ジョン・ジャナウィッツ、圧巻のボウリングで首位独走中

注目のPBA50選手権、ベテラン勢が火花を散らす

ボウリング界のベテランたちがしのぎを削る「Bud Moore PBA50 Players Championship」が、2025年も熱気を帯びて進行している。PBA50ツアーとは、50歳以上のボウラーが参加できるツアーであり、PBA(プロボウラーズ・アソシエーション)が主催するトップレベルの競技会のひとつだ。

12ゲームにわたる予選ラウンドの2日目が終了し、首位に立っているのは昨年王者のジョン・ジャナウィッツ(John Janawicz)。2位にはマイケル・ホーゲン・ジュニア(Michael Haugen Jr.)が続いており、この2人は予選12ゲームすべてでスコアが200点を下回ることがなかったという驚異の安定感を見せている。

今大会は、コンディションの変化に素早く対応できる判断力と、長年の経験を活かした繊細な技術が勝負の鍵を握っている。ジャナウィッツの圧倒的なリードの裏には、まさにその両面の強さが光っていた。

 

ジャナウィッツの快進撃と、追いすがる実力派たち

● ジャナウィッツ、2日間で+603の驚異的スコア

ジョン・ジャナウィッツは日曜日の予選第2ラウンドで、6ゲームのスコアを以下のように記録した。

255、225、257、269、206、254(平均スコア:244.33)

2日間合計では3,003ピン(+603)という驚異のハイスコアで、2位との差を128ピンに広げて首位を独走している。本人は「練習中はしっくり来なかったが、最後の2投でようやく自分のラインが見えた」と振り返る。

また、「周囲より深めのラインを使っていたことで、レーンの変化の影響を受けにくかったのも良かった」と分析。戦略眼と精密な投球技術の融合が、このリードを生み出している。

特に第5ゲームでは苦戦を強いられながらも、終盤に5連続ストライクを決めてスコアを立て直すなど、勝負所での対応力も際立った。

「予想で使ったボールが当たってくれて助かった。最後のゲームでは300も狙えたが、7-10スプリットが出た。でも254にまとめられて満足している」と語るその表情には、冷静さと自信がにじんでいた。

 

● ホーゲン・ジュニア、無欲の戦略で復活の兆し

2位につけるのは、長らくツアータイトルから遠ざかっていたマイケル・ホーゲン・ジュニア。彼のスコアは以下の通りだ。

242、233、255、234、257、203(合計:2,875/+475)

「レーンに立った時点で、前日とほぼ同じくらいオイルが削れていた」と語り、変化への対応には苦戦した様子。それでも、同じ2つのボールを用いてほぼ同じラインを貫き、安定したパフォーマンスを維持した。

今シーズンからは「結果にこだわらず、自分のプレーを楽しむ」ことをテーマにしており、それが功を奏している。開幕戦のフォートマイヤーズ・クラシックでは11位、続くヴィレッジズ・クラシックでは15位と、着実に調子を上げている。

「長年同じ仲間たちと競ってきたが、こうしてまた上位で戦えているのが嬉しい。結果にプレッシャーをかけずに投げることで、かえって良い投球ができている」と語るホーゲン・ジュニア。復活に向けた大きな一歩を刻んでいる。

 

● モナチェリら、ベテランの底力も健在

3位にランクインしているのは、伝説のボウラーであるアムレト・モナチェリ。前回大会では腰と股関節の痛みに悩まされていたが、原因がアプローチ時の一歩にあると気づき、フォームを修正。その結果、より快適に投球できるようになった。

「ボールを手でしっかり感じながら投げられている。痛みを避けるために細部まで意識することで、身体の動きが明確に見えるようになった」と語り、277点のハイスコアも記録している。

また、4位のトム・ヘスはこの日平均243.33を記録し、一気に順位を押し上げた。5位にはトム・アドコック(+360)がつけており、トップ5には経験豊富な選手たちが揃っている。

 

● 今後のスケジュールと注目点

予選は月曜に最終6ゲームが行われる。Cスカッドは午前9時、Aスカッドは12時30分、Bスカッドは午後4時から登場予定。ここで全18ゲームの合計スコアが出揃い、上位24名が火曜と水曜に開催される24ゲームのラウンドロビン・マッチプレーに進出する。

このマッチプレーでは、予選のスコアがそのまま持ち越されるため、現在の順位は今後を大きく左右する重要なものとなる。

 

頂点へ向けて、さらに熾烈な戦いが始まる

ここまでの展開を見る限り、ジョン・ジャナウィッツが頭一つ抜けた存在であることは明白だ。しかし、これから始まる最終予選とマッチプレーでは、ほんのわずかな油断が命取りになりかねない。2位以下の選手たちも実力者ぞろいで、誰が優勝してもおかしくない展開だ。

また、日曜には2024年PBA50ツアーの年間表彰式も行われた。ジョン・ジャナウィッツは「PBA50年間最優秀選手賞」を受賞。「通常のPBAツアーに出たことがない自分が、この賞をいただけたことは非常に光栄で、夢がかなったようだ」と語った。

その他の受賞者は以下の通り:

  • スポーツマンシップ賞:ドナルド・ホーグ

  • PBA60年間最優秀選手賞:ウォルター・レイ・ウィリアムズ・ジュニア

  • PBA50新人賞:ランディ・ワイス

今大会の最終予選とマッチプレーは、BowlTVでライブ配信される予定。ボウリングファンならずとも、世代を超えた真剣勝負の行方に注目してほしい。

 

【予選12ゲーム終了時点 上位10選手】

順位選手名合計スコアボーナス(+)
1位ジョン・ジャナウィッツ3,003+603
2位マイケル・ホーゲン・ジュニア2,875+475
3位アムレト・モナチェリ2,832+432
4位トム・ヘス2,812+412
5位トム・アドコック2,760+360
6位ディノ・カスティーヨ2,744+344
7位ブライアン・ルクレール2,717+317
8位マリオ・キンテロ2,716+316
9位ミカ・コイブニエミ2,712+312
10位トム・ドアティ2,706+306