ウィルキンスが首位通過!
PBAスコーピオン選手権で見せた圧巻の巻き返し

EJタケットはPBAワールドチャンピオンシップ総合首位へ浮上

PBAワールドシリーズ・オブ・ボウリングXVII(WSOB XVII)の第3タイトルイベント「PBAスコーピオン選手権」は、10ゲームの予選ラウンドを終え、決勝トーナメントに進出する12名が決定した。

予選トップに立ったのは、ザック・ウィルキンス。合計2,334ピン、アベレージ233.4を記録し、第1シードを獲得した。2位にはクリス・ヴァイ、3位にはEJタケット、4位にはザック・ワイドマンが入り、この上位4名は決勝トーナメントで1回戦免除となる。

ウィルキンスは2週間前に自身初のPBAツアータイトルを獲得し、前週のPBAトーナメント・オブ・チャンピオンズでも準優勝。キャリア最高ともいえる好調期の中で迎えた今大会でも、見事に存在感を示した。

一方、EJタケットは今大会で今年のWSOB初の決勝進出を果たし、PBAワールドチャンピオンシップの総合順位で首位に浮上。3連覇中の同大会で、さらなるタイトル防衛へ向けて大きな一歩を踏み出した。

 

序盤の苦戦から首位へ ウィルキンスが見せた修正力

今回のスコーピオン選手権で最も印象的だったのは、ウィルキンスの巻き返しだった。

ウィルキンスの最初の3ゲームは、212、172、184。優勝争いを考えれば、決して理想的なスタートではなかった。特に172、184と続いた時点で、予選トップどころか決勝進出争いにも不安が残る展開だった。

しかし、ここからウィルキンスは一気に流れを変える。

残り7ゲームで平均252点を超えるハイペースを記録し、最終的には2,334ピンでトップ通過。序盤の出遅れを完全に取り戻すだけでなく、上位争いを一気に抜け出す圧巻の内容だった。

ウィルキンスは試合後、苦しい展開でも諦めず、レーンの状況と自分の投球を見直したことを語っている。よりクリーンなカバーのボールを選び、自身の回転数を信じて投げ切ったことが、後半の爆発につながった。

ボウリングでは、序盤にスコアを落とした後の対応が結果を大きく左右する。焦ってラインを変えすぎれば迷いが生まれ、逆に変化を恐れればレーンに置いていかれる。今回のウィルキンスは、その難しい局面で冷静に選択し、試合の中で答えを見つけた。

初優勝、メジャー準優勝、そして今回の予選トップ通過。 ウィルキンスはいま、キャリアの中でも最も充実した時期を迎えている。

 

PBAスコーピオン選手権 予選トップ12

43フィートのスコーピオンオイルパターンで行われた予選は、上位12名が決勝ラウンドへ進出。上位4名には1回戦免除が与えられるため、予選順位はタイトル獲得へ向けて大きな意味を持つ。

順位選手名ピンフォールアベレージ
1ザック・ウィルキンス2,334233.4
2クリス・ヴァイ2,332233.2
3EJタケット2,331233.1
4ザック・ワイドマン2,319231.9
5グラハム・ファッハ2,309230.9
6イェスパー・スヴェンソン2,309230.9
7ショーン・ラッシュ2,271227.1
8トーマス・ラーセン2,244224.4
9クリス・プラザー2,231223.1
10サントゥ・タハヴァナイネン2,230223.0
11ネイト・スタブラー2,230223.0
12ダレン・タン2,215221.5

上位3名は、わずか3ピン差という大接戦だった。ウィルキンスが2,334ピン、ヴァイが2,332ピン、タケットが2,331ピン。1投のわずかなミス、あるいは1本のピン差が順位を大きく左右する緊迫した予選となった。

また、4位ワイドマンと5位ファッハの差は10ピン。シード権を得られるかどうかという点でも、非常にシビアな争いだったことが分かる。

 

EJタケット、今年のWSOB初決勝で総合首位へ

EJタケットにとって、今回のスコーピオン選手権は大きな意味を持つ大会となった。

タケットは昨年のWSOBで、すべての大会においてステップラダー決勝へ進出する圧倒的な成績を残している。しかし今年は、チーター選手権とカメレオン選手権で決勝進出を逃していた。それでも、それぞれ22位、24位と賞金圏内には入り、大きく崩れることはなかった。

そして迎えたスコーピオン選手権。タケットは2,331ピン、アベレージ233.1で3位通過を果たし、今年のWSOB初の決勝進出を決めた。

この結果により、タケットはPBAワールドチャンピオンシップの総合順位で首位に浮上した。30ゲーム終了時点で6,743ピン、アベレージ224.77。3連覇中のワールドチャンピオンシップで、今年も優勝候補としての力を示している。

WSOBは、単独大会の強さだけでは勝ち切れない。異なるオイルパターンに対応し、長丁場の中で安定してスコアを積み上げる総合力が求められる。その点で、タケットの強さは際立っている。

派手な爆発力だけでなく、どのパターンでも大崩れしない安定感。これこそが、タケットがメジャー大会で結果を残し続けている理由だろう。

 

PBAワールドチャンピオンシップ総合順位

スコーピオン選手権終了時点でのPBAワールドチャンピオンシップ上位20名は以下の通り。

順位選手名ピンフォールアベレージ
1EJタケット6,743224.77
2ダレン・タン6,735224.50
3ジェイソン・スターナー6,696223.20
4ビル・オニール6,682222.73
5クリス・プラザー6,670222.33
6ライアン・バーンズ6,658221.93
7クリス・ヴァイ6,654221.80
8スペンサー・ロバージ6,644221.47
9トーマス・ラーセン6,643221.43
10ザック・ワイドマン6,618220.60
11ジェイソン・ベルモンテ6,601220.03
12キャム・クロウ6,597219.90
13ブランドン・ボンタ6,588219.60
14ザック・ウィルキンス6,568218.93
15デオ・ベナード6,541218.03
16ショーン・ラベリー・スパー6,539217.97
17ブーグ・クロル6,535217.83
18トーマス・カイホ6,533217.77
19ジェイコブ・バターフ6,527217.57
20トム・スモールウッド6,519217.30

首位タケットと2位ダレン・タンの差は、わずか8ピン。3位ジェイソン・スターナー、4位ビル・オニール、5位クリス・プラザーも十分に逆転を狙える位置につけている。

ワールドチャンピオンシップは、4つのアニマルパターンでの予選を合算して進行する。今後のシャーク選手権を終えた時点で、上位3分の1が次のラウンドへ進出。その後、さらに10ゲームを投球し、16名によるマッチプレーへ進む。

最終的には、66ゲーム終了時点の上位9名がテレビ決勝へ進出する。つまり、現時点で上位にいる選手も油断はできない。残りのゲームで順位が大きく入れ替わる可能性は十分にある。

 

複数大会で決勝進出した選手にも注目

今大会のWSOBでは、クリス・プラザー、サントゥ・タハヴァナイネン、ダレン・タンが複数の大会で決勝進出を果たしている。

プラザーはチーター選手権に続いて、今回のスコーピオン選手権でも決勝進出。タハヴァナイネンとタンは、カメレオン選手権に続く決勝進出となった。

WSOBでは、各大会ごとにオイルパターンが異なる。そのため、ひとつのパターンに合っただけでは継続して上位に残ることは難しい。複数大会で決勝に進出している選手は、レーン変化への対応力、ボール選択、ライン調整、長丁場を戦う集中力を兼ね備えているといえる。

特にダレン・タンは、ワールドチャンピオンシップ総合で2位につけており、タケットとの差はわずか8ピン。スコーピオン選手権の決勝だけでなく、総合タイトル争いにおいても重要な存在になっている。

 

スコーピオン選手権 決勝ラウンド組み合わせ

PBAスコーピオン選手権の決勝ラウンドは、シングルエリミネーション方式で行われる。上位4名は1回戦を免除され、下位シード同士の対戦勝者を迎え撃つ形となる。

試合組み合わせ
1トーマス・ラーセン vs クリス・プラザー、グラハム・ファッハ vs ダレン・タン
2ショーン・ラッシュ vs サントゥ・タハヴァナイネン、イェスパー・スヴェンソン vs ネイト・スタブラー
3ザック・ウィルキンス vs ラーセン/プラザーの勝者、ザック・ワイドマン vs ファッハ/タンの勝者
4クリス・ヴァイ vs ラッシュ/タハヴァナイネンの勝者、EJタケット vs スヴェンソン/スタブラーの勝者

注目は、やはり第1シードのウィルキンスだ。予選では序盤の苦戦から見事に立て直し、後半7ゲームで圧倒的なスコアを積み上げた。決勝ラウンドでも同じようにレーンをつかむことができれば、キャリア2勝目へ大きく近づく。

一方、タケットは第3シードとして決勝に臨む。ワールドチャンピオンシップ総合首位の立場で迎える一戦だけに、単独タイトルと総合争いの両面で重要な試合となる。

 

次戦はシャーク選手権 タケットは連覇記録にも挑む

スコーピオン選手権を終えたWSOB XVIIは、次のタイトルイベントであるPBAシャーク選手権へ進む。

シャーク選手権は、ワールドチャンピオンシップ予選の一部でもあるため、単独タイトルだけでなく総合順位にも大きく影響する。タケットにとっては、ワールドチャンピオンシップ4連覇へ向けた重要な局面であると同時に、過去2年連続で制しているシャーク選手権のタイトル防衛もかかる大会となる。

ウィルキンスが勢いを維持するのか。タケットが総合首位を守り、さらにリードを広げるのか。あるいはダレン・タン、クリス・プラザー、ジェイソン・スターナーらが逆転へ向けて動くのか。

WSOBはここから、さらに総合力が問われる段階へ入っていく。

スコーピオン選手権で見せたウィルキンスの爆発力、そしてタケットの安定感。対照的な強さを持つ両者の戦いは、今後のタイトル争いを大きく左右することになりそうだ。