マッカーシーが予選首位通過
2026 USBC Queensで日本勢3名もマッチプレーへ
199人から64人へ、女王の座を懸けた戦いが本格化
2026年のUSBC Queensは、ラスベガスのゴールドコースト・ボウリングセンターで予選ラウンドを終え、いよいよ大会の流れが大きく動き出す局面を迎えた。
出場199人でスタートした今大会は、3日間・15ゲームにわたる予選を終え、上位64人がマッチプレーへ進出。ここからは日曜日と月曜日の2日間にわたり、3ゲーム合計ピンによるブラケット方式のマッチプレーが行われる。その激戦を勝ち抜いた5人だけが、火曜日に行われるステップラダー決勝の舞台に立つことができる。
そのマッチプレーのトップシードを獲得したのが、ネブラスカ州エルクホーンのエリン・マッカーシーだ。2015年Queens準優勝、2022年U.S. Women’s Open優勝の実績を持つマッカーシーは、15ゲーム合計3,561ピン、平均237.4という圧巻のスコアで予選首位に立った。
この3,561ピンは、Queens史上3番目に高い15ゲームスコア。予選段階から、マッカーシーが今大会の主役候補であることを強く印象づける結果となった。
さらに、日本勢の活躍も見逃せない。寺下智香が15位、近藤菜帆が48位、石田万音が52位で予選を突破し、日本選手3名がそろってマッチプレー進出を果たした。世界のトップ選手が集うQueensで、日本勢が複数名トップ64入りしたことは、日本女子ボウリング界にとっても明るいニュースだ。
マッカーシーが見せた安定感と爆発力
マッカーシーの予選内容は、まさにトップシードにふさわしいものだった。
第1ラウンドで1,180ピン、第2ラウンドで1,166ピンを記録し、安定して上位をキープ。そして土曜日に行われた第3ラウンドでは、236、238、300、247、194というゲーム展開で1,215ピンを積み上げた。
特に大きかったのは、第3ゲームで記録した300点のパーフェクトゲームだ。高い集中力と精度を示すこの一投一投が、予選トップ通過を決定づけた。最終ゲームこそ194にとどまったものの、それまでの貯金は大きく、15ゲーム合計3,561ピンで堂々の首位通過となった。
なお、Queensの15ゲーム最高記録は、テキサス州ノースリッチランドヒルズのキャロリン・ドリン=バラードが持つ3,636ピン。マッカーシーの今回のスコアはその記録には届かなかったものの、大会史に残る高水準の成績であることに変わりはない。
予選2位には、ミシガン州マスキーゴンのヴァレリー・バーシアーと、2023年大会で3位に入ったウィスコンシン州オグデンズバーグのカーリーン・ベイヤーが、3,553ピンで並んだ。第2ラウンド終了時点で首位だったミシガン州エイドリアンのジョーダン・スノッドグラスは3,550ピンで4位。マレーシアのシャズワニ・サハルが3,513ピンで5位に入り、予選トップ5を形成した。
一方、ディフェンディングチャンピオンのジョシー・バーンズは、第3ラウンドで1,190ピンを記録し、合計3,327ピンで39位通過。連覇を目指すには、ここからのマッチプレーで流れをつかむことが重要になる。
日本勢3名がマッチプレーへ 寺下智香は15位通過
今大会で大きな注目を集めるのが、日本勢3名のマッチプレー進出だ。
寺下智香は15位で予選を通過し、上位シードとして次のステージへ進む。強豪がひしめくQueensにおいて、15位通過は非常に価値のある結果だ。ここからは直接対決形式となるため、予選順位だけで勝敗が決まるわけではないが、上位で通過したことは自信にもつながるはずだ。
近藤菜帆は48位、石田万音は52位でトップ64入りを果たした。順位だけを見れば下位シードからのスタートとなるが、マッチプレーでは流れをつかんだ選手が一気に勝ち上がることも珍しくない。3ゲーム合計ピンで争う形式では、序盤の入り方、レーン変化への対応、そしてミスを引きずらない精神力が勝敗を左右する。
日本勢にとっては、ここからが本当の意味での勝負だ。予選を突破した実力を土台に、1マッチごとの対応力と勝負強さを発揮できるか。世界の舞台で日本選手がどこまで存在感を示せるかに、大きな期待がかかる。
「マッチプレーは別物」 トップシードにも油断なし
64人のマッチプレーブラケットに最後に滑り込んだのは、ペンシルベニア州レバノンのケリー・スミスと、ウィスコンシン州オシュコシュのコリーン・アカフだった。両者は3,270ピン、平均218で63位タイ。予選中の最高ブロック成績でアカフが1,129ピン、スミスが1,124ピンだったため、アカフが第63シード、スミスが第64シードとなった。
その結果、第64シードのスミスは、マッチプレー第1ラウンドでトップシードのマッカーシーと対戦する。スミスは2023年PWBA Regional Showdownの優勝者であり、単なる下位シードとして片づけられる相手ではない。初戦から、緊張感のあるカードが組まれたと言える。
予選トップ通過のマッカーシーは、数字の上では大きなアドバンテージを持つ。しかし本人は、マッチプレーをまったく別の戦いとして捉えている。
「マッチプレーは別のゲーム。ヘッド・トゥ・ヘッドになれば、レーンの変化も違ってくるし、パターンもさらに使われている。マッチプレーに入ると何が起きるか分からない。だから、まったく新しいトーナメントのようなもの」
この言葉には、トップシードとしての自信と同時に、Queensという大会の難しさを知る選手ならではの慎重さがにじむ。
マッカーシーは過去にQueensでテレビ決勝へ進出した経験を持つ一方、マッチプレーでは思うような結果を残せないことも多かったという。その要因が精神面にあるのか、技術面にあるのか、本人にもはっきりとは分からない。それでも今回は、「1ゲームずつ、1マッチずつ」目の前の勝負に集中する姿勢を強調している。
予選でどれほど高いスコアを出しても、マッチプレーでは一からの戦いになる。相手がいる。レーンが変わる。流れも変わる。その中で、いかに自分の投球を保てるかが問われる。
ステップラダー決勝への道 5人だけがテレビ決勝へ
2026年Queensのマッチプレーは、日曜日と月曜日に行われる。勝者側ブラケットに2人、敗者復活側のエリミネーションブラケットに4人が残るまで競技は続く。
勝者側に残った無敗の2人は、火曜日のテレビ決勝における第1シードを懸けて対戦する。一方、エリミネーションブラケットに残った4人は、ステップラダー決勝の残り3枠を争う。つまり、マッチプレーを終えた時点で、最終的に5人がテレビ決勝へ進出することになる。
ステップラダー決勝は、火曜日の米東部時間午後6時からCBS Sports Networkで生中継される。優勝者には、Queensの象徴であるティアラと、賞金6万ドルが贈られる。
5人制のステップラダーでは、第1シードの価値が非常に大きい。下位シードの選手は勝ち上がるために複数試合をこなす必要があるが、第1シードの選手は最終戦から登場できる。体力面でも精神面でも、有利な立場に立てることは間違いない。
ただし、今年の形式では、第1シードであってもステップラダー決勝で敗れればタイトルには届かない。トップシードに求められるのは、待つ力だけではない。最後の一戦で勝ち切る力だ。
マッカーシーにとっても、日本勢にとっても、そしてマッチプレーに残った64人全員にとっても、ここから先は一つのミスが流れを変えるステージになる。予選順位は重要な目安ではあるが、優勝を保証するものではない。Queensを制するには、さらに厳しい勝負を何度も乗り越えなければならない。
最後にティアラを手にするのは誰か
エリン・マッカーシーは、2026年USBC Queensの予選で最高の結果を残した。15ゲーム合計3,561ピン、平均237.4。Queens史上3番目となる高スコアでのトップ通過は、彼女が今大会の優勝候補であることをはっきりと示している。
しかし、マッチプレーは予選とは別物だ。対戦相手がいて、レーンコンディションが変わり、短期決戦ならではのプレッシャーが加わる。予選トップという肩書きは大きな強みである一方、そこに頼りすぎれば足元をすくわれる可能性もある。
マッカーシーは、2026年Queens王者になれたら「自分にとって大きな意味がある」と語りつつも、今は「一投ずつ、その瞬間に集中するだけ」と冷静な姿勢を崩していない。その言葉は、頂点を目指す選手に必要な覚悟をよく表している。
そして今大会では、日本勢3名の戦いにも大きな期待が集まる。15位通過の寺下智香は、ステップラダー決勝進出を狙える位置につけている。48位の近藤菜帆、52位の石田万音も、マッチプレーで流れをつかめば上位進出のチャンスは十分にある。世界の強豪を相手に、日本選手がどこまで勝ち上がれるかは、今後の大きな見どころだ。
199人から64人へ。そして64人から5人へ。最後にティアラを頭上に輝かせ、6万ドルの優勝賞金を手にするのは、予選を支配したマッカーシーなのか。それとも、マッチプレーで勢いに乗る別の選手なのか。
2026 USBC Queensは、いよいよ本当のクライマックスへ突入する。