
PBA50ハムトラムク・シングルス・クラシック
ブラッド・アンジェロが圧巻の平均スコア250で首位通過
リベンジの舞台で輝くベテラン、アンジェロが躍動
米プロボウリング協会(PBA)主催の「PBA50ハムトラムク・シングルス・クラシック」で、ベテラン選手ブラッド・アンジェロが予選ラウンドで圧巻のパフォーマンスを披露し、堂々の首位通過を果たしました。
先週の「ペトラグリア選手権」では6位、「世界選手権」では7位と、悔しい結果に終わっていたアンジェロ。今回の大会ではその悔しさを糧にし、見事な巻き返しを見せています。
安定感と技術が生んだ異次元のパフォーマンス
◆ 自己最高記録を更新、異次元の7ゲーム平均250超え
アンジェロは予選最終日、248、248、269、236、259、248、248の計1,756点を叩き出し、7ゲームの平均スコア250.86という驚異的なスコアで予選を終えました。
「これがプロとしての自己最高ブロックかもしれない。250のアベレージなんて記憶にない」と本人も語っており、キャリアの中でも特別な1日になったことを明かしています。
試合中は、トリップ4(運良く倒れた4番ピン)や軽めのポケットヒットがストライクにつながる場面も多く、まさに“何もかもが噛み合った日”だったと回顧しました。
◆ ウレタン不使用、リアクティブレジンで勝負を制す
PBA50ツアーではウレタンボールが主流とされていますが、アンジェロはそれを使わず、オイルを吸収したリアクティブレジンボールを2個使用。さらに、ボールコントロールにおいては「手首を柔らかく使い、回転軸をしっかりと制御した」と語り、繊細な技術が奏功しました。
「明日は状況を見ながら適応するつもりだ。できればこの順位を維持して、1回戦を突破したい」と語るアンジェロ。次なる戦いに向けて、冷静かつ着実な構えを見せています。
◆ 追随するライバルたちの実力も本物
2位には、フィンランド出身のミカ・コイブニエミが入りました。彼もまた最終日に勢いを見せ、平均245.57、計3,378点(+578)でアンジェロに迫ります。昨年も終盤で大きくスコアを伸ばした実績があり、今年もその再現を狙っています。
3位にはパーカー・ボーンIIIがランクイン。「PBA50カップ」2022年王者でもある彼は、210、258、214、236、247、225、226の計1,616点をBグループで記録し、全体3位(+539)につけました。
彼は「昨日と今日で意識したのは、ボールに少しロフト(浮かせる動き)を加えること。これがポジティブな反応を生み、ピンをよく弾いてくれた」と語り、ボールの速度や手の位置を微調整しながら、限られたレーンゾーンで一貫性ある投球を心がけたと述べています。
◆ ボウリングの外でも見せた人間性と絆
試合後、ボーンIIIはインディアナ州ワルソーへ車を3時間走らせ、親友ジョシュ・ハイド氏を見舞いました。ハイド氏は車椅子生活を送り、ICUに入院していたとのこと。
「彼に笑顔と光を届けたい。彼は名誉PBA会員であり、ツアーへの思いは誰よりも強い」と語るボーンの言葉からは、単なるスポーツ選手ではなく、人間としての深い優しさと絆が感じられます。
◆ トップ10に名を連ねた実力者たち
その他、上位には以下の選手たちが名を連ねています:
4位:ジョン・ジャナウィッツ(+531)
5位:トニー・オリーヴァ(+526)
6位:ピーター・ドーハン(+493)
7位:トロイ・リント(+476)
8位:ロン・ハート(+476)
9位:アムレト・モナチェリ(+427)
10位:トム・アドコック(+427)
また、74歳のベテラン、チャーリー・タップは予選最終ゲームで300点(パーフェクトゲーム)を達成し、+274でギリギリ予選通過を果たしました。年齢を感じさせない見事なプレーに、多くのファンが歓声を送っています。
次なる勝負は木曜、白熱の決勝トーナメントへ
予選通過者32名は、現地時間木曜午前9時(東部標準時)から「アドバンサーズラウンド」で4ゲームを行い、そのスコアを加算。上位24名がマッチプレーラウンドへ進出します。
上位8名には1回戦のシード権が与えられ、
9〜24位の選手は午後12時45分から「ラウンド24」を戦います。
勝者と上位8名は午後2時45分から「ラウンド16」へ、
続いて「ラウンド8」は午後5時に開始。
最後に4人の無敗者と1人の最高シード敗退者によるステップラダー決勝が午後7時よりスタート予定です。
大会最終日の模様はBowlTVにてライブ配信され、世界中のファンがその瞬間を見守ることができます。
ボウリングの技術、戦略、そして人間ドラマが交差するPBA50。頂点をつかむのは誰か、その結末は間もなく明らかになります。