「まるで休暇」楽しむウォーレン
PBA50サウスショア・クラシックをリード
家族の言葉を胸に、ツアーを満喫するウォーレン
2026年PBA50ツアー「サウスショア・クラシック」の予選で、クリス・ウォーレンが首位に立った。
14ゲームの合計スコアは3,371ピン。アベレージに換算すると約240.8という高水準で、プラス571を記録した。実績豊富な選手がそろうフィールドの中で、安定感のある投球を続けている。
今季のウォーレンを支えているのは、勝利への強い執着だけではない。家族から「できる限り多くの大会に出場して、楽しんでほしい」と背中を押され、2026年のPBA50ツアーに参戦している。
大会で旧友たちと競い合い、空いた時間にはゴルフも楽しむ。本人が「休暇のようだ」と表現するほど、現在のツアー生活は充実しているという。
そのリラックスした姿勢が、レーン上での冷静な判断と好スコアにつながっている。
旧友との競演と、首位を支えた柔軟なレーン攻略
長年の友人アムレット・モナチェリと同じ組に
今大会でウォーレンが特に楽しみにしていたのが、長年の友人であるアムレット・モナチェリと同じ組で投球することだった。
二人は若い頃、ともにPBAスクールで学んだ間柄だという。
「私たちは一緒にPBAスクールへ通いました。彼と投げるのが本当に好きなんです。投球スタイルも、レーンの読み方もよく似ていますから」
長いキャリアを持つ二人にとって、今回の同組は単なる競争の場ではなかった。互いの投球を見ながらレーンの変化を読み、必要に応じて言葉を交わす。ライバルであると同時に、同じ時代を歩んできた仲間でもある。
PBA50ツアーならではの、競技性と友情が共存する光景だった。
不運に苦しんだモナチェリが299で反撃
予選初日のモナチェリは、投球内容とスコアがかみ合わなかった。
ポケットを正確に突いてもストライクにならず、重要な局面でピンが残る。ウォーレンの目には、好投しながら不運に見舞われ続ける旧友の姿が映っていた。
「昨日の彼は本当に良い投球をしていました。それなのに、大事な場面で信じられないほど悪いブレークが続いた。あれだけ良く投げている選手が、ピンを倒せないのを見るのはつらかったです」
予選最終日の序盤も、モナチェリには同じような展開が続いた。しかし、ウォーレンはボールをもう少し右へ送り出すよう助言したという。
「右へ出して、ビッグゲームを二つほど作れば十分に追いつけると伝えました。気づいたら彼は299を出していた。本当に楽しかったです」
モナチェリは最終日の7ゲームで、初日を200ピン以上も上回るスコアを記録。パーフェクトゲームまであと1ピンに迫る299もマークし、64位から25位へ一気に順位を上げた。
予選通過圏外からの鮮やかな巻き返しだった。
仲間からの短い助言をきっかけに流れをつかみ、大舞台で結果につなげる。モナチェリの経験と修正力が表れた一日となった。
ウォーレンは1,659ピンを加算し、首位を維持
一方のウォーレンは、予選最終日のレーンコンディションについて、初日と大きな違いはないと判断していた。
そのため、基本的な攻略方針を崩すことなく、投球ラインやボールの使い方に細かな調整を加えた。最終日の7ゲームでは1,659ピンを記録し、14ゲーム合計を3,371ピンまで伸ばした。
レーンの特徴について、ウォーレンは笑いながら次のように語っている。
「右へ出せば曲がる。少し左へミスしても曲がる。だから、右へ出すんです」
言葉だけを見れば単純に聞こえるが、実際には外側のラインへ自信を持って投球するための精密なレーンリーディングが必要になる。
ボールをどこへ通し、どの地点から曲げるのか。オイルの変化に応じて立ち位置やリリースを調整しながら、再現性の高い投球を続けなければならない。
ウォーレンはその難しい課題を、深刻になり過ぎることなく処理している。
「本当に楽しいです。まるで休暇のようです」
この精神的な余裕こそが、予選を通じた安定感の源になっているのかもしれない。
リズ・ジョンソンが最終日トップの1,676ピン
首位ウォーレンを追うのは、女子ボウリング界を代表するリズ・ジョンソンだ。
ジョンソンは予選最終日の7ゲームで1,676ピンを記録し、この日の全選手中最高となるブロックスコアをマークした。
ゲームごとのスコアは、277、264、186、238、237、226、248。3ゲーム目に186と落としたものの、残る6ゲームはすべて220以上にまとめた。
特に序盤の277、264で一気に勢いに乗り、終盤も大きく崩れることなくスコアを積み重ねている。14ゲーム合計は3,288ピン。ウォーレンとの差は83ピンとなった。
予選首位には届かなかったものの、最終日に最も高い得点力を示したのはジョンソンだった。ここから始まる短期決戦では、優勝候補の一人として大きな存在感を放つことになりそうだ。
上位には経験豊富な実力者が集結
3位には3,233ピンのドン・ホーグが入った。4位は3,225ピンのブライアン・ルクレア、5位は3,221ピンのミカ・コイブニエミとなっている。
6位のトニー・ジョンソンまで、3位からわずか15ピン差という接戦だ。
また、8位には世界的な実績を誇るクリス・バーンズが入り、上位8人に与えられるマッチプレーでの優位な位置を確保した。
予選ではウォーレンが一歩抜け出したものの、ブラケット方式の対戦では、それまでの得点差が直接的なアドバンテージになるとは限らない。
一度のビッグゲームや一つのオープンフレームによって、勝敗が大きく動く可能性がある。
予選上位10選手
1位 クリス・ウォーレン 3,371ピン(プラス571)
2位 リズ・ジョンソン 3,288ピン(プラス488)
3位 ドン・ホーグ 3,233ピン(プラス433)
4位 ブライアン・ルクレア 3,225ピン(プラス425)
5位 ミカ・コイブニエミ 3,221ピン(プラス421)
6位 トニー・ジョンソン 3,218ピン(プラス418)
7位 ロランド・セベレン 3,179ピン(プラス379)
8位 クリス・バーンズ 3,161ピン(プラス361)
9位 マイケル・ハギット 3,140ピン(プラス340)
10位 ブラッド・アンジェロ 3,131ピン(プラス331)
予選通過ラインとなる32位には、合計2,982ピンのビル・ワトソンが入った。
最終日はアドバンサーズ・ラウンドから開始
予選を通過した上位32選手は、まず4ゲームのアドバンサーズ・ラウンドに臨む。
このラウンド終了時点でフィールドは24人に絞られ、その後、3ゲーム制のブラケット・マッチプレーが始まる。
最初に予選9位から24位までの選手が対戦し、その勝者が予選上位8人と合流。ラウンド16、ラウンド8へと進む。
最終的にステップラダー・ファイナルへ進出するのは、ブラケットを無敗で勝ち上がった4人と、敗退選手のうち予選順位が最も高い1人の計5人だ。
この方式では、予選上位に入ることの価値が大きい。上位8人は最初のマッチプレーを免除されるうえ、敗退した場合でも予選順位によって決勝進出の可能性が残る。
首位通過のウォーレンは、制度上も最も有利な位置にいる。
ただし、マッチプレーでは対戦相手を上回ることが何より重要になる。高いアベレージを残していても、相手がそれ以上のスコアを出せば敗退する。
安定感だけでなく、勝負どころでストライクを重ねる爆発力が求められる。
ウォーレンは「楽しむ姿勢」を貫けるか
家族に背中を押され、ツアーを楽しむことを大切にしているクリス・ウォーレン。その姿勢は、サウスショア・クラシックの予選首位という明確な結果に結びついた。
レーンコンディションを的確に読み、必要な調整を施しながらも、表情や言葉からは過度な緊張が感じられない。経験を積み重ねたベテランだからこそ到達できる、力みのない強さが表れている。
一方、最終日に全体トップのスコアを記録したリズ・ジョンソンをはじめ、ドン・ホーグ、ブライアン・ルクレア、ミカ・コイブニエミ、クリス・バーンズら実力者も好位置につけている。
さらに、299を記録して64位から25位まで浮上したアムレット・モナチェリのように、勢いをつかんだ選手が一気に勝ち上がる可能性もある。
長丁場の予選では安定感が試された。ここからのマッチプレーでは、決定力と勝負強さが問われる。
ウォーレンが現在のリラックスした状態を保ち、首位から優勝まで駆け抜けるのか。それとも、追走する実力者が短期決戦で逆転するのか。
ベテランたちの技術と経験がぶつかり合う最終日は、最後の一投まで目が離せない展開となりそうだ。
