ジョン・ジャナウィッツがPBA50ノーフォーク・クラシック優勝
第5シードから4連勝で通算11勝目

圧倒的な予選、まさかの敗戦、そして逆転優勝

2026年PBA50ノーフォーク・クラシックは、ジョン・ジャナウィッツの劇的な逆転優勝で幕を閉じた。

予選2日間とアドバンサーズラウンド4ゲームを通じてフィールドを圧倒したジャナウィッツは、誰もが認める優勝候補だった。しかし、マッチプレーのラウンド・オブ・8でパーカー・ボーン3世に敗れ、ステップラダー決勝には第5シードとして進出。優勝するためには、強豪4選手を連続で倒さなければならない状況に追い込まれた。

それでも、PBA50年間最優秀選手に2年連続で選ばれている王者は崩れなかった。

敗戦からレーン攻略の誤りを学び、ボール選択と投球ラインを修正。ステップラダーではリッキー・シスラー、トニー・カンパーニャ・ジュニア、ボーン3世、ミカ・コイブニエミを次々と破り、PBA50ツアー通算11勝目、今季2勝目を手にした。

優勝決定戦のスコアは256対225。単なる高得点による勝利ではなく、経験、分析力、用具への理解、そして決断を最後まで貫く精神力が生んだタイトルだった。

 

敗戦で得た教訓が、優勝への道を開く

ボーン3世戦で犯した「左を追う」という判断ミス

ジャナウィッツはマッチプレーでブラッド・アンジェロを2勝0敗で下し、ボーン3世とのベスト・オブ・スリーに進んだ。

第1ゲームでは275を記録し、196のボーン3世を圧倒。ところが第2ゲームでは、ボーン3世が268をマークした一方で、ジャナウィッツは167と急失速した。続く第3ゲームも203対245で落とし、ステップラダーの第5シードに回った。

試合後、ジャナウィッツは敗因を明確に分析している。

レーンコンディションの変化に対応しようとして投球ラインを左側へ移したものの、その判断が裏目に出た。必要だったのは変化を左へ追うことではなく、可能な限り右側のラインにとどまることだった。

終盤にはウレタンボールを使い、ストライクを重ねられたことで、新たな攻略法も見えていた。

「正しいか間違っているかにかかわらず、決めたことには完全にコミットしなければならない。そうでなければ、良い投球をする可能性すら生まれない」

ジャナウィッツが日頃から重視しているこの考え方は、ステップラダーでそのまま実践されることになる。

 

初戦は258点、シスラーを振り切る

ステップラダー初戦の相手は、第4シードのリッキー・シスラー。両者にとって、今回が4度目のステップラダー決勝だった。

右投げ両手投げのシスラーは、序盤5フレームをストライクとスペアでつなぎ、第6フレームからダブルを記録した。

一方のジャナウィッツは、第1フレームをストライクで始め、第2フレームで3番ピンをカバー。その後は第3フレームから第8フレームまで6連続ストライクを重ね、一気に主導権を握った。

シスラーは第7フレームで6番、10番ピンのスペアを取り損ねてオープンフレーム。ボール変更後に3連続ストライクで反撃したものの、ジャナウィッツが258対215で勝利した。

第5シードからの長い戦いは、安定感のある投球で幕を開けた。

 

カンパーニャ・ジュニア戦では開始から7連続ストライク

第2試合では、PBA50ツアーで初めてステップラダー決勝に進出した左投げのトニー・カンパーニャ・ジュニアと対戦した。

カンパーニャ・ジュニアはストライク、スペア、ストライクと順調にスタートしたが、第4フレームで7番、10番ピンのスプリットを残し、オープンフレームとなった。

対するジャナウィッツは、右側のレーンを単独で使える利点を最大限に生かした。第1フレームから7連続ストライクを記録し、試合の流れを完全に掌握した。

第8フレームで10番ピンを残したため、パーフェクトゲームの可能性は消えたが、その後はスペアを取り、最終フレームでダブル。267対183の大差で準決勝進出を決めた。

2試合を終えた時点で、ジャナウィッツは予選を支配した本来の投球を完全に取り戻していた。

 

ボーン3世との再戦、ウレタンへの変更が勝負を分ける

準決勝では、マッチプレーで敗れたボーン3世との再戦が実現した。

ジャナウィッツは第1フレームで2番、4番、10番ピンが残る難しいスプリットに直面したが、これを見事にカバー。ボーン3世は開始からダブルを奪い、その後も連続して7番ピンをスペアにした。

ジャナウィッツもダブルで応戦したが、第5フレームでは8番、10番ピンのスプリットを残してオープン。スコアは96にとどまり、試合は緊迫した展開となった。

しかし、ボーン3世も第6フレームで4番、10番ピンのスプリットを残してオープンとする。

ここでジャナウィッツは重要な決断を下した。第6フレームでストライクを奪った後、ウレタンボールへ変更したのである。

マッチプレーでボーン3世に敗れた際、左へ移動したことが失敗だったと学んでいた。今度は同じ過ちを繰り返さず、右側のラインを維持する戦略を選択した。

その判断は完璧に機能した。

ジャナウィッツは第6フレームから試合終了まで7連続ストライクを記録。ボーン3世も終盤に粘ったが、最終スコアは246対214。敗戦から得た教訓をそのまま勝利へ変え、優勝決定戦へ進んだ。

 

決勝:コイブニエミの連覇を阻んだ冷静なボール変更

序盤はコイブニエミが先行

優勝決定戦の相手は、フィンランド出身のミカ・コイブニエミだった。

コイブニエミは、わずか8日前に開催されたバド・ムーアPBA50プレイヤーズ・チャンピオンシップで優勝。今大会ではトップシードに入り、2大会連続優勝を狙っていた。

決勝では、コイブニエミが序盤から快調な投球を見せた。第1フレームをストライク、第2フレームをスペアでまとめると、第3フレームから5連続ストライクを記録した。

ジャナウィッツは第1フレームで7番ピン、第2フレームで9番ピンを残し、いずれもスペア。第3フレームでストライクを奪ったものの、先に流れをつかんだのはコイブニエミだった。

 

第4フレーム後の判断が試合を変える

ジャナウィッツは第4フレーム、薄めに入ったボールがストライクとなった。しかし、右側のレーンは左側よりも数枚タイトに感じられ、同じ投球を続けることには危険があった。

選択肢は二つあった。

球速を落とし、ボールに横回転を加えて対応するか。あるいは、より強くピンへ向かう別のボールに変更するか。

ジャナウィッツが選んだのは、ボール変更だった。

練習投球の段階から、使用候補となる2種類のボールの違いや、変更する際に立ち位置をどの程度動かすべきかを確認していた。その準備があったからこそ、決勝の緊迫した場面でも迷わず決断できた。

より直線的に転がるようにドリルされたウレタンボールを手にすると、第5フレームから3連続ストライク。試合の流れは徐々にジャナウィッツへ傾いていった。

 

コイブニエミを襲った7-10スプリット

勝負の大きな転機は、コイブニエミの第7フレームだった。

右側のレーンで投じたボールは、7番ピンと10番ピンが残るスプリットとなった。会場からは大きなため息が漏れ、コイブニエミは10番ピンを狙ったものの、スペアを取れずオープンフレーム。スコアは156となった。

ジャナウィッツは第8フレームで3番、6番、10番ピンを確実にカバーし、第9フレームではストライク。相手のミスに乗じて崩れることなく、自分のゲームを続けた。

先に投球を終えることを選んだコイブニエミは、第9フレームで2番、4番ピンを残してスペア。第10フレームではダブルを奪ったが、最後は10番ピンが残り、225で終了した。

ジャナウィッツに必要だったのは、第10フレームでのマークだけだった。

その最初の一投は、文句なしのストライク。優勝を決めた後もさらに2球をストライクとし、256で試合を締めくくった

投球に集中していたジャナウィッツは、2球目のストライク後にスコアを見て、初めて優勝が決まっていたことを実感したという。

「ゲームプランを立て、それを実行し、実際に成功したときは本当に大きな満足感がある」

その言葉は、今回の優勝を端的に表している。

 

経験、用具、身体感覚を同時に管理した王者

ジャナウィッツは試合中、レーンコンディションだけと戦っていたわけではない。

手が十分に乾いた状態ではなく、親指の感覚にも苦しみ、サムテープを複数回交換する必要があった。投球ラインやボールの反応を読みながら、フィッティングも細かく調整しなければならなかった。

本人はこの状況を「大きなジャグリングのようだった」と笑いながら振り返ったが、トップレベルのボウリングでは、複数の要素を同時に管理する能力が勝敗を左右する。

ジャナウィッツは、年齢を重ねることが競技上の強みになるとも語っている。

長年プレーを続けることで、似たレーン変化や失敗を何度も経験できる。どの対応が機能し、どの選択を避けるべきかを学べるためだ。

さらに、ボールの性質、表面加工、ドリル、レーンとの相性を理解していれば、身体的な調子が完璧でない日でもダメージを抑えられる。

今回の優勝は、その言葉を実証する内容だった。

 

負傷離脱を越え、王者が示した修正力

ノーフォーク・クラシックは、ジャナウィッツにとって今季わずか5大会目の出場だった。

バラード・チャンピオンシップで優勝した後、手の負傷によって戦列を離れていたためである。

「けがをしていなければどうなっていたか」と考えることもあるという。しかし同時に、起きた出来事を受け入れ、出場するすべての大会で最善を尽くすことを大切にしてきた。

その姿勢が、第5シードからの4連勝という形で結実した。

予選を圧倒しながら、マッチプレーでは敗れる。そこで自信を失うのではなく、失敗の原因を分析し、次の試合で修正する。さらに、決勝ではレーンの違いを察知し、事前に準備していたボール変更を即座に実行した。

ジャナウィッツの勝利を支えたのは、派手なストライクだけではない。失敗を学びに変える力、戦略を組み立てる力、そして一度決めた選択を信じ抜く力だった。

シーズン最終戦は、ウェストバージニア州モーガンタウンで行われるジョニー・ペトラグリアBVL PBA50トーナメント・オブ・チャンピオンズ。ジャナウィッツは同大会で過去2度優勝しており、今回はディフェンディングチャンピオンとして臨む。

負傷から復帰し、今季2勝目を挙げた王者は、ノーフォークで得た勢いを最終戦へつなげられるか。

経験と決断力でつかみ取った今回のタイトルは、ジャナウィッツが依然としてPBA50ツアーの中心にいることを強く印象づける勝利となった。

 

ステップラダー決勝結果

第1試合
John Janawicz 258-215 Ricky Schissler

第2試合
John Janawicz 267-183 Tony Campagna Jr.

準決勝
John Janawicz 246-214 Parker Bohn III

優勝決定戦
John Janawicz 256-225 Mika Koivuniemi

 

最終順位・賞金

1. John Janawicz, $7,500
2. Mika Koivuniemi, $4,000
3. Parker Bohn III, $3,200
4. Tony Campagna Jr., $2,500
5. Ricky Schissler, $2,000