MOTIV「Forge Fuel」登場へ
“最も穏やかなボール”とも評される強烈なトラクション性能、その狙いとは

Forgeシリーズに新たなソリッドモデル「Forge Fuel」

MOTIVから、Forgeシリーズの新作となる「Forge Fuel」が登場する。

Forgeシリーズといえば、MOTIVのラインナップの中でも、強いトラクション性能と滑らかなリアクションを特徴としてきた高性能シリーズだ。今回のForge Fuelもその方向性を色濃く受け継いでおり、特に注目されるのが、レーン手前から強くオイルを捉えながら、バックエンドで急激に向きを変えすぎないという設計である。

今回公開された情報では、Forge Fuelは過去のSubzero Forgeをベースにしながら、カバーストックなどを変更した発展型として位置づけられている。Subzero Forgeが氷をイメージしたデザインだったのに対し、Forge Fuelでは炎をテーマとしたデザインが採用されているという。

しかし、このボールで本当に注目したいのは外観ではない。

キーワードは、「早い」「強い」「穏やか」だ。

ボールがレーン上で早い段階から動き始め、非常に強いトラクションを生み、それでいてバックエンドでは鋭角的になりすぎない。その特性から、場合によっては“最も穏やかボールのひとつ”とも表現できそうなForge Fuel。

では、この特徴は実戦でどのような意味を持つのだろうか。

 

Forge Fuelは何を狙ったボールなのか

1000グリット仕上げが示す、明確な「オイル攻略」の思想

Forge Fuelの大きな特徴のひとつが、箱出し状態での表面仕上げだ。

標準状態は1000グリット

現在の高性能ボールとして見ても、かなり粗い表面である。

公開された解説でも、この1000グリットについて、リーグの一般的なハウスコンディションでは強すぎる可能性があり、2000、3000、あるいは4000グリット程度まで表面を変更したほうが扱いやすくなる可能性が指摘されている。

つまり、Forge Fuelは最初から幅広いコンディションに対応する万能型を目指しているわけではない。

むしろ、

「オイルが多いフレッシュな状態を、確実に捕まえる」

という目的が非常にはっきりしたボールと考えたほうがよい。

1000グリットの強い表面によってレーン手前からミッドレーンでしっかり摩擦を作り、オイルの上を長く滑らせるのではなく、できるだけ早くボールを立ち上げる。

その一方で、バックエンドでは大きく跳ねるような動きを狙っていない。

これまでのソリッドForgeシリーズ同様、Forge Fuelも大きく、ゆっくり、滑らかに曲がる方向性が強いと説明されている。

 

強力なDetonatorコアを継続採用

コアには、ForgeシリーズではおなじみのDetonator Symmetrical Coreが採用される。

15ポンドではRGが2.47、ディファレンシャルが0.055

数値から見ても非常に強力なシンメトリックコアであり、14、15、16ポンドで比較的近い特性を持つことも特徴として挙げられている。

低めのRGと高いディファレンシャルを組み合わせることで、ボールは比較的早い段階から回転状態へ移行しやすく、その後もしっかりとフレアを生み出す。

Forgeシリーズが長年、MOTIVの強いシンメトリックボールというポジションを担ってきた理由もここにある。

実際、Forgeシリーズは長期間MOTIVのラインナップに存在し続けており、今回のForge FuelによってSteel Forgeと合わせて再び複数モデルがラインナップされる形となる。

 

新カバーストック「Leverage MXT Solid」が最大の変更点

Forge Fuelで最も興味深い変更点は、カバーストックだろう。

採用されるのはLeverage MXT Solid Reactive

Subzero ForgeではMXC系のカバーストックが使用されていたが、Forge Fuelでは新しいMXTへ変更された。

公開情報では、このMXTはSubzero Forgeに採用されていたMXCよりもレスポンスを高める方向で設計されているとされている。さらに、MXTはこれまで採用例が確認されていない新しいカバーストックとして紹介されている。

つまりForge Fuelは、単純なSubzero Forgeの再発売ではない。

コアの基本思想や大きな方向性は維持しながら、カバーストック側でわずかに反応量と総フックを高めたモデルと見ることができる。

 

Subzero Forgeとの違いは「少しだけ強く、少しだけ動く」

では、Subzero Forgeと比べるとどうなのか。

公開されている比較では、両者のレングス性能は非常に近い。

一方、バックエンドについてはForge Fuelがわずかに上。

総フック評価についても、

Forge Fuel:78
Subzro Forge:76

と、Forge Fuelが若干高い数値になっている。

大幅なキャラクター変更ではない。

むしろ、Subzero Forgeの得意分野を残したまま、あと少しだけフック量とバックエンド性能を加えたモデルという印象だ。

ただし箱出し表面には大きな違いがある。

Subzero Forgeが2000グリットだったのに対し、Forge Fuelは1000グリット。

そのため新品状態ではForge Fuelのほうがさらに早くレーンを読み、強いオイルキャッチを見せる可能性が高い。

 

ハウスショットより「トーナメントのフレッシュ」が本命か

ここがForge Fuelを選ぶうえで重要なポイントになる。

1000グリットのまま一般的なハウスショットで使用すると、手前でエネルギーを使いすぎる可能性がある。

オイルが十分にある序盤なら問題なくても、ゲームが進み手前が削れてくれば、ボールがあまりにも早く立ち上がり、ポケットまで十分なエネルギーを残せなくなることも考えられる。

元の解説でも、リーグで使用するなら事前に表面を変更することが推奨される一方、トーナメントのフレッシュコンディションでは1000グリットが大きな武器になると評価されている。

Forge Fuelが最も輝くのは、

オイル量が多い
レーンがまだフレッシュ
バックエンドの急激な動きを抑えたい

という状況だろう。

逆に、トランジションが進んだ状態やバーンしたレーンでは、かなり扱いづらくなる可能性がある。

 

最大のライバルは「Raptor Reign」か

MOTIVファンにとって悩ましいのが、Forge FuelとRaptor Reignの存在だ。

両者はコア数値が非常に近く、15ポンドではディファレンシャルも同じとされている。

一方で、Raptor Reignのほうが若干レングスがあり、バックエンド性能も近く、比較上では総フック量も高い。

この2つを単純な「強さ」だけで選ぶのは難しい。

重要なのは用途だ。

フレッシュな大会コンディションを早く読みたいならForge Fuel。

ハウスショットを含め、少し走りと奥の反応も欲しいならRaptor Reign。

こう考えると両者の役割が見えてくる。

公開されたMOTIVのボールガイド上でも、Forge FuelはJackal Onyxの下側に位置し、Evoke Mayhemより滑らかな特性として配置されている。一方でRaptor Reignは、より上側の強いカテゴリーに位置づけられている。

 

強いボールが多いMOTIVだからこそ「用途」で選びたい

現在のMOTIVには、強く滑らかなカテゴリーだけでも多くの選択肢が存在する。

Jackal Onyx、Ghost V2、Raptor Reign、Evoke Mayhemなど、オイルに強いモデルがすでに揃っている。

その中でForge Fuelを選ぶ理由は、単に「一番曲がるから」ではない。

Forge Fuelの価値は、強いトラクションをできるだけ早い段階で作りながら、奥で暴れすぎないことにある。

特にスポーツコンディションやトーナメントでは、バックエンドでボールが急激に向きを変えることよりも、ミッドレーンを確実に読み、ポケットまで予測しやすい動きをしてくれることが重要になる場面がある。

そうした状況では、Forge Fuelの“遅さ”は弱点ではなく、むしろ最大の武器になる。

 

Forge Fuelは「穏やか」からこそ価値がある

Forge Fuelは、誰にでも使いやすい万能ボールではないだろう。

1000グリットという強烈な表面、低RG・高ディファレンシャルのDetonatorコア、そして新しいLeverage MXT Solid。

その組み合わせが狙っているのは明確だ。

フレッシュなオイルを早い段階から確実に捉え、滑らかで予測しやすい強いリアクションを作ること。

Subzero Forgeと比較すれば、基本的なキャラクターを受け継ぎながら、わずかにフックとバックエンド性能を高めた進化版と考えられる。

一方で、一般的なリーグコンディションでは箱出しの1000グリットが強すぎる可能性があり、2000〜4000グリットへの表面調整も重要な選択肢になる。

Forge Fuelは「どれだけ大きく曲がるか」ではなく、「どれだけ早く、強く、そして滑らかにレーンを読むか」を重視したボールだ。

そのため、大会のフレッシュで強いボールを必要としている選手や、バックエンドの鋭角的な動きを抑えながらオイル攻略をしたいボウラーにとって、非常に興味深い選択肢になりそうだ。

Forge Fuelは9月16日発売予定と紹介されている。

実際のレーン上で、新しいMXTカバーストックがSubzero Forgeからどれほど性能を変えているのか。

そしてMOTIVの強力なラインナップの中で、Forge Fuelがどこまで独自のポジションを確立できるのか。

発売後の実投レビューにも注目したい。

ボウラーズ・マート

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