ニュー・フイフェンが首位通過
PWBAノーザン・コロラド・オープンで今季初の300点達成

前週の悔しさを力に変えたニュー・フイフェン

米コロラド州グリーリーのハイランド・パーク・レーンズで開催されている「PWBAノーザン・コロラド・オープン」は、予選12ゲームを終え、フィールドが上位25名に絞られた。

最初のカットを首位で通過したのは、シンガポールのニュー・フイフェン12ゲーム合計2,864ピンを記録し、他の選手をリードする堂々たる内容で次のラウンドへ駒を進めた。

ニューは前週の「PWBAボウラーズ・ジャーナル・ロックフォード・オープン」で準優勝。あと一歩でタイトルに届かなかった悔しさを抱えて今大会に臨んだが、その影響を感じさせるどころか、むしろ集中力の高さを見せつけた。特に第9ゲームでは、2026年シーズン初となる300点のパーフェクトゲームを達成。今大会の主役候補として、一気に存在感を高めた。

「新しい一日だから、リセットするだけ。考えるのをやめた瞬間に、昨日は過去になる」

ロックフォードでの敗戦についてそう語ったニューの言葉には、トッププレーヤーらしい切り替えの早さがにじむ。さらに彼女は、「毎週の焦点は、自分自身とレーンにある。レーンが求めているものに応えられれば、スコアは自然についてくる」と話し、結果に一喜一憂するのではなく、目の前のコンディションにどう適応するかを重視する姿勢を示した。

今大会の予選序盤を振り返るうえで、このメンタルの安定感こそが、ニューの首位通過を支えた大きな要因といえる。

 

国際色豊かな上位争い、トップ5にはアジア勢が存在感

ニューに続く上位陣も、実力者が名を連ねた。

2位には、オハイオ州デイトンのシャノン・プルホウスキー2,752ピンで入り、首位ニューを追う位置につけた。3位はアリゾナ州ツーソンのブライアナ・コテ2,682ピン。4位にはシンガポールのシェリー・タン2,670ピン、5位にはマレーシアのシャズワニ・サハール2,653ピンで続いた。

トップ5のうち3名がアジア勢という結果は、今大会の大きな見どころの一つだ。PWBAツアーは米国を中心に展開されるプロツアーでありながら、近年は世界各国のトップボウラーが参戦し、国際的な競争の場としての色合いを強めている。今回もシンガポール、マレーシア、コロンビア、イングランドなど、多様な国と地域の選手が上位争いに絡み、レベルの高さを印象づけた。

6位にはマレーシアのシン・リージェーン2,643ピンで入り、7位はアイオワ州アデルのブリタニー・スミス2,639ピン。8位にはコロンビアのロシオ・レストレポ2,638ピン、9位にはフロリダ州オーランドのリズ・ジョンソン2,637ピン、10位にはサウスカロライナ州クローバーのブレアナ・クレマー2,635ピンで続いた。

トップ10の中盤以降は、わずか数ピン差で順位が入れ替わる接戦となった。特に6位から10位までは8ピン差に5人がひしめく展開で、一投のスペアミスやストライクの有無が順位を大きく左右する緊張感の高い予選だったことが分かる。

また、イングランドのベリティ・クローリー2,549ピンで25位に入り、最後の通過枠を確保した。クローリーは2週連続でカットラインぎりぎりでの突破となり、厳しい状況でも粘り切る勝負強さを見せている。

 

クリスタル・エリオット、前週の悔しさを乗り越えて次ラウンドへ

今大会で注目したいもう一人の選手が、フロリダ州パームベイのクリスタル・エリオットだ。

エリオットは前週のロックフォードで、わずか7ピン差でカットを逃していた。プロの舞台では、たった1フレーム、たった1投の結果が次のラウンドへの進出を左右する。だからこそ、7ピン差での敗退は精神的にも大きな悔しさが残る結果だったはずだ。

しかし今週のエリオットは、その悔しさを引きずることなく、ノーザン・コロラドのレーンで再び自分のボウリングを取り戻した。

「週ごとに、自分に何ができるのか、自分の能力がどこにあるのかを理解していくことが大切」

そう語ったエリオットは、この日の2ブロックを「間違いなく我慢の展開だった」と振り返った。各ゲームでダブルを取ることができれば、あとは自分の力を最大限に発揮するだけだと考えていたという。

実際、彼女の予選は決して順風満帆ではなかった。第1ブロックでは第5ゲームに269点という高スコアを叩き出しながら、最終ゲームでは143点に沈むなど、スコアの波が大きかった。勢いに乗りかけた直後に大きく落とす展開は、精神的にも難しい局面だっただろう。

それでもエリオットは崩れなかった。後半の6ゲームでは206点から225点の間にスコアをまとめ、安定感を取り戻した。爆発的なビッグゲームではなく、確実にゲームを作り直す力。その修正力こそが、彼女を次のラウンドへ押し上げた。

「第2ブロックは間違いなく学びの時間だった。レーンがどのように変化していくかを見極め、自分の直感を信じ、その瞬間に集中すること。それが明日成功するために必要なことだと思う」

このコメントからも分かるように、エリオットは結果だけでなく、レーン変化への対応自分の判断を信じることを重視している。次に待つのは、上位12名へのさらなるカット。ここからは、ただ残るだけでなく、決勝進出圏内へ向けて順位を上げる戦いになる。

 

勝負は次の6ゲームへ 上位12名、そしてトップ5を目指す戦い

上位25名に残った選手たちは、次に追加の6ゲーム予選ブロックへ進む。その後、フィールドは上位12名に絞られ、さらに第4ブロックとなる最終6ゲームが行われる予定だ。

そして最終的に上位5名が、ステップラダー決勝へ進出する。

ステップラダー方式では、予選順位が極めて重要になる。5位で決勝に進んだ選手は、タイトルを獲得するために下位から連勝を重ねなければならない。一方、1位通過の選手は最終戦から登場できるため、体力面でも精神面でも大きなアドバンテージを得られる。

つまり、ここからの予選ブロックは単なる通過争いではない。どの順位で決勝に進むか、あるいは決勝に届く位置まで順位を上げられるかが、優勝への道筋を大きく左右する。

現在トップに立つニューにとっても、油断は許されない。12ゲームで2,864ピン、さらにパーフェクトゲーム達成という結果は申し分ないが、レーンコンディションは時間の経過とともに変化し、他の選手たちも必ず対応を進めてくる。序盤で主導権を握ったニューがこのまま逃げ切るのか。それとも、プルホウスキー、コテ、タン、サハールら追撃勢が流れを変えるのか。次の6ゲームは、大会の流れを決定づける重要な局面となる。

 

ニューが主役候補に名乗り、決勝争いはいよいよ本格化

PWBAノーザン・コロラド・オープンは、予選12ゲームを終えてニュー・フイフェンが首位に立った。前週の準優勝から見事に気持ちを切り替え、今季初の300点を記録するなど、技術面でも精神面でも充実した内容を見せている。

一方で、上位陣との差が決して安全圏とは言い切れないのも、この大会の面白さだ。シャノン・プルホウスキー、ブライアナ・コテ、シェリー・タン、シャズワニ・サハールらが追う展開となり、上位12名、さらにトップ5をめぐる争いは一段と激しさを増していく。

また、クリスタル・エリオットのように前週の悔しさを乗り越えて勝ち残った選手、ベリティ・クローリーのようにカットラインぎりぎりで粘りを見せる選手の存在も、今大会のドラマを深めている。

ボウリングは、スコアだけを見れば数字の競技に見える。しかし、その裏側にはレーン変化への対応ボール選択投球ラインの微調整、そして過去の結果に左右されないメンタルの強さがある。ニューの言葉どおり、「自分自身とレーン」に向き合い続けられる選手こそが、最後にタイトルへ近づいていく。

全ラウンドはBowlTVでライブ配信される。ニューが首位を守り抜くのか、追撃勢が逆転劇を演じるのか。PWBAノーザン・コロラド・オープンは、ここからいよいよ本当の勝負を迎える。