ベルモンテ10連発の衝撃
主将対決が決めた PBA USA vs. The World の行方
コロンバスで止まらない「世界の支配」――PBA USA vs. The World、3年連続でワールドが勝利
ボウリングの国際対抗戦「PBA USA vs. The World」で、今年も“世界選抜”がアメリカ代表を上回った。舞台はオハイオ州コロンバスのコロンバス・スクエア・ボウリング・パレス。主将ジェイソン・ベルモンテが4試合中3試合で勝利に絡み、ワールドを3年連続の総合勝利へ導いた。
このイベントの面白さは、実力伯仲のスター同士が短期決戦で激突し、一本のミスや一度の波が勝敗を左右する点にある。序盤に主導権を握っても、終盤の数投で景色が変わる。今回のコロンバスでも、その“短期決戦の残酷さと美しさ”が凝縮された
勝負の分岐点は3つ――「主将対決の10連発」「チーム戦のノーミス」「終盤の伸び」
1)第1試合(シングルス):ベルモンテが“10連発”で主将対決を奪取
最初の山場は、いきなり訪れた主将同士の直接対決だ。EJ・タケットは立ち上がりから完璧に近い内容で、開始から5連続ストライク。対するベルモンテは2フレーム目にオープンフレームを喫し、早い段階で後手に回る。
ところが、ここからベルモンテが試合を“ひっくり返す”のではなく“奪い返す”。修正を終えると、そこから10連続ストライクで一気に主導権を掌握。スコアは268。序盤のビハインドを、連打の圧で塗りつぶした。
タケットも粘り、10フレーム目にダブルを揃えれば勝利という局面まで持ち込む。しかもその「最終フレームのダブル要求」は、彼が過去の大舞台でベルモンテを下した際にも現れた“勝ち筋”だった。しかし今回は9ピンに阻まれ、あと一本が届かない。短期決戦の象徴のような結末で、ワールドが先制点を奪った。
結果:ベルモンテ 268 – タケット 258(ワールド先勝)
2)第2試合(ダブルス):USAが意地の1勝、最終フレームの連打が救った
続くダブルスでは、USAのアンソニー・サイモンセン&イーサン・フィオーレが、ワールドのイェスパー・スベンソン&グラハム・ファッハを220-210で下し、対戦成績を1勝1敗に戻した。
焦点は“右レーンの難しさ”だった。ファッハとフィオーレがともに右レーンでリズムを掴みにくい中、勝敗を決めたのは終盤の勝負強さ。サイモンセンが最終フレームで2つのストライクをまとめ、僅差を押し切った。大差で勝つのではなく、接戦を取り切る――この1勝が、チーム戦に向けてUSAに最低限の流れを残した。
結果:フィオーレ/サイモンセン 220 – スベンソン/ファッハ 210(USAがタイに戻す)
3)第3試合(チーム):ワールドが“クリーン”を貫き、条件付きの重圧を植え付ける
第3試合は、4人がフレームごとに交代で投球するチームゲーム。ここでワールドが235-202と33ピン差をつけ、シリーズの空気が一段階変わった。
チーム戦は、派手なストライク以上に「オープンを出さない」ことが重要になる。USA側はタケットとアンドリュー・アンダーソンにオープンフレームが出たのに対し、ワールドはクリーンにまとめてミスを最小化した。“崩れないチーム”が、着実に差を広げた格好だ。
さらにこの33ピン差は、単なる勝ち点以上の意味を持つ。総合スコアがタイブレークになり得るため、USAは最終戦で勝つだけでは不十分となった。必要なのは「最終戦を勝利し、なおかつ34ピン以上の差をつける」こと。第3試合の点差が、そのまま最終戦に“条件付きの重圧”として残った。
結果:ワールド 235 – USA 202(ワールドが大きく前進)
4)第4試合(チーム):4連続ストライクの好発進も、スプリットが勢いを断つ
最終のチームゲームで、USAは開始から4連続ストライク。必要条件(34ピン以上の勝利)を考えれば、理想的と言えるスタートだった。ところが、短期決戦は“理想”が長く続かない。
5フレーム目、サイモンセンがポケットに入れながら7-9スプリットという厳しい割れ方を引き、そこから空気が変わる。勢いが削がれたチーム戦は、取り戻すまでに時間がかかる。8フレーム目にはタケットが7ピン残しとなり、追い上げの希望が薄くなった。
一方のワールドは、ここからが強かった。終盤で11投中9投ストライクという高い決定力で逃げ切り、244-232で第4試合も制して総合勝利を確定。勝利が決まった後の12投目は、ドム・バレットの息子コルビー・バレットが投球し、チームの節目を飾った。
結果:ワールド 244 – USA 232(ワールドが総合勝利を決める)
“一本のミスを消す力”と“終盤に伸びる総合力”――ワールド3連勝の必然
最終結果は総合957-912でワールドが勝利。3年連続で世界選抜が頂点に立った。ハイライトはベルモンテの10連続ストライクだが、シリーズ全体の勝敗を分けた本質は、チーム戦でのクリーンさと終盤の決定力にある。USAは第4試合で理想的なスタートを切ったにもかかわらず、スプリットやピン残りが連鎖して勢いを失った。ワールドは逆に、ミスを最小限に抑え、勝負どころでストライクを積み上げた。
この熱戦の直後、PBAシーズンは「ピルグリムズ PBA オハイオ・クラシック」決勝へ続く。ステップラダー決勝にはタケットとトップシードのライアン・バーンズが名を連ね、4月5日(日)午後4時(東部時間)に放送予定とされている。国際戦で届かなかった“あと一本”を、次の舞台でどう回収するのか。ワールドが示した「崩れない強さ」に対し、USA勢がどんな答えを持ち込むのか。次戦もまた、最後の数投が物語を決める。
試合結果(まとめ)
- 第1試合(シングルス):ベルモンテ 268 – タケット 258
- 第2試合(ダブルス):フィオーレ/サイモンセン 220 – スベンソン/ファッハ 210
- 第3試合(チーム):ワールド 235 – USA 202
- 第4試合(チーム):ワールド 244 – USA 232
- 総合:ワールド 957 – USA 912
最終メンバー/賞金
- ワールド:ジェイソン・ベルモンテ(主将)、ドム・バレット、イェスパー・スベンソン、グラハム・ファッハ(各15,000ドル)
- USA:EJ・タケット(主将)、アンドリュー・アンダーソン、イーサン・フィオーレ、アンソニー・サイモンセン(各7,500ドル)