
ジョン・ジャナウィッツがPBA50サウスショア・クラシックで首位に立つ
シニアプロボウラーたちの熱き戦い
2025年のPBA50サウスショア・クラシックは、全米から集まったシニア世代のトッププロボウラーたちによる熾烈な戦いの舞台となっています。インディアナ州ハモンドのオリンピア・レーンで開催されているこの大会は、長年多くの名勝負を生み出してきた伝統あるイベントです。
今年も実力者が集結する中、昨年の覇者であるジョン・ジャナウィッツが安定感ある投球で予選をトップ通過し、2年連続優勝への期待が高まっています。本記事では、彼の戦略や他の注目選手たちのパフォーマンス、今後のトーナメントの展望について詳しく紹介します。
ジャナウィッツの技術と戦略が際立つ予選ラウンド
圧倒的なスコアで予選1位通過
昨年のチャンピオンであるジョン・ジャナウィッツは、今年もその実力を遺憾なく発揮し、予選合計スコア3,373(+573)で堂々の1位通過を果たしました。水曜日のスコアは1,658、木曜日はさらにスコアを伸ばして1,715を記録。これは、7ゲームのうち最低スコアが207という驚異的な安定感によるものです。
木曜日の7ゲームでは、257、216、217、255、247、255、268といったハイスコアを次々と記録し、平均スコアは245に達しました。まさに大会を象徴するようなパフォーマンスです。
柔軟なボール選択が勝因に
ジャナウィッツは予選序盤、ウレタンボールを使用していたものの、第4ゲームでボールを変更。すると、「視界が一気にクリアになった」と語っており、これが後半の爆発的なスコアに繋がりました。
「レーンの表面状態とボールの回転数や軌道が合うことで、より理想的な軌道が見えやすくなる。そのことを過去の経験から学んだ」と語るように、長年の経験と観察力を武器に試合をコントロールしています。
オリンピア・レーンとの“相性の良さ”
彼は2023年にこの会場で2位、2024年に優勝と、過去2年連続でトップレベルの成績を残しています。
「この会場のレーン表面の経年変化が自分のボールロールと非常に合う。3つの異なるパターンが用意されているが、どれでも安定した成績を出せているのは、それが理由の一つだと思う」と話しています。
このように、レーン適応力の高さがジャナウィッツの大きな強みとなっており、今年もその力が最大限に発揮されています。
メンタル面の成長と冷静な判断
先週行われたシニアU.S.オープンでは5位に終わったものの、そこで得た反省点も今回に活かされています。
「セットアップとプッシュアウェイが乱れた局面があったが、今回はその修正がしっかりできている。あとはミスを減らし、正しい判断を続けることが大事」と冷静に自己分析を行っています。
特に木曜日の試合では、「最初の2ゲームで正確なラインを掴まないと勝負にならない」と述べ、初期判断の重要性に強く言及しています。
その他の注目選手たちの健闘
ブラッド・アンジェロ:序盤のミスからの見事な巻き返し
予選2位に浮上したのは、ブラッド・アンジェロ。初日はトップの座を守っていましたが、木曜日の第3ゲームで156と失速。しかしその後、235、238、279、239と巻き返し、合計3,349(+549)を記録しました。
「失敗してもすぐに立て直す力が今大会の鍵となる」という意識がプレーに現れており、トーナメントの後半戦でも要注目です。
クリス・バーンズとトム・ヘスも好調
3位にはベテランのクリス・バーンズ(+540)が入り、1,665・1,675という非常に安定したブロックスコアを記録。また、アイオワのトム・ヘス(+470)は水曜日に前日より168ピン多くスコアを積み上げ、勢いを感じさせる投球を見せました。
彼は開幕3ゲームで258、258、258という圧巻のスタートを切り、その後も246、236、237、226と高水準を維持。総合力の高さを見せつけました。
トロイ・リント:復帰戦で堂々の10位
2023年のPBA50年間最優秀選手であるトロイ・リントは、膝の人工関節手術とヘルニアの手術を経ての復帰戦。久々の全国大会にもかかわらず、すべてのゲームでスコア200以上を記録し、合計3,182(+382)で10位につけました。
「雲の上にいるような気分。努力が報われた」と語るように、彼の復活劇には会場全体が沸きました。
運命の本戦ラウンドは6月26日開始
水曜日終了時点で、フィールドは上位36選手に絞られました。+218で通過したのは昨年3位のブライアン・リンク。この後、スコアは持ち越され、6月26日(木)の午前10時(東部時間)からアドバンサーズ・ラウンド(4ゲーム)がスタートします。
ここで上位24名に残れば、午後1時30分から始まるベスト・オブ・スリー方式のマッチプレーへと進出。上位8選手は初戦免除となります。午後8時30分からのステップラダー・ファイナルでは、無敗の4人とラウンド8敗者の中で最もスコアが高い1名が対戦します。
本大会の模様はBowlTVで全試合配信されており、世界中のボウリングファンの注目を集めています。
現在の上位10名の成績(予選終了時点)
順位 | 選手名 | 合計スコア | ハンデ(+) |
---|---|---|---|
1位 | ジョン・ジャナウィッツ | 3,373 | +573 |
2位 | ブラッド・アンジェロ | 3,349 | +549 |
3位 | クリス・バーンズ | 3,340 | +540 |
4位 | トム・ヘス | 3,270 | +470 |
5位 | クリント・デイシー | 3,235 | +435 |
6位 | ロン・ハート | 3,233 | +433 |
7位 | ジョン・ヴァービック | 3,229 | +429 |
8位 | トム・アドコック | 3,215 | +415 |
9位 | ダン・ノールトン | 3,186 | +386 |
10位 | トロイ・リント | 3,182 | +382 |
2連覇を狙うジャナウィッツの快進撃は続くのか、そして復活のリントがどこまで勝ち進めるのか――注目の本戦がいよいよ始まります。