激動のシーズンを締めくくる大一番

2025年のPBAツアー最終戦「PBAツアーファイナルズ」が、ペンシルベニア州ベスレヘムにあるSteel City Bowl & Brewsで開催されました。今季3度目の決勝対決となったアンドリュー・アンダーソン vs EJ・タケットの一戦は、アンダーソンが2ゲーム先取でストレート勝利を収め、今季2勝目、キャリア6度目のPBAツアータイトルを獲得。激戦続きの今シーズンを有終の美で飾りました。

 

両グループで繰り広げられた白熱のステップラダー戦

■ グループ1：タケットが激戦を制し決勝へ

グループ1では、過去2回この大会を制しているEJ・タケットがポジショニングラウンドを首位で通過。3人によるステップラダーフォーマットでの対戦が始まりました。

最初の試合は、カイル・トゥループ（2度のツアーファイナルズ王者）が登場。地元ペンシルベニア出身のビル・オニールと対戦し、227-214で勝利。オニールは右レーンで苦戦し、5フレーム中1度しかストライクを出せない不調が響きました。

続く試合では、グラハム・ファッチがトゥループと対戦。トゥループは、左右で異なるオイルパターン（46フィートのPetragliaパターンと40フィートのMonacelliパターン）に対応するために第9フレームでリアクティブボールに持ち替える戦術を取りましたが、判断が裏目に出て226-197で敗退。

ファッチはその勢いでタケットとのレース・トゥ・ツー（2ゲーム先取制）に挑みます。第1ゲームはファッチがストライク連発で先取。しかし、タケットが第2ゲームで258点を叩き出して逆転、勝負は2フレームのプレーオフへ突入。

このプレーオフでは、両者が3投中2ストライクをマークする拮抗した展開に。しかし、タケットが40対39で1ピン差の勝利。わずかな精度差が勝敗を分けました。

 

■ グループ2：ベルモンテの快進撃を止めたアンダーソン

グループ2では、アンダーソンがトップシードとして登場。ステップラダーでは、ジェイソン・ベルモンテが圧巻のスコアで駆け上がります。

まずはアンソニー・シモンセンに269-259で勝利。続くマーシャル・ケント戦でも278-221という高スコアを叩き出し、絶好調のままアンダーソンと対決。ベルモンテは第1ゲームを225-203で先取し、決勝進出に王手をかけます。

しかし、アンダーソンは粘り強く対応。特に苦手としていた左レーンの攻略がカギとなりました。第2ゲームを203-181で取り返し、またもや2フレームのプレーオフへ。

ここでアンダーソンは集中力を発揮。プレーオフ1投目でストライクを決め、ベルモンテのミスを突いて最終フレームでダブルに成功。結果、59対40で勝利し、決勝進出を果たしました。

 

■ 決勝戦：アンダーソンが2連勝で王座奪取

決勝では、タケットが第1ゲームの冒頭4連続ストライクで主導権を握る展開に。しかし中盤にスプリット（割れたピン配置）とオープンフレームがあり、リズムを崩します。一方、アンダーソンは前半から7フレームでストライクを記録し、212-200で第1ゲームを制します。

第2ゲームでは、タケットが序盤からヘッドピンを外すミスを連発。第3フレームではスペアミスもあり、序盤で21ピンのビハインドを背負う苦しい展開。

アンダーソンも6フレーム目にオープンフレームを出すも、冷静さを保ち、終盤には堅実な投球を続けます。タケットは第10フレームでビッグフォー（4-6-7-10）を残し万事休す。アンダーソンが212-189で勝利し、ストレートで大会初優勝を決めました。

 

実力を証明したアンダーソン、ついにファイナルズ王者に

PBAツアーファイナルズはこれまで、EJ・タケット、ジェイソン・ベルモンテ、カイル・トゥループ、アンソニー・シモンセンがそれぞれ2度優勝を果たしてきました。しかし、彼らと同じく年間最優秀選手（Player of the Year）に選ばれたにもかかわらず、この大会での優勝がなかったアンドリュー・アンダーソンが、ついにその栄冠を手にしました。

これでアンダーソンは今季2勝目を挙げ、いずれもタケットとの直接対決での勝利という形で、その実力と精神力を証明した形となります。

次回のPBAツアーは、7月に開催される「ストームPBA／PWBA混合ダブルス」、続いて8月の「ストーム・ラッキー・ラーセン・マスターズ」と続いていきます。今後の展開にも注目が集まります。

 

PBAツアーファイナルズ最終成績

引き続き、PBAツアーの熱戦に注目していきましょう。