EJタケット、史上初の4連覇へ王手
PBAワールドチャンピオンシップ最終局面へ

2026年PBAツアー最終メジャー、勝負はいよいよ大詰め

2026年PBAツアー powered by Go Bowling の最終メジャー大会「PBAワールドチャンピオンシップ」は、優勝争いが最終局面を迎えている。

PBAワールドシリーズ・オブ・ボウリングXVIIの締めくくりとなる今大会は、ミネソタ州ミネアポリスのBowlero Brooklyn Parkで開催。50ゲームを終えた時点で、タイトル獲得の可能性を残す選手は16名に絞られた。その中で首位に立っているのが、EJタケットだ。

タケットは50ゲーム終了時点で総ピン11,316、アベレージ226.32を記録。5種類の異なるオイルパターンで争われる難度の高い大会において、安定したスコアメイクを続けている。

特筆すべきは、タケットがこの大会で3連覇中であることだ。今大会も制すれば、PBA史上初となるワールドチャンピオンシップ4連覇を達成する。今季まだタイトルを獲得していないタケットにとって、この最終メジャーは単なる一大会ではない。シーズンの集大成であり、歴史に名を刻むための大一番でもある。

 

首位タケットを追うメジャー王者たち

50ゲーム終了時点の上位には、実力者がずらりと並んでいる

2位はクリス・ヴァイ。総ピン11,259、アベレージ225.18で、首位タケットとの差は57ピンにとどまる。残りゲーム数を考えれば、十分に逆転可能な位置だ。

3位にはブランドン・ボンタ、4位にはジェイソン・ベルモンテ、5位にはクリス・プラザーが続く。いずれもメジャー大会での実績を持つ選手であり、タケットにとって簡単に逃げ切れる展開ではない。

6位にはPBA殿堂入り選手のビル・オニールが入っている。オニールは総ピン11,077で、タケットとは239ピン差。ただし、決勝進出ラインとなる9位には80ピン差、10位には144ピン差をつけており、ステップラダー決勝進出に向けて有利な位置を確保している。

今大会では、66ゲーム終了時点の上位9名がステップラダー方式の決勝へ進出する。現時点で7位から9位に入っているのは、ダレン・タン、ジェイソン・スターナー、ザック・ウィルキンス。しかし、10位トーマス・ラーセンとの差はわずか64ピンで、残り16ゲームのマッチプレー次第では順位が大きく入れ替わる可能性がある。

 

50ゲーム終了時点の上位9名

順位選手総ピンアベレージ
1EJタケット11,316226.32
2クリス・ヴァイ11,259225.18
3ブランドン・ボンタ11,222224.44
4ジェイソン・ベルモンテ11,174223.48
5クリス・プラザー11,105222.10
6ビル・オニール11,077221.54
7ダレン・タン11,025220.50
8ジェイソン・スターナー11,016220.32
9ザック・ウィルキンス10,997219.94

この順位表を見ると、タケットが一歩抜け出している一方で、上位陣の差は決して大きくない。特にマッチプレーでは勝敗による流れの変化が大きく、1ゲームのミスが順位に直結する。ここからは技術だけでなく、判断力と精神力が勝敗を分ける局面になる。

 

タケットが語る「勝つための準備」

タケットは今季、ツアーの競技ポイントで大きくリードしている。しかし、本人はその事実に満足していない。理由は明確だ。今季まだタイトルを手にしていないからである。

タケットは「自分は勝つためにここに来ている」と語り、どの大会でも、どの状況でも、建物に入る時点で目標は優勝だけだと強調した。今季は好調な投球を続けながらも、テレビ決勝でのミスや相手選手の好投、さらにマスターズでの痛恨の10ピンなど、あと一歩でタイトルを逃す場面があった。

それでもタケットの姿勢は揺らいでいない。再び優勝争いの位置に自分を置き、最後にトロフィーを掲げる。その一点に集中している。

4連覇という歴史的偉業についても、タケットは意識していることを認めている。ただし、記録そのものに飲み込まれているわけではない。むしろ、その可能性が練習への原動力になったという。

シーズンが終わった時、自分にできることはすべてやったと言える状態でいたい

この考え方こそ、タケットの強さを支えている。結果がどうであれ、準備に妥協しない。怠けず、必要な努力を積み重ねる。記録はその先にあるものであり、まずやるべきことは目の前の勝負に勝つことだ。

歴史的な4連覇がかかる大会であっても、タケットの視線はぶれていない。本人が語るように、彼の「仕事」は勝つこと。その仕事を遂行できれば、記録や称賛は自然についてくる

 

ビル・オニール、経験と修正力で決勝進出を狙う

タケットを追う選手の中で、特に注目したいのがビル・オニールだ。

オニールは3度のメジャー制覇を誇るPBA殿堂入り選手。50ゲーム終了時点で6位につけており、ステップラダー決勝進出に向けて安定した位置を確保している。

本人もここまでの内容について「かなり良い投球ができている」と評価している。身体の状態も良く、良いショットも多い。一方で、上位との差を詰め切れていない理由として「判断力」を挙げている。

具体的には、ゲーム序盤でピンを失う場面があること、レーンの正しい場所へ入るタイミングやボールチェンジの判断をさらに磨く必要があることを課題としている。単に投球の感覚だけでなく、試合運びの精度を問題にしている点に、ベテランらしい冷静な自己分析が表れている。

オニールにとって、今季は決して満足できるシーズンではなかった。開幕から11位、7位、6位と安定した成績を残した一方で、その後の4大会では27位から39位にとどまった。脚のケガもあり、思うように結果を積み重ねることはできなかった。

それでも、今大会ではBowlero Brooklyn Parkのレーン特性が自身のゲームに合っていると感じている。残り16ゲームのマッチプレーでその感覚を結果につなげられれば、決勝進出だけでなく、さらに上位を狙う展開も見えてくる。

 

4連覇か、逆転劇か。最終メジャーは歴史的展開へ

AMF PBAワールドチャンピオンシップは、2026年PBAツアー最終メジャーにふさわしい緊張感を帯びている。

首位に立つEJタケットには、PBA史上初の同大会4連覇がかかる。今季まだタイトルを獲得していない状況で、最終メジャーを制すれば、シーズン全体の印象を大きく変える勝利になる。

一方で、追う選手たちも強力だ。クリス・ヴァイ、ブランドン・ボンタ、ジェイソン・ベルモンテ、クリス・プラザー、ビル・オニールと、メジャーの舞台を知る選手が上位に並んでいる。タケットが逃げ切る保証はどこにもない。

残りは16ゲームのラウンドロビン・マッチプレー。ここで上位9名が決まり、6月13日にミシガン州アレンパークのThunderbowl Lanesで行われるステップラダー決勝へ進む。

タケットが自らの「仕事」を完遂し、史上初の4連覇を達成するのか。それとも、追う選手たちが流れを変え、最終メジャーで逆転劇を起こすのか。

2026年PBAツアー最後の大一番は、記録と意地が交差する、見逃せない戦いになっている。