宮澤拓哉、4位通過から頂点へ
シーホースカップ2026連覇で通算4勝目
4日間、36ゲームの先に待っていた劇的な結末
「大安興業プレゼンツ シーホースカップ JPBAプレイヤーズトーナメント2026」が6月18日から21日までの4日間、神奈川県の伊勢原ボウリングセンターで開催された。
JPBA男子プロボウラーズ選手会が主催する本大会は、2025年に続く2回目の開催。最終日は4名による決勝ステップラダーが行われ、昨年の優勝者・宮澤拓哉が4位通過から3選手を破り、大会連覇を成し遂げた。
しかも、その道のりは一筋縄ではいかなかった。4位決定戦、3位決定戦、優勝決定戦を勝ち上がり、最後はトップシードとの再優勝決定戦へ。長丁場の最終盤まで集中力を保ち、勝負どころでレーンに合わせ切った宮澤が、今季初優勝と自身通算4勝目をつかみ取った。
大会は選抜4シフトから始まり、本大会では60名が予選24ゲームを投球。その後、Top24ラウンド、Top12ラウンドを経て、通算36ゲームの上位4名が決勝ステップラダーへ進出した。
賞金総額は1,350万円。優勝賞金は副賞250万円を含む500万円に設定された。使用ボールの登録個数と使用個数に制限が設けられ、さらにオイルパターンもラウンドごとに変更。選手には投球精度だけでなく、レーン変化を読む力、ボール選択、試合中の修正力までが求められた。
関東地方が梅雨入りする中、競技展開も空模様のように目まぐるしく変化した。ハイゲームで一気に順位を上げる選手がいれば、わずかなラインのずれからローゲームに沈む選手もいる。日を追うごとに会場の観客は増え、決勝に近づくにつれて伊勢原ボウリングセンターの熱気も最高潮へと達した。
宮澤拓哉が見せた王者の修正力
決勝ステップラダーに進出した4名
36ゲームの長い戦いを終え、決勝ステップラダーへ進出したのは次の4名だった。
1位通過は藤井信人、2位通過は甘糟翔太、3位通過は内藤広人。そして4位通過は、ディフェンディングチャンピオンの宮澤拓哉だった。
4位通過の選手が優勝するためには、上位3選手を連続して破らなければならない。宮澤にとっては、初戦から一度も立ち止まることのできない厳しいステップラダーとなった。
4位決定戦 内藤を序盤から突き放す
最初の対戦は、3位通過の内藤広人と4位通過の宮澤。
両者ともストライクでスタートしたが、先に主導権を握ったのは宮澤だった。2フレーム目からストライクを重ね、序盤で4連続ストライクを記録。内藤も3フレーム目からダブルを決めて追いかけたものの、前半終了時点で宮澤が約2マークのリードを奪った。
後半に入っても宮澤は6フレーム目からダブルを追加。内藤は8フレーム目にストライクを奪ったが、連続ストライクにはつなげられず、差を詰め切ることができなかった。
最終スコアは宮澤235、内藤190。宮澤は大きく崩れることなく試合をまとめ、次の3位決定戦へ進んだ。
3位決定戦 甘糟の猛追を9ピン差で振り切る
続く3位決定戦では、2位通過の甘糟翔太と対戦した。
両者ともストライクで試合を始めたが、甘糟は2フレーム目をオープン。一方の宮澤は序盤からストライクを並べ、6連続ストライクで大きく先行した。
しかし、甘糟も簡単には引き下がらない。左右のレーンで異なるボールを投げ分けていた甘糟は、右レーンで使用していたボールを左レーンでも投入。その判断が的中し、宮澤のストライクが止まるのと入れ替わるように5連続ストライクを決めた。
9フレーム目には宮澤が残りピンをカバーできず、勝負は10フレーム目へ。ストライクが必要な甘糟は、プレッシャーのかかる場面で見事にストライク。会場の大応援団から歓声が上がった。
対する宮澤も、10フレーム目の1投目をストライク。勝敗を左右する甘糟の次の投球は、惜しくも10番ピンが残る9本となった。
最終スコアは宮澤244、甘糟235。宮澤がわずか9ピン差で競り勝ち、優勝決定戦へ進出した。
敗れた甘糟も、大会中に3度のパーフェクトゲームを達成。さらにTop12ラウンド後半3ゲームでは838シリーズを記録するなど、最後まで大会を大いに盛り上げた。
優勝決定戦 藤井を破るも、勝負は再決定戦へ
優勝決定戦の相手は、36ゲームを首位で通過したトップシードの藤井信人。
本大会では、トップシードが最初の優勝決定戦に敗れた場合、もう一度対戦する再優勝決定戦方式が採用されている。宮澤が優勝するためには、藤井に2度勝たなければならなかった。
試合は宮澤のスペア、藤井のストライクでスタート。藤井は左レーンでストライクを重ねた一方、右レーンではストライクが続かず、ストライクとスペアが交互に並ぶ展開となった。
宮澤に最初のストライクが来たのは6フレーム目。そこからダブルを決め、藤井との差を一気に縮めた。
藤井も8フレーム目にストライクを奪い、終盤までわずかにリード。しかし9フレーム目は9本カウントとなり、直後に宮澤がストライクを決めたことで、勝負は最後まで分からなくなった。
10フレーム目、宮澤はこぶしを握るストライク。藤井は最後まで投げ切ったものの、最終スコアは宮澤213、藤井207となった。
宮澤が最初の優勝決定戦を制したことで、勝負は大会規定による再優勝決定戦へと持ち越された。
再優勝決定戦 6フレーム目の修正が勝負を分ける
すべてが決まる再優勝決定戦は、両者ともストライクでスタートした。
先にダブルを決めたのは藤井。宮澤はストライクとスペアを交互に重ねる展開となり、序盤は藤井が先行した。
藤井は難しいスプリットをカバーして踏みとどまったが、その後は連続ストライクにつなげられない。宮澤も前半は決定打を欠き、互いに我慢を強いられる展開となった。
試合が大きく動いたのは、6フレーム目だった。
宮澤は、それまでストライクを続けられなかった右レーンへのアジャストに成功。ここから3連続ストライクを決め、一気に流れを引き寄せた。
一方の藤井は、4本が大きく離れて残る難しいスプリット「BIG 4」に見舞われて後退。宮澤が約3マークのリードを奪った。
終盤、藤井はダブルを決めて懸命に食い下がった。しかし10フレーム目の1投目はストライクにならず、逆転の可能性が消滅した。
宮澤は最後まで集中力を切らさず、最終スコア228対186で勝利。決着の瞬間、それまで淡々と投球を続けてきた宮澤の表情に、ようやく笑顔が浮かんだ。
4位通過からの連覇が示した本当の強さ
宮澤拓哉は4位決定戦から勝ち上がり、再優勝決定戦を含む4試合を戦って大会連覇を達成した。
今季初優勝で、自身通算4勝目。優勝ボールにはBrunswickの「STRATEGY」を使用した。
4位通過からの優勝は、単に高いスコアを出すだけでは成し遂げられない。対戦相手もレーン状況も異なる中で、その都度、投球ラインやボールの反応を見極め、短時間で答えを出す必要がある。
内藤戦では序盤からストライクを重ねて主導権を握り、甘糟戦では終盤の猛追に耐えた。藤井との最初の優勝決定戦では僅差をものにし、再優勝決定戦では前半の苦しい展開から右レーンを攻略して流れを変えた。
特に象徴的だったのが、再優勝決定戦の6フレーム目である。
前半まで合っていなかった右レーンに対し、宮澤は試合中に投球を修正。その一投を起点にターキーを決め、勝負の流れを一変させた。長い予選を戦い抜いた後でも冷静さを失わず、最も重要な場面で最適解を導き出した修正力こそ、今回の連覇を支えた最大の要因だろう。
最終順位は、優勝が宮澤拓哉、第2位が藤井信人、第3位が甘糟翔太、第4位が内藤広人。決勝ステップラダーでは、宮澤が内藤を235対190、甘糟を244対235で下し、藤井との優勝決定戦を213対207、再優勝決定戦を228対186で制した。
昨年の初代王者が、今度は4位通過から長い階段を登り切り、再び頂点に立った。
優勝経験だけではなく、苦しい展開を受け入れ、試合の中で答えを見つけ、最後に勝ち切る力。シーホースカップ2026で宮澤が示したのは、連覇という結果以上に価値のある、王者としての総合力だった。
「シーホースカップ2026」入賞者一覧
| 順位 | 氏名 | 所属 | 賞金 |
|---|---|---|---|
| 優勝 | 宮澤 拓哉 | パークレーン高崎/サンブリッジ/上武大学 | 5,000,000円 |
| 第2位 | 藤井 信人 | ITカンファー株式会社/HI-SP | 1,300,000円 |
| 第3位 | 甘糟 翔太 | 江の島ボウリングセンター | 800,000円 |
| 第4位 | 内藤 広人 | 相模原パークレーンズ/サンブリッジ | 620,000円 |
| 第5位 | 立花 仁貴 | 洛陽総合高等学校 | 500,000円 |
| 第6位 | 安里 秀策 | 株式会社コロナワールド | 440,000円 |
| 第7位 | 畑 秀明 | フリー | 410,000円 |
| 第8位 | 徳久 恵大 | メリーランドタケオボウル | 380,000円 |
| 第9位 | 原口 優馬 | 愛知川ボウル/HI-SP | 360,000円 |
| 第10位 | 山下 昌吾 | タチバナボウル | 340,000円 |
| 第11位 | 田中 椋也 | クァトロブーム/株式会社ボウルスター | 320,000円 |
| 第12位 | 井口 遼太 | MOTIV Bowling Products | 300,000円 |
| 第13位 | 坂本 就馬 | 永山コパボウル | 255,000円 |
| 第14位 | 山本 勲 | ABS | 250,000円 |
| 第15位 | 川添 奨太 | ハイ・スポーツ社 | 245,000円 |
| 第16位 | 福丸 哲平 | 株式会社グランドボウル | 240,000円 |
| 第17位 | 斉藤 祐哉 | 桜ヶ丘ボウリングセンター | 235,000円 |
| 第18位 | 永野 すばる | 相模原パークレーンズ | 230,000円 |
| 第19位 | 藤 博文 | BOWL123 | 225,000円 |
| 第20位 | 倉持 悠人 | 大学ボウル | 220,000円 |
| 第21位 | 藤村 隆史 | 株式会社コロナワールド | 215,000円 |
| 第22位 | 斎藤 祐太 | 株式会社ボウルスター | 210,000円 |
| 第23位 | 木村 晃 | 相模原パークレーンズ/株式会社ボウルスター | 205,000円 |
| 第24位 | 藤永 北斗 | N&K Co., Ltd./サンブリッジ | 200,000円 |
※優勝賞金500万円には、優勝副賞250万円が含まれています。
