女子ボウリング最高峰の戦い、ラスベガスで開幕
201名がティアラを争う

伝統ある女子メジャーが再びラスベガスへ

女子ボウリング界を代表するメジャートーナメント「2026 United States Bowling Congress Queens(USBCクイーンズ)」が、今週ラスベガスで開幕する。会場はネバダ州ラスベガスのゴールドコースト・ボウリングセンター。ラスベガスで同大会が開催されるのは、ここ4年で3度目となる。

USBCクイーンズは、女子ボウリングにおいて最も格式ある大会の一つだ。長い歴史を持ち、優勝者には象徴的な「ティアラ」が授与される。タイトル、名誉、賞金、そして選手としての評価。そのすべてがかかる舞台であり、出場選手にとってはキャリアを大きく左右する特別な大会である。

今年の最大の注目は、昨年の女王ジョジー・バーンズ連覇を達成できるかどうかだ。テネシー州ハーミテージ出身のバーンズは、昨年の決勝でマレーシアのシン・リ・ジェーンを破り、自身2度目のメジャータイトルを獲得した。この勝利は、彼女にとって通算5つ目のPWBAタイトルでもあり、40歳を迎えた時点でPWBA殿堂入り資格を得る大きな節目となった。

さらにバーンズはその後、ウィスコンシン州グリーンベイで開催されたPWBAアニバーサリーオープンでも優勝。アリーナ特設会場という華やかな舞台で、通算6つ目のPWBAタイトルを手にした。実績、勢い、経験のすべてを備えたディフェンディングチャンピオンとして、今年のクイーンズに臨む。

しかし、USBCクイーンズで連覇を果たすことは容易ではない。最後に連覇を達成したのは、日本の杉本勝子1981年、1982年と2年連続で頂点に立って以来、40年以上にわたり、誰も同じ偉業を成し遂げていない。今年、バーンズは歴史の壁に挑むことになる。

 

201名が挑む過酷なトーナメント

2026年大会には、ディフェンディングチャンピオンのジョジー・バーンズを含む201名の選手が出場する。バーンズの連覇を阻止し、新たな女王の座をつかもうとする200名の挑戦者たちが、ラスベガスに集結する。

大会本戦に先立ち、水曜日には午前と午後の2回に分けて練習セッションが行われる。選手たちはここで会場のレーンコンディションを確認し、本戦に向けて最後の調整を行う。USBCクイーンズのような長丁場の大会では、練習段階で得られる情報も重要だ。レーンの特徴、オイルの変化、ボールの動き方をどれだけ早く把握できるかが、その後の戦いを左右する。

同日の夜には、PWBA殿堂入りセレモニーも開催される。今年は3名の女性が表彰される予定だ。パフォーマンス部門では、ニュージャージー州ユニオン出身のケリー・キューリックと、オーストラリアのカーラ・ハニーチャーチが殿堂入りを果たす。また、競技外での功績を称える功労・ビルダー部門では、メリーランド州アナポリスのレイラ・ワグナーが選出された。

このセレモニーは、USBCクイーンズが単なる競技大会ではないことを示している。現在のトップ選手たちが競い合う一方で、女子ボウリングの発展に貢献してきた先人たちの功績にも光を当てる。伝統と未来が同じ空間で交差する点も、この大会ならではの魅力だ。

本格的な競技は木曜日に始まる。全201名の選手は、3つの5ゲーム予選ブロックに挑む。合計15ゲームを投げ、そのスコアによって次のステージに進む選手が決まる。

初日は東部時間の正午にAシフトがスタートし、午後4時からBシフトが続く。両シフトとも、2ラウンドはフレッシュオイル、1ラウンドは使用後のバーンコンディションで投球する。

ボウリングにおいて、レーン上のオイルコンディションは勝敗を大きく左右する。投球が進むにつれてオイルは削られ、押し出され、ボールの曲がり方やスピードに影響を与える。序盤に有効だったラインが、数ゲーム後には通用しなくなることも珍しくない。そのため選手には、正確な投球技術だけでなく、状況を読み取る観察力と、素早く戦略を変える柔軟性が求められる。

予選終了後、上位63名に加え、前年女王のバーンズが決勝トーナメントへ進出する。日曜日からは、ダブルエリミネーション方式のマッチプレーが始まる。各対戦は3ゲームの合計ピンで勝敗を決める形式だ。

このフォーマットでは、1ゲームだけの爆発力ではなく、3ゲームを通じた安定感が重要になる。序盤でリードしても、コンディションの変化に対応できなければ逆転を許す可能性がある。逆に、出だしでつまずいても、冷静に修正を重ねれば勝機は残る。技術、戦術、精神力が総合的に試される形式といえる。

ダブルエリミネーション方式では、一度敗れてもすぐに敗退とはならない。敗者側のブラケットに回り、そこから勝ち上がる道が残されている。ただし、敗者側から優勝を目指すには、より多くの試合を戦い抜かなければならない。体力的にも精神的にも負担は大きく、勝者側に残り続けることが大きなアドバンテージとなる。

最終的に、勝者側ブラケットに残った最後の2名が、ステップラダー決勝の第1シードをかけて対戦する。一方、敗者側ブラケットに残った最後の4名は、決勝進出の残り3枠を争う。ここでテレビ決勝に進む顔ぶれが決まり、火曜日の夜、女王の座をかけた最終決戦が行われる。

ステップラダー決勝は、火曜日の東部時間午後6時からCBS Sports Networkで生中継される。優勝者には、USBCクイーンズの象徴であるティアラと、賞金6万ドルが贈られる。なお、テレビ決勝までの全競技は、BowlTVで独占ライブ配信される予定だ。

今年の見どころは、やはりバーンズの連覇挑戦に集約される。昨年の優勝で大きな節目を迎え、その後もタイトルを重ねた彼女は、現在の女子ボウリング界を代表する存在の一人だ。連覇を達成すれば、杉本勝子以来となる歴史的快挙となる。

一方で、USBCクイーンズは「守る側」にとって極めて厳しい大会でもある。出場者の層は厚く、予選からマッチプレーまで一瞬の油断も許されない。200名の挑戦者たちは、バーンズの連覇を阻むだけでなく、自らのキャリアに新たなページを刻むために戦う。

ベテラン選手にとっては、経験と勝負勘を示す場となる。若手選手にとっては、メジャーの舞台で一気に名を上げるチャンスだ。長丁場の大会では、実績だけでなく、その週にどれだけコンディションを読み切れるか、プレッシャーの中で自分の投球を貫けるかが問われる。

ラスベガスという開催地も、大会に特別な雰囲気を加えている。世界有数のエンターテインメント都市で行われるメジャートーナメントは、競技としての真剣勝負に加え、華やかなショーの要素も持つ。テレビ決勝では、ティアラをかけた緊張感あふれる戦いが、多くのファンの注目を集めることになるだろう。

 

新たな女王か、それとも歴史的連覇か

2026年のUSBCクイーンズは、女子ボウリング界の現在を映し出す重要な大会となる。ジョジー・バーンズが40年以上途絶えている連覇を達成するのか。それとも、挑戦者の中から新たな女王が誕生するのか。大会の焦点は明確だ。

予選15ゲーム、ダブルエリミネーションのマッチプレー、そしてステップラダー決勝。優勝までの道のりは長く、厳しい。技術だけでは勝ち抜けない。レーン変化への対応力、勝負どころでの集中力、そしてプレッシャーに飲まれない精神力が求められる。

また、PWBA殿堂入りセレモニーが大会前に行われることも、このイベントの価値を高めている。ケリー・キューリック、カーラ・ハニーチャーチ、レイラ・ワグナーの功績が称えられることで、今大会は過去の偉大な歩みと、現在のトップ選手たちの戦いをつなぐ場にもなる。

USBCクイーンズは、単なる優勝争いではない。女子ボウリングの歴史、誇り、未来が交差する舞台である。201名の選手がラスベガスに集い、それぞれの思いを胸にレーンへ向かう。

最後にティアラを掲げるのは、ディフェンディングチャンピオンのジョジー・バーンズか。それとも、新たな時代を切り開く挑戦者か。

女子ボウリング最高峰の戦いが、いよいよ幕を開ける。

USBC

 👉  USBC Queens