IBFボウリング世界選手権2025
アメリカ代表のバーンズとハンラハンが男子シングルス2回戦へ進出
世界の舞台で輝くTeam USA――IBF世界選手権が香港で開幕
2025年IBF(国際ボウリング連盟)世界選手権が、香港・九龍のカイタック・スポーツパーク「トップボウル」にて華々しく開催中です。本大会は、世界中のトップボウラーが集う、ボウリング界最高峰の国際大会。中でも注目を集めているのが男子シングルス競技で、アメリカ代表からは6名が出場しました。
大会初日、ライアン・バーンズ(テキサス州デントン)とパッキー・ハンラハン(カンザス州ウィチタ)の2選手が好成績を残し、見事に2回戦への進出を決めました。
激戦を制した2人と、惜しくも届かなかった仲間たち
■ アメリカ代表の光と影――バーンズとハンラハンが突破
まず注目すべきは、ライアン・バーンズの安定したパフォーマンスです。全168名の中で21位にランクインし、6ゲーム合計1,343ピン(平均223.83)を記録。ゲームごとのスコアは202、219、247、194、224、257と、全体的に安定した投球内容でした。
パッキー・ハンラハンはそれに続き、24位で2回戦進出。彼は6ゲーム合計1,333ピン(平均222.17)をマークし、ゲームごとのスコアは221、266、214、213、203、216。第2ゲームでの266ピンが大きな追い風となりました。ハンラハンは両手投げのレフティとして知られ、長時間の競技にもかかわらず集中力を切らさず、堂々としたプレーを見せました。
試合後、ハンラハンは「星条旗を背負ってプレーできるのは名誉。今日は本当に楽しかった」とコメント。さらに「チーム全員で突破したかったが、多くの学びがあった。これを残りの種目に活かしたい」と前向きな姿勢を見せました。
バーンズは後半の組で出場したことについて、「仲間たちのプレーを先に見て、ラインや変化を観察できたのが大きかった」と語り、戦略的なアプローチが功を奏した形です。
■ 惜しくも届かなかったTeam USAの仲間たち
アメリカから出場した残る4選手も、決して悪い内容ではありませんでした。全員が平均208以上のスコアを記録するも、突破ラインとなる平均219(6ゲーム合計1,313ピン)にはわずかに届かず、悔しい結果となりました。
アンドリュー・アンダーソン(ミシガン州チェスターフィールド)
6ゲーム合計1,310ピン(平均218.33)で33位。突破に必要なスコアとの差はわずか3ピンという紙一重の結果で、あと1本で進出の夢が叶う惜しい展開でした。スコア内訳は266、193、232、220、192、207と、初戦の爆発的なスコアが印象的。クリス・ヴィア(オハイオ州ブラックリック)
1,302ピン(平均217)で40位。特に第3・4ゲームで262、232と高得点を叩き出したものの、初戦(178)と最終戦(170)の低スコアが響きました。A.J.ジョンソン(ウィスコンシン州ケノーシャ)
1,285ピン(平均214.17)で51位。全体的に安定はしていたものの、爆発力に欠けた印象です。クリストファー・プラザー(イリノイ州ロームヴィル)
1,253ピン(平均208.83)で67位。第4ゲームで255ピンと意地を見せましたが、それ以外のゲームでの伸び悩みが影響しました。
■ 世界のトップスコアと注目選手
世界全体のレベルの高さも際立ちました。中でも圧巻のスコアを記録したのは、スウェーデンのイェスパー・スベンソン。彼は6ゲーム合計1,497ピン(平均249.5)という驚異的なスコアを叩き出し、全選手中トップに立ちました。スコア詳細は258、236、257、279、238、229と、ほぼすべてのゲームで250超えという異次元の内容です。
次いで好成績を残したのは:
ペク・スンミン(韓国):1,455ピン、第2ゲームで288を記録
ニコラス・カーター(デンマーク):1,442ピン
ジ・グン(韓国):1,430ピン
ガエタン・ムヴルー(フランス):1,426ピン
そして32位のラスト通過者は、カタールのアブドゥルラフマン・アル・ドセリ。彼はこの日唯一のパーフェクトゲーム(300)を達成し、6ゲーム合計1,313ピン(平均218.83)で見事滑り込み通過。1本の完璧なゲームが運命を変えた形となりました。
2人の快進撃は続くか――次は女子シングルスとダブルスへ
アメリカ代表のバーンズとハンラハンは、確かな実力と集中力を発揮し、男子シングルス2回戦進出という好結果を残しました。惜しくも敗退となった他の4名も今後の団体戦やダブルスでの巻き返しが期待されます。
翌日からは女子シングルスが開幕し、ジュリア・ボンド(ネブラスカ州リンカーン)をはじめ、ブリアナ・クレマー、ブリアナ・コーテ、ジリアン・マーティン、シャノン・プルホウスキー、ローレン・ルッソら6名が登場予定。彼女たちが男子勢に続けるかどうかに注目が集まります。
大会はこの後、ダブルス(男女別)、トリオ、チーム戦へと進み、最終的には12月5日、クイーンエリザベス・スタジアムで全競技の決勝戦が行われます。その後、Victory Banquet(表彰晩餐会)で大会は幕を閉じる予定です。
世界中の注目が集まる中、Team USAはどこまで上り詰めるのか――その一投一投から目が離せません。