無敗のウォーレンが頂点へ王手
2026年USBCシニアマスターズ決勝5名が決定

306人の戦いは、ついに最終ステージへ

2026年USBCシニアマスターズは、ラスベガスのサムズタウン・ボウリングセンターで行われたブラケットマッチプレーを終え、306人で始まったフィールドがついに5人まで絞られた。ステップラダー決勝に進出したのは、クリス・ウォーレン、ダン・ノウルトン、ブライアン・ホフマン、ケビン・ジェンキンス、アムレト・モナチェリである。

最大の注目は、テキサス州プラノ出身のクリス・ウォーレンだ。ウォーレンは金曜と土曜に行われた3ゲーム合計ピン方式のマッチプレー6試合をすべて制し、今大会で唯一の無敗選手として第1シードを獲得した。

今大会は真のダブルエリミネーション方式で行われるため、決勝でウォーレンの優勝を阻むには、対戦相手が彼を2度倒さなければならない。つまり、ウォーレンは他の4人に対して大きなアドバンテージを持った状態で最終日に臨むことになる。

しかし、勝負はまだ終わっていない。ステップラダー決勝には、爆発力を秘めた実力者逆境から這い上がった挑戦者、そして長年トップシーンを戦ってきた殿堂入り選手がそろった。2026年USBCシニアマスターズの最終日は、単なる優勝決定戦ではなく、経験、技術、精神力がぶつかり合う濃密な戦いとなりそうだ。

 

ウォーレンの圧倒的な安定感と、追う4人の物語

ウォーレンの勝ち上がりは、まさに第1シードにふさわしい内容だった。初日はリック・メネリーに696-638、ジョン・ヴァービッチに698-682で勝利。翌土曜も勢いは衰えず、クリス・ヒビッツを707-667、サム・ベンチュラを712-668、ブライアン・ホフマンを731-678で退け、ステップラダー決勝進出を決めた。

さらに第1シードをかけたダン・ノウルトンとの一戦では、序盤から圧巻の投球を見せた。ウォーレンは第1ゲームで12連続ストライクを決め、今大会2度目の300ゲームを達成。今週は806シリーズも記録しており、単に勝っているだけでなく、スコア面でも大会を支配している印象を残した。最終的には686-634でノウルトンを下し、ステップラダーの最上位に立った。

ウォーレンにとって、シニアマスターズは特別な大会でもある。2018年には同じサムズタウンでタイトルを獲得しており、今回勝てば再びこの舞台で栄冠を手にすることになる。一方で、2022年大会では第1シードで決勝に進みながら、ディノ・カスティーヨに2度敗れて準優勝に終わった苦い記憶もある。

本人もその経験を忘れてはいない。第1シードという有利な立場にありながらも、決して油断できないことを誰よりも理解している。ウォーレンが今回目指すのは、同じ失敗を繰り返さず、自らの手で早々に勝負を決めることだ。

第2シードのダン・ノウルトンも、決勝進出にふさわしい安定感を示した。マッチプレーでは平均238点近いスコアを記録し、マイケル・ハウゲンJr.、ブライアン・ウォー、アンソニー・フランクリン、ミカ・コイブニエミ、ロバート・リードを次々と撃破。最後にウォーレンに敗れたものの、堂々の第2シードで最終日に進んだ。

ノウルトンにとって、メジャータイトルは大きな意味を持つ。本人は、メジャー大会での好成績を重ねること自体に手応えを感じており、今回の結果はすでに過去の自身の実績を上回るものだと受け止めている。それでも、ここまで来た以上、狙うのはもちろん優勝だ。ウォーレンへのリベンジが実現すれば、決勝の流れは一気に変わる可能性がある。

今大会で最も劇的なストーリーを描いたのは、第4シードのケビン・ジェンキンスだろう。ジェンキンスは予選15ゲームを終えた時点で64位。マッチプレー進出の最後の枠に、わずか1ピン差で滑り込んだ選手だった。

通常なら、64位通過の選手が決勝まで勝ち上がることは極めて難しい。しかし、ジェンキンスはその不利な立場をものともせず、初戦でトップシードのマイケル・マチューガを751-574で撃破する大金星を挙げた。その後、ジェイソン・カウチに敗れて敗者復活側へ回ったが、そこから驚異的な粘りを見せる。

ダン・ナドー、ジョン・マーサラ、ランディ・ワイス、スティーブ・ハーマン、ミカ・コイブニエミ、ディノ・カスティーヨを相手に勝利を重ね、最後の「4人中3人が決勝へ進む」試合までたどり着いた。この試合でジェンキンスは278、202、247の合計727を記録し、2位で通過。第4シードとしてステップラダー決勝進出を決めた。

わずか1ピンで生き残った選手が、最終日に優勝を争う位置まで上がってくる。 これほどドラマ性のある展開は、トーナメントスポーツならではだ。ジェンキンス自身も、マッチプレーに進めた時点で失うものはないという感覚で戦っていた。だからこそ、プレッシャーよりも挑戦を楽しむ姿勢が好結果につながったのかもしれない。

第3シードには、サンアントニオのブライアン・ホフマンが入った。ホフマンは左投げの選手であり、もし優勝すれば、2005年のビンス・マザンティJr.以来となる左投げ選手のシニアマスターズ制覇となる。21年ぶりの快挙がかかるだけに、ホフマンにとって今回の決勝は大きな意味を持つ。

ホフマンはマッチプレーで4勝1敗。ジェフリー・ボンテ、トニー・ルース、アンソニー・クルーズ、モナチェリに勝利し、ウォーレンには敗れたものの、最後の争いを勝ち抜いて第3シードを確保した。序盤から登場する立場ではあるが、左投げならではのライン取りがはまれば、一気に勝ち上がる可能性も十分にある。

そして第5シードには、ベネズエラのアムレト・モナチェリが名を連ねた。PBAツアーで19勝、メジャー1勝を挙げた殿堂入り選手であり、64歳となった今もなお高い競技力を維持している。

モナチェリは今大会のマッチプレーで5勝1敗。ジョシュ・ヘイル、デーブ・パフミ、ランディ・ワイス、ロランド・セベレン、クリス・バーンズを破り、唯一の敗戦はホフマン戦だった。最終日の初戦から登場するため、優勝までには長い道のりが待っている。それでも、経験値という点では5人の中でも屈指の存在だ。

モナチェリの強みは、技術だけではない。本人は今大会を通じて、自分がコントロールできることだけに集中してきたと語っている。他者のスコアや周囲の状況に振り回されず、自分の投球リズムを守る姿勢は、長年トップレベルで戦ってきた選手ならではのものだ。ステップラダー決勝のような緊張感の高い舞台では、この精神的な落ち着きが大きな武器になる。

 

鍵を握るのは45フィートのオイルパターンと、ウォーレン包囲網

ステップラダー決勝の大きな焦点は、45フィートの2026年シニアマスターズ・オイルパターンを各選手がどう攻略するかにある。ウォーレンは、左投げのホフマンとジェンキンスだけでなく、ノウルトンやモナチェリがどのボールを選び、どのラインを使うかを見極めながら戦うことになる。

右投げ3人、左投げ2人という顔ぶれも、レーン攻略に独特の駆け引きを生む。どちらのサイドをどのように使うのか。誰が最初にレーン変化をつかむのか。誰が最も早くアジャストできるのか。スコアだけを見ればウォーレンが優位に見えるが、ステップラダー決勝ではわずかな判断の遅れが流れを変えることもある。

第1シードのウォーレンは、無敗で勝ち上がり、なおかつダブルエリミネーション方式の恩恵も受ける。優勝に最も近い位置にいることは間違いない。しかし、2022年に同じ立場から逆転を許した経験がある以上、最後まで安全圏とは言い切れない。

ノウルトンは再戦で雪辱を狙い、ホフマンは21年ぶりの左投げ王者という歴史をかける。ジェンキンスは64位通過からの奇跡をさらに大きな物語へ変えようとしており、モナチェリは殿堂入り選手としての経験と冷静さで頂点を目指す。

優勝者にはPBA50スケジュール上のメジャータイトルと、賞金2万ドルが贈られる。306人の頂点に立つのは、無敗のウォーレンか。それとも、追う4人のうち誰かが流れを覆すのか。

2026年USBCシニアマスターズの最終日は、単なる決勝ではない。シニアボウリングの技術、経験、戦略、勝負強さが凝縮された一日になる。ウォーレンが圧倒的な強さで王座をつかむのか。それとも挑戦者たちが包囲網を完成させるのか。最後の1投まで目が離せない展開となりそうだ。

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