
ジョーダン・スノッドグラス、結婚後初の栄冠
PWBAウォータールーオープン制覇でキャリア6勝目!
新たな名で、新たな一歩を刻む
プロ女子ボウリング界において常に注目を集めてきたジョーダン・スノッドグラス(旧姓:ジョーダン・リチャード)が、2025年のPWBAボウラーズ・ジャーナル・ウォータールーオープンで劇的な優勝を果たしました。大会はアイオワ州ウォータールーにあるキャデラックXBCで開催され、スノッドグラスは決勝でコリーン・アカフ(アリゾナ州ツーソン)を227対215で破り、通算6度目のタイトルを獲得しました。
今回の優勝は、彼女にとって結婚後初のツアータイトル。夫でありPBAリージョナル優勝経験を持つフランク・スノッドグラスが見守るなか、キャリアの新章を切り開く記念すべき勝利となりました。
「この数週間の努力が、すべて報われた気がします」
とスノッドグラスは感極まった様子で語りました。
熾烈な戦いを制した3試合のドラマ
◆ ステップラダー初戦:タン vs スミス
大会のステップラダーファイナルは、シンガポールのチェリー・タンとペンシルベニア州のケリー・スミスによる一戦で幕を開けました。試合中、タンは後半5フレーム中3回のオープンフレームを出してしまい、スミスがその隙をついて195対174で勝利。
タン:5位、賞金5,500ドル
◆ 準々決勝:スミス vs ザヴァラ
スミスの次なる対戦相手は、カリフォルニア州ロングビーチ出身のステファニー・ザヴァラ。彼女は前週のPWBAクリーブランドオープンで誕生日優勝を飾ったばかりの勢いある選手です。試合では、スミスが第4・5フレームで連続オープン。その隙を突いたザヴァラがクリーンな222点のゲームでスミスを退けました。
スミス:4位、賞金6,500ドル
◆ 準決勝:スノッドグラス vs ザヴァラ
第2シードのスノッドグラスは、準決勝でザヴァラと対戦。序盤はザヴァラがターキー(3連続ストライク)でリードし、スノッドグラスは第4フレームでオープンする厳しい展開。しかしその後、スノッドグラスは3フレームで3つのストライクを重ねる巻き返しを見せ、ザヴァラが7フレームで10ピンをミスした隙に逆転。
「我慢強くプレーすれば、必ずチャンスは来る」
その信念を体現するような試合運びでした。
最終フレームではスノッドグラスがダブル(連続ストライク)で締めくくり222点、ザヴァラは203点で敗退しました。
ザヴァラ:3位、賞金7,500ドル
◆ 決勝:スノッドグラス vs アカフ
ファイナルマッチでは、2度のパーフェクトゲームをこの大会中に達成した実力者コリーン・アカフとの対決となりました。試合序盤から両者一歩も譲らず、第6・7フレームで両者ともダブルを記録し、緊迫した展開が続きます。
勝敗の分かれ目は第8フレーム。スノッドグラスがプレッシャーの中でストライクを決めたのに対し、アカフはやや薄めに入り2-4-8のコンボを残す形に。アカフはそれをカバーしたものの、次のフレームで10ピンが倒れきらず、流れを引き寄せきれませんでした。
「プレッシャーの中でストライクを出せるかどうか。それがタイトルを左右する」
スノッドグラスは連続シングルピンスペアと最終フレームのストライクで227点をマークし、試合を締めくくりました。
スノッドグラス:優勝、賞金2万ドル
アカフ:準優勝、賞金1万ドル
■ 復活の兆しと次なる目標「メジャータイトル」
スノッドグラスにとって、今回の勝利はただのひとつのトロフィーではありません。2023年には年間3勝を挙げるも、2024年は一度も優勝できないという苦しいシーズンを経験。心が折れそうになる時期もあった中で、今回の勝利は大きな意味を持ちます。
「勝てないことが自分を否定するものじゃない。私は私。そう思い出せたことで、心が軽くなった」
この勝利は、彼女にとって再出発の象徴であり、今後のシーズンへの弾みとなる大きな一歩です。
目下の目標はただ一つ――「メジャータイトルの獲得」。6月10日からネブラスカ州リンカーンで開催される「US女子オープン」では、シーズン2度目のメジャー大会が行われます。
「この2週間、自分でも納得できるプレーができている。あとはそれを続けるだけ」
■ 最後に
すべての試合はBowlTVにてライブ配信され、スノッドグラスの復活劇を多くのファンが目撃しました。詳細はPWBA公式サイトをご覧ください。
次なる戦いに向け、ジョーダン・スノッドグラスの物語はまだ始まったばかりです。