ジョン・ジャナウィッツが首位独走
PBA50プレイヤーズ選手権で見せる“準備と決断力”

熟練の戦略と安定感が際立つ2025年PBA50プレイヤーズ選手権

2025年の「バド・ムーア PBA50プレイヤーズ選手権」は、50歳以上のプロボウラーたちが集い、熟練の技と戦略をぶつけ合う名誉ある大会です。中でも注目を集めているのが、前年度王者のジョン・ジャナウィッツ。彼は今大会の予選ラウンドにおいて、圧倒的な安定感と精度の高い投球で他選手を大きくリードしています。

月曜日の競技では、全6ゲームで1ゲーム平均238.67という驚異的なスコアを記録し、累計スコアは4,435ピン(+835)。最高スコアは289ピンに達し、全18ゲームで1度も200ピンを下回るゲームがないというハイレベルな成績を残しています。まさに“別次元のボウリング”とも言える内容で、堂々たる首位を維持しています。

 

63個のボールと3つのプラン―徹底した準備が支える強さの秘密

ジョン・ジャナウィッツの強さの背景には、単なる実力だけではなく、徹底した準備と柔軟な戦略があります。彼の車には現在63個ものボウリングボールが搭載されており、あらゆるレーンコンディションに対応するための“武器庫”として機能しています。

「出発前に多くのボールの素材や構造を見直したけれど、ほとんど試投できなかった。だから、今回はすべて持ち込んで感触を確認する必要があった」と彼は語ります。「古いボールもいくつか残っていたし、既に12個は使用対象から外した。でも、持ちすぎると逆に判断が難しくなることもあるんです。」

この発言からも分かるように、彼の投球には常に“見えない準備”が存在しています。使うボールの選定だけでなく、コンディションの変化を見越した戦略プランも用意されています。火曜日から始まるラウンドロビン形式のマッチプレーに向けては、「プランA、B、C」の3通りのシナリオを想定し、適切なタイミングでの切り替えができるよう備えているとのことです。

さらに彼は、マッチプレー形式では1勝ごとに30ピンのボーナスが加算されるため、スタートダッシュの重要性を強調しています。

「このフォーマットではリードはあっという間に消える可能性がある。だからこそ、序盤の勢いが非常に大事なんです。最後の24ゲームまで集中を切らさず正しい判断と正確な投球を続けたい」と冷静に意気込みを語っています。

 

【予選後半の動き】モナチェリが猛追、白熱の予選通過争い

ジャナウィッツが首位を独走する一方、2位に浮上したのはレジェンド・ボウラーのアムレト・モナチェリ。彼は月曜日の後半に怒涛の巻き返しを見せ、6ゲームで300、224、196、237、278、195というスコアを記録。トータルで+230を加算し、4,262ピン(+662)で2位に浮上しました。

その後にはマイケル・ハウゲン Jr.(+615)、トム・ヘス(+549)、トム・アドコック(+546)と続き、ベテラン勢のハイレベルな争いが続いています。

特に注目されたのは、予選通過ラインである24位の争いです。ブラッド・アンジェロ、ジョー・チャイアク、カールトン・チェンバースの3名が+262で並び、最終的に1ゲームのプレーオフが実施されました。この直接対決では、チェンバースが後半に8連続ストライクを放ち、248ピンで勝利。チャイアクの247ピン、アンジェロの205ピンを抑え、見事に本戦進出を決めました

このように、わずか1ピンの差が勝敗を分ける緊張感の中、ボウラーたちは高度な集中力と技術を求められています

 

【今後のスケジュール】ラウンドロビンと決勝が熱い戦いの舞台に

大会は火曜日から2日間に渡って、計24ゲームのラウンドロビン形式マッチプレーが行われます。

  • 火曜日:午前9時から第1ブロック(8ゲーム)、午後3時から第2ブロック(8ゲーム)

  • 水曜日:午前9時から第3ブロック(最終8ゲーム)

これらの結果に基づき、上位5名が水曜日午後7時から行われる「ステップラダー決勝」に進出します。なお、決勝戦は大会スポンサーであるビル・ムーア氏の自宅を会場に実施される予定で、特別な舞台での頂上決戦となります。

大会の模様は、ボウリング専門の配信サービス「BowlTV」にてライブ配信されるため、ファンは全世界からリアルタイムで熱戦を観戦することが可能です。

 

連覇を狙うジャナウィッツか、逆転のドラマか―勝負はこれから

ここまで圧倒的な成績を見せてきたジョン・ジャナウィッツですが、本人も語るように「まだ何も決まっていない」。残る24ゲーム、そして勝者が一人しか生まれない決勝トーナメントを経て、真の王者が決まります

予選を通じて見えたのは、単なる実力差ではなく、「準備の深さ」と「状況に応じた判断力」が勝敗を左右するという事実。ジャナウィッツが再び頂点に立つのか、それともベテランたちが意地の逆転劇を見せるのか

PBA50を象徴するこの大会から、目が離せません。

 

【現在のトップ10(予選終了時点)】

順位選手名総スコア(+)
1位ジョン・ジャナウィッツ4,435(+835)
2位アムレト・モナチェリ4,262(+662)
3位マイケル・ハウゲン Jr.4,215(+615)
4位トム・ヘス4,149(+549)
5位トム・アドコック4,146(+546)
6位ディノ・カスティーヨ4,078(+478)
7位マリオ・キンテロ4,058(+458)
8位ブライアン・デニス4,046(+446)
9位ジャック・ジュレク4,033(+433)
10位マイケル・ハギット4,018(+418)