PBA50サウスショア・クラシック初日
ウォーレンとルクレアが1,712ピンで並ぶ
大会初日から生まれた劇的な首位争い
2026年の「PBA50サウスショア・クラシック」は、予選初日から鮮烈な展開となった。
2019年大会の王者ブライアン・ルクレアが、得意とするレーンコンディションを攻略し、7ゲーム合計1,712ピンを記録。Aシフト終了時点で後続に大差をつけ、単独首位を守るかに見えた。
しかし、Bシフトに登場したクリス・ウォーレンが終盤に驚異的な追い上げを見せる。最後の4ゲームで2度のパーフェクトゲームを達成し、ルクレアと同じ1,712ピンに到達した。
わずか2週間前に2026年USBCシニア・マスターズを制したウォーレンと、今大会の歴代王者であるルクレア。異なる形で初日首位に立った2人を中心に、予選最終日はさらに激しい争いが予想される。
安定感のルクレア、爆発力のウォーレン
ルクレア、7ゲームを通じて高水準の投球
Aシフトで投球したルクレアは、206、235、245、257、279、244、246を記録した。
7ゲームすべてで200を超え、合計は1,712ピン。1ゲーム平均は約244.6で、基準となる200アベレージを312ピン上回る圧巻の内容だった。
今大会で採用されているのは、全長37フィートの「Bat」オイルパターン。ルクレアは、自身の投球スタイルと相性の良いパターンの一つだと感じている。
本人によれば、今回のコンディションは、約10年前に使われていたオリジナルの「Cheetah」パターンに近い印象だったという。一般的には左投げの選手が好成績を残しやすい傾向があるものの、ルクレア自身も投球ラインやボールの動きを合わせやすかったようだ。
Aシフトでは、序盤からウレタンボールを使用する選手が多く見られた。一方、ルクレアはミディアムクラスのリアクティブレジンボールを選択。周囲とは異なるアプローチを取りながら、レーン変化を的確に読み、安定してスコアを積み上げた。
過去のブラケット方式によるマッチプレーでは、左投げの選手との対戦で苦戦することもあったという。今回も今後の対戦相手やレーン変化によっては難しい局面が予想されるが、初日の内容は優勝経験者らしい完成度だった。
後半5ゲームで大きな貯金
ルクレアは、このオイルパターンでは序盤から好スコアを出すよりも、時間の経過とともに調子を上げることが多いと振り返った。
今大会でも、その傾向は数字にはっきりと表れている。
最初の2ゲームは206、235だったが、3ゲーム目以降は245、257、279、244、246。最後の5ゲームだけで1,271ピンを積み上げ、200アベレージに対して271ピンのプラスを作った。
初日に大きな貯金を得られたことは、長丁場の大会において大きな意味を持つ。序盤で出遅れると、翌日以降に投球ラインや使用ボールを探し続けなければならず、余計な修正が増えやすい。反対に、早い段階で自分に合う攻略法を見つけられれば、その後のゲームをより落ち着いて進められる。
ルクレアはまさに、得意なコンディションで確実に結果を残した。Aシフト終了時点では、同シフト2位のドン・ホーグに102ピン差をつけており、独走ともいえる位置に立っていた。
ウォーレン、ボール変更を境に流れが一変
そのルクレアに追いついたのが、クリス・ウォーレンだった。
ウォーレンの最初の3ゲームは220、195、184。合計599ピンで、平均は200をわずかに下回っていた。首位争いに加わるには、後半で大幅にスコアを伸ばす必要があった。
転機となったのは、使用ボールの変更だった。
ウォーレンは4ゲーム目から「Danger Zone」を使用し、その後は同じボールで投げ続けた。ボールの反応とレーンコンディションがかみ合うと、投球内容は一変する。
後半4ゲームは、265、300、248、300。合計1,113ピン、平均278.25という驚異的なスコアを記録した。
7ゲームのうち2度のパーフェクトゲームを達成し、最終的に1,712ピンまで到達。Aシフト終了時には大差で首位に立っていたルクレアを、一気に捉えた。
ウォーレンは、ボールの動きが合い始めるとストライクを連発できたと振り返っている。本人の過去最高の4ゲームシリーズは、300、279、279、300の合計1,158ピン。今回の終盤4ゲームも、それに迫る爆発力だった。
シニア・マスターズ王者が示した修正力
ウォーレンは、今大会のわずか2週間前に2026年USBCシニア・マスターズを制している。
好調な選手であっても、毎ゲーム理想的な投球ができるわけではない。今大会でも、序盤3ゲームは思うようにスコアを伸ばせなかった。
それでも、レーンの状態を見極めて使用ボールを変更し、後半に流れを取り戻した。単にストライクを重ねたことだけでなく、試合中に問題点を見つけ、適切な修正を行ったことに大きな価値がある。
長丁場のトーナメントでは、最初から最後まで同じコンディションが続くことはない。レーンのオイルは投球ごとに変化し、選手にはボール、立ち位置、狙うラインを調整する判断力が求められる。
ウォーレンの終盤の追い上げは、現在の好調さに加え、経験豊富な選手ならではの対応力を示すものだった。
コイブニエミも36ピン差で首位を追走
初日を終え、首位のウォーレンとルクレアを追うのは、フィンランド出身のミカ・コイブニエミだ。
コイブニエミは合計1,676ピン、プラス276で3位。首位との差はわずか36ピンであり、予選最終日の展開次第では十分に逆転できる位置につけている。
4位はリズ・ジョンソンで1,612ピン、プラス212。5位のドン・ホーグは1,610ピン、プラス210となり、両者の差はわずか2ピンだ。
初日終了時点の上位10人は次の通り。
1位 クリス・ウォーレン 1,712ピン(プラス312)
1位 ブライアン・ルクレア 1,712ピン(プラス312)
3位 ミカ・コイブニエミ 1,676ピン(プラス276)
4位 リズ・ジョンソン 1,612ピン(プラス212)
5位 ドン・ホーグ 1,610ピン(プラス210)
6位 マイケル・ハギット 1,584ピン(プラス184)
7位 ローランド・セベレン 1,578ピン(プラス178)
8位 スコット・ルボー 1,575ピン(プラス175)
9位 トニー・カンパーニャ・ジュニア 1,569ピン(プラス169)
10位 ジョニー・ペイン 1,568ピン(プラス168)
首位争いでは2人が並んでいるが、コイブニエミも射程圏内にいる。さらに4位以下は僅差で選手が続いており、1ゲームの結果だけで順位が大きく変動する可能性がある。
予選最終日は上位32人を巡る争いにも注目
予選最終日は、Bシフトが米国東部時間午前9時30分から先に投球し、Aシフトは午後3時からスタートする。
各選手はさらに7ゲームを投げ、全日程終了後に上位32人がアドバンサーズ・ラウンドへ進出する。
初日終了時点の暫定カットラインは、キース・グラスゴーの1,496ピン。200アベレージに対してプラス96が、現時点での通過目安となっている。
ただし、単に32位以内へ入ればよいわけではない。予選で獲得したすべてのピンは、木曜日のアドバンサーズ・ラウンドへ持ち越される。
そのため、首位争いをする選手はもちろん、ボーダー付近にいる選手も、最後まで一つでも多くのピンを獲得する必要がある。順位を守ろうとして消極的になるよりも、次のラウンドを見据えてスコアを伸ばす姿勢が重要になる。
ボウリングでは、連続ストライクによって短時間で大きく順位を上げられる一方、スプリットやオープンフレームが続けば一気に後退する。予選最終日の各ゲームは、通過と敗退だけでなく、その後の優勝争いにも直結する。
首位タイの2人が見せた対照的な強さ
PBA50サウスショア・クラシック初日は、ブライアン・ルクレアの安定感と、クリス・ウォーレンの爆発力が際立つ一日となった。
ルクレアは、相性の良いオイルパターンを冷静に攻略し、7ゲームを通じて200を下回ることなく首位スコアを記録した。対するウォーレンは、序盤の苦戦から使用ボールを変更し、終盤4ゲームで2度のパーフェクトゲームを達成。異なる道筋をたどりながら、両者は1,712ピンで並んだ。
36ピン差の3位につけるコイブニエミも含め、首位争いの行方はまだ分からない。4位以下でも僅差の順位争いが続いており、予選最終日には大幅な順位変動が起こる可能性がある。
ウォーレンがUSBCシニア・マスターズ優勝から続く勢いを維持するのか。2019年大会王者のルクレアが再び単独首位へ抜け出すのか。それとも、コイブニエミをはじめとする後続勢が逆転するのか。
首位争いと上位32人の通過争いが同時に進む予選最終日は、今大会の行方を大きく左右する重要な一日となる。
