ジョン・ラコスキー、地元で感動の優勝 
2025年 PBA50 フォートマイヤーズ・クラシック

地元の声援に包まれて

ジョン・ラコスキーが、自身3度目のPBA50ツアータイトルを獲得しました。舞台は彼のホームセンターであるフロリダ州フォートマイヤーズの「ライトニング・ストライクス・ボウル」。家族、友人、地元ファンが見守る中での勝利は、彼にとってまさに「プライスレス(何ものにも代えがたい)」な瞬間となりました。

 

静かな戦士、感情を爆発させた三試合

ジョン・ラコスキーは、これまで「冷静沈着」「淡々と自分の投球を貫く職人型のボウラー」として知られてきました。しかし、2025年PBA50フォートマイヤーズ・クラシックのステップラダー・ファイナルでの彼は、いつもとは違う姿を見せました。3試合を通して見せた圧巻のボウリングと、時折あふれ出た感情の表現が、彼の勝利をよりドラマチックなものにしました。

 

【第1試合】 vs アンドレス・ゴメス:激しい打ち合いを制す

最初の対戦相手は、2024年のPBA50プレーヤー・オブ・ザ・イヤーであるジョン・ジャナウィッツを倒して勝ち上がったアンドレス・ゴメス。試合は序盤から両者が火花を散らす展開に。ゴメスは前半5連続ストライクからスタートし、後半も勢いを維持。一方ラコスキーも負けじと応戦し、7連続ストライクという驚異的な滑り出し。

ゴメスが10フレームで痛恨の2-10スプリットを出してしまい、それが勝敗の分かれ目に。ラコスキーは冷静に対応し、2本のストライクで試合を締めくくり、278-243の高得点勝負を制しました

 

【第2試合】 vs マーク・クラーク:逆境からの覚醒

続く準決勝の相手は、経験豊富なマーク・クラーク。試合序盤、ラコスキーは珍しく不安定な立ち上がりを見せました。10ピンのミスやシングルピンのスペアミスが続き、観客席にも一瞬、緊張感が走ります。

ここで重要な役割を果たしたのが、ボールリペ兼親友のジェフ・ジョンソンです。ジェフはタイムアウトの合間に「呼吸を整えて、リズムを取り戻して、1球1球を丁寧に投げるんだ」とラコスキーに助言。
その言葉が響いたのか、ラコスキーは中盤から信じられない集中力を発揮し、9連続ストライクで試合をひっくり返します

この試合では、珍しくラコスキーがショット後に軽くステップを踏み、ガッツポーズを見せる場面も。冷静な彼のそんな一瞬に、観客は大きな拍手で応えました。
最終スコアは258-221でラコスキーが決勝進出。

 

【決勝戦】 vs ブラッド・アンジェロ:王者を倒した地元の星

決勝の相手は、第1シードで2022年のフォートマイヤーズ・クラシック王者でもあるブラッド・アンジェロ。誰もが手強い相手と認識する存在でしたが、この日のラコスキーには“地元の後押し”という見えない力がありました。

試合開始直後からラコスキーはペースを崩さず、一度もリードを明け渡さない展開。対するアンジェロは、ストライクの合間にフラットな10ピン残りが2度、そして9フレームでのオープンフレーム(スプリット)が致命的となり、スコアを伸ばしきれません。

10フレームの1投目、ラコスキーはストライクを決め、勝利を確信したその瞬間、客席に向かって満面の笑みを浮かべて感謝を示しました
スコアは248-213、堂々たる優勝。

試合後にはこんな言葉を残しました:

「この舞台、この仲間たち、この場所で勝てたこと、それが何よりも嬉しい。ボウリング人生の中で最高の瞬間です。」

 

各試合のハイライト

  • 第1試合: アンドレス・ゴメス vs ジョン・ジャナウィッツ → 257-257のタイ、ロールオフでゴメスが10-9勝利

  • 第2試合: ラコスキー def. ゴメス 278-243(7連続ストライクスタート)

  • 第3試合: ラコスキー def. クラーク 258-221(9連続ストライクで締め)

  • 決勝戦: ラコスキー def. アンジェロ 248-213

 

シーズンの好スタート

「今年の目標は1勝することだった。それを達成できたので、次はシニア・マスターズのタイトル防衛を目指します。」

ジョン・ラコスキーの2025年シーズンは、まさに理想的なスタートとなりました。次戦「PBA50 ザ・ビレッジズ・クラシック」にも大きな期待がかかります。

 

最終順位 – 2025年 PBA50 フォートマイヤーズ・クラシック

順位選手名
1位ジョン・ラコスキー
2位ブラッド・アンジェロ
3位マーク・クラーク
4位アンドレス・ゴメス
5位ジョン・ジャナウィッツ