王者の帰還と頂点への挑戦
HANDA CUP 第59回全日本プロボウリング選手権大会
歴史ある「全日本」、激闘の3日間を振り返る
2025年12月18日から20日までの3日間、埼玉県・新狭山グランドボウルにて「HANDA CUP 第59回全日本プロボウリング選手権大会」が開催されました。今年は天候に恵まれ、寒さが増す中にもかかわらず、多くの観客が熱戦を見守りました。
男子大会では、5種類の異なるオイルパターンが採用され、JPBA史上でも最高難度と言われる構成に。30フィートから始まり、最終日には42フィートのミディアムパターンと、多彩なコンディションが選手たちの対応力を試しました。
この大会で激闘を繰り広げた96名のプロボウラーたち。準決勝を勝ち抜き、栄光の決勝ステップラダーに駒を進めたのは以下の4名です。
内藤広人(1位通過・株式会社ソシオジャパン)
川添奨太(2位通過・ハイ・スポーツ社)
井口遼太(3位通過・MOTIV Bowling Products)
斎藤祐太(4位通過・株式会社ボウルスター)
栄冠をめぐる一投一投の攻防
4位決定戦:齋藤 vs 井口、わずか1ピン差の死闘
大会最初の注目試合は4位通過・斎藤祐太と3位通過・井口遼太による対戦。互いにストライクとスペアを重ねる接戦の中、最終フレームで勝敗が決まらず、同点に。1投によるプレーオフで井口が10ピンを残し、斎藤がストライクを決めて勝利しました。
3位決定戦:川添、貫録の投球で決勝進出
続いて2位通過・川添奨太と、勝ち上がった斎藤祐太の一戦。序盤から川添がリードを奪い、ターキーと4thを続けて優勢に進行。斎藤も粘りを見せたものの、川添の終盤のストライクラッシュには追いつけず、川添が238対216で勝利しました。
優勝決定戦:王者内藤 vs 川添、歴史に残る大逆転劇
今季好調を維持し、予選から首位を守ってきた内藤広人と、全日本6勝の実績を持つ川添奨太の頂上決戦。内藤は序盤からダブル、ターキーと連続ストライクで先行。対する川添は中盤から反撃に転じ、10フレームでストライクを決め、スコア237対229で勝利をものにしました。
再優勝決定戦:運命を分けた終盤の精度
決勝ステップラダーでは、1位通過の内藤が敗れた場合、再優勝決定戦が行われます。この再戦でも川添が安定した投球を見せ、途中からターキーを含むストライクラッシュでリード。内藤も応戦したものの、川添が256対229で勝利。通算7度目の全日本制覇を果たしました。
川添奨太、男子最多となる全日本7勝目達成
今回の大会を制したのは、福岡県出身・49期生の川添奨太。これで全日本プロボウリング選手権では男子歴代最多の7勝目、通算23勝目という偉業を達成しました。この勝利により、川添は今シーズンの賞金ランキングでも上位に名を連ね、再び“勝負強さ”を証明した形となりました。
また、大会を通しては予選から準決勝まで36ゲームという過酷なスケジュールの中で、各選手が持てる技術と精神力をぶつけ合いました。難易度の高いオイルパターンの攻略に苦しみながらも、力強い投球を見せた全出場者に拍手を送りたいと思います。
【大会概要】
大会名:HANDA CUP 第59回全日本プロボウリング選手権大会
日程:2025年12月18日(木)~20日(土)
会場:新狭山グランドボウル(埼玉県狭山市)
出場者数:96名
賞金総額:900万円(優勝賞金250万円)
優勝者:川添奨太(ハイ・スポーツ社)
優勝ボール:IQツアーA.I.(STORM)、フィジックス・エラ(STORM)