
2025年全米女子オープン初日
リンゼイ・ブーマーシャインが過酷なコンディションを制し首位発進
女子ボウリング界の最高峰が開幕、初日から波乱の展開に
2025年の全米女子オープン(U.S. Women’s Open)が、ネブラスカ州リンカーンのサンバレー・レーンで開幕しました。この大会は女子プロボウリング界でも特に格式の高いトーナメントとして知られており、技術・精神力ともにハイレベルな戦いが求められます。そんな中、初日の予選で最も注目を集めたのは、ユタ州ブリガムシティ出身のリンゼイ・ブーマーシャインでした。
トップスコアの舞台裏と競合選手たちの戦い
難条件を乗り越えたブーマーシャインの安定感
ブーマーシャインはこの日、全6ゲームで合計1,763ピン(平均220超)を記録し、初日の全体首位に立ちました。今回のオイルコンディションは長さ44フィートのタフな設定で、正確なショットメイキングとスペア処理の技術が勝敗を分ける鍵となっています。
実際、出場選手108名のうち、平均スコア200以上を記録したのはわずか31名。それだけこのコンディションが選手たちにとって難しかったことがうかがえます。
ブーマーシャインは、「今日の目標は、取れるスペアを全て取ることだった」と話し、それをほぼ完璧に実行。「ミスしたのはたった1回だけ。この大会はショットメイカーが真価を発揮できる場。そういう選手として記憶に残りたい」と語りました。
圧巻のスコア:ゲーム4で280を記録
特に注目されたのが、4ゲーム目に叩き出した本日の最高スコア「280」です。ここで一気に順位を上げ、終盤には255、217と高得点を重ねてフィニッシュ。難しいペア(レーンの組み合わせ)でも粘り強く戦い抜いた点が、彼女の強さを物語っています。
「良いペアでは攻め、難しいペアでは我慢する。今日はそれがうまくできた。自分自身を信じて投げ切れた」と語ったように、冷静な判断と戦略が功を奏しました。
精神面での支え:メンタルコーチとの信頼関係
ブーマーシャインの安定したパフォーマンスの背景には、USBC殿堂入りのメンタルコーチ、マイク・シェイディ氏の存在があります。彼は毎試合前に励ましの言葉をテキストで送り、それをブーマーシャインは毎朝ノートに書き写し、それを読んでからショットに臨むというルーティンを実践しています。
この「自分を整える時間」が、彼女の集中力と自信につながっており、まさに技術とメンタルが融合した理想的なプレースタイルを体現していると言えるでしょう。
ブーマーシャインの準備と回復:家族の支えも追い風に
今大会に向け、彼女は少しの休養期間を設けました。3か月前に足首を捻挫し、さらに指にも怪我を負っていたブーマーシャインですが、夫でありプロボウラーのハンク選手がUSBCシニアマスターズに出場するのを観戦するためラスベガスに滞在。その間に身体をしっかりと回復させることができました。
「家族と過ごしながら心身ともにリフレッシュできた。それが今回の好調につながっている」とコメントしており、家族の支えが彼女の競技人生に大きな影響を与えていることがわかります。
トップ10とカットラインの動向
初日終了時点の上位10選手のスコアは以下の通りです:
順位 | 選手名(出身地) | 合計スコア |
---|---|---|
1位 | リンゼイ・ブーマーシャイン(ユタ州) | 1,763 |
2位 | クリスタル・エリオット(フロリダ州) | 1,751 |
3位 | ステファニー・ジョンソン(テキサス州) | 1,743 |
4位 | ジュリア・ボンド(イリノイ州) | 1,737 |
5位T | ローレン・ルッソ(ミズーリ州) | 1,712 |
5位T | ジョーダン・スノッドグラス(ミシガン州) | 1,712 |
7位 | ロシオ・レストレポ(コロンビア) | 1,711 |
8位 | ヴァレリー・バーシア(ミシガン州) | 1,710 |
9位 | オリビア・ファーウェル(ペンシルベニア州) | 1,704 |
10位 | ミッシー・パーキン(カリフォルニア州) | 1,701 |
カットライン(36位)は1,586ピンで、ここには前回王者のシン・リ・ジェーン(マレーシア)とレベッカ・ハガーマン(イリノイ州)が並んでいます。今後のラウンドでの巻き返しが期待されます。
勝負はこれから、熾烈な戦いに注目
全米女子オープンは、予選全3ラウンド(各8ゲーム)を通じて上位36名が4ラウンド目に進出し、その後のマッチプレーとステップラダー形式の決勝によって最終順位が決まります。
2日目は現地時間金曜午前9時(東部時間)から、Bスコードが登場。38フィートのフラットオイルパターンという新たな試練が待ち構えています。以降、AスコードとCスコードも登場し、さらなる激戦が予想されます。
試合はCBS Sports Networkでのライブ中継に加え、ステップラダー前まではBowlTVで全試合が配信予定です。ブーマーシャインがこのまま首位をキープできるのか、そして他の強豪選手たちがどう追い上げるのか、週末に向けてますます目が離せません。
大会の詳細情報は公式サイト(U.S. Women’s Open)をご確認ください。