヴァイとブリアナ・コテが優勝し、男女混合戦の頂点に立った。しかし、今年は同じペアでタイトルを防衛することができない。

コテは6月に緑内障の治療のため左目の手術を受け、PWBAツアーの今季残り試合を欠場すると発表した。

ヴァイにとってコテは、長年の友人であり、チームUSAでも共に戦ってきた仲間だ。本来であれば再び同じペアで連覇を目指したかったところだが、今回は新たなパートナーと大会に挑む。

その相手が、シャノン・プルホフスキーである。

 

大会最多4勝のプルホフスキーがヴァイを支える

プルホフスキーはPWBAツアー通算7勝を誇る実力者であり、「ルーシー」では歴代最多となる4度の優勝を経験している。

左投げのスター選手として知られるプルホフスキーは、トミー・ジョーンズとのペアで2007年、2008年、2010年、2011年に優勝。特に2007年から2011年までの短期間で4度のタイトルを獲得しており、大会の特徴や勝負どころを知り尽くしている。

ヴァイにとって、大会史上最も成功している女子選手をパートナーに迎えられることは大きな強みだ。

ヴァイは自身初の大会連覇、プルホフスキーは歴代最多記録を更新する5度目の優勝を目指す。前年王者と大会最多優勝者による新コンビは、今大会屈指の優勝候補といえるだろう。

 

サイモンセンとウルバノも強力な優勝候補

ヴァイとプルホフスキーの前に立ちはだかる有力ペアが、アンソニー・サイモンセンとダニエル・ウルバノだ。

ウルバノはダニエル・マキューアンとしても知られ、2021年にはEJ・タケットと組んで初優勝を達成。その後、2023年と2024年にはサイモンセンとのペアで2年連続優勝を果たした。

今回勝てば、サイモンセンとウルバノのコンビとしては4年間で3度目のタイトルとなる。ウルバノ個人では通算4勝目となり、プルホフスキーの歴代最多記録に並ぶ。

現在、女子選手の優勝回数では、プルホフスキーが4勝で首位。ウルバノとシャノン・オキーフが3勝で続いている。

大会史に新たな記録を刻もうとするプルホフスキーとウルバノ。前年王者ヴァイと、近年圧倒的な成績を残しているサイモンセン。実績ある選手たちの直接対決は、今年の「ルーシー」を象徴する見どころになりそうだ。

 

長丁場を制する安定感が勝敗を分ける

予選では、全選手が長さ40フィートのオイルパターンで7ゲームを投球する。

出場チームはAからDまでの4シフトに分かれ、全シフト終了後、合計得点上位40チームが日曜日の準決勝へ進出する。

準決勝ではさらに4ゲームを行い、通算成績上位12チームがラウンドロビン方式のマッチプレーへ進む。マッチプレー終了時点で、総得点が最も高いチームが優勝となる。

今大会では、上位選手が順番に対戦するステップラダー方式の決勝は採用されない。そのため、予選からマッチプレーまで、すべてのゲームで安定して得点を積み重ねる必要がある。

また、各選手は通常のシングルス形式で1ゲームずつ投球し、男女2人のスコアを合算してチーム得点を算出する。1フレームごとに交互に投球するベーカー方式ではない。

一方の選手が高得点を出しても、もう一方が大きく崩れれば順位を落とす可能性がある。個人の爆発力だけではなく、ペアとしてスコアをまとめる総合力が問われる大会だ。

 

全ラウンドをBowlTVでライブ配信

大会の全ラウンドは、BowlTVでライブ配信される。

7月30日木曜日には各シフトの練習セッションに加え、2025年大会予選の男女上位5選手が対戦する「Beauties vs. Beasts」マッチが行われる。

7月31日金曜日にはAシフトとBシフトの予選、8月1日土曜日にはCシフトとDシフトの予選を実施。両日とも夜にはプロアマ戦が予定されている。

最終日の8月2日日曜日には、午前9時から準決勝4ゲームを行い、その後、上位12チームによるラウンドロビン方式のマッチプレーが実施される。

表記時刻はすべて米国東部時間となる。

 

大会スケジュール

7月30日木曜日

午前10時
A・Bシフト練習セッション

午後2時
C・Dシフト練習セッション

午後5時
Beauties vs. Beastsマッチ
2025年予選の男女上位5選手が出場

7月31日金曜日

午前9時
Aシフト予選・7ゲーム

午後3時
Bシフト予選・7ゲーム

午後9時
プロアマ戦

8月1日土曜日

午前9時
Cシフト予選・7ゲーム

午後3時
Dシフト予選・7ゲーム

午後9時
プロアマ戦

8月2日日曜日

午前9時
準決勝・4ゲーム

午後0時30分
マッチプレー第1部・6ゲーム

午後4時30分
マッチプレー第2部・6ゲーム

 

歴代チャンピオン

「ルーシー」は2000年の創設以来、PBAとPWBAを代表する数多くのスター選手を優勝者として送り出してきた。

2000年代

2000年
マーク・スクロギンズ、ドナ・コナーズ

2001年
クリス・バーンズ、エイミー・ディロン

2002年
ディノ・カスティーヨ、ディアンドラ・ハイマン

2003年
ウェス・マロット、ジーニー・フランクリン

2004年
ラッセル・ウィルソン、クリスタル・スコット

2005年
ポール・フレミング、レイチェル・ペレス

2006年
マーク・ララクエンテ、キャロリン・ドリン・バラード

2007年
トミー・ジョーンズ、シャノン・プルホフスキー

2008年
トミー・ジョーンズ、シャノン・プルホフスキー

2009年
パーカー・ボーン3世、キャロリン・ドリン・バラード

2010年代

2010年
トミー・ジョーンズ、シャノン・プルホフスキー

2011年
トミー・ジョーンズ、シャノン・プルホフスキー

2012年
ブライアン・オキーフ、シャノン・オキーフ

2013年
ビル・オニール、シャノン・オキーフ

2014年
スコット・ノートン、ミッシー・パーキン

2015年
ビル・オニール、シャノン・オキーフ

2016年
ビル・オニール、シャノン・オキーフ

2017年
ジェイソン・スターナー、ビルギット・ポップラー

2018年
EJ・タケット、リズ・ジョンソン

2019年
カイル・シャーマン、アマンダ・グリーン

2020年代

2021年
EJ・タケット、ダニエル・ウルバノ

2022年
EJ・タケット、ディアンドラ・アスバティ

2023年
アンソニー・サイモンセン、ダニエル・ウルバノ

2024年
アンソニー・サイモンセン、ダニエル・ウルバノ

2025年
クリス・ヴァイ、ブリアナ・コテ

 

歴代記録では、シャノン・プルホフスキーが女子最多の4勝。シャノン・オキーフとダニエル・ウルバノが3勝で続く。

男子では、トミー・ジョーンズが4勝。ビル・オニールとEJ・タケットも、それぞれ3勝を挙げている。

同じペアで複数回優勝した例も多く、大会では個々の実力に加えて、男女の相性やレーン変化への対応力が極めて重要であることが分かる。

 

タイトル争いと社会貢献が重なる特別な大会

今年の「ルーシー」で最大の焦点となるのは、前年王者クリス・ヴァイが、新パートナーのシャノン・プルホフスキーとともに連覇を成し遂げられるかどうかだ。

ブリアナ・コテの欠場は残念だが、ヴァイが迎えた新パートナーは、大会史上最多4勝を誇るプルホフスキーである。経験、実績、対応力のすべてを備えた2人は、優勝争いの中心に位置するだろう。

一方、2023年と2024年を制したサイモンセンとウルバノも、通算3度目のペア優勝を狙う。150組を超えるチームが出場するなか、予選から最後のマッチプレーまで、わずかなミスが順位を大きく左右する厳しい戦いが続く。

しかし、この大会の価値は、タイトルや賞金だけでは測れない。

乳がんへの関心を高め、患者や家族への支援につなげるという目的が、2000年の創設以来、一貫して守られてきた。トップ選手による真剣勝負が、多くの人の支援へと結び付いていることこそ、「ルーシー」がボウリング界で特別な大会であり続ける理由だ。

競技の歴史、選手たちの思い、そして乳がん支援への願いが交差する4日間。ヒューストンで、新たなチャンピオン誕生に向けた戦いが始まる。