ストームがPBAマニュファクチャラーズカップ連覇
王者の勝負強さが光る
王者ストームが再び頂点へ
PBAエリートリーグ「バトル・オブ・ザ・ブランズ presented by Beatbox」で、ストームが2年連続となるマニュファクチャラーズカップ優勝を果たした。
レギュラーシーズンを3位で通過したストームは、ステップラダー方式の決勝ラウンドでブランズウィック、ハンマー、モーティブを次々と撃破。前年王者としての勝負強さを存分に発揮し、見事にタイトルを防衛した。
決勝は、前年のチャンピオンシップと同じストーム対モーティブの顔合わせ。先に2勝したチームが勝者となる「Race-to-Two」方式で争われ、ストームが2勝0敗で完勝した。
連覇の中心を担ったのは、カイル・トループ、クリス・ヴァイ、そしてキャプテンのジェイソン・ベルモンテ。3人はいずれも前年の優勝メンバーであり、今回も重要な局面でチームを支えた。
逆境を乗り越えたストームの総合力
経験豊富な主力と新戦力が融合
ストームは、トループ、ヴァイ、ベルモンテを軸に、充実したチーム編成で今大会に臨んだ。
ダレン・タンは2年連続でレギュラーシーズンに出場しているが、決勝ラウンドに加わったのは今季が初めて。また、シーズン開幕前にはパトリック・ドンブロウスキーが新たにチームへ加入した。
チーム運営では、ストーム・プロダクツ社長のタイラー・ジェンセンに代わり、フランソワ・ラボワが代理マネジャーを務めた。前年王者の中核を残しながら、新戦力と新たな運営体制を組み合わせたことが、連覇を支える大きな要因となった。
決勝ラウンドで採用されたのは、43フィートの「ランディ・ペダーセン」オイルパターン。ゲームごとにレーンコンディションが変化しやすく、スコアの振れ幅も大きかった。
実際、ストライクを量産する試合があった一方で、スプリットやスペアミスが勝敗を左右する場面も多く見られた。単純な爆発力だけでなく、状況に応じて投球ラインやボールを調整する対応力が問われる大会となった。
ブランズウィック戦はロールオフまでもつれる激戦
ストームにとって最大の難関となったのが、ブランズウィックとの対戦だった。
ブランズウィックは、グラハム・ファ、パッキー・ハンラハン、マット・サンダースという左投げ3選手を中心としたチーム。ステップラダー序盤では、ロトグリップを279対214、900グローバルを223対215で破り、勢いに乗ってストーム戦へ進んだ。
Race-to-Two方式の第1ゲームは、ブランズウィックが199対192で先取。ストームは初戦を落とし、いきなり後がない状況に追い込まれた。
しかし、第2ゲームではストームが素早く修正。225対187で勝利し、対戦成績を1勝1敗に戻した。勝負の行方は、両チームが3投ずつを行うロールオフへ持ち込まれた。
ここで際立ったのが、ストームの集中力だった。
ヴァイ、ドンブロウスキー、ベルモンテがそれぞれストライクを決め、ストームは3投で満点となる30ピンを記録。一方のブランズウィックは、最初に投球したハンラハンが9本にとどまり、最終的にストームが30対19で勝利した。
初戦を落としながらも立て直し、最後は3人全員がストライクを決める。まさにチームの総合力と精神的な強さが表れた一戦だった。
ハンマー戦は攻撃力と粘り強さを発揮
準決勝でストームは、ハンマーと対戦した。
第1ゲームでは、ストームの攻撃力が爆発。序盤からストライクを重ね、232対160で大差をつけて先勝した。
しかし、第2ゲームは一転して接戦となった。
ストームが213点で投球を終えた時点で、ハンマーのアンカーを務めるザック・ウィルキンスには、マークを記録すれば勝利し、対戦をロールオフへ持ち込める可能性が残されていた。
ところが、ウィルキンスは3番、6番、10番ピンのスペアをカバーできず、ハンマーは211点で終了。ストームがわずか2ピン差で勝利し、2勝0敗で決勝進出を決めた。
第1ゲームでは圧倒的な攻撃力を示し、第2ゲームでは最後までプレッシャーをかけ続けたストーム。試合展開に応じて異なる勝ち方ができる点も、王者の強さを印象づけた。
モーティブとの再戦を制し、タイトル防衛
決勝の相手はモーティブ。前年大会のチャンピオンシップと同じ組み合わせとなり、ストームにとっては連覇を懸けた再戦となった。
第1ゲームは、両チーム合わせて5度のスプリットが発生する難しい展開となった。レーンへの対応に苦しむ場面が続き、互いにスコアを伸ばし切れなかったものの、ストームが接戦を制して先勝した。
第2ゲームでは、ストームが終盤に一気に流れを引き寄せる。
第7、第8、第9フレームで連続ストライクを記録し、モーティブの逆転の可能性を封じ込めた。さらに第10フレームでは、キャプテンのベルモンテが3投すべてをストライク。勝利を決定づける圧巻の投球で237点までスコアを伸ばした。
モーティブは170点にとどまり、ストームが2勝0敗で優勝。前年に続いてマニュファクチャラーズカップを制し、王座防衛を果たした。
全試合結果
第1試合
ブランズウィックがロトグリップに279対214で勝利。
第2試合
ブランズウィックが900グローバルに223対215で勝利。
第3試合
ストームがブランズウィックに2勝1敗で勝利。
第1ゲームはブランズウィックが199対192、第2ゲームはストームが225対187で勝利した。ロールオフはストームが30対19で制した。
準決勝
ストームがハンマーに2勝0敗で勝利。
第1ゲームは232対160、第2ゲームは213対211で、いずれもストームが勝利した。
決勝
ストームがモーティブに2勝0敗で勝利。
第1ゲームはストームが接戦を制し、第2ゲームは237対170で勝利した。
最終順位と獲得賞金
優勝したストームは3万3,000ドルを獲得。準優勝のモーティブには2万2,000ドル、3位のハンマーには1万5,000ドルが贈られた。
4位以下は、ブランズウィックが1万2,000ドル、900グローバルが1万ドル、ロトグリップが8,000ドルとなった。
連覇を生んだのは、修正力と終盤の集中力
ストームの連覇は、単なる得点力だけで達成されたものではない。
ブランズウィック戦では第1ゲームを落としながら、第2ゲームでレーンへの対応を修正。ロールオフでは、3選手がそろってストライクを記録した。
ハンマー戦では232点を記録して圧勝した一方、続くゲームではわずか2ピン差の接戦を制した。そしてモーティブとの決勝では、第7フレーム以降の連続ストライクによって主導権を握り、最後はベルモンテが第10フレームを完璧な形で締めくくった。
どれほど優れたチームでも、変化するレーンコンディションの中で常に理想的な投球ができるとは限らない。重要なのは、ミスや劣勢を引きずらず、その場で修正し、勝負どころで最高の投球を見せることだ。
トループ、ヴァイ、ベルモンテという前年優勝メンバーを中心に、新加入のドンブロウスキーや決勝に加わったタンが力を発揮したストーム。個々の技術、チームとしての結束、そして終盤の集中力が一体となったことが、2年連続優勝につながった。
2026年PBAツアーのテレビ中継最終イベントとしては、マグナム・アイスクリーム・カンパニーPBAノーム・デューク・オープンの決勝も予定されている。
デオ・ベナードは、マーシャル・ケント、リッチー・ティース、ペンシルベニア州出身のビル・オニールによるステップラダーの勝者と対戦する。もう一方では、EJタケットがアンソニー・サイモンセン、AJジョンソン、エリック・ジョーンズによるステップラダーの勝者を迎える。
それぞれの勝者がRace-to-Two方式でタイトルを争うだけに、シーズンの締めくくりにふさわしい熱戦が期待される。王者ストームの連覇で大きな盛り上がりを見せたPBAツアー。その興奮は、最後のタイトル決定戦まで続くことになりそうだ。
