2026年USBCクイーンズ決勝進出者決定
女王のティアラを懸けた5人の戦い
199人の戦いは、ついに女王を決める最終ステージへ
2026年USBCクイーンズは、いよいよ頂点を決める最終局面を迎える。
ラスベガスのゴールドコースト・ボウリングセンターで行われている今大会には、世界各地から199人の選手が出場。その熾烈な争いを勝ち抜いた5人が、火曜日に行われるライブ中継のステップラダー決勝へ進出した。
女子ボウリング界のメジャー大会として長い歴史を持つUSBCクイーンズ。優勝者には、女王の証であるティアラ、タイトル、そして6万ドルの優勝賞金が贈られる。単なる一大会ではなく、選手のキャリアに深く刻まれる特別な舞台だ。
今年の決勝で大きな注目を集めるのは、予選トップ通過のエリン・マッカーシーだ。ネブラスカ州エルクホーン出身のマッカーシーは、近年のクイーンズで続いていた「予選首位がテレビ決勝に残れない」という流れを打ち破り、第1シードを獲得。予選リーダーが決勝中継の舞台に進むのは、2016年以来となる。
そのマッカーシーを追うのは、マレーシアのナターシャ・ロスラン、前回女王のジョシー・バーンズ、シンガポールのニュー・フイフェン、そしてフランスの新鋭エマ・フリアン。実績、勢い、経験、若さが交差する、見どころの多い決勝となった。
トップシードのマッカーシー、歴史に挑むバーンズ、そして国際色豊かな挑戦者たち
予選首位の重圧をはね返したエリン・マッカーシー
第1シードに入ったのは、エリン・マッカーシー。今大会の予選をトップで通過した彼女は、その後のマッチプレーでも圧巻の内容を見せた。
ダブルエリミネーション方式で行われたマッチプレーを無敗で突破し、平均スコアは240点超を記録。第1シード決定戦ではマレーシアのナターシャ・ロスランを下し、タイトルマッチで待ち受ける最高のポジションを手にした。
マッカーシーにとって、予選トップという立場は決して気楽なものではなかった。近年のクイーンズでは、予選リーダーが決勝中継まで勝ち上がれないケースが続いていたからだ。本人もその流れを意識していたという。
それでも彼女は、大きな目標を一気に見据えるのではなく、「まず1試合勝つこと」に集中した。そして一戦ごとに状況を受け入れ、目の前の投球に全力を注いだ。その冷静な姿勢が、無敗での決勝進出につながった。
今回のステップラダー進出は、マッカーシーにとって大きな節目でもある。メジャー大会のステップラダー決勝に登場するのは、2022年のU.S.ウィメンズオープン優勝以来。チャンピオンシップラウンドへの進出も2024年以来となる。
今季はボールメーカーの変更や投球フォームの調整があり、序盤は決して順調そのものではなかった。大きく崩れたわけではないが、手応えをつかみ切れない時期もあったという。その中で、格式あるクイーンズでカットを突破し、さらにトップシードまで勝ち上がったことは、彼女にとって大きな安心材料となったはずだ。
11年前にもクイーンズの決勝の舞台を経験しているマッカーシー。当時は強い緊張を感じたというが、経験を重ねた今は違う。結果をコントロールしようとしすぎず、瞬間に集中する。その成熟したメンタルこそ、今年の彼女の強みだ。
第2シードのナターシャ・ロスラン、アジア勢として存在感
第2シードには、マレーシアのナターシャ・ロスランが入った。
マッカーシーとの第1シード決定戦には敗れたものの、ステップラダーでは準決勝から登場する好位置につけている。優勝までに必要な勝利数は少なく、決勝の流れ次第では一気にタイトルへ近づく可能性がある。
今大会の上位陣は、アメリカ勢だけでなく、マレーシア、シンガポール、フランスと国際色が非常に豊かだ。ロスランの決勝進出は、女子ボウリングの競技レベルが世界規模で高まっていることを示している。
ステップラダーでは、先に投げている選手がレーンの変化をつかみ、勢いを持って勝ち上がってくることがある。一方で、第2シードのロスランは途中から登場するため、短時間で状況を読み切る対応力が求められる。冷静に入り、序盤でリズムをつかめるかが鍵になるだろう。
前回女王ジョシー・バーンズ、44年ぶり連覇へ
第3シードは、テネシー州ハーミテージのジョシー・バーンズ。前回大会の女王であり、今年は連覇を狙う立場だ。
バーンズはここ1カ月、全国大会で驚異的なパフォーマンスを見せている。リノで開催されたUSBCオープン選手権で300点のパーフェクトゲームを達成し、さらにラスベガスのサウスポイント・ボウリングプラザで行われたUSBC女子選手権でも300点を記録した。
勢いは今大会でも続いた。日曜日に行われたジャンナ・ブランドリーノとの対戦では、再び300点を記録し、さらに822シリーズをマーク。短期間でこれほどの高得点を重ねていることからも、現在のバーンズが極めて高い状態にあることが分かる。
だが、彼女の強さはスコアだけでは語れない。年齢を重ねながらトップレベルで戦い続けるために、バーンズはレーン外での準備にも力を入れてきた。競技者としてだけでなく、コーチとしての役割も担う中で、若い世代と互角に戦うため、身体づくりやトレーニングに多くの時間を費やしてきたという。
21歳、22歳、23歳といった若い選手たちに対抗するには、技術だけでなく、体力、集中力、継続的な準備が欠かせない。バーンズはその現実を受け止め、日々の積み重ねによって現在の好調をつかんでいる。
もしバーンズが今年も優勝すれば、USBCクイーンズで44年ぶりとなる連覇を達成することになる。同大会で最後に連覇を果たしたのは、日本の杉本勝子。1981年、1982年に連続優勝して以来、誰も成し遂げていない快挙だ。
バーンズにとって今回の決勝は、「タイトルを守る」だけの戦いではない。歴史に自分の名前を刻み、女王としての存在感をさらに強めるための舞台である。
ニュー・フイフェン対エマ・フリアン、初戦から注目の対決
ステップラダー決勝の幕開けは、第5シードのエマ・フリアンと第4シードのニュー・フイフェンによる一戦だ。
ニュー・フイフェンはシンガポールの実力者で、前年度のPWBA年間最優秀選手。すでにPWBAで複数のタイトルを手にしており、今回の決勝では自身7個目のPWBAタイトル、そして3つ目のメジャータイトルを狙う。
一方のエマ・フリアンは、フランス出身の若手選手。プロとしてはまだ3大会目ながら、いきなりメジャー大会のステップラダー決勝に進出した。経験ではニューに分があるが、勢いという点ではフリアンもまったく侮れない。
この初戦は、まさに「経験対若さ」の構図となる。ニューが実績に裏打ちされた安定感を見せるのか。それともフリアンが恐れを知らない投球で流れをつかむのか。決勝全体の空気を左右する重要なオープニングマッチになる。
勝者は第3シードのバーンズと対戦。その勝者が第2シードのロスランに挑み、最後にトップシードのマッカーシーがタイトルマッチで待つ。
記録的ハイスコア大会、決勝も打ち合いの可能性
今年のUSBCクイーンズは、スコア面でも大会史に残る一戦となっている。
大会期間中には14回のパーフェクトゲームが達成され、800シリーズも5回記録された。いずれも大会史上最多であり、選手たちの技術力の高さと、今大会の得点環境を象徴する数字だ。
もちろん、ステップラダー決勝は通常のラウンドとは雰囲気がまったく異なる。ライブ中継、観客、優勝の重圧。そうした要素が加わることで、同じレーンでも投球の難度は一気に上がる。
それでも、今大会全体の流れを考えれば、決勝でも高得点の打ち合いになる可能性は十分にある。ストライクを続けなければ勝ち上がれない展開になれば、選手には技術だけでなく、プレッシャーの中で攻め続ける精神力も求められる。
ステップラダー方式では、下位シードの選手が序盤から投げることでレーンの変化を把握し、勢いに乗って勝ち上がることがある。一方で、トップシードのマッカーシーは1勝すれば優勝という大きな利点を持つ。ただし、最後まで待つ立場であるため、試合の流れに入りにくいという難しさもある。
この方式ならではの駆け引きが、今年の決勝をさらに面白くしている。
女王のティアラを手にするのは誰か
2026年USBCクイーンズのステップラダー決勝は、実力者と新鋭、前回女王と国際勢がそろった、非常に魅力的な顔ぶれとなった。
第1シードのエリン・マッカーシーは、予選首位から決勝へ進むという近年の壁を破り、メジャー再制覇を狙う。第2シードのナターシャ・ロスランは、マレーシア勢としてタイトル獲得へ好位置につける。第3シードのジョシー・バーンズは、44年ぶりとなる大会連覇という歴史的偉業に挑む。
第4シードのニュー・フイフェンは、豊富な経験と実績を武器にさらなるメジャータイトルを目指す。そして第5シードのエマ・フリアンは、プロ3大会目で初タイトルをメジャーの舞台でつかむ可能性を残している。
今年の大会は、14回の300ゲームと5回の800シリーズが生まれた記録的なハイスコア大会でもある。その流れが決勝でも続けば、最後まで一投も目が離せない展開になるだろう。
ステップラダー決勝は、米東部時間火曜日午後6時に開始され、CBSスポーツネットワークで生中継される。199人の頂点に立ち、ティアラと6万ドルの優勝賞金を手にするのは誰なのか。
復活を印象づけるトップシードか。連覇を狙う女王か。世界の実力者か。それとも新時代を告げる若き挑戦者か。
2026年USBCクイーンズの最終決戦は、女子ボウリング界の現在地と未来を映し出す、注目の一戦となる。