
ジョン・バーケットとトム・カーターが大躍進!
PBA60ロス選手権とワールド選手権の最新情報
元メジャーリーガーがボウリング界で大活躍
2025年7月4日、オハイオ州コロンバスにあるウェイン・ウェブズ・コロンバス・ボウルにて、「PBA60ロス選手権」の予選ラウンドが開催されました。中でも注目を集めたのは、元メジャーリーグ投手ジョン・バーケットの圧巻のパフォーマンスです。さらに、長年の怪我とリハビリを乗り越えたトム・カーターも復活の兆しを見せ、共にトップタイでマッチプレー進出を決めました。
一方、並行して行われているPBA60ワールド選手権では、アムレト・モナチェリが堂々の首位通過を果たし、往年の名選手たちがしのぎを削る大会となっています。
バーケットとカーター、互いに刺激し合う展開
バーケット、観察力と戦略で首位奪取
元MLB先発投手であるジョン・バーケットは、試合前にBスカッドの試合を観戦。トム・カーターのスローでフックをかける投球にヒントを得て、自身のAスカッドでのプレーに即座に応用しました。
「カーターの投げ方が完全に手本になった。投球スピードを落とし、丁寧に回転をかけるという方法を真似しました。真似してそれが結果につながるというのは、最高に気持ちがいいですね」とバーケット。
彼のスコアは以下の通り:
220、208、216、221、266、191、235(計1,767ピン)。
このスコアはトム・カーターと並ぶトップタイでしたが、最高ゲームスコア(バーケット266、カーター265)の差で、バーケットが第1シードを獲得。
「最後の3フレームで自分の心拍数が跳ね上がっていた。カーターのことが大好きなので、正直、彼と並べたのがうれしいんです」とバーケットは振り返ります。
彼はまた、「この冬ずっと取り組んできた課題が“ボールスピードの制御”だった。それが今日はしっかり結果に出たのが何よりもうれしい」と語りました。
トム・カーター、苦難を乗り越えた再起のストーリー
トム・カーターは、実に3度の膝関節置換手術を経験。最新の手術後は約24週間のリハビリ期間を要しました。今年1月に復帰してからは、徐々に痛みもなくなり、自身のペースを取り戻してきました。
「もう痛くない。それが本当に信じられない感覚でした。ボウリングがこんなに楽しかったのは久しぶりです」と語る彼の表情には喜びが溢れていました。
カーターは大会開催地のプロショップとトレーニングセンターのオーナーでもあり、今回のイベントは自らがホストするという立場でもありました。そんな中、初日のBスカッドで235ピンを連続で叩き出し、一時は単独首位となりました。
さらに、第4ゲームではパーカー・ボーンIIIがこの日の唯一の300点満点ゲームを記録。カーターは「パーカー、アムレト、ウェインと一緒にプレーしていて、正直そのうち追い越されると思っていた」と当時の心境を振り返っています。
ロス選手権・マッチプレー進出者と注目の一戦
PBA60ロス選手権では、上位16名がベスト・オブ・ファイブ方式のマッチプレーに進出。第3位にはレニー・ボレシュJr.(+146)、第4位にはパーカー・ボーンIII(+137)、第5位にはクリス・ウォーレン(+101)がランクイン。
16位タイで並んだサム・マッカローネとドン・ブリーデンの間では、プレーオフが行われ、ブリーデンが勝利。第1シードのバーケットと対戦することになりました。
ワールド選手権、いよいよ本格スタート
同時に進行しているPBA60ワールド選手権では、16ゲームの合計ピン数に基づき上位18名がマッチプレーへ進出。現在のトップはアムレト・モナチェリ(+265)、それに続いてジョン・バーケット(+240)、パーカー・ボーンIII(+239)、ドン・ブリーデン(+229)、ブライアン・ルクレール(+220)という顔ぶれです。
このワールド選手権はPBA60として初のメジャー大会であり、ベテランボウラーにとっても大きな意味を持ちます。予選スコアはそのまま持ち越され、日曜・月曜に行われる18ゲームのマッチプレーを経て、上位5名が月曜夜のステップラダーファイナルに進出します。
PBA60という新時代の幕開け
PBA60は、60歳以上のベテラン選手に特化した新しい競技カテゴリーです。50代選手が多く活躍するPBA50と比べ、体力よりも技術や経験がものを言う舞台として、多くのレジェンドたちが注目を集めています。
「テレビで観ていたボウリングのレジェンドたちが、いま60歳を迎えてこのステージに集まっているのは感慨深い。PBA50では50代選手にかなわないけれど、PBA60ならまた競える」と、カーターは感慨深く語ります。
この特別な大会の模様はBowlTVで全試合配信中。 往年の名プレーヤーたちが集結する「PBA60ワールドシリーズ」を見逃す手はありません。今後のマッチプレー、そしてファイナルでどのようなドラマが生まれるのか。ボウリングファンならずとも注目したい一週間となりそうです。