Storm「Lightning Blackout」ボールレビュー

実戦レビューで見えたその性能と魅力とは?

こんにちは、皆さん。今回は、Storm製の新作ボウリングボール「Lightning Blackout(ライトニング・ブラックアウト)」の詳細なレビューをご紹介します。今回のボールは、プロや上級者のみならず、中級者にも注目してほしいパール・シンメトリカルタイプ。実際の投球映像とともに、その性能や使いどころを分かりやすく分析していきます。

■ボールの概要と第一印象

「Lightning Blackout」はStorm社からリリースされた最新のパール素材を使用したシンメトリカル(左右対称)コアのボールです。見た目は非常に美しく、かつて人気を博した「Vibo(ヴィーボ)」を思わせるビジュアルですが、まったくの別物。今回採用されているカバー素材は「REXカバー(Rex Pearl Reactive)」で、これはStormの名作「The Road」シリーズにも使われていたことで知られています。

筆者(リッチ・マーロ)はこの「REXカバー」が非常に好みであり、実際にどのような動きを見せるのか、期待しながらの投球となりました。

■テスト環境とレイアウト設定

今回テストされたコンディションは、「ハウスショット」と呼ばれる一般的なオイルパターン。ただし、事前に数ゲーム投げ込まれており、オイルが枯れ始めた“トランジション”状態、またはやや“バーン(焼けた)レーン”とも言える状況でした。

筆者のボールスピードが速いため、ボールが早めにレーンを読むように、あえて「やや弱めのレイアウト」に設定。このことで、ブレイクポイントをコントロールしやすくし、安定したライン取りが可能になります。

最初の投球では、スタンスは25枚目(スライドポイント)、狙いはアロー近くの11枚目、実際の通過点は15枚目あたり。この調整によって、ボールの軌道を把握しやすくしていました。

■ボールの動きと特徴

数投して分かったのは、「Lightning Blackout」は非常に予測しやすい軌道を描くということ。多少ミスしても急激に暴れることがなく、調整がしやすいのが特長です。REXカバーのおかげでオイルゾーンでもしっかりと食いつき、エネルギーを保ったままピンに向かっていく様子が確認されました。

また、投球ごとに微調整を加えながらレーンを“開いて”いく(角度を広げていく)ことで、ボールの形をより明確に確認。特にレーンの「焼け」や「遷移」に対しては抜群の相性を発揮しました。

■「ベーカーボックス」とは?

動画中で頻繁に登場するキーワードが「ベーカーボックス」。これは、レーンの45フィート手前に設定された、板目4.5〜9.5(およそ5枚幅)の範囲のことを指し、選手たちの中では重要な“調整の基準エリア”として活用されています。

例えば:

  • ベーカーボックスの左側を通ると、ボールは内ミスとして厚く入りやすい。

  • ベーカーボックスの右側を通ると、外ミスとして薄く入りやすい。

このように、狭いウィンドウを通すことで、自分のリリースやラインが適切かを判断する手がかりになるのです。

■適した使用シーンとボールの位置づけ

Lightning Blackoutは、その穏やかな軌道とエネルギー保持性能から、オイルが少なくなったレーン(バーン)やトランジション後の中盤~後半のゲームにおいて非常に効果的です。

筆者いわく、「これは試合の中盤以降で絶対に使いたいボール」とのこと。激しい立ち上がりはありませんが、スムーズなリアクションとピンアクションが得られるため、ラインが難しくなってきたタイミングでの投入に最適です。

さらに、リリースの安定感を助けてくれる性質があり、「調子が悪い時にラインを取り戻す助けになるボール」としても推奨できます。

■まとめ:コントロール性と安定感が光る一球

今回の実戦レビューから分かった「Lightning Blackout」の魅力は以下の通りです:

  • パール・シンメトリカルでありながら、適度な強さと読みやすさを両立

  • REXカバーによる優れたオイル対応力

  • トーナメント中盤以降や焼けたレーンでの高い安定性

  • 「ベーカーボックス」を意識したライン調整にも有効

Stormファンはもちろんのこと、ボールの切り替えタイミングに悩む中級〜上級者には、ぜひ一度試してほしいボールです。動画ではプロコーチのマーク・ベイカー氏も登場し、ボールレビューに加えてリリースやラインのアドバイスも得られる内容でした。

「Lightning Blackout」、まさに“雷鳴のような衝撃”という名にふさわしい一球でした。今後のボール選びの参考になれば幸いです。次回のレビューや技術解説もお楽しみに!