
Liz Johnson、PBA50ペトラグリア選手権で予選トップ通過
初の決勝進出なるか
女子ボウリング界のレジェンドがPBA50で躍動
2025年7月14日、アメリカで開催された「PBA50ペトラグリア選手権(Petraglia Championship)」において、女子プロボウリング界のレジェンド、リズ・ジョンソン(Liz Johnson)が見事に予選ラウンドを首位で通過しました。2025年に女子プロボウリング協会(PWBA)の殿堂入りを果たしたばかりの彼女にとって、今回の成績は非常に意義深いものとなっています。これまで男子シニア部門での活躍は限定的だっただけに、この快挙は多くのファンに衝撃と感動を与えています。
確かな技術と精神力で築いた首位通過
■ 驚異のスコア構成と一本勝負のボール選択
ジョンソンは今回の予選で、使用するボールを1つに絞り、以下のスコアを記録しました:
217、236、215、215、254、184、299、237
合計スコアは1,857(+257)。この数字は、今大会の参加者全体の中でも群を抜いた結果となっており、彼女がトップ通過を果たした最大の要因となっています。特に第7ゲームでの「299点」というスコアは圧巻で、あと一投でパーフェクトゲームという出来栄えでした。彼女はこの試合を振り返り、「とにかく良いショットを重ねることだけを考えた。ボールがレーンに合ってくれることを願いながら投げ続けた」と語っています。
■ 安定感と“トンネル”理論で差をつける
ジョンソンは今回のレーンパターン(46フィート)に合わせて、独自の戦術を展開しました。「ボールを“トンネル”の中に保つように意識し、他のパターンよりもやや内側のラインを攻めた」とのこと。これにより、レーンの変化に強く、失投のリスクを減らすことに成功しました。
また、「長めのオイルパターンでは過去にも良い成績を出している」と語るように、レーンコンディションの相性も彼女に味方しました。このような高度な戦略と経験に裏打ちされた判断力こそが、他選手との明確な違いとなりました。
■ 過去からの進化:87位からの軌跡
ジョンソンはPBA50ワールドシリーズ・オブ・ボウリング(WSOB III)において、今回が初出場となります。しかしその道のりは平坦ではありませんでした。最初に出場したバラード選手権では87位と苦戦し、「今までで最も長く感じた8ゲームだった」と振り返ります。しかしその後、モナチェリ選手権では49位と順位を上げ、今回のペトラグリア選手権でついにトップに立つことになります。
これは、ただの一時的な好調ではなく、明確に「試合ごとに自分を修正し、改善していった結果」です。経験、分析力、技術すべてが噛み合った瞬間だったといえるでしょう。
■ 他の上位選手との接戦
ジョンソンの後をわずか2ピン差で追うのがブラッド・アンジェロ(+255)、その後にはボー・ゴーゲン(+251)、ランディ・ワイス(+250)、クリント・デイシー(+245)と、わずかな差に多数の選手がひしめいています。これはマッチプレーに突入する上で、一投ごとが勝敗を分ける熾烈な戦いになることを意味します。
決勝進出なるか、明日が正念場
ジョンソンは次のステージで、予選16位のジェフリー・リピック(+185)と対戦します。この試合に勝利すれば、自身2度目のPBA50ステップラダー決勝進出が決定。試合は火曜日午前10時(東部時間)より、ベスト・オブ・ファイブ形式で行われ、午後2時からは準々決勝が予定されています。決勝戦は午後6時より、上位4名と準々決勝で敗退した選手のうち最もシード順位が高い1名が進出します。
ジョンソンは、「予選からマッチプレーへと進む中で、どんな展開になるか分からない。素早い判断と対応が鍵になる」と述べ、「今日のような投球が明日もできれば」と意気込みを語りました。
また、ボールTV(BowlTV)では今大会の模様を全編ライブ配信中。ファンは自宅からでもこの緊迫した戦いを楽しむことができます。
ジョンソンのように実力と精神力を兼ね備えた選手が、男子シニアのPBA50ツアーでどこまで通用するのか──その答えが、もうすぐ明らかになります。
PBA50ワールドチャンピオンシップの出場枠をかけた争いも続いており、現在の上位5名は以下の通り:
ジョン・ジャナウィッツ(+713)
マーク・クラーク(+680)
ブライアン・ルクレア(+666)
トム・ドハーティ(+644)
クリス・バーンズ(+614)
PBA50 WSOB IIIは、シニアボウリング界の頂点を決める熱戦が続く中、リズ・ジョンソンの快進撃がどこまで続くのかに注目が集まります。