自分のドリフトを知ってレーンを攻略せよ!
記事に入る前に、音声による要点解説をお聞きいただくと、内容が一段と理解しやすくなります。
要点音声解説
本要点音声解説は、「The Clean Up Crew」掲載の動画内容を整理・補足して、NotebookLM を用いて生成したものです。
今回は、プロコーチのマーク・ベイカー氏と選手たちが実践していた「チームで同じラインを投げる」チャレンジから学んだ、“ドリフトとターゲットの関係性”について解説します。
これを理解すると、個人のスコアはもちろん、チーム戦での戦略にも大きな差が出ます!
【1】ボウリングの魅力と本記事のポイント
ボウリングは、ただ力強く投げるだけのスポーツではありません。レーン上のオイルの使い方、立ち位置、目標の板(ターゲット)、そしてドリフト(足のズレ)までを総合的にコントロールする知的スポーツでもあります。
今回は、
初心者:そもそも「ドリフトってなに?」
中級者:「狙ってるのに曲がりすぎる…」
上級者:「チームでレーンを攻略するには?」
という疑問に答えながら、即実践できるポイントを紹介します。
【2】基本編:ドリフトとは?初心者でもできる確認方法
ボウリングを始めたばかりの方は、「ドリフト」という言葉を聞いてもピンとこないかもしれません。しかし、正確なショットを投げるために「ドリフト」を知ることは非常に重要です。
● ドリフトとは?
ドリフト(Drift)とは、アプローチ時にスタートした立ち位置と、スライドしてフィニッシュする最終位置とのズレのことを指します。たとえば、25枚目から投げ始めて、最終的に20枚目にスライドした場合、右に5枚のドリフトをしていることになります。
このズレがあること自体は悪いことではありません。問題なのは、本人がそのズレを「自覚していないこと」です。自分では真っすぐ歩いているつもりでも、実は毎回右や左にズレていて、狙っているターゲットとボールの通過点が一致していない——というのはよくある話です。
● ドリフトを無視するとどうなる?
たとえば、あなたがレーンの17枚目(第三アロー付近)を狙っているとしましょう。しかし、立ち位置は25枚目なのに、毎回右に5枚ドリフトして20枚目でスライドしている場合、ボールは「本当は12枚目」から投げているのと同じ角度になります。
その結果:
「狙っているのに抜ける」
「同じように投げているのに曲がりが変わる」
「フォームが安定しないと感じる」
こうした悩みの原因は、ドリフトを把握していないことが多いのです。
● 初心者でもできる!ドリフトの確認方法
ここでは、初心者でも簡単にできる「ドリフトの確認手順」を紹介します。
✅ ステップ①:立ち位置の板を確認する
アプローチに立ったら、自分がどの板に立っているかを明確に覚えてください。(例:25枚目)
✅ ステップ②:ファウルラインにテープを貼る
実際に投球する前に、ファウルライン上にマスキングテープなどを貼って、スライド位置を記録できるようにします。
✅ ステップ③:投げた後にスライド位置を確認する
投げ終わったあと、スライドした場所が何枚目だったかをチェックしましょう。これがあなたの「ドリフト量」です。
✅ ステップ④:繰り返して平均を取る
何回か繰り返し確認することで、自分の平均的なドリフト幅を把握できます。1回だけで判断せず、複数回のデータを取りましょう。
● 自分の「投球角度」を把握する第一歩
ドリフトを把握すると、自分の投球が「どの角度でレーンに入っているのか」がわかるようになります。これは、次のステップである「ターゲット調整」や「ライン取り」にも大きく影響します。
初心者のうちは、ターゲットに集中しすぎて足元がおろそかになることが多いですが、ぜひこの機会に「自分のドリフト」という視点を取り入れてみてください。
✔️ ワンポイントアドバイス
ドリフトが毎回バラバラな人は、フォームが安定していない可能性があります
自分の「平均ドリフト」を記録しておくと、成長の記録にもなります
チーム戦では、全員が自分のドリフトを把握していることが勝利のカギになります!
【3】中級編:ドリフトとターゲットのバランスをとる技術
中級者にとって、「狙っているはずなのに、なぜか抜ける」「いつもと同じ場所を見ているのに曲がり方が違う」といった悩みは非常に多いです。その原因の多くは、ドリフトとターゲットのバランスが取れていないことにあります。
「ドリフトなんて関係ないでしょ?ターゲットさえ見ていればいいんじゃないの?」と思っていませんか?それが、中級者でスコアが伸び悩む典型的な落とし穴です。
● 見えているターゲットと実際の角度が違う!
ボウリングでは、ターゲット(レーン上の狙う板)と立ち位置(スタンス)からスライド位置へのズレ(ドリフト)を合わせて“投球角度”が決まるということを理解する必要があります。
たとえば、あなたがいつも通り25枚目に立って、17枚目の板(第三アロー付近)を狙っているとします。しかし、実際にはスライド位置が30枚目になっていたとしたら、5枚左にドリフトしていることになります。
つまり、ボールは12枚目あたりから投げられているのと同じ角度になってしまい、思った以上に外に抜けたり、曲がりすぎたりするのです。
● どうすればバランスが取れるのか?
ここで大切なのは、「ドリフトした位置」と「ターゲット」の間に一貫性を持たせることです。つまり、ドリフトがあるなら、それを計算に入れてターゲットをずらすか、あるいは立ち位置を調整する必要があります。
✅ 実践ステップ
ドリフトを測定する(前章を参考に)
目標のターゲットを決める(例:17枚目)
自分のドリフトが5枚右なら、立ち位置をターゲット+5枚にする
→つまり、22枚目に立って、17枚目を狙う
こうすることで、狙った角度とボールが進む角度が一致し、コントロール性が一気に向上します。
● 練習で体に覚えさせる
このような調整は、頭で理解するだけでは不十分です。何度も繰り返して投げ、体に覚えさせることが必要です。
💡 おすすめ練習法:ターゲット固定ドリフト補正練習
ターゲットを固定(例:17枚目)
自分のドリフトを記録して、それに応じて立ち位置を毎回調整
ボールが同じ軌道を通るかチェック
この練習を繰り返すことで、「自分にとって正しい立ち位置」が感覚的にわかるようになります。
● チームプレイでも役立つスキル
試合やリーグ戦では、「みんなで同じラインを投げる」という戦術が使われることがあります。その際に全員がターゲットだけ合わせても、ドリフトがバラバラでは、レーンのオイルが均一に削れず、逆に難しくなるのです。
だからこそ、中級者のうちに、「自分のドリフトとターゲットのバランスを把握し、調整できる力」を身につけることが重要です。
✔️ ワンポイントアドバイス
「狙ってるのに外れる」と感じたら、フォームではなくドリフトのズレを疑え
ドリフトが安定しない人は、構えや歩幅、身体のバランスがブレている可能性あり
ターゲットを修正するのではなく、立ち位置で角度を整える方が安定するケースが多い
【4】上級編:チームで同じレーンを攻略するための戦略
上級者やプロを目指すボウラーにとって、「個人の安定性」だけでなく「チームとしての戦略」が重要になります。特にリーグ戦やトーナメントでは、複数人で同じレーンを投げ続けることが多く、「誰がどこを通って、どうオイルを使うか」がスコアに大きな影響を与えます。
この章では、「個々のドリフトと役割を理解し、チームで同じゾーンを打つ」という、実践的かつ高度な戦術について詳しく解説します。
● レーンは「自然に変化する」ものではなく「選手が変える」もの
レーンのオイルは、ただ時間経過で劣化するわけではありません。誰がどこを何度通ったかによって「削れていく」「押される」「キャリーされる」という変化が起きます。
つまり、レーンの状態は、ボウラー自身が作り出しているのです。
● チームでレーンを壊すか、整えるかが勝敗を分ける
もし、同じターゲット(例:17枚目)を狙っていても、
Aさん:スライド位置25枚目(右寄り)
Bさん:スライド位置30枚目(中央)
Cさん:スライド位置35枚目(左寄り)
このようにスライド位置がバラバラだと、オイルが複雑に削られ、レーンは「不安定」に崩れていきます。
一方で、全員がドリフトとスライド位置を揃え、
同じゾーンにボールを通す
同じ位置でスライドしてオイルを均等に使う
このようにすれば、レーンが「安定して削れていき」、チーム全体のスコアが安定します。
● プロが実践している「チームライン共有法」
動画内の実例では、以下のような調整がされていました:
アール選手:ドリフト5枚右、立ち位置40枚目、スライド33枚目、ターゲット18枚目
ジョエル選手:ドリフト6枚左、スライド位置30枚目、立ち位置24枚目でターゲット18枚目を狙う
別の選手は:ドリフトなし、スライド30枚目、ターゲット17枚目
このように、自分のドリフトを考慮して「どこに立ち、どこを狙えば同じラインを投げられるか」を計算して揃えているのです。
● 「ドリフトを共有する」ことが勝利の鍵
多くのアマチュアチームでは、「ターゲットは合わせているのに、なぜか合わない」という声をよく聞きます。その原因は、「スライド位置(ドリフト)」が共有されていないからです。
ドリフトが異なれば、同じターゲットでも投球角度がバラバラになります。
チームで「同じラインを通す」ためには、以下の3点を必ず揃える必要があります:
立ち位置
スライド位置(ドリフトを考慮)
ターゲット
これらを全員が把握し、互いの数値を共有して調整することが、レーン攻略において最大の武器になります。
● レーン攻略の2つの選択肢:「合わせる」か「離れる」か
ときには、回転数(レブレート)や球速が異なるメンバーと組むこともあります。たとえば、2ハンドやサムレス(親指なし)ボウラーは、オイルの消耗が激しく、同じゾーンを投げているとレーンの変化が非常に速く進みます。
その場合、1ハンドボウラーは以下のような判断を求められます:
一緒に中へ寄って同じラインを投げる(=合わせる)
別のゾーン(例:10枚目~13枚目)を使ってレーンを分ける(=離れる)
どちらを選ぶかは、自分のスキルセットやボールの特性、チーム内の役割によって変えるべきです。
● 自分の特徴を把握し、役割を果たす
プロレベルでは、ボウラーそれぞれが「自分の得意ゾーン」「理想の進入角」「オイルの影響を受けにくいプレースタイル」を理解した上で、チーム内での役割を果たします。
つまり、「チームで同じラインを作る」というのは、全員が同じ場所に投げることではなく、「それぞれの特性に合わせてレーンを整備すること」なのです。
✔️ ワンポイントアドバイス
チーム内で「ドリフト」や「立ち位置」「ターゲット」の共有を習慣化しよう
「誰がどのゾーンを使うのか」を事前に話し合っておくと調整がスムーズ
レーン変化が早いときほど、「大きな調整」が必要になることを恐れない
【5】まとめ:知識は力、そして仲間と共有する力
ボウリングが上手くなるコツは、自分のフォームや技術を磨くのはもちろんですが、「レーンをどう読むか」「どう共通認識を持つか」が大きな鍵になります。
✅ 今日のまとめ
自分の「ドリフト」を数値で把握しよう
チームで「立ち位置・スライド・ターゲット」を揃えよう
自分の特徴(回転数、スピード)に合ったライン取りをしよう
投げミスではなく、「情報不足」がスコアを落とす原因になることも!