PBA ELITE Regional Tourで4人の王者誕生
南部はブリーマン、ロバーツ、北西部はレオン、ウェニンガーが優勝

PBA ELITE Regional Tourで新たな王者が誕生

PBA ELITE Regional Tourが各地域で開催される中、South RegionとNorthwest Regionで新たな王者が誕生した。

South Regionのスタンダード部門ではコナー・ブリーマン(Connor Breaman)が優勝。シニア部門では、5月から両手投げへ転向したキップ・ロバーツ(Kip Roberts)が自身初のリージョナルタイトルを獲得した。

ブリーマンは37フィートのオイルパターンを攻略し、マッチプレーを6勝2敗。60人が出場したフィールドを制し、賞金8,500ドルを手にした。

一方、Northwest Regionでは、スタンダード部門のダラス・レオン(Dallas Leong)、シニア部門のブレイン・ウェニンガー(Blaine Weninger)が優勝。両者はNorthwest RegionにおけるPBA ELITE Tour初代王者となった。

大会の舞台はアイダホ州ガーデンシティのWesty’s Garden Lanes。使用されたのは48フィートのオイルパターンだった。

今回の2大会では、若手からベテラン、シニアまで異なるキャリアを持つ選手が勝利。さらに12月のPBA Regional Players Invitational、そして2027年PBA Tourへとつながる新シリーズならではの意味も見えてきた。

 

ブリーマンが前戦の悔しさを払拭しSouth Region制覇

South Regionのスタンダード部門を制したコナー・ブリーマンにとって、今回の勝利は単なるリージョナルタイトル以上の意味を持つものとなった。

ブリーマンは2大会前にも優勝していたが、その次の大会ではカットラインを突破できずに敗退。

勢いに乗った直後に結果を残せなかっただけに、今回の大会では再び自分のボウリングを取り戻せるかどうかがひとつのポイントだった。

その中でブリーマンは37フィートのオイルパターンに対応し、マッチプレーを6勝2敗。最終的に60人のフィールドを制し、賞金8,500ドルを獲得した。

本人も、優勝した直後の大会でカットを逃した経験に触れながら、そこから今回再び勝利できたことは今後に向けて大きいと語っている。

リージョナルツアーでは、毎大会コンディションも参加選手も異なる。

前回の結果が良かったからといって、次も同じように勝てる保証はない。逆に、一度結果を落としたあとにどれだけ早く修正できるかが、安定して勝ち続けるためには重要になる。

その意味でも、ブリーマンが短期間で再び優勝まで戻ってきたことは、対応力の高さを示す結果だった。

 

父と同じ大会に出場

今回の優勝には、家族にまつわる印象的なエピソードもあった。

ブリーマンの父、カール・ブリーマンも同大会のシニア部門に出場しており、13位でフィニッシュしている。

コナーはレーン上で自分が見えているもの、そして自分のボウリングに自信を持っていた一方、父は精神面で息子を支え、集中力を保つ役割を果たしていたという。

親子で同じ大会に出場し、その中で息子が優勝する。

リージョナルツアーならではの距離感の近さを感じさせる場面でもあった。

 

RPI出場権獲得も結婚式を優先

ブリーマンは今回の優勝によって、12月に行われるPBA Regional Players Invitational、通称RPIへの出場権も獲得した。

しかし、本人はその権利を辞退することになる。

理由はシンプルで、RPI開催週末が自身の結婚式と重なっているためだ。

競技者として重要な大会への出場権を獲得しながら、人生の大きな節目を優先するという、非常に印象的な優勝となった。

スタンダード部門2位には、大会の大部分で首位を走っていたアレックス・グリンスキー。

以下、ブライアン・ロビンソン、タイレル・インガルス、ケイデン・ラガナが続いた。

 

両手投げ転向から数か月、ロバーツが初タイトル

South Regionのシニア部門では、キップ・ロバーツがリージョナル初優勝を飾った。

ロバーツの今回の優勝で注目すべきなのは、今年5月に両手投げへ転向したばかりという点だ。

長年ボウリングを続けてきたロバーツだったが、手の痛みをきっかけに従来の投球スタイルを見直し、両手投げへ変更した。

本人によれば、この変更によってボールのピンアクションも大きく変わり、何よりボウリングへの意欲そのものが再び高まったという。

「30年前にやっていたことを、もう一度最初から経験しているような感覚」と語っており、新しいスタイルへの挑戦そのものを楽しんでいる様子が伝わってくる。

ベテラン選手にとって、投球フォームを大きく変更することは簡単ではない。

長年積み上げてきたタイミング、スイング、リリースを一度見直し、新しい感覚を身につける必要があるからだ。

しかしロバーツにとって両手投げへの転向は、単なる痛みへの対応策ではなかった。

ボウリングをもう一度学び直し、競技人生そのものを再スタートさせるきっかけになっている。

 

息子と投げられる喜び

現在、ロバーツは数年前にボウリングを始めた息子と一緒に投げる機会も増えている。

親指の痛みがなくなったことで競技への意欲も高まり、来季はPBA50 Tourへの出場数を増やす予定だという。

さらに、長らく出場していなかったRPIへの復帰や、今後のPBA ELITEイベントへの参加にも意欲を見せている。

今回の優勝は、ロバーツにとってひとつのタイトル以上に、新しい投球スタイルで再び競技生活を広げていく第一歩になったといえる。

ロバーツは優勝賞金5,000ドルを獲得。

2位のマーク・ターキントンもRPIへの出場権を獲得し、3位ダン・ノウルトン、4位ジェフリー・リピック、5位スティーブ・ホランズワースという結果になった。

 

Northwest Regionではダラス・レオンが73ピン差を逆転

Northwest Regionスタンダード部門では、ダラス・レオンが劇的な逆転で優勝した。

レオンは2027年PBA Tourシーズンのエグゼンプト獲得ラインとなるポイントランキング上位75人にわずかに届かなかった選手だ。

さらに前週に行われたELITE East Regionでは46位に終わっていた。

その悔しさを抱えたまま迎えた今回のNorthwest Region。

しかも使用されたオイルパターンは前週と同じだった。

レオンは同じ失敗を繰り返さないため、事前準備を徹底した。

本人は、自分は圧倒的な球速や回転数を持つパワープレーヤーではなく、両手投げでもないと自己分析している。

そのため、パワーではなく判断力と準備で勝負する必要があると考えた。

そこで勤務先であるBrunswickのツアーレップに連絡し、オイルパターンに適したボールについてアドバイスを受けた。

その助言をもとに新しく2~3個のボールをドリルした結果、それらがコンディションにうまくマッチし、優勝争いに加わることができたという。

 

最終ゲーム開始時点で73ピン差

レオンは土曜日、日曜日を通してトップ3を維持していたものの、最終ゲームを迎えた時点では首位ニコラウス・フライバーグとの差は73ピンあった。

通常であれば、1ゲームで逆転するには非常に厳しい差だ。

その状況でレオンは、結果を守りにいくのではなく、思い切って攻めることを選んだ。

最終ゲームでレオンは255をマーク。

一方、それまで総合首位だったフライバーグは188にとどまり、一気に順位が逆転した。

レオン自身も、「これだけ差があるなら思い切って勝負するしかない」という気持ちだったことを振り返っている。

マッチプレー成績は6勝2敗。

結果的に、ほぼ手の届かない位置に見えた首位を最終ゲームだけでひっくり返す劇的な勝利となった。

 

リージョナル通算4勝目

今回の優勝によって、レオンは自身4個目となるリージョナルタイトルを獲得。

賞金7,500ドルも手にした。

レオンは幼い頃からPBAで勝つことを夢見ており、各地域の会場に自分の名前が入ったバナーを残すこともキャリア目標のひとつとしている。

今回Northwest Regionで勝ったことによって、その目標をまたひとつ達成したことになる。

単純な球質だけではなく、前週の失敗を分析し、道具選びを見直し、コンディションへの対応力を高めて勝利につなげた点は、今回のレオンの優勝を象徴している。

 

ウェニンガーはリージョナル通算11勝目

Northwest Regionのシニア部門では、ブレイン・ウェニンガーが優勝した。

ウェニンガーが大会前に掲げていた最大の目標は、RPIへの出場権を獲得することだった。

その目標を達成すると同時に、自身リージョナル通算11勝目となるタイトルまで手にした。

本人は勝因について、良い投球ができたことに加え、いくつかの幸運にも恵まれたと振り返っている。

また、試合を楽しむことができれば必要以上に緊張せず、その瞬間に集中できるという考えも持っている。

終盤はトム・ドーティーとの事実上の2人による優勝争いとなった。

両者は3位以下に対して約200ピンの差をつけており、終盤は完全な一騎打ち。

その中でウェニンガーは、レーンコンディションが合っているペアに入ったときに確実にスコアを伸ばし、ピン差を積み上げていった。

チャンスのあるレーンで最大限スコアを伸ばし、難しい場面では大崩れしない。

経験豊富な選手らしい試合運びが、11勝目につながった。

 

新シリーズ「PBA ELITE Regional Tour」が生み出す新たな競争

ウェニンガーは今回スタートしたPBA ELITE Regional Tourについても強い支持を示している。

このシリーズは通常のリージョナル大会よりイベントの格を高め、賞金額の増加や大会体験の向上を図っている。

ウェニンガーは、新しい活気を生み出し、選手たちに再びリージョナルツアーへの興味を持ってもらう取り組みとして高く評価している。

特に本人が魅力として挙げているのが、最終的に最も良いボウリングをした選手が勝つというシンプルな競技性だ。

派手な仕掛けではなく、レーン上での総合力を競う。

その意味でも、リージョナルツアー本来の競技性を強調したシリーズといえる。

 

RPI、そして2027年PBA Tourへ

PBA ELITE Regional Tourで重要なのは、単に各大会で優勝者を決めるだけではないという点だ。

各大会では、PBA Tour Priorityを持っていない選手の中から上位5人が、12月に開催されるPBA Regional Players Invitationalへの自動出場権を獲得する。

そしてRPIでは、2027年PBA TourのPriority Statusが3人に与えられる。

つまり、PBA ELITE Regional Tourは、

リージョナル大会
 ↓
RPI
 ↓
PBA Tour

という明確なステップを生み出している。

特に今回優勝したレオンのように、ツアーのエグゼンプト獲得ラインへあと一歩届かなかった選手にとって、この仕組みは非常に重要になる。

リージョナルで結果を残せば、再びPBA Tourへ進むチャンスをつかむことができるからだ。

リージョナルツアーが単独の競技カテゴリーではなく、PBA Tourへ続く明確な登竜門として機能し始めている。

これこそが、新しいPBA ELITE Regional Tourが持つ大きな意味のひとつだろう。

 

異なるキャリアを持つ4人が示したPBA ELITE Regional Tourの可能性

South RegionとNorthwest Regionで誕生した4人の王者は、それぞれまったく異なる背景を持っていた。

前戦のカット落ちから立て直し、再び優勝したコナー・ブリーマン。

手の痛みをきっかけに両手投げへ転向し、リージョナル初タイトルを手にしたキップ・ロバーツ。

前週の失敗を分析し、道具選びまで見直したうえで73ピン差を逆転したダラス・レオン。

そして豊富な経験と試合運びでリージョナル通算11勝目を挙げたブレイン・ウェニンガー。

4人に共通しているのは、単純に「良いボウリングをした」ということだけではない。

失敗への対応、スタイルの変更、事前準備、経験を生かした判断。

それぞれが異なる方法で課題に向き合い、その結果としてタイトルを手にした。

PBA ELITE Regional Tourは、若手だけでも、ベテランだけでもない。

さまざまなキャリア、さまざまなスタイルを持つ選手にチャンスがあり、そこからRPI、さらにPBA Tourへと道がつながっている。

次のPBA ELITEイベントは9月26日と27日、オクラホマ州ショーニーとカリフォルニア州ベンチュラで開催予定となっている。

リージョナルでの一勝が、次のキャリアを大きく動かす。

新たな仕組みのもとで始まったPBA ELITE Regional Tourは、シリーズ序盤からすでに多くのストーリーを生み出している。