若手旋風と涙の3連覇!
石田万音が「さわやかカップ2025 千葉オープン」で圧巻の優勝
若手の躍進とドラマが詰まった3日間
2025年10月24日〜26日、千葉県富津市の「富津スターレーン」で開催された「さわやかカップ2025 第32回千葉オープン女子チャリティボウリングトーナメント」。
この大会は隔年で男女交互に開催され、今年は女子プロによる熱戦の年。プロ・アマ計104名が参加し、3日間にわたるトーナメントが繰り広げられました。
ステップラダー方式の決勝に進出したのは、いずれも20歳前後の若手選手たち。まさに「新世代の時代到来」を予感させる大会となりました。
激戦のステップラダー、勝負を分けたのは“冷静さ”と“勢い”
◆ 絶妙なコンディション設定が選手を翻弄
大会のレーンコンディションは、42フィート、オイル量30.55mlの「中遅・外早」タイプ。これは外側のレーンが滑りやすく、内側は曲がりやすい難しい設定で、“繊細なライン取り”と”精密なアジャスト能力”が求められました。
準決勝10Gではレーンの変化に苦しむ選手が続出する中、それを乗り越えて決勝に駒を進めたのは以下の5名です。
石田 万音(いしだ まのん/55期/アルゴセブン・ハイスポーツ社)
網代 羅夢(あじろ らむ/アマチュア/桜ヶ丘ボウリングセンター)
近藤 菜帆(こんどう なほ/55期/ALSOK愛知)
幸木 百合菜(こうき ゆりな/53期/相模原パークレーンズ)
中島 瑞葵(なかじま みずき/53期/フリー・ABS)
全員が20代前半という異例の若さで構成されたステップラダー。まさに“次世代対決”の様相を呈していました。
◆ ステップラダー序盤:中島瑞葵の粘りと修正力が光る
5位決定戦では、4位通過の幸木百合菜と5位通過の中島瑞葵が対戦。試合開始から両者がストライクでスタートするも、幸木が2フレでビッグ5のスプリット、中島も3フレで厚めスプリットと波乱の展開。
しかし、中島は5フレームから調子を上げ、連続ストライクで流れを引き寄せました。対する幸木はスペアで耐えながらも、なかなかストライクが続かず、10フレでパンチアウトするも一歩届かず、ここで敗退。中島が勝ち上がります。
続く4位決定戦は、3位通過の近藤菜帆との一戦。開始直後から近藤がストライクを決めるも、その後に連続オープンと苦しみます。中島も完璧とは言えないものの、ミスを最小限に抑えながらリードを奪取。
中盤以降、近藤は猛追をかけますが、2ピン差で中島が逃げ切る展開に。
この勝利で中島は2連勝。ステップラダーを一気に駆け上がる勢いを見せました。
◆ 3位決定戦:連勝中の石田万音が実力を発揮
3位決定戦では、今大会2位通過・石田万音が登場。先月の「山梨レディース」、直前の「ROUND1 GCB」でも優勝しており、3連覇がかかる一戦です。
中島はスプリットスタートながら、すぐにダブル(2連続ストライク)で反撃。しかし、石田は4フレームからターキー(3連続ストライク)を決めてリードを広げます。
終盤、中島もダブルで追いすがりますが、10フレームで痛恨のスプリット。
石田がそのまま逃げ切り、決勝へと進出します。
◆ 優勝決定戦:新星アマチュア vs 若き女王
優勝決定戦は、予選1位通過のアマチュア・網代羅夢(18歳)と石田万音の対決。
網代選手は、現在高校3年生で、ベストアマにも輝いた期待の新星です。
序盤は互角の立ち上がり。石田はストライク → スペア → ダブルとリズムよく加点。網代選手もスペア → ダブルと負けじと応戦。
中盤、石田が5フレームでオープンフレームを出し、試合は一気に接戦へ。
一時リードを奪う網代でしたが、8フレで薄めからのオープンで失速。石田はその間に再びダブルを決めて逆転に成功します。
運命の10フレーム、石田は6本カウントから落ち着いてスペアを決めて優勝を確定。
◆ 3連勝・通算8勝目達成!石田万音の今後に注目
この勝利で、石田万音は3大会連続優勝、今季3勝目、プロ通算8勝目。
悲願の「準永久シード(通算10勝)」まで、残りわずかあと2勝に迫りました。
試合後には恒例の「コーラ一気飲み」で祝杯。涙を笑顔に変えた姿が印象的でした。
女子ボウリング界の未来を担う若き才能たち
今回の千葉オープンは、若手選手の台頭と実力者の貫禄が融合した見応えある大会となりました。
特にアマチュアの網代羅夢選手の準優勝は、ボウリング界の新しい波を感じさせる出来事であり、今後の活躍が非常に楽しみです。
一方、石田万音の快進撃は、女子ボウリング界の新たなレジェンド誕生を予感させるものでした。
2025年シーズンは残り4大会。準永久シード達成なるか?
石田のさらなる挑戦に注目です。
ベストアマ
網代羅夢選手(桜ヶ丘ボウリングセンター)
総合2位