ブランズウィック系ブランドから新作ボウリングボールが一挙登場
7月発売の注目5シリーズを徹底解説
新作ラッシュの主役は「高性能化する低価格帯」
ブランズウィック傘下の各ブランドから、新作ボウリングボールが相次いで発表された。
今回注目したいのは、7月中旬に発売される5シリーズだ。エボナイトの「Spartan Pearl」、ラディカルの「No Doubt Hybrid」、ハンマーの「Deep Ocean Vibe」と「Fallout」、ブランズウィックの「Fury」がラインアップされている。
Furyには5種類のカラーおよび表面仕様が用意されるため、製品単位では合計9個の新作が市場に投入されることになる。
発表されたボールはいずれも、単なる既存モデルの色違いではない。パール、ハイブリッド、ソリッドといったカバーストックの違いに加え、コア性能や表面仕上げ、価格帯、想定されるレーンコンディションまで明確に分けられている。
今回の新作群で特に印象的なのは、低価格帯モデルの性能向上だ。
かつてエントリーモデルといえば、曲がりが小さく、初心者がフックボールを覚えるための製品という印象が強かった。しかし現在は、低価格帯であっても十分なリアクションを備え、リーグ戦や競技環境でも使用できるモデルが増えている。
新作を試投したCreating the DifferenceのCEO、ロン・ヒックランド氏からも、複数のモデルについて事前の予想を上回る評価が示された。
ここからは、各ボールの特徴、既存モデルとの違い、向いているボウラー、想定される使用場面を詳しく見ていく。
7月発売の新作5シリーズを徹底検証
エボナイト「Spartan Pearl」 従来モデルより扱いやすくなった実戦型パール
エボナイトのSpartan Pearlは、従来のSpartanをベースに開発されたパールモデルだ。
基本となるコア構造やシリーズの方向性を維持しながら、カバーストックをパール仕様に変更することで、レーン手前の走りとバックエンドでの反応を強化している。
従来のSpartanは、オイル上での安定感を持つ一方、投球タイプやコンディションによっては使いどころが限定される印象もあった。
ところが今回のSpartan Pearlは、試投したヒックランド氏から「予想以上に良かった」と評価されている。
従来モデルよりレーン手前をスムーズに通過し、奥での方向転換が明確になったことで、幅広いボウラーが扱いやすい性格へ変化したとみられる。
ハウスコンディションで使いやすい理由
一般的なハウスコンディションでは、レーン中央付近に比較的多くのオイルがあり、外側に行くほど摩擦が強くなる傾向がある。
このような環境では、中央のオイル上を安定して進み、外側のドライゾーンに触れた時点でしっかり向きを変えるボールが有効だ。
Spartan Pearlは、非対称コアによる中盤以降の安定性と、パールカバーによる走りを組み合わせている。
内側のオイルを使って投球しても早く曲がりすぎにくく、外側へ出た際には摩擦を利用してポケット方向へ戻しやすい。
そのため、一般的なリーグコンディションやハウスショットで、角度のあるストライクラインを作りたいボウラーに適している。
「曲がる量」より「曲がり方」に注目
Spartan Pearlを評価する際は、単純な曲がり幅だけで判断すべきではない。
ボウリングボールの性能は、どれほど曲がるかだけでなく、どの地点から動き始め、どの程度の速さで方向を変えるかによって決まる。
Spartan Pearlは、レーン手前から大きく噛むタイプではなく、ある程度奥まで直進してから明確に向きを変えるタイプと考えられる。
そのため、強いソリッドボールでは手前から動きすぎる場面や、レーンの変化によってフロント部分が乾いてきた場面で使いやすい。
一方、球速が速く回転数が少ないボウラーの場合、パール特有の走りが強く出て、奥まで滑りすぎる可能性がある。
その場合は、表面を軽く曇らせて中盤の摩擦を増やす調整が有効になるだろう。
実力に対して注目度が低くなる可能性
Spartan Pearlの懸念点は、製品性能ではなく、同時期に発表される新作の多さだ。
短期間に複数ブランドから新製品が登場すると、話題性の高いモデルや低価格の製品へ注目が集中しやすい。
Spartan Pearlは価格帯も比較的高く、見た目や宣伝だけで瞬間的な人気を集めるタイプではない可能性がある。
しかし、試投では従来モデルより明確に使いやすくなったと評価されている。新作の話題性より、実戦での汎用性を重視するボウラーにとっては、見逃せない一球となりそうだ。
動画内で紹介された価格は190ドル、発売日は7月16日とされている。
ラディカル「No Doubt Hybrid」 中盤から軌道を作るコントロール重視モデル
ラディカルのNo Doubt Hybridは、既存のNo Doubtシリーズに加わるハイブリッドモデルだ。
従来のNo Doubtは、手前で適度な走りを見せながら、中盤から奥にかけて安定したリアクションを示すボールとして評価されていた。
試投者は、その性格を900 Globalの人気モデル「Zen」に似ていると表現している。
Zenは、過度に鋭すぎず、レーン上で連続性のある軌道を描くことで支持されてきた。従来のNo Doubtにも、同様の扱いやすさがあったと考えられる。
No Doubt Hybridでは、その基本性能を残しながら、より早い段階でレーンを読み、奥では穏やかに反応する方向へ調整されている。
ハイブリッドカバーが生む安定感
ハイブリッドカバーストックは、一般的にソリッドとパールの特性を組み合わせた素材だ。
ソリッドのようにレーン中盤で摩擦を得ながら、パールのように手前をスムーズに進む性能を狙っている。
ただし、ハイブリッドだから必ず両者の中間的な動きになるわけではない。
素材の配合、表面仕上げ、コアの特性によって、ソリッド寄りにもパール寄りにも変化する。
No Doubt Hybridは、従来モデルより少し早く反応しながら、バックエンドで急激に横へ動きすぎない設計とみられる。
外側の摩擦が強いレーンでは、鋭いパールボールが急激に反応し、ヘッドピンの厚い側へ入り込むことがある。
No Doubt Hybridのように中盤から緩やかに向きを変えるボールであれば、ドライゾーンに触れても過剰反応しにくく、ポケットへの軌道を安定させやすい。
珍しい3000番仕上げ
出荷時の表面は3000番と紹介されている。
一般的に、数字が小さい表面仕上げほど摩擦が強くなり、早い段階からレーンを読みやすい。数字が大きくなるほど表面が滑らかになり、レーン手前を走りやすくなる。
3000番は、摩擦と走りの中間を狙った仕上げといえる。
一方で、使用するレーンや投球スタイルによっては、反応が中途半端に感じられる可能性もある。
実際の試投では、箱出し状態のままでは理想的なリアクションが得られず、表面調整後に評価が改善したとされている。
この結果から、No Doubt Hybridは完成された固定的な動きを楽しむボールというより、自分の環境に合わせて仕上げることで性能を発揮するタイプといえる。
手前で滑りすぎる場合は表面を粗くし、早く動きすぎる場合は滑らかにすることで、軌道を調整しやすい。
Advantage Plus Hybridの狙い
カバーストックには「Advantage Plus Hybrid」が採用されている。
メーカーによれば、一般的なHK22系カバーとは異なる性能を持ち、中盤で反応しながら、オイルパターンの終端ではコントロールしやすい動きを目指している。
「中盤で素早く反応し、奥では穏やか」という説明は、一見すると矛盾しているようにも感じられる。
しかし、ボールが中盤から早めに軌道を作り始めれば、レーン奥で急激に方向を変える必要はない。
中盤から緩やかに向きを変え、そのまま連続的にポケットへ向かう軌道は、急激なバックエンドリアクションよりも予測しやすい。
特に競技コンディションでは、外側へ出せば自動的に戻ってくるとは限らないため、奥の派手な動きより、中盤で確実に軌道を形成できる性能が重要になる。
No Doubt Hybridは、角度の大きさより再現性を優先するボウラーに適したモデルといえる。
価格は175ドルと紹介されている。
ハンマー「Deep Ocean Vibe」 低価格帯でも妥協しないソリッドモデル
Deep Ocean Vibeは、今回発表された新作の中でも高い注目を集めているモデルだ。
Vibeシリーズは、手頃な価格と扱いやすさを両立したラインとして長く支持されてきた。
初めてリアクティブボールを購入する初心者だけでなく、強いボールが使いにくくなったゲーム後半用として、上級者にも選ばれている。
Deep Ocean Vibeは、そのシリーズに加わるソリッドモデルだ。
過去にはRadioactive Vibeというソリッド仕様の製品が存在したものの、市場では十分な支持を得られず、比較的短期間で販売を終了した。
Deep Ocean Vibeは、久しぶりに投入されるソリッド仕様のVibeとして、シリーズの新たな基準になる可能性がある。
低価格帯では珍しい実戦的な表面
低価格帯のボールは、一般的に光沢のある仕上げで発売されることが多い。
レーン手前の摩擦を抑え、初心者でも曲がりすぎを感じにくくするためだ。
しかしDeep Ocean Vibeは、2000番の表面にファクトリーコンパウンドを加えた仕上げとされている。
完全なマット仕上げではないものの、一般的な入門用ボールよりも中盤でレーンを読みやすい。
そのため、単に手前を走って奥で急激に反応するのではなく、中盤から安定した軌道を形成しやすいと考えられる。
オイルが完全になくなっていない状況では、弱い光沢ボールよりも安定したリアクションを得られる可能性が高い。
Arctic Vibeとの違い
メーカーは、Deep Ocean Vibeについて、Arctic Vibeより手前を走り、奥で素早く反応すると説明している。
しかし試投者は、その説明と完全には一致しない印象を持った。
実際の動きは、Crown Victoryを穏やかにしたようなものとされ、「ソリッド版のCrown Victory」に近いと評価されている。
この表現からは、Deep Ocean Vibeが極端に鋭いボールではなく、レーン全体を通して滑らかに動くタイプであることが分かる。
Arctic Vibeを所有している場合でも、両者の役割が完全に重なるわけではない。
Deep Ocean Vibeをオイルがやや多く残っている状況で使用し、レーンがさらに乾いた後にArctic Vibeへ移行するといった使い分けが考えられる。
Danger Zoneシリーズとの重複
ブランズウィック系ブランドでは、低価格帯から中価格帯にかけて、Vibe、Danger Zone、Revengeなど複数のシリーズが展開されている。
選択肢が増える一方、性能が近い製品も多く、ラインアップが過密になっているという見方もできる。
Deep Ocean VibeとDanger Zoneを両方所有する必要があるかという問いに対し、試投者は、基本的にはどちらか一方でも十分との見方を示している。
両シリーズの性能が完全に同じという意味ではないが、想定される使用場面が近い可能性はある。
購入前には、ブランドや色だけでなく、現在所有しているボールと役割が重複しないかを確認したい。
すでに弱めのソリッドや、ミディアムからライトオイル向けのモデルを持っている場合、追加しても出番が限られる可能性がある。
反対に、強い非対称ボールや強いソリッドしか持っていないボウラーにとっては、レーン変化後を支える重要な一球になる。
初心者向けにとどまらない性能
Vibeシリーズは価格帯から初心者用と見られやすいが、Deep Ocean Vibeは経験者のバッグにも入る可能性がある。
高回転のボウラーが強いボールを使うと、レーン手前から動きすぎてエネルギーを失い、ピン手前で弱い反応になることがある。
そのような選手にとって、強さを抑えたDeep Ocean Vibeは、乾いたレーンやゲーム後半で有効だ。
球速が遅いボウラーにとっても、強すぎるカバーを避けながら、ソリッドらしい安定した動きを得られる利点がある。
価格は130ドル。従来のVibeシリーズよりやや上昇しているものの、実戦での使用範囲を考えれば、十分に競争力のある価格設定といえる。
ハンマー「Fallout」 Black WidowとVibeの空白を埋める一球
Falloutは、鮮やかなカラーリングが目を引くシンメトリカルソリッドモデルだ。
ハンマーのラインアップには、強いボールとしてBlack Widowシリーズがあり、比較的弱いボールとしてVibeシリーズがある。
しかし近年、その中間を担っていたAnger Solid、Hazmat、Hammerheadなどが相次いで販売終了となり、性能上の空白が生じていた。
Black Widowでは強すぎる一方、Vibeでは弱すぎるという場面に対応するボールが不足していたのである。
Falloutは、まさにその中間を埋めるためのモデルだ。
高めのRGと大きなディファレンシャル
15ポンドモデルでは、RGが2.52、ディファレンシャルが0.052と紹介されている。
RGは、ボールが回転を始めるタイミングに関係する数値で、低いほど早く回転し、高いほど手前を進みやすい傾向がある。
FalloutのRGは比較的高いため、ソリッドカバーを搭載しながらも、手前から過度に動きすぎないことが期待される。
一方、0.052というディファレンシャルは比較的大きく、十分なトラックフレアを生み出せる。
つまりFalloutは、手前ではある程度の走りを確保しつつ、中盤以降ではフレアによって新しい表面をオイルへ接触させ、しっかりとした曲がりを作る設計と考えられる。
Zero Mercy Solidとシンメトリカルコアの組み合わせ
カバーストックには「HK22C² Zero Mercy Solid」が採用されている。
同系統のカバーは過去のモデルにも使われており、強い摩擦と奥での反応を持つ。
一方、HK22系のリアクションを鋭すぎると感じるボウラーもいる。
Falloutでは、シンメトリカルコアと高めのRGを組み合わせることで、カバーの強さをコントロールしやすくしている可能性がある。
強いカバーと直進性のあるコアを組み合わせることで、手前から噛みすぎず、中盤以降で持続的な曲がりを作る設計だ。
HazmatやHammerheadとの違い
Falloutは、HazmatやHammerheadの後継に近い位置付けだが、単なる名称変更ではない。
試投者はHazmatを高く評価していなかった一方、Falloutについては、この系統のモデルの中で最も完成度が高いと評価した。
特に、既存ラインアップ内での役割が明確である点が大きい。
Hazmatは、他のモデルと性能が重なり、どの場面で使うべきか分かりにくかった可能性がある。
Falloutは、Black WidowとVibeの中間という明確な立ち位置を持つ。
ゲーム序盤はBlack Widow、レーン変化後はFallout、さらに乾いた場面ではVibeへ移行するという、段階的なボールチェンジが可能になる。
シンメトリカルならではの予測しやすさ
Falloutはシンメトリカルコアを採用している。
非対称コアは、レイアウトの自由度が高く、強い方向転換を作りやすい一方、投球ミスやコンディション変化への反応が鋭くなることもある。
シンメトリカルコアは、一般的に動きが滑らかで、投球ごとの差が小さくなりやすい。
そのためFalloutは、強いソリッドカバーを持ちながら、Black Widowシリーズより穏やかで予測しやすい軌道になる可能性が高い。
競技コンディションだけでなく、一般的なハウスコンディションで安定感を求めるボウラーにも適している。
価格は170ドル。強いシンメトリカルソリッドとしては、性能と価格のバランスに優れたモデルといえる。
ブランズウィック「Fury」 110ドルで実戦投入できる驚きの性能
今回の新作群で、最も大きな驚きを与えたのがFuryだ。
Furyは、販売終了となったTwistの役割を引き継ぎながら、RhinoとDanger Zoneの中間を埋める低価格帯モデルとして登場する。
価格は110ドルで、今回紹介された製品の中では最も安い。
価格だけを見れば、初心者向けの入門用ボールを想像する。しかし実際の試投では、事前の予想を上回るフックと実用性を示した。
5種類の展開は色違いだけではない
Furyには5種類のモデルが用意される。
光沢仕上げのハイブリッドが1種類、曇った表面のハイブリッドが1種類、パールモデルが3種類という構成だ。
単にカラーが違うだけではなく、表面仕様や素材構成が異なるため、それぞれのレーンリアクションにも差が出る。
光沢ハイブリッドは、手前を走りながら奥で反応しやすい。
曇ったハイブリッドは、中盤で早めに摩擦を得て、滑らかなアーク状の軌道を作りやすい。
パールモデルは、摩擦の強いレーンや、ゲーム後半にレーン手前が乾いてきた場面で使いやすい。
低価格帯で複数のリアクションタイプを用意することは、初心者だけでなく、弱めのボールを探す競技者にとっても魅力となる。
スペックから見るFuryの役割
15ポンドモデルでは、RGが2.52、ディファレンシャルが0.036と紹介されている。
Danger Zoneと比べると、FuryはRGが高く、ディファレンシャルが低い。
そのため、Danger Zoneより回転の立ち上がりが遅く、フレア量も少ない。全体的なフック量は控えめになると考えられる。
ただし、曲がりが小さいことは性能が低いことを意味しない。
オイルが少ないレーンや外側の摩擦が強い状況では、強いボールほど扱いにくくなる。
Furyのように適度な強さを持つボールは、過剰なリアクションを抑え、安定してポケットを狙いやすい。
試投で見せた予想以上のフック
試投前には、FuryはRhinoより少し強い程度のモデルと考えられていた。
しかし実際に投球すると、予想以上にしっかりとした曲がりを見せた。
最初の一投では偶然の可能性も考えられたが、続く投球でも十分なフックが確認された。
試投者は、価格帯から想像していた以上の性能を評価し、「実際にボールバッグへ入れられる」と述べている。
これは、初心者専用ではなく、リーグ戦や競技でも使える可能性を示す評価だ。
「エントリーモデル」の意味が変わった
試投では、現在のエントリーモデルは、5年前や10年前の製品とは意味が異なるとの指摘もあった。
カバーストックやコア設計、製造技術が進化したことで、低価格帯でも十分なフック性能を持つボールが作られるようになっている。
以前なら中級モデルに分類された性能が、現在では入門価格帯で提供されている。
そのため、価格だけを見て「初心者にしか使えない」と判断するのは早計だ。
高回転のボウラーにとっては、曲がりを増やすことより、過剰な曲がりを抑えることの方が難しい場合がある。
Furyは、そのような選手が乾いたレーンを攻略する際にも有効な選択肢となる。
HK22非搭載という個性
FuryにはHK22カバーストックが採用されていない。
近年のブランズウィック系ブランドではHK22搭載モデルが増えているが、その鋭いバックエンドリアクションを好まないボウラーもいる。
FuryはHK22を使用していないため、より穏やかで予測しやすい動きが期待される。
HK22系のボールが奥で急激に動きすぎる人や、滑らかで連続的な軌道を求める人にとって、Furyは魅力的な候補になる。
表面を曇らせたり、ポリッシュを加えたりすることで、自分の投球やレーンに合わせて調整しやすい点も強みだ。
プロショップで提案しやすい幅広さ
Furyは、プロショップにとっても販売しやすい製品と考えられる。
初めてリアクティブボールを購入する人には、低価格で十分なフックを体験できる入門モデルとして提案できる。
中級者には、ゲーム後半や乾いたレーン向けの弱めの一球として勧められる。
高回転の上級者には、強いボールでは対応できないコンディション用のコントロールモデルとして提案できる。
1つのシリーズを異なるレベルのボウラーへ勧められる点は、Furyの大きな強みだ。
ベリー系の香りも採用
Furyには、軽いベリー系の香りが付けられている。
試投されたモデルだけでなく、5種類すべてに同じ香りが採用されていると説明されている。
香り付きボウリングボールはStorm製品の特徴として知られてきたが、関連する特許の期限が終了したことで、他社でも同様の仕様を導入できるようになったとされる。
香りがボール性能に影響することはない。
しかし、店頭での印象や所有する楽しさを高める要素としては有効だ。数多くの製品が並ぶ市場では、性能以外の記憶に残る特徴も、製品選びに影響する可能性がある。
今回最大級のコストパフォーマンス
Furyの価格は110ドルで、Danger Zoneとの差額は約10ドルと紹介されている。
Danger Zoneの方が全体的なフック量は大きいと考えられるが、Furyは単純な廉価版ではない。
強いボールでは曲がりすぎる場面に対応でき、複数の表面仕様からリアクションを選べる。さらにHK22を使わない穏やかな動きも特徴だ。
価格、用途の広さ、選択肢の多さを総合すると、今回の新作群で最も高いコストパフォーマンスを持つモデルの一つといえる。
新作選びで重要なのは「最も曲がるボール」ではない
今回発表された5シリーズには、それぞれ明確な役割がある。
Spartan Pearlは、レーン手前の走りと奥での明確な方向転換を求めるボウラーに適している。ハウスコンディションで角度を作りたい場面に強い。
No Doubt Hybridは、中盤から安定して軌道を作り、バックエンドで暴れにくい。派手な曲がりより再現性を重視する選手に向いている。
Deep Ocean Vibeは、低価格帯ながらソリッドらしい安定感を備える。初心者の最初の一球だけでなく、上級者のゲーム後半用としても期待できる。
Falloutは、Black WidowとVibeの間にあった性能差を埋める存在だ。強さと扱いやすさを両立したシンメトリカルソリッドとして、幅広い場面で活躍しそうだ。
Furyは、110ドルという価格から想像される以上の性能を見せた。初心者向けという枠にとどまらず、高回転のボウラーや競技者にとっても実戦的な選択肢になる。
新作を選ぶ際、最も高価なボールや最も大きく曲がるボールが、自分にとって最適とは限らない。
重要なのは、現在所有しているボールでは対応しにくい場面を補えるかどうかだ。
強いソリッドボールしか持っていないなら、Spartan PearlやFuryのように手前を走るモデルが必要になる。
鋭いパールボールしか持っていないなら、No Doubt HybridやFalloutのように中盤から安定して動くモデルが有効だ。
また、ボール選びでは、自分の球速、回転数、軸回転、普段投げるセンターのオイル量を考慮しなければならない。
同じボールでも、投球タイプが変わればリアクションは大きく異なる。メーカーの説明や他人の評価だけで判断せず、自分のボールラインアップ全体の中で役割を考えることが重要だ。
今回の新作群は、高価格帯の性能競争だけでなく、低価格帯モデルの進化を強く印象付けた。
価格を抑えたボールでも十分な性能を備え、初心者から上級者まで使える時代になっている。
発売後は、異なる投球タイプのボウラーによる評価、表面調整後の変化、既存モデルとの詳細な比較によって、それぞれの本当の実力が明らかになるだろう。
