
61歳の快進撃!キャンベル選手、シニアマスターズで無敗をキープ
スーパーシニア王者、再びタイトルへ挑戦
2025年6月、ネバダ州ラスベガスにあるSam’s Townボウリングセンターで開催中の「USBCシニアマスターズ」において、ジェームズ・キャンベル選手(61歳・テネシー州ラウドン)が注目を集めています。
わずか数日前に開催された「スーパーシニアクラシック」での優勝に続き、今大会でも見事に初日を2勝無敗でスタートし、勝者側トーナメントに残留。再びPBA50ツアーのメジャータイトル獲得に向けて勢いを見せています。
無敗の16名に名を連ねたベテラン右腕
キャンベル選手は、3ゲームの合計スコアで競うトーナメント方式において、初日の2試合をどちらも制し、トーナメントの勝者側16名の一人として名を残しました。
第1試合:スティーブン・シャーマン選手(ユタ州エノク)に対して662-591で勝利
第2試合:USBCおよびPBAの殿堂入りボウラー、アムレト・モナチェリ選手(ベネズエラ)に対して736-718の接戦を制す
特にモナチェリ選手との一戦は、終盤まで互角の戦いが続き、第3ゲームの第10フレームでのストライクが勝負を決しました。キャンベル選手はそのプレッシャーのかかる局面で、以下のように語っています。
「“スーパーシニアクラシックの時のように、落ち着いて投げろ”と自分に言い聞かせました。ジェフ・ジョンソンが“試合はあっという間に終わるから、ゆっくり自分のペースで”と教えてくれたんです。だから、ルーティンを守って、落ち着いて投げることだけに集中しました。結果的にそれがストライクにつながったんです。」
この2週間、キャンベル選手の投球は非常に好調で、“ボールが走る感覚”を取り戻したかのような安定した投球を続けています。彼は次のようにも語っています。
「マスターズに出場するたびに、“マッチプレーにさえ進めればいい”という気持ちでやってきました。でも今は、これまでにない好調さを感じています。正直、自分でも驚いています。」
トップシード勢も順調な滑り出し
キャンベル選手以外にも、ランキング上位シード選手たちが実力を発揮し、初日を無敗で終えました。
第1シード:パーカー・ボーンIII(ニュージャージー州)
→ 前回優勝者ジョン・ラコスキー(フロリダ州)を751-600で撃破し、続いてピート・ウェバー(ミズーリ州)を696-600で破る。PBAおよびUSBC殿堂入りの実力を証明。第2シード:トム・ドーティ(フロリダ州)
→ 初戦はジョディ・リース(ワシントン州)に729-560で快勝。2戦目はアンドレス・ゴメス(フロリダ州)相手に苦戦するも、660-632で勝利し、シニアマスターズ初出場で無敗キープ。第5シード:ミカ・コイブニエミ(ミシガン州)
→ 元USBCマスターズチャンピオン(2000年)、CK・ムーア(テキサス州)に693-607、ブライアン・デニス(ジョージア州)に709-571で勝利。第6シード:ジョージ・アブード(カリフォルニア州)
→ キース・ドマー(アリゾナ州)に671-563、チャド・ネルソン(ミネソタ州)に718-667で連勝。
これらの選手たちは、2連勝によって金曜の早い時間に試合を終え、以降の敗者側トーナメントを観戦する余裕も見せました。
敗者側トーナメントでも劇的な展開
敗者復活戦でも、見応えあるプレーが多数生まれました。中でも印象的だったのは、アムレト・モナチェリ選手のパーフェクトゲーム(300点)。敗者側の試合でキース・ドマー選手に753-583で勝利し、会場を大いに沸かせました。
また、同日にはクリス・マルティネス(コロラド州)とダン・ノールトン(フロリダ州)もそれぞれ300点を記録。この日だけで3名が完璧なスコアを叩き出すという、ハイレベルな競技内容となっています。
さらに、2023年のチャンピオンジョン・ジャナウィッツ、2011年のトム・ヘスらも敗者側で生き残りをかけて戦い続けており、決勝進出の可能性を残しています。
快進撃の先にある“夢の二冠”へ
「USBCシニアマスターズ」は、6月8日(日)午後1時(米東部時間)より、ステップラダー方式による決勝を迎えます。この決勝では、トップシードを2度倒さなければ優勝できない“ダブルエリミネーション形式”が採用され、最後まで目が離せません。
現在、キャンベル選手はあと3勝で決勝進出。もし勝ち進めば、1週間で2つのメジャータイトルを制覇する快挙が現実となります。
「シニアの頂点」に上り詰めようとしている61歳の挑戦は、多くのボウリングファンに感動と勇気を与えています。週末の決勝戦では、その一投一投に世界中の注目が集まることでしょう。